35 / 173
前編
業火
しおりを挟む
綺夜羅たちは6人で背を向け合い、囲まれながらもなんとかまだ戦っていた。
しかしそれはこの圧倒的な人数の差に対する苦肉の策で、押されていることに変わりはなく、どんどん消耗させられていく。
『もういい!やめろ!』
再び白桐優子が怒鳴り声をあげると学ラン女たちは手を止めた。
『これで分かっただろ!これ以上やってもお前らなんかに勝ち目はない。これで見逃してやるから消えろ。そしてもう2度と目の前に現れるな。行け』
『勝ち目があろうがなかろうがそんなこたどーだっていいんだ。めぐと珠凛に謝れ。こいつらが納得いく答えを出してやれよ!』
綺夜羅は尚も優子に噛みついた。このまま退く気など微塵もない。
『アラアラソウチョウ。コレハノリコミカケラレテルッテコト?Ahaha。サイキンノガキハホンットニゲンキガイインダネェ』
そこにアジラナと連れられた愛羽たちが到着した。
『あれ?綺夜羅ちゃん?』
愛羽たちは全く状況が理解できなかったがアジラナは綺夜羅たちの方へ向かって走りだした。
『よせ!アジラナ!』
優子が止めるのも聞かずあっという間に目の前まで来ると全体重を乗せたアジラナの拳が綺夜羅の顔面をとらえた。
不意打ちではあったが、まるで車にでもはねられたかのように綺夜羅はふっとび転がっていった。
殴られた本人が1番驚いたに違いない。
『綺夜羅!』
『綺夜羅ちゃん!』
掠も愛羽も名前を呼んだが反応はなく、すぐには起き上がらなかった。
『アジラナ!こいつらはもうこれで帰すとこなんだ。これ以上話をややこしくするな!』
『ツメタイイイカタスルネ。ソウチョウガナメラレナイヨウニスルノガワタシノシゴトナンダヨ。ソレトモナニカ?コイツラブッコロシタクナイリユウデモアルノ?』
優子は舌打ちした。
『…そんなものねぇよ。けどあたしらの敵はこんなガキ共じゃないだろうが。こんな大人数でたった6人相手にして何が楽しいんだ。あたしはこういうのが嫌いなだけだ』
アジラナは小さく笑うと愛羽たちを指差した。
『ソレヨリ、オマエニオキャクサンダヨ。オトモダチノオニオトヒメダッテサ』
『…は?』
優子がそれを聞いて明らかに動揺したのを見てアジラナは狂喜に満ち溢れた顔をした。
『…誰だ…あいつら…』
もちろん優子は愛羽たちのことなど知らない。
だがアジラナが友達の鬼音姫という言葉を強調したので、その場は微妙な雰囲気になってしまった。
だがその直後、事態は更に悪化する。
気づくと綺夜羅がアジラナの前に立っていた。
掠たちや、愛羽が無事を喜んだのも束の間、次に誰が何を言うよりも早くフルスイングした。
『おぉーべぇーかぁぁぁ!!』
綺夜羅も渾身のパンチをアジラナの顔面に打ち返した。
先程の綺夜羅ほどではないがアジラナも殴り飛ばされ尻もちをついた。
『マリアさん!』
学ラン女たちが駆け寄る中、アジラナは殴られた頬の辺りを手でさすりながら静かに立った。
『オイユーコ!コイツラテキッテコトデイイナ?ココマデサレテタダデカエスナンテワタシハデキナイゾ』
アジラナは怒りに顔を歪ませ震えていた。
『ソレデモマダコノガキドモノカタヲモツナラ、ソレハモンダイトシテカンブカイデアゲサセテモラウ』
『それはお前の勝手だがな、総長であるあたしの決定に従わない時点でお前もその対象だぞ』
『フフフ、イツマデモオマエノオモイドオリニイクトオモッテルナラオオマチガイダ』
『なんだと?』
やはり優子とアジラナの間には明らかな確執があるようだ。
『Hahaha。イイカガキドモ!オマエラハキョウカラアタシタチCRSノテキタイグループダ。ハジョ、ヤシャネコ、アシュラジョウニクワエテオマエラ6ニンモテキタイニンテイシタ。ノウノウトタンシャナンテノッテヤガッタヒニハヒキコロスカラナ』
『C…RS?』
旋も珠凛も耳を疑った。3年前優子が話してくれたそのチームはすでに2人の知らない所で現実のものとなっていた。
『アヤマッテドゲザスルナライマノウチダヨ。マ、ワタシハモウユルサナイケドネ』
『奇遇だな』
『Ha?』
