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三つの国
フェレリーフ(フェレリーフ視点)
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わたくしが産まれたのは、人が暮らす国ファイスヴェード。
その国の王女としてだった。頭に魔人の角を持って……。
「この人も、角持ちです」
「そうか、捕らえろ!!」
わたくしには同じ角持ちを見つける力があった。
自分の角を魔法で隠されて、隠して生きている角持ちを見つける役目を任される。
「ねぇ、角ってなぜ、はえてくるのですか?」
わたくしは捕らえられた角持ちの人達に話しかける。
「ねぇ?」
いろいろ知りたくて、お話ししたり、協力してもらったり、その間に命を落とす人達もいたけれど、誰もちゃんとした答えを教えてくれなかった。
そんな時、わたくしは見つけた。
今までに感じたことないくらいはっきりと感じる仲間のような感覚。
「あの、あなた達は?」
黒い髪の女と赤い髪の男。二人とも。
◇
「良くやった。魔人すらも欺けないようだな。お前の感覚からは」
「ありがとうございます」
「して、その二人は?」
「わたくしがいつものように」
「そうか」
あの二人ならはっきりした答えがでるかしら。色々教えてほしいものです。それには、……すぐに壊れないといいですが。
◇
魔人の襲撃に備えて隣の国と共同で聖女を呼び出した。
「あら、わたくしのメモと合いません……」
先日逃げた聖女の力がない女と魔人の男。
魔人は男女だった? でも、魔人の男は一人しかいなかった。
それとは別に角持ちの女が一人いなくなっている。
「……まさか、二人聖女のもとになったと? でもどちらかしら?」
呼び出されたのは三人。
メモと合わない二人。
「うーん、まだこちらに馴染んでいないでしょうからわからないのかしら。あの女からは感じられたから……」
力がないと思われていた無能の少女。けれど、わたくしはいつものようなあの感覚があったからあそこに連れていった。いつでも対応出来るように。それが仇になってしまったけれど。
◇
あぁ、この女ですか。
少しずつ、感じが変わっていく。来た時はあんなに堂々としていた少女。けれどわたくしを見ると、弟のカゲに隠れ震えている。
もう少ししたら、はっきりするかしら?
でもきっとあなたが、わたくしの飼っていた角持ちの一人なのでしょうね。
その国の王女としてだった。頭に魔人の角を持って……。
「この人も、角持ちです」
「そうか、捕らえろ!!」
わたくしには同じ角持ちを見つける力があった。
自分の角を魔法で隠されて、隠して生きている角持ちを見つける役目を任される。
「ねぇ、角ってなぜ、はえてくるのですか?」
わたくしは捕らえられた角持ちの人達に話しかける。
「ねぇ?」
いろいろ知りたくて、お話ししたり、協力してもらったり、その間に命を落とす人達もいたけれど、誰もちゃんとした答えを教えてくれなかった。
そんな時、わたくしは見つけた。
今までに感じたことないくらいはっきりと感じる仲間のような感覚。
「あの、あなた達は?」
黒い髪の女と赤い髪の男。二人とも。
◇
「良くやった。魔人すらも欺けないようだな。お前の感覚からは」
「ありがとうございます」
「して、その二人は?」
「わたくしがいつものように」
「そうか」
あの二人ならはっきりした答えがでるかしら。色々教えてほしいものです。それには、……すぐに壊れないといいですが。
◇
魔人の襲撃に備えて隣の国と共同で聖女を呼び出した。
「あら、わたくしのメモと合いません……」
先日逃げた聖女の力がない女と魔人の男。
魔人は男女だった? でも、魔人の男は一人しかいなかった。
それとは別に角持ちの女が一人いなくなっている。
「……まさか、二人聖女のもとになったと? でもどちらかしら?」
呼び出されたのは三人。
メモと合わない二人。
「うーん、まだこちらに馴染んでいないでしょうからわからないのかしら。あの女からは感じられたから……」
力がないと思われていた無能の少女。けれど、わたくしはいつものようなあの感覚があったからあそこに連れていった。いつでも対応出来るように。それが仇になってしまったけれど。
◇
あぁ、この女ですか。
少しずつ、感じが変わっていく。来た時はあんなに堂々としていた少女。けれどわたくしを見ると、弟のカゲに隠れ震えている。
もう少ししたら、はっきりするかしら?
でもきっとあなたが、わたくしの飼っていた角持ちの一人なのでしょうね。
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