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第一話 そもそも馬鹿にされてる事に気づいてない。
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俺の名前はボッチ・トワニ・ヒトリミーノ。
魔王討伐に一番近いと言われている転生者で構成された魔王討伐に最も近いと言われている最強パーティ、 「漆黒の混沌」のリーダーだ。
いや。 「元」リーダーと言うべきだろう。
昨日、 役に立たないという理由でパーティを追放された。
しかもその内容に全くもって理不尽な点はない。
全て俺の実力不足と浅はかな行動故に生じた結果だ。
だから後悔もなければ未練もない。
あるとすれば元パーティメンバーとパーティに関わっていた人たちに迷惑を掛けた罪悪感だろうか。
俺はボッチ・トワニ・ヒトリミーノ。
職業「足の小指を角にぶつける師」の転生者。
ただのソロ冒険者だ。
「いらっしゃぁい」
俺は酒場に入った。
仕事を貰う為だ。
今までは立派な拠点で寝る事が出来たがもうそうはいかない。
昨夜は「さりげなく侵入してさりげなく元自室で寝る」という作戦が功を奏したおかげで野宿せずに済んだが、 流石に今日以降それは通用しないだろう。
宿にも泊まる為にも金がいるのだ。
今はほとんど手持ちがない。
これは決して追い出される際に奪われた訳でも、 配当する時に理不尽に少なく分けられた訳でもない。
寧ろ俺はリーダーだから多めに貰っていた。
それでも金がないのは、 収入が入る度に余計な出費を重ねていたからだ。 全部自分のせいなのである。
だからソロでも、 仕事を貰わなければいけないのだ。
「おい。 『漆黒の混沌』のボッチだぜ」
「流石は最強パーティのリーダー。 すごい風格だ」
「けっ! お高く止まりやがって」
「しかし一人ってなると噂は......」
酒場にいる大勢の冒険者が俺を見ている。
荒くれ者たちが俺に羨望か嫉妬の眼差しを向けている。
しかしそれは過去の栄光。 なんだか申し訳ない気持ちになった。
一人一人パーティを抜けた事を伝えてやろうとしたが......めんどくさいのでやっぱりやめる。
よくよく考えれば俺には関係ない事だ。
「あれぇ? よく見ればボッチさんじゃん。
なんか装備が貧弱になってて気づかなかったしぃ」
カウンターには給仕服を着た女性がいた。
近づくとそんな声をかけられる。
この人は、 酒場の看板五人姉妹の三女「スリィ」だ。
この酒場はギルドでもあり、 彼女は仕事の依頼の斡旋を担当している。
ピンクの頭髪のツインテールが特徴的だ。
「装備はアツイたちに返した。 そもそもパーティの共有物だったからな」
これは事実だ。 俺はパーティ共有で貯めていたお金でいい装備を買っていた。 職権乱用である。
だからパーティを抜ける時にそれは返却した。 きっと彼らなら有効活用してくれるだろう。
俺が指摘された事について言及すると、 スリィは軽くため息をついた。
「本気で返答しなくてもいいしぃ。 こっちはイジっただけなんだからさぁ」
彼女の口調は、 前世の一昔前のギャルのものに似ている。
軽くてなんだか馬鹿にされてるような印象を受ける。
俺は、 そんな彼女に対して......。
「てか! そういう事は噂は本気って事じゃん! パーティクビになったんだ! ウケるぅ! 」
とてつもなく好感を持っていた。
俺は前世ではギャル好きだったのだ。
そして彼女は物おじせず素直な言葉をぶつけてくれる。 そこもまた好印象だ。
クシィという思い人がいなければ好きになっていたかもしれない。
というか、 もうクシィと別れた今ならワンチャンあるんじゃないだろうか。
「まぁ本当はアツイさんから聞いて知ってたしぃ。 なんか知らないけど、 リーダーがいなくなったって言うのにスッキリした顔してたから印象に残ってたんだよねぇ」
なんと!