『あたしもそう思うよ。CRSだかCRCだか知らねーけどな、あたしはあいつにめぐと珠凛に謝れって言ってんだ!それがそんなにできねぇってんならいいよ、やってやるよ。てめーら全員ぶっとばしてでもゼッテー2人に謝らせてやるよ!』
『ハハ!タッタ6ニンデカ?デカイクチタタクノモタイガイニシトケヨガキィ!』
アジラナは段々とまたその顔を怒りで歪ませた。
『ヨーシキメタ。ツギヲマタズオマエタチハイマココデブッコロス。コウカイショケイダ!』
『上等だっバッカヤロー!!』
そんな中、麗桜は優子のすぐ目の前まで歩み寄っていた。
『あんたが優子さんかい?俺たち樹さんの友達なんだけど、もしよかったらあの人に会ってあげてくれないか?樹さん、あんたのこと心配してるぜ?』
(樹…)
優子はかつての相棒のことを一瞬思い出してしまった。
『じゃあお前が樹に伝えてやれ。心配なんていらない。話すことも何もない。お前も何があってもあたしに関わるなとな』
『なんだって!?』
麗桜はあまりの言葉に思わず大きな声になってしまった。
『ちょっと!そんなこと言える訳ないじゃない!あの人は今でもちゃんとあんたとの約束覚えてんのよ!?お互い神奈川で1番カッコいいチーム作るって言ったんでしょ!?あたしが言うのもなんだけどね、バカでお調子者でヘラヘラしてるけど、あの人はその約束守ってカッコよく生きてるわよ。その樹さんにそんなひどいこと言える訳ないでしょ!』
珍しく蓮華が怒っている。いや、怒るのは珍しくないかもしれないが普段ならこんなに大勢の不良たちを目の前にして決して前に出てくる方ではない。
『あ~バッカみたい!来なきゃよかった。話し聞いてきたからどんだけカッコいい人なのかと思ってたのにガッカリ。樹さんがかわいそうだわ』
蓮華が言いたいだけ言うと優子の手が蓮華の胸ぐらをつかんだ。ここまで揉め事に消極的だった彼女が初めて怒りの表情を見せた。
『お前らなんかに…』
蓮華を殴りつけようとしたその手を横から麗桜がつかんで止めた。
『やめろよ。蓮華は間違ったこと言っちゃいないだろ』
その目はしっかりと自分の目を見ていた。
麗桜が優子を止めたのを見て愛羽と玲璃が優子の少し手前で着地して息をついた。
おそらく飛び蹴りに来るつもりだったのだろう。
少し離れた所から蘭菜も風雅も優子のことをじっと見ていた。
自分がCRSの総長だということを聞いていなかった訳ではないはずだ。
綺夜羅たちが今100人近くの人間に囲まれている状況だって見て分かるだろう。
なのにどうだ。
この少女たちはそんなことなどお構いなしにかかってこようとする。
その真っ直ぐな眼差しは優子の心に刺さるようだった。
ここに突然現れた、まだ自分より若い少女たちを見て何を思ったのか優子は蓮華から手を放した。
それから間もなく通報からパトカーが3台サイレンを鳴らし赤色灯(赤灯)を回しながら学校に入ってきた。
優子が学ラン女たち全員に即校舎に戻るよう命令すると女たちは今度こそ一斉に戻っていった。
ただ1人残ったアジラナと綺夜羅は警察に止められながらも最後までにらみ合っていた。
『ガキィ!マッポニビビッテナイデハヤクカカッテコイ!』
『やってやるよアメリカヤロー!関係ねーからテメーがかかってきやがれ!』
『コラ!もうやめなさい!』
警察に立ち去るよう言われ他のメンバーにも引っ張られていき一同はとりあえず場所を移した。
しかしそれはこの圧倒的な人数の差に対する苦肉の策で、押されていることに変わりはなく、どんどん消耗させられていく。
『もういい!やめろ!』
再び白桐優子が怒鳴り声をあげると学ラン女たちは手を止めた。
『これで分かっただろ!これ以上やってもお前らなんかに勝ち目はない。これで見逃してやるから消えろ。そしてもう2度と目の前に現れるな。行け』
『勝ち目があろうがなかろうがそんなこたどーだっていいんだ。めぐと珠凛に謝れ。こいつらが納得いく答えを出してやれよ!』
綺夜羅は尚も優子に噛みついた。このまま退く気など微塵もない。
『アラアラソウチョウ。コレハノリコミカケラレテルッテコト?Ahaha。サイキンノガキハホンットニゲンキガイインダネェ』
そこにアジラナと連れられた愛羽たちが到着した。
『あれ?綺夜羅ちゃん?』
愛羽たちは全く状況が理解できなかったがアジラナは綺夜羅たちの方へ向かって走りだした。
