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中編

ごめんなさい

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『あっ、もしもし?えっ!?マジで!?おぉ!これで問題解決だ。分かった。大阪着いたらまた連絡ちょーだい!うん。じゃ、待ってるぜ』

 玲璃は瞬から琉花と千歌とすぐに向かいますと連絡を受けていた。

『よぉーし、これで3人目ゲットだ。すぐ来るっつーから、まぁなんとかなんだろ。本人がそれまで持ちこたえてくれればな』

 蓮華と麗桜、そして玲璃のおかげで3人のO型がすぐに向かってくれることになり、掠たちもそれを聞いて少し安心していた。

 掠は玲璃たちの前まで来ると深々と頭を下げた。

『あ…あの…ありがとう。その…この前はごめんなさい』

 ケンカを売りに行った相手にここまで助けられてしまって、よほど心苦しかったのだろう。綺夜羅が心配なのと気まずいのとで精神的に参ってしまっている。

 玲璃はバシッと掠の背中を叩くとそれを見かねて言った。

『謝ってる暇があんなら、みんなで鶴でも折って祈ってやろうぜ。愛羽なら笑ってそう言うぜ。きっとな』

 掠は目にいっぱいの涙を浮かべた。

『うん…折る…』

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