この娘、 俺に気を使って気づかないフリをしてくれていたというのか。
凄く優しい子だ。
「あ、 それとぉ。 ギルドに来る人来る人皆にそれ伝えてるからぁ。
だってボッチさん有名人じゃん? いつまでもパーティにいると思われてたら大変でしょ? 」
しかもそんな事まで気を回してくれたというのか!
健気過ぎて涙が出てくる。
「え? 泣いてんの? 超ウケるんですけどぉ! よっぽど悲しかったん......」
「ありがとう! 」
「......は? 」
俺は涙とともに、 感謝の言葉を口にして彼女の手を握った。
たぶん驚いたんだろうな。 表情が強張っている。
今までの俺ならここで話を切り上げていたかもしれない。
でもアツイたちに言われた、 「喋らないから何を考えているか分からない」と。
だから今日から俺は変わる。
思った事はきちんと言葉にしなくては......!
「そんなに気遣ってくれてるなんて嬉しい。 正直一人で心細かった。 でもスリィが声を掛けてくれたから少し心が寂しくなくなった。 それにそんなに気を回してくれてるなんて感激だ。 この場にいる全員に事情を説明しようと思ったが手間が省けた。 全ては俺の為にしてくれたんだろう? 言ってくれたんだろ? 嬉しい。 こんなに嬉しいのは久しぶりだ。 しかもわざとそうやって接してくれて、 俺が気に病まないようにいつも通りでいてくれてるんだろ? なんていい子なんだ。 おかげで俺の心は救われたこれで一人でもやっていけそうだ。 いや一人である必要なんかない。 なんなら君と......」
「ひぃっ!? は、 離してってのぉ!! 」
感謝の気持ちを込めた言葉の途中でスリィは手を振りほどいて後ろに下がった。 オマケに悲鳴まで上げている。 何故だろうか。
「アンタ! そんなにベラベラ喋る奴じゃなかったじゃん! なんなのいったいぃ!? 」
「......あ」
どうやら気持ちを言葉にする加減を間違ってしまったらしい。
どうやら思いの重さに驚いてしまったようだ。 悪い事をした。
「すまない。 思った事をキチンと言葉にしなければと考えたんだが少しやり過ぎた。 ごめんなさい」
だから俺は素直に謝る。
これからはこういう事にも気を使わなければ。
「は、 ハッ! 慣れた仲間と離れて一人でやってくのは大変そうだねぇ! 同情しちゃぁう! 」
やっぱり素直に言葉にするのは大事だ。
驚かせたのに許してくれた。
しかもまた気遣ってくれてる。 なんて優しいんだ。
「ありがとう。 スリィは優しいな。 こんな最低な俺の事を考えてくれてる」
俺の感謝の言葉を聞いて彼女は俯いてしまう。
どうやら気持ちが届いたらしい。 嬉しいな。
「皮肉も通じないのぉ? はぁ? 本気うっざ」
何か呟いていたが聞き取れない。
もしかしたら照れて声が小さくなっているのかもしれないな。
「それでぇ? 今日は何しに来た訳ぇ? ソロのボッチさん? 」
しかし彼女はすぐに顔を上げていつも通りの対応に戻っていた。
動揺しても即座に気持ちを切り替えられるとは流石はプロ。
さらにこっちの意図まで既に汲んでくれている。
「ありがとうスリィ。 説明する手間が省けた。 ソロの依頼を受けたい。 金を稼がなきゃ」
「......アンタ、 頭の中お花畑だよねぇ」
見下すような表情でそんな事を言うスリィ。
仕事の時は決して私情を挟まない為に敢えて厳しめな態度を取る姿と、 それでもジョークを差し込んでしまうユーモアさが共存している。 素晴らしい。
「あぁ、 ちょっと待ってねぇ」
彼女はギルドに寄せられた沢山の依頼書に目を通す。
その姿は面倒くさそうにテキトーに流し見してるようにも見えるがきっとそうじゃない。
プロが故の速読テクニックだろう。
その技術を悟らせないようにするとは流石である。
「......ないわ。 今日はソロの依頼きてないって感じぃ。 ざぁんねんだねぇ」
そしてそんな彼女がそういうのだから間違いないだろう。
「そうか。 ありがとう」
俺は諦めてカウンターから離れようとした。
すると。
「え、 あ、 ちょっとぉ! それだけぇ?! 」
何故かスリィが驚いた様子で俺を引き留めた。
それだけ? もしかすると感謝の言葉が足りなかったのかもしれない。
「ごめんスリィ。 これだけよくしてもらったのにたった一言で去ろうなんて失礼だった。 この度は......」
「ひっ! いやそうじゃなくてぇ! 」
俺が続けざまに感謝の言葉を言おうとすると全力で遮られた。
謙遜する態度も本当に健気だ。
スリィは続ける。
「ほらぁ! もっとこう、 あるじゃん?