『よせ!アジラナ!』
優子が止めるのも聞かずあっという間に目の前まで来ると全体重を乗せたアジラナの拳が綺夜羅の顔面をとらえた。
不意打ちではあったが、まるで車にでもはねられたかのように綺夜羅はふっとび転がっていった。
殴られた本人が1番驚いたに違いない。
『綺夜羅!』
『綺夜羅ちゃん!』
掠も愛羽も名前を呼んだが反応はなく、すぐには起き上がらなかった。
『アジラナ!こいつらはもうこれで帰すとこなんだ。これ以上話をややこしくするな!』
『ツメタイイイカタスルネ。ソウチョウガナメラレナイヨウニスルノガワタシノシゴトナンダヨ。ソレトモナニカ?コイツラブッコロシタクナイリユウデモアルノ?』
優子は舌打ちした。
『…そんなものねぇよ。けどあたしらの敵はこんなガキ共じゃないだろうが。こんな大人数でたった6人相手にして何が楽しいんだ。あたしはこういうのが嫌いなだけだ』
アジラナは小さく笑うと愛羽たちを指差した。
『ソレヨリ、オマエニオキャクサンダヨ。オトモダチノオニオトヒメダッテサ』
『…は?』
優子がそれを聞いて明らかに動揺したのを見てアジラナは狂喜に満ち溢れた顔をした。
『…誰だ…あいつら…』
もちろん優子は愛羽たちのことなど知らない。
だがアジラナが友達の鬼音姫という言葉を強調したので、その場は微妙な雰囲気になってしまった。
だがその直後、事態は更に悪化する。
気づくと綺夜羅がアジラナの前に立っていた。
掠たちや、愛羽が無事を喜んだのも束の間、次に誰が何を言うよりも早くフルスイングした。
『おぉーべぇーかぁぁぁ!!』
綺夜羅も渾身のパンチをアジラナの顔面に打ち返した。
先程の綺夜羅ほどではないがアジラナも殴り飛ばされ尻もちをついた。
『マリアさん!』
学ラン女たちが駆け寄る中、アジラナは殴られた頬の辺りを手でさすりながら静かに立った。
『オイユーコ!コイツラテキッテコトデイイナ?ココマデサレテタダデカエスナンテワタシハデキナイゾ』
アジラナは怒りに顔を歪ませ震えていた。
『ソレデモマダコノガキドモノカタヲモツナラ、ソレハモンダイトシテカンブカイデアゲサセテモラウ』
『それはお前の勝手だがな、総長であるあたしの決定に従わない時点でお前もその対象だぞ』
『フフフ、イツマデモオマエノオモイドオリニイクトオモッテルナラオオマチガイダ』
『なんだと?』
やはり優子とアジラナの間には明らかな確執があるようだ。
『Hahaha。イイカガキドモ!オマエラハキョウカラアタシタチCRSノテキタイグループダ。ハジョ、ヤシャネコ、アシュラジョウニクワエテオマエラ6ニンモテキタイニンテイシタ。ノウノウトタンシャナンテノッテヤガッタヒニハヒキコロスカラナ』
『C…RS?』
旋も珠凛も耳を疑った。3年前優子が話してくれたそのチームはすでに2人の知らない所で現実のものとなっていた。
『アヤマッテドゲザスルナライマノウチダヨ。マ、ワタシハモウユルサナイケドネ』
『奇遇だな』
『Ha?』
『あたしもそう思うよ。CRSだかCRCだか知らねーけどな、あたしはあいつにめぐと珠凛に謝れって言ってんだ!それがそんなにできねぇってんならいいよ、やってやるよ。てめーら全員ぶっとばしてでもゼッテー2人に謝らせてやるよ!』
『ハハ!タッタ6ニンデカ?デカイクチタタクノモタイガイニシトケヨガキィ!』
アジラナは段々とまたその顔を怒りで歪ませた。
『ヨーシキメタ。ツギヲマタズオマエタチハイマココデブッコロス。コウカイショケイダ!』
『上等だっバッカヤロー!!』
そんな中、麗桜は優子のすぐ目の前まで歩み寄っていた。
『あんたが優子さんかい?俺たち樹さんの友達なんだけど、もしよかったらあの人に会ってあげてくれないか?樹さん、あんたのこと心配してるぜ?』
(樹…)
優子はかつての相棒のことを一瞬思い出してしまった。
『じゃあお前が樹に伝えてやれ。心配なんていらない。話すことも何もない。お前も何があってもあたしに関わるなとな』
『なんだって!?』
麗桜はあまりの言葉に思わず大きな声になってしまった。
