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三人の女の子
すず
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私は黒い髪をしっぽのようにまとめ、風に揺らす。鼻歌を歌いながら足を前に前に進める。少し開けた場所に出ると一旦足を止めた。足元の砂がじゃりっと鳴る。
ここから見えるのはあの人の目指す国。
「――、もう少し、はやく! 置いていかれるじゃない」
「だって、スズ。ボクはスズほど魔力も体力もないんだから少しは加減して欲しいな」
赤い髪を汗だくで張り付かせる男が少し遅れて到着する。
「もうすぐ着くよ。ほら、もう見えてる!!」
「……スズ、帰ろう」
「イ・ヤ・だ! 私は一人でも行く」
男はため息をつきながら私のあとについてくる。この男が私を置いてどこかに行くことがないと知っていたからそう言った。
「今度はいったい何をするのかな」
わくわくしながら私は前方を眺める。私達と相容れない人達が住む国、ファイスヴェード。
「どんな彼が見られるかな」
私は目の前で嫌そうな顔をする男ではない、もう一人の赤い髪の男を思い浮かべ微