本当に一件もないのぉ? とか。
落ち込むとか。 悔しがるとか!
せめて今後の生活が不安になって複雑そうな表情になるくらいするんじゃない普通ぅ! 」
ああそうか。 そういう事か。 俺は盛大な勘違いをしていた。
彼女は俺に感謝の言葉を求めていた訳じゃない......見返りなど求めず純粋な優しさを与えてくれていたんだ。
この期に及んでまだ俺の心配をしてるのがその証拠。
ギャルの皮を被った天使なんだろうか。
けどこれ以上彼女に気を使わせてはならない。 俺なんかの為に時間を使う必要なんてないんだ。
だから俺は、 男らしくキッパリと言い放った。
「大丈夫だ。 心配ない」
「その根拠はどこから出てくるんだしぃ? ハッタリ? 虚勢? かぁっこいい」
むぅ。 まさか俺が無理してないかとカマをかけてくるとは。
でも安心して欲しい。 きっと次の言葉で納得してくれる。
「だって『今日は』ソロの依頼がないんだろ? それなら明日入ってくるかもしれない。
明日もないなら明後日。 それも無理ならその先。 俺はソロの依頼が入ってくるまで待つ」
「はぁ? 」
スリィは開いた口が塞がらないようだ。
あまりの正論に何も言い返せなくなってしまったのかもしれない。
「バカもここまで来ると相手すんの疲れんだけどぉみたいなぁ......」
また俯いて何かを呟いていたけどやっぱり聞こえない。
俺に気を使っているのかもしれないな。
「てか、 普通に疑問なんだけどさぁ」
けど次の瞬間には顔を上げる。
プロは本当に素晴らしい。
「なんでそこまで冒険者に拘る訳ぇ?
パーティクビになったなら他の仕事にでもすればいいんじゃね? 生きてくだけならなんでもいいっしょ」
ぐっ。 今度はスリィの方から正論か。 ごもっともな意見だ。
でもそこだけは譲れないんだ。
正論じゃあ崩せない俺の信念があるのだから。
「それは無理だ。 ソロだろうとやり遂げなければならない使命が俺にはある」
「使命? ごたいそうだしぃ。 それなんなわけぇ? やっぱり元仲間への復讐とかぁ? 頑張って功績立てて見返してやろう的なぁ? 」
なるほどな。 そうやって誘導して俺の言葉を引き出そうとしているのか。
俺に改めての決意の機会を与えてくれて本当にありがたい。
ならば言おう。
俺が果たすべき使命を。
「そんなのは決まっている。
魔王討伐。 魔王を、 倒す事だ......! 」
そう発言した瞬間、 スリィの時が止まったように固まってしまった。
けどそれだけじゃない。
何故か先程まで騒がしかった酒場全体が静まり返っているではないか。
もしかすると俺たちの話しに聞き耳を立てていたのかもしれない。
「魔王、 討伐? ボッチさんが、 一人で? 」
しかしそのスリィの言葉を皮切りに。
「ぷ、 ぷぷっ! あはは! 」
その笑い声を発端に。
「あはははは! 」
「ぎゃはは! 」
「こりゃたまんねぇ!! 」
「クビにされた奴が魔王を倒すだと!? げはははは! 」
酒場中が笑いの渦に包まれてしまった。
なんだ? なんで皆笑っているんだ?
魔王討伐は冒険者の悲願。 誰もが目指している事だろ?
それをどうして、 どうして?