『ちょっと!そんなこと言える訳ないじゃない!あの人は今でもちゃんとあんたとの約束覚えてんのよ!?お互い神奈川で1番カッコいいチーム作るって言ったんでしょ!?あたしが言うのもなんだけどね、バカでお調子者でヘラヘラしてるけど、あの人はその約束守ってカッコよく生きてるわよ。その樹さんにそんなひどいこと言える訳ないでしょ!』
珍しく蓮華が怒っている。いや、怒るのは珍しくないかもしれないが普段ならこんなに大勢の不良たちを目の前にして決して前に出てくる方ではない。
『あ~バッカみたい!来なきゃよかった。話し聞いてきたからどんだけカッコいい人なのかと思ってたのにガッカリ。樹さんがかわいそうだわ』
蓮華が言いたいだけ言うと優子の手が蓮華の胸ぐらをつかんだ。ここまで揉め事に消極的だった彼女が初めて怒りの表情を見せた。
『お前らなんかに…』
蓮華を殴りつけようとしたその手を横から麗桜がつかんで止めた。
『やめろよ。蓮華は間違ったこと言っちゃいないだろ』
その目はしっかりと自分の目を見ていた。
麗桜が優子を止めたのを見て愛羽と玲璃が優子の少し手前で着地して息をついた。
おそらく飛び蹴りに来るつもりだったのだろう。
少し離れた所から蘭菜も風雅も優子のことをじっと見ていた。
自分がCRSの総長だということを聞いていなかった訳ではないはずだ。
綺夜羅たちが今100人近くの人間に囲まれている状況だって見て分かるだろう。
なのにどうだ。
この少女たちはそんなことなどお構いなしにかかってこようとする。
その真っ直ぐな眼差しは優子の心に刺さるようだった。
ここに突然現れた、まだ自分より若い少女たちを見て何を思ったのか優子は蓮華から手を放した。
それから間もなく通報からパトカーが3台サイレンを鳴らし赤色灯(赤灯)を回しながら学校に入ってきた。
優子が学ラン女たち全員に即校舎に戻るよう命令すると女たちは今度こそ一斉に戻っていった。
ただ1人残ったアジラナと綺夜羅は警察に止められながらも最後までにらみ合っていた。
『ガキィ!マッポニビビッテナイデハヤクカカッテコイ!』
『やってやるよアメリカヤロー!関係ねーからテメーがかかってきやがれ!』
『コラ!もうやめなさい!』
警察に立ち去るよう言われ他のメンバーにも引っ張られていき一同はとりあえず場所を移した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
暴走♡アイドル ~ヨアケノテンシ~
雪ノ瀬瞬
青春
アイドルになりたい高校1年生。暁愛羽が地元神奈川の小田原で友達と暴走族を結成。
神奈川は横浜、相模原、湘南、小田原の4大暴走族が敵対し合い、そんな中たった数人でチームを旗揚げする。
しかし4大暴走族がにらみ合う中、関東最大の超大型チーム、東京連合の魔の手が神奈川に忍びより、愛羽たちは狩りのターゲットにされてしまう。
そして仲間は1人、また1人と潰されていく。
総員1000人の東京連合に対し愛羽たちはどう戦うのか。
どうすれば大切な仲間を守れるのか。
暴走族とは何か。大切なものは何か。
少女たちが悩み、葛藤した答えは何なのか。
それは読んだ人にしか分からない。
前髪パッツンのポニーテールのチビが強い!
そして飛ぶ、跳ぶ、翔ぶ!
暴走アイドルは出てくるキャラがみんなカッコいいので、きっとアイドルたちがあなたの背中も押してくれると思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
暴走♡アイドル2 ~ヨゾラノナミダ~
雪ノ瀬瞬
青春
夏だ!旅行だ!大阪だ!
暁愛羽は神奈川の暴走族「暴走愛努流」の総長。
関東最大級の東京連合と神奈川4大暴走族や仲間たちと激闘を繰り広げた。
夏休みにバイク屋の娘月下綺夜羅と東京連合の総長雪ノ瀬瞬と共に峠に走りに来ていた愛羽は、大阪から1人で関東へ走りに来ていた謎の少女、風矢咲薇と出会う。
愛羽と綺夜羅はそれぞれ仲間たちと大阪に旅行に行くと咲薇をめぐったトラブルに巻きこまれ、関西で連続暴走族襲撃事件を起こす犯人に綺夜羅が斬られてしまう。
その裏には1人の少女の壮絶な人生が関係していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる