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中編
じゃあそうしよう
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『あれ?掠、こんなこと昔もなかったか?』
『うん。多分あった』
咲薇を引きずり回す何人もの女の前に2人の女が現れた。やってきたのは綺夜羅と掠だ。
咲薇の様子がおかしかったので綺夜羅たちは2人組に別れ、土地勘がない中単車で走り回って探していた。
道をよく知らなかったのが逆に幸いして、たまたまこの工場の前を通り咲薇のCXを見つけたのだ。
『まぁいいや。おい、お前ら。こんなとこで何やってんだよ』
暴走侍の女たちは咲薇をいたぶる手を止め2人に目を向けた。
『なんやお前ら。ここは暴走侍の場所やねんぞ』
『あっそう。で、何やってんだよ』
50人もの人数を見て恐れをなさないその態度が彼女たちの気に触ったようだ。全員で綺夜羅と掠を囲むとにらみつけ威嚇した。
『見たら分かるやろ。今ケジメ取っとんのや!分かったら早よ帰れ』
綺夜羅は手を縛られ地面にうつ伏せになり倒れている咲薇に目をやった。
『あぁ…その子なんだけどよ、あたしと姉妹の盃交わした大事な友達なんだ。もうその辺で勘弁してやってくれよ。もう結構やられてるんだろ?』
咲薇は起き上がれず何が起きているか分からなかったがその声に気づいた。
(この声…綺夜羅か?…なんでここに…)
『ダメや。お前らがどこの誰やろうと邪魔はさせん。首突っ込むんならお前らも容赦せぇへんぞ』
咲薇はボロボロの体でなんとか地面を這い、綺夜羅たちを目で確認した。
『綺夜羅…なんで来たんや…萼、頼む。あたしのケジメや、2人には手ぇ出さんでよ』
だがそんな姿を見て段差に腰かけ足を組んでタバコを吹かしていた萼が嫌みな笑いを見せた。
『なんや咲薇。お友達が助けに来てくれはったんや。素直に喜びや。えぇかお前ら、その2人は敵や。遠慮なく潰せ』
暴走侍たちは2人に詰め寄っていく。
『…なぁ、お前ら。もう1度聞くよ。咲薇を連れて帰らせてくれ、頼むよ』
『しつこいのう、ダメや言うとるやろ。そんなに連れて帰りたいんやったら力ずくで連れて帰ってみろやドアホが!できるもんならな』
綺夜羅は溜め息をつき、そしてニヤリとした。
『…そうか、分かった。あたしもそう思うよ…じゃあ、そうしよう』
言うが早いか綺夜羅は暴走侍の群れの中に飛びこんでいった。当然掠もそれに続いた。
綺夜羅は1番手前の人間につかみかかると一瞬で目、鼻、アゴを強打し、相手がひるむと今度は腹に拳を叩きこんだ。そうして数秒で1人にひざを着かせるとすぐ2人目につかみかかる。
日頃バイクを扱っていて小学校の頃から重い物ばかり持っていた綺夜羅はまず腕力が同年代の子とは違う。
そしてケンカ慣れしていた。2人で10人を相手にケンカなど掠ともう嫌という程繰り返してきた。
どんなに人数がいようと1度に手を出してこれるのはせいぜい3、4人だ。だからその人数と戦うことさえできるようになれば人数にビビることはない。
まずは自分の正面にいる人間から潰していく。横から後ろからの攻撃は受けることなってしまうがそれは仕方ない。
よけながら戦うよりも人数を減らしていかないことにはどうにもならない。つかんだ相手から徹底的にやっつける。
それが綺夜羅と掠の大人数を相手にする時の戦い方だ。
特に掠は完全に相手がダウンするまで噛みついた狂暴な犬のように放さない。しつこくて相手にするのがめんどくさいタイプだ。
『掠ぇ!咲薇を助けんぞ!』
『うん!』
『うん。多分あった』
咲薇を引きずり回す何人もの女の前に2人の女が現れた。やってきたのは綺夜羅と掠だ。
咲薇の様子がおかしかったので綺夜羅たちは2人組に別れ、土地勘がない中単車で走り回って探していた。
道をよく知らなかったのが逆に幸いして、たまたまこの工場の前を通り咲薇のCXを見つけたのだ。
『まぁいいや。おい、お前ら。こんなとこで何やってんだよ』
暴走侍の女たちは咲薇をいたぶる手を止め2人に目を向けた。
『なんやお前ら。ここは暴走侍の場所やねんぞ』
『あっそう。で、何やってんだよ』
50人もの人数を見て恐れをなさないその態度が彼女たちの気に触ったようだ。全員で綺夜羅と掠を囲むとにらみつけ威嚇した。
『見たら分かるやろ。今ケジメ取っとんのや!分かったら早よ帰れ』
綺夜羅は手を縛られ地面にうつ伏せになり倒れている咲薇に目をやった。
『あぁ…その子なんだけどよ、あたしと姉妹の盃交わした大事な友達なんだ。もうその辺で勘弁してやってくれよ。もう結構やられてるんだろ?』
咲薇は起き上がれず何が起きているか分からなかったがその声に気づいた。
(この声…綺夜羅か?…なんでここに…)
『ダメや。お前らがどこの誰やろうと邪魔はさせん。首突っ込むんならお前らも容赦せぇへんぞ』
咲薇はボロボロの体でなんとか地面を這い、綺夜羅たちを目で確認した。
『綺夜羅…なんで来たんや…萼、頼む。あたしのケジメや、2人には手ぇ出さんでよ』
だがそんな姿を見て段差に腰かけ足を組んでタバコを吹かしていた萼が嫌みな笑いを見せた。
『なんや咲薇。お友達が助けに来てくれはったんや。素直に喜びや。えぇかお前ら、その2人は敵や。遠慮なく潰せ』
暴走侍たちは2人に詰め寄っていく。
『…なぁ、お前ら。もう1度聞くよ。咲薇を連れて帰らせてくれ、頼むよ』
『しつこいのう、ダメや言うとるやろ。そんなに連れて帰りたいんやったら力ずくで連れて帰ってみろやドアホが!できるもんならな』
綺夜羅は溜め息をつき、そしてニヤリとした。
『…そうか、分かった。あたしもそう思うよ…じゃあ、そうしよう』
言うが早いか綺夜羅は暴走侍の群れの中に飛びこんでいった。当然掠もそれに続いた。
綺夜羅は1番手前の人間につかみかかると一瞬で目、鼻、アゴを強打し、相手がひるむと今度は腹に拳を叩きこんだ。そうして数秒で1人にひざを着かせるとすぐ2人目につかみかかる。
日頃バイクを扱っていて小学校の頃から重い物ばかり持っていた綺夜羅はまず腕力が同年代の子とは違う。
そしてケンカ慣れしていた。2人で10人を相手にケンカなど掠ともう嫌という程繰り返してきた。
どんなに人数がいようと1度に手を出してこれるのはせいぜい3、4人だ。だからその人数と戦うことさえできるようになれば人数にビビることはない。
まずは自分の正面にいる人間から潰していく。横から後ろからの攻撃は受けることなってしまうがそれは仕方ない。
よけながら戦うよりも人数を減らしていかないことにはどうにもならない。つかんだ相手から徹底的にやっつける。
それが綺夜羅と掠の大人数を相手にする時の戦い方だ。
特に掠は完全に相手がダウンするまで噛みついた狂暴な犬のように放さない。しつこくて相手にするのがめんどくさいタイプだ。
『掠ぇ!咲薇を助けんぞ!』
『うん!』
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