13 / 94
思ってもみなかった俺
しおりを挟む
ぷるっと柔らかい感触が唇から離れていく。
「マサキですよ」
離れたあと、にこりと笑う、彼女。
「マサキ……」
「はい」
これは、俺がミツキとして、マキちゃんのアバター名で呼べって事か……?
「私は、マサキと一緒にいたいにゃ。まだ、好きかどうかわからないけど……わぷっ」
ぎゅっと抱き締められる。画面上はイケメンに抱き締められる可愛い女の子の図。現実は、座ってた俺の顔に胸を当てて抱きしめてくる可愛い女の子。
「好きにさせてみせるよ。ぜったい」
俺は男の子に戻れないくらい、画面上イケメンな女の子からのめちゃくちゃカッコいい告白にくらりとしていたのだった。
好きだって思ったら、男らしく俺から、告白するはずだったのに……。
◇
「さすがに一週間はきいた?」
「あれは、やはりお前の仕業か、ナミ」
「いやぁ、お兄達、はやくくっつけたかったんだよね。それなら一回離れて焦らしぷれ……あっ……」
いつものナミのミスにより、またよく見るローディング画面に飛ばされる。
あれから、マキちゃんと付き合いだした俺はゲーム部配信の度に、完璧に女の子になっている。男らしさをみせようとするといつもマキちゃんに先手を打たれて阻止されてしまうのだ。
「可愛いお兄と、格好いいマキならベストカップルっしょ?」
「男の沽券がだな……」
「そんなの樹君にもミツキちゃんにも必要ないよ。可愛いんだから」
さらりとそんな事を言ってくる、俺の彼女。
「私が好きなのはありのままの樹君だからね」
今日も、そう言ってにこりと笑う、とてもイケメンな可愛い格好いい、マキちゃん。
俺が男を取り戻すことは――、もう少しだけかかりそうだ。
「それじゃあ、配信始めようか!」
「はーい」
「おっけ」
ナミが配信スイッチに指を伸ばす。
ぽちり
「「「チームけもラブのゲーム配信、はっじまるよー☆」」」
理想の美少女やってたら、まさかこんなことになるなんて、思ってもみなかったな。
「マサキですよ」
離れたあと、にこりと笑う、彼女。
「マサキ……」
「はい」
これは、俺がミツキとして、マキちゃんのアバター名で呼べって事か……?
「私は、マサキと一緒にいたいにゃ。まだ、好きかどうかわからないけど……わぷっ」
ぎゅっと抱き締められる。画面上はイケメンに抱き締められる可愛い女の子の図。現実は、座ってた俺の顔に胸を当てて抱きしめてくる可愛い女の子。
「好きにさせてみせるよ。ぜったい」
俺は男の子に戻れないくらい、画面上イケメンな女の子からのめちゃくちゃカッコいい告白にくらりとしていたのだった。
好きだって思ったら、男らしく俺から、告白するはずだったのに……。
◇
「さすがに一週間はきいた?」
「あれは、やはりお前の仕業か、ナミ」
「いやぁ、お兄達、はやくくっつけたかったんだよね。それなら一回離れて焦らしぷれ……あっ……」
いつものナミのミスにより、またよく見るローディング画面に飛ばされる。
あれから、マキちゃんと付き合いだした俺はゲーム部配信の度に、完璧に女の子になっている。男らしさをみせようとするといつもマキちゃんに先手を打たれて阻止されてしまうのだ。
「可愛いお兄と、格好いいマキならベストカップルっしょ?」
「男の沽券がだな……」
「そんなの樹君にもミツキちゃんにも必要ないよ。可愛いんだから」
さらりとそんな事を言ってくる、俺の彼女。
「私が好きなのはありのままの樹君だからね」
今日も、そう言ってにこりと笑う、とてもイケメンな可愛い格好いい、マキちゃん。
俺が男を取り戻すことは――、もう少しだけかかりそうだ。
「それじゃあ、配信始めようか!」
「はーい」
「おっけ」
ナミが配信スイッチに指を伸ばす。
ぽちり
「「「チームけもラブのゲーム配信、はっじまるよー☆」」」
理想の美少女やってたら、まさかこんなことになるなんて、思ってもみなかったな。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる