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幼なじみのお兄さんの秘密を見せられた……私
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「男かよ」
「男子みたい」
川井真希は子どもの頃、男子達の中にまじってよく遊んでいた。女の子とごっこ遊びするより、外で走り回りたかったからだ。
そして言われた言葉がこれだった。
何がおかしいのだろう。マキはただただ不思議に思う。成長しても、男の友達と話しているほうが話しやすい。男の子がするようなゲームが楽しい。だけど、成長するにつれてまわりの目がどんどんと変わっていく。仲良かったはずの女の子は男子に色目を使ってるなんて言い出した。
(私、おかしいのかな? でも、別に友達は友達なのになぁ)
だんだん男の友達は男だけでつるむようになっていき、一緒に遊ぶとなると付き合うという形にして欲しいと言われだした。でも、マキはそう思えなかった。
遠坂奈美はそんななか、変わらずに接してくれる大切な友達の一人だった。そしてその兄、遠坂樹もまた、最近は少なくなったが変わらずに遊んだりしてくれる、変わった『男子』だった。
「女の子みたいだから、ごめんねー」
マキはナミの家に向かう途中、何度か目撃してしまった。イツキがこう言われてフラれる姿を。
イツキも『~みたい』と言われていた。まるで自分のことのように感じて、胸がぎゅっと締め付けられる。
(これ、何度目だろう?)
何故かマキは彼のフラれるシーンを幾度も目撃していた。それはだいたいナミに誘われた日でもあった。
(まさか、ねぇ)
そんなシーンを目撃した何度目かのあと、ナミはマキに言った。
「ねぇ、お兄のことどう思ってる?」
「え?」
マキはイツキのことを、可愛いお兄さんと思っていた。とりあえず可愛いのだ。ずっと見ててほわっとすると言うか――、フラれた姿を見て、ホッとしていたというか――。そこまで考えて、顔が熱くなった。どうしてホッとするんだろうと意味を考えていると勝手にぽぅっと熱くなる。
「あー、やっぱりか」
「え、え? 何ですか?」
「ねぇ、マキ。今度さ、お兄と久しぶりに遊ばない? んー、そうだ。これ見ても同じ気持ちになったらなんだけど」
ナミはスマホの画面をマキに見せた。そこにはとても可愛い猫耳の女の子が映っていた。
「何ですか、これ?」
「ふふふ、何でしょう」
ナミはとてもいい笑顔で笑っていた。
「今日もよろしくにゃーん!!」
猫耳の女の子は私達がよく遊ぶ世界で一人で遊んでいた。
「男子みたい」
川井真希は子どもの頃、男子達の中にまじってよく遊んでいた。女の子とごっこ遊びするより、外で走り回りたかったからだ。
そして言われた言葉がこれだった。
何がおかしいのだろう。マキはただただ不思議に思う。成長しても、男の友達と話しているほうが話しやすい。男の子がするようなゲームが楽しい。だけど、成長するにつれてまわりの目がどんどんと変わっていく。仲良かったはずの女の子は男子に色目を使ってるなんて言い出した。
(私、おかしいのかな? でも、別に友達は友達なのになぁ)
だんだん男の友達は男だけでつるむようになっていき、一緒に遊ぶとなると付き合うという形にして欲しいと言われだした。でも、マキはそう思えなかった。
遠坂奈美はそんななか、変わらずに接してくれる大切な友達の一人だった。そしてその兄、遠坂樹もまた、最近は少なくなったが変わらずに遊んだりしてくれる、変わった『男子』だった。
「女の子みたいだから、ごめんねー」
マキはナミの家に向かう途中、何度か目撃してしまった。イツキがこう言われてフラれる姿を。
イツキも『~みたい』と言われていた。まるで自分のことのように感じて、胸がぎゅっと締め付けられる。
(これ、何度目だろう?)
何故かマキは彼のフラれるシーンを幾度も目撃していた。それはだいたいナミに誘われた日でもあった。
(まさか、ねぇ)
そんなシーンを目撃した何度目かのあと、ナミはマキに言った。
「ねぇ、お兄のことどう思ってる?」
「え?」
マキはイツキのことを、可愛いお兄さんと思っていた。とりあえず可愛いのだ。ずっと見ててほわっとすると言うか――、フラれた姿を見て、ホッとしていたというか――。そこまで考えて、顔が熱くなった。どうしてホッとするんだろうと意味を考えていると勝手にぽぅっと熱くなる。
「あー、やっぱりか」
「え、え? 何ですか?」
「ねぇ、マキ。今度さ、お兄と久しぶりに遊ばない? んー、そうだ。これ見ても同じ気持ちになったらなんだけど」
ナミはスマホの画面をマキに見せた。そこにはとても可愛い猫耳の女の子が映っていた。
「何ですか、これ?」
「ふふふ、何でしょう」
ナミはとてもいい笑顔で笑っていた。
「今日もよろしくにゃーん!!」
猫耳の女の子は私達がよく遊ぶ世界で一人で遊んでいた。
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