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前編
大人になっても忘れない思い出
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『よし!これでOK』
4人はそれぞれ腕にマジックで相模原一家と書き、それを自分たちの絆として掲げた。
完全に前日見た暴走族の影響だったが、まぁ可愛いものだろう。
『とりあえず食料の調達に行こうぜ!』
必要な物はスーパーやショッピングモールで全て万引きで手に入れ、時季も夏だったので外で過ごすことに何も問題はなく、海を風呂代わりにしていた。
『ねぇ、ところでさぁ…海の水でシャンプーとかして髪とか洗ったことになるの?』
静火は他の3人よりそういう所が気になっていたが樹や優子は平気な顔で言う。
『何言ってんだよ。天然の水なんだから髪にもバッチリだよ』
『静火ぁ。そんなんじゃオッパイ大っきくなんないぞ』
『もぉ…うるさいなぁ』
ちなみに海水で髪や体は普通洗わない。
天然かもしれないが決して綺麗ではないし髪にもおそらく良くはない。
女の子なのだからもう少しその辺は考えてほしい。
『あっ!そうだ!みんなで髪の毛染めない!?』
樹はドラッグストアで万引きしておいたブリーチ剤やヘアカラーを取り出すと早速髪染めに取りかかった。
『えっ!?ねぇ、超痛いんだけど!これ大丈夫!?』
初めてのブリーチ剤はさぞかし痛むだろう。
『くっさ!何この臭い!』
『ねぇ、あたしもう染まった?』
『まだまだ、全然真っ黒』
やがてみんなの頭がカラフルになるとタバコを吸い始め、不良になった気分を味わっていた。
もちろん煙は肺まで入れない。むせるからだ。
それは、学校に行ってパシリにされるより何十倍も何百倍も楽しい生活だった。
朝起きたら海に飛び込む。
それから朝食を盗みに行き、海に戻り食後は釣りをする。
ガスコンロを盗んできたので何でもいいから焼きたいのだ。
だがなかなか釣れないので結局またスーパーに万引きしに行く。
この際なので普段食べられない値段の高いステーキを焼いてみんなで食べ、その後は鍋にチョコレートをたっぷり火にかけ溶かし、スナック菓子にそれを付けて食べる。
つまらなければはしゃげばいい。
横には仲間がいるのだから。
疲れたら寝ればいい。
そしてまた朝あの海に飛び込もう。
そんな贅沢で自由すぎる夢のような生活はわずか半月足らずで呆気なく終わった。
未成年の少女たちがどうやら海にテントを張って住みついているようだと通報されたのだ。
4人は警察に保護され茅ヶ崎の警察署に連れていかれた。
当然のようにみんな親を呼ばれ、順々に迎えが来て帰ることになった。
樹が気にしていたのは優子の親が優子をまたひっぱたくのではないかということだった。
迎えに来た優子の母親になんと言おうかと悩んでいたが、優子の母親はこの前のようにはしなかった。
当然、心配していたに決まっている。
その様子を見て樹は安心していた。
4人はそれぞれ腕にマジックで相模原一家と書き、それを自分たちの絆として掲げた。
完全に前日見た暴走族の影響だったが、まぁ可愛いものだろう。
『とりあえず食料の調達に行こうぜ!』
必要な物はスーパーやショッピングモールで全て万引きで手に入れ、時季も夏だったので外で過ごすことに何も問題はなく、海を風呂代わりにしていた。
『ねぇ、ところでさぁ…海の水でシャンプーとかして髪とか洗ったことになるの?』
静火は他の3人よりそういう所が気になっていたが樹や優子は平気な顔で言う。
『何言ってんだよ。天然の水なんだから髪にもバッチリだよ』
『静火ぁ。そんなんじゃオッパイ大っきくなんないぞ』
『もぉ…うるさいなぁ』
ちなみに海水で髪や体は普通洗わない。
天然かもしれないが決して綺麗ではないし髪にもおそらく良くはない。
女の子なのだからもう少しその辺は考えてほしい。
『あっ!そうだ!みんなで髪の毛染めない!?』
樹はドラッグストアで万引きしておいたブリーチ剤やヘアカラーを取り出すと早速髪染めに取りかかった。
『えっ!?ねぇ、超痛いんだけど!これ大丈夫!?』
初めてのブリーチ剤はさぞかし痛むだろう。
『くっさ!何この臭い!』
『ねぇ、あたしもう染まった?』
『まだまだ、全然真っ黒』
やがてみんなの頭がカラフルになるとタバコを吸い始め、不良になった気分を味わっていた。
もちろん煙は肺まで入れない。むせるからだ。
それは、学校に行ってパシリにされるより何十倍も何百倍も楽しい生活だった。
朝起きたら海に飛び込む。
それから朝食を盗みに行き、海に戻り食後は釣りをする。
ガスコンロを盗んできたので何でもいいから焼きたいのだ。
だがなかなか釣れないので結局またスーパーに万引きしに行く。
この際なので普段食べられない値段の高いステーキを焼いてみんなで食べ、その後は鍋にチョコレートをたっぷり火にかけ溶かし、スナック菓子にそれを付けて食べる。
つまらなければはしゃげばいい。
横には仲間がいるのだから。
疲れたら寝ればいい。
そしてまた朝あの海に飛び込もう。
そんな贅沢で自由すぎる夢のような生活はわずか半月足らずで呆気なく終わった。
未成年の少女たちがどうやら海にテントを張って住みついているようだと通報されたのだ。
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当然のようにみんな親を呼ばれ、順々に迎えが来て帰ることになった。
樹が気にしていたのは優子の親が優子をまたひっぱたくのではないかということだった。
迎えに来た優子の母親になんと言おうかと悩んでいたが、優子の母親はこの前のようにはしなかった。
当然、心配していたに決まっている。
その様子を見て樹は安心していた。
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