......そうか。 分かったぞ。
俺がパーティをクビになったからだ。
クビになったクセに魔王を倒すだなんて言っているからだ。
つまり、 皆はこう言いたいんだ。
魔王討伐を目指すなんて当たり前。 それを今更口に出す事自体愚行。
当たり前過ぎて常識なんだ。
しかし俺はパーティをクビにされるような未熟者。 駆け出しの冒険者と同じかそれ以下だ。
そんな俺が魔王討伐を口にするなど妄言と思われても仕方がない。
だから皆は、 「中途半端な覚悟で俺たちの思いを踏みにじるな」とそう言いたいんだ。
だったら示さなければいけない。
俺が決して中途半端な気持ちでこんな事を言ってる訳ではないと!
「おかしいっしょ! 自分の立場考えて喋れしぃ! 」
ここにきてまたスリィの助け舟。
俺が覚悟を言葉にしやすいようにお膳立てしてくれた。
わざと挑発してきてくれてるんだ。
この気持ちに応えなければ冒険者失格。
俺は、 覚悟を示すべく思い切りカウンターに拳を叩きつけた。
そして叫ぶ。
「おかしくない!! 」
今までの人生で発した事のないであろう大声が出た。
これもスリィやこの場にいる冒険者の皆のおかげだ。
わざわざ静まり返って聞き耳を立ててくれている。
スリィなんかは俺の次の言葉に期待しているのか固まって動かないで待ってくれている。
その思いに、 応えなくては!
「たとえ俺がクズだろうと役立たずだろうと未熟者だろうと! 目標は変わらない!
魔王を倒す! 世界に平和を取り戻すために!! 」
そう、 それが俺の使命だ。
この世界に転生した理由だ。
そうでなければ、 俺がこの世に存在する意味なんてないんだから。
「......ケッ! しらけちまったぜ」
「いつまで夢見てんだか」
「こっちは明日生きるのですら精一杯なのに何が魔王討伐だ」
「んなもん強ぇ奴らに任せてりゃあいいんだよ。 今更それをガキみてぇに」
「相変わらず空気が読めねぇなぁ、 ボッチは」
「パーティをクビになって、 ちったぁ考えてまともになるかと思ったのによぉ」
「からがいがねぇ奴だぜ」
「てか......」
『足の小指を角にぶつける師が何言ってんだよ......』
酒場の皆は何やらブツブツ言いながら先程と同じように酒を飲み始める。
内容までは聞き取れなかったが、 こちからから興味を逸らしたという事は、 きっと認めてくれたんだろう。
なんだか途中声が揃ったようにと聞こえたが、 褒めてくれたのかもしれない。
そうだ。 そうに違いない。
「ここまでバカだとからかうのも疲れるしぃ。 会話してるこっちの方が馬鹿みたいじゃぁん。 てか自分の能力分かってるの? 分って言ってるのか? 馬鹿なの? それとも大物なの? 」
目の前のスリィも何やら呟いている。
きっと彼女も認めてくれたに違いない。
だから俺は、 この覚悟に偽りがない事を改めて宣言する。
「魔王を倒すためには実績が必要だ。 そして強い装備を買ったり健康な肉体を保つ為に金が要る。 どちらも冒険者の仕事でないとダメなんだ。
だから今日が無理なら明日以降、 また仕事を紹介してくれ。 それまでいくらでも待つ」
「......勝手にすればぁ? キモっ! 」
俺の言葉にそんな反応を示すと、 彼女はカウンターの奥に引っ込んでしまった。
彼女なりの応援の言葉だったのかもしれない。
素直じゃないな。
ソロになって一日目。
結局仕事は受けられなかったが、 覚悟を新たにする事が出来た。
感謝をしなければいけないな。
俺はそう思いながら。
「すみません! 注文いいですか! 」
先程出した覚悟の声と同じぐらいの大声でスリィを呼び戻し。
「ビール一つお願いします! 」
勝利の祝杯を上げたのだった......。
「ちなみにさぁ。 酒を一杯しか頼まないって苦情入れたの、 アタシだからぁ。 ちゃんとそれ以外にも頼んでよねって感じぃ」
「あ、 はい。 ごめんなさい」
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