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妹がデート!?を目撃した俺
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「どうしました? 樹君」
俺の目がまん丸にでもなっていたのだろうか。マキちゃんが俺の視線の先を見ようと振り返る。
「マキちゃん、こっち」
手を引いて、俺は走った。メ○スのように!
いや、メロ○は友の為に走ったのか。
「あの……」
マキちゃんは何か言いたげだったけど、一緒に走ってくれた。
俺が見たのは、間違いなく妹のナミと俺を裏切り者と呼ぶ男、そしてその顔そっくりなもう一人の男と可愛い女の子がいるところだった。
まて、なぜ妹がいる。そして、なぜお前がいるんだ!! ユウキ!!!!
ユウキそっくりなのは双子の弟、順当に言ってそのとなりの女の子はユウキ弟に最近出来たと言っていた彼女だろう。
で、もう一度言おう。なぜそこに妹がいる!? その組み合わせだと、ユウキとナミが!
「樹君、まだ走るんですか?」
少し苦しそうにしているマキちゃんに気がついて俺は足を止めた。
「ごめん、知り合いがいた気がして」
そう言うと、マキちゃんが少し怒った顔をした。
「私、見られて困るような彼女ですか?」
「違う違う! それはない! ごめん」
そうか、そう聞こえてたら怒るよな。そこは謝っておこう。
「めちゃくちゃ自慢したい彼女です! さっきの場所にナミが居たんだよ。それで」
「あー、そういえばナミも同じ場所に行くんだぁって言ってましたね」
「聞いてない」
「言ってないでしょうね、だって、あ……」
なるほど、という顔をするマキちゃん。もしかして、誰が一緒なのか知ってるのか? そして、俺との関係も?!
「ヒロキさんがお知り合いですか?」
「そっちじゃなくてもう一人の」
「あー、そうだ。ユウキさんが同じ学校でしたね」
「そっち! で、ナミとユウキはいったいどんな関係なんだ!?」
「え、え? 待って下さい。何か誤解してませんか、樹君?」
誤解って、どういう誤解なんだ? 兄としては今すぐ父さんに報告して親友をつるし上げる準備を――。
「ユウキさんはただの付き添いだと思いますよ?」
「え?」
「ナミの入ってる部活の先輩ナホさんと遊びに行く約束だったそうで、ナミは一緒に行く彼氏がいないからナホさんの彼氏のお兄さん、ユウキさんを誘ったという話だったような」
「……なるほど」
そんな事ってある? いや、まあでもさっきの感じだと恋仲という感じはなかった。なかったが、兄は、兄は!
「邪魔しちゃダメですよ」
にっこりとマキちゃんが笑う。
く、可愛いな! だが、兄は――!
「見つからないように、見学しましょう」
「あ、はい」
マキちゃんもノリノリだった。
俺の目がまん丸にでもなっていたのだろうか。マキちゃんが俺の視線の先を見ようと振り返る。
「マキちゃん、こっち」
手を引いて、俺は走った。メ○スのように!
いや、メロ○は友の為に走ったのか。
「あの……」
マキちゃんは何か言いたげだったけど、一緒に走ってくれた。
俺が見たのは、間違いなく妹のナミと俺を裏切り者と呼ぶ男、そしてその顔そっくりなもう一人の男と可愛い女の子がいるところだった。
まて、なぜ妹がいる。そして、なぜお前がいるんだ!! ユウキ!!!!
ユウキそっくりなのは双子の弟、順当に言ってそのとなりの女の子はユウキ弟に最近出来たと言っていた彼女だろう。
で、もう一度言おう。なぜそこに妹がいる!? その組み合わせだと、ユウキとナミが!
「樹君、まだ走るんですか?」
少し苦しそうにしているマキちゃんに気がついて俺は足を止めた。
「ごめん、知り合いがいた気がして」
そう言うと、マキちゃんが少し怒った顔をした。
「私、見られて困るような彼女ですか?」
「違う違う! それはない! ごめん」
そうか、そう聞こえてたら怒るよな。そこは謝っておこう。
「めちゃくちゃ自慢したい彼女です! さっきの場所にナミが居たんだよ。それで」
「あー、そういえばナミも同じ場所に行くんだぁって言ってましたね」
「聞いてない」
「言ってないでしょうね、だって、あ……」
なるほど、という顔をするマキちゃん。もしかして、誰が一緒なのか知ってるのか? そして、俺との関係も?!
「ヒロキさんがお知り合いですか?」
「そっちじゃなくてもう一人の」
「あー、そうだ。ユウキさんが同じ学校でしたね」
「そっち! で、ナミとユウキはいったいどんな関係なんだ!?」
「え、え? 待って下さい。何か誤解してませんか、樹君?」
誤解って、どういう誤解なんだ? 兄としては今すぐ父さんに報告して親友をつるし上げる準備を――。
「ユウキさんはただの付き添いだと思いますよ?」
「え?」
「ナミの入ってる部活の先輩ナホさんと遊びに行く約束だったそうで、ナミは一緒に行く彼氏がいないからナホさんの彼氏のお兄さん、ユウキさんを誘ったという話だったような」
「……なるほど」
そんな事ってある? いや、まあでもさっきの感じだと恋仲という感じはなかった。なかったが、兄は、兄は!
「邪魔しちゃダメですよ」
にっこりとマキちゃんが笑う。
く、可愛いな! だが、兄は――!
「見つからないように、見学しましょう」
「あ、はい」
マキちゃんもノリノリだった。
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