47 / 94
アイスもいいけど肉まんが食べたい俺
しおりを挟む
放課後、俺たちはマサユキを待っていた。
「なぁ、いつくる?」
出来るだけはやく!! 来てくれっ! マサユキ!
「何か急いでるのか? 樹」
「ごめんなさい」
あぁ、俺のせいかもしれないのに言い方悪かったよな。でも俺もマキちゃんと、このあと会う約束があるし……。
そわそわしてると、マリヤが先に帰っていいよと言ってくれた。
「もうすぐ来てくれるから」
俺はマリヤ、ユウキに謝りながらも急いで廊下にでて走り出した。
階段でマサユキとすれ違った。目があったマサユキは俺に声をかけずに走り出した。
心の中でスマンと思いつつ、俺も先を急ぐ。大切なのはマキちゃんだから。
アイスクリーム屋さんにつくと、マキちゃんがチョコ味のソフトクリームを食べていた。
「あ、樹君」
「マキちゃん、ごめん。待った?」
「いいえ、そんなには」
そういうわりに、チョコソフトクリームはすでにコーンに差し掛かっている。何分くらいだ!?
「昨日はごめん。俺、なんか色々父さんと母さんと話してて、それで」
「あ、大丈夫です。ナミに聞きましたから」
この時ばかりはナミが妹であることに感謝する。
「うちのお父さんお母さんもなんだか樹君のお父さんとお母さんに誘われてるらしいんですが、何を始めるんでしょうね」
「さぁ? 父さんと母さんの趣味は興味がないからなー」
「ふふ、そうですよね」
コーンをかじっていくマキちゃん。唇にチョコが少しだけついていて、教えてあげた。
マキちゃんはそれをぺろりと舌でなめとった。
「ねえ、樹君は」
「ん?」
サクッ、パリッとコーンが割れる音がする。
「……樹君はソフトクリーム食べないんですか?」
「あっ……、買ってくる」
って、今から買ってたらマキちゃんが食べ終わってるよな。もう一個追加で買ってくべきなのか?
そもそも、俺はこの時期ならアイスよりも肉まんとかの方がありがたいんだけど。
季節はもう冬だ。マフラーまいてコートをきてアイスを食べる。うーん。寒い!!
「コンビニで肉まんでもいいかな?」
俺が提案すると、マキちゃんは頷いた。
「ちょうどあったかいのも食べたかったので」
笑う顔は冷たい風にあたっていたからか頬が赤くなっていた。
「マキちゃん、手袋は?」
「あ、ここに」
ポケットに伸ばそうとする手を捕まえてぎゅっとにぎる。指先は冷たかったけど手のひらは少しあったかい。
「ポケットにカイロいれてるから」
俺はマキちゃんの手を自分のコートのポケットにいれる。
「あったかいけど、これじゃあ歩けませんねー」
「片方だけここにしまっといていい?」
「いいですよー。では、もう片方に手袋つけますね」
俺はマキちゃんが手袋をつけるのを待って、もう一度彼女の片方の手を自分のポケットへと誘った。
「なぁ、いつくる?」
出来るだけはやく!! 来てくれっ! マサユキ!
「何か急いでるのか? 樹」
「ごめんなさい」
あぁ、俺のせいかもしれないのに言い方悪かったよな。でも俺もマキちゃんと、このあと会う約束があるし……。
そわそわしてると、マリヤが先に帰っていいよと言ってくれた。
「もうすぐ来てくれるから」
俺はマリヤ、ユウキに謝りながらも急いで廊下にでて走り出した。
階段でマサユキとすれ違った。目があったマサユキは俺に声をかけずに走り出した。
心の中でスマンと思いつつ、俺も先を急ぐ。大切なのはマキちゃんだから。
アイスクリーム屋さんにつくと、マキちゃんがチョコ味のソフトクリームを食べていた。
「あ、樹君」
「マキちゃん、ごめん。待った?」
「いいえ、そんなには」
そういうわりに、チョコソフトクリームはすでにコーンに差し掛かっている。何分くらいだ!?
「昨日はごめん。俺、なんか色々父さんと母さんと話してて、それで」
「あ、大丈夫です。ナミに聞きましたから」
この時ばかりはナミが妹であることに感謝する。
「うちのお父さんお母さんもなんだか樹君のお父さんとお母さんに誘われてるらしいんですが、何を始めるんでしょうね」
「さぁ? 父さんと母さんの趣味は興味がないからなー」
「ふふ、そうですよね」
コーンをかじっていくマキちゃん。唇にチョコが少しだけついていて、教えてあげた。
マキちゃんはそれをぺろりと舌でなめとった。
「ねえ、樹君は」
「ん?」
サクッ、パリッとコーンが割れる音がする。
「……樹君はソフトクリーム食べないんですか?」
「あっ……、買ってくる」
って、今から買ってたらマキちゃんが食べ終わってるよな。もう一個追加で買ってくべきなのか?
そもそも、俺はこの時期ならアイスよりも肉まんとかの方がありがたいんだけど。
季節はもう冬だ。マフラーまいてコートをきてアイスを食べる。うーん。寒い!!
「コンビニで肉まんでもいいかな?」
俺が提案すると、マキちゃんは頷いた。
「ちょうどあったかいのも食べたかったので」
笑う顔は冷たい風にあたっていたからか頬が赤くなっていた。
「マキちゃん、手袋は?」
「あ、ここに」
ポケットに伸ばそうとする手を捕まえてぎゅっとにぎる。指先は冷たかったけど手のひらは少しあったかい。
「ポケットにカイロいれてるから」
俺はマキちゃんの手を自分のコートのポケットにいれる。
「あったかいけど、これじゃあ歩けませんねー」
「片方だけここにしまっといていい?」
「いいですよー。では、もう片方に手袋つけますね」
俺はマキちゃんが手袋をつけるのを待って、もう一度彼女の片方の手を自分のポケットへと誘った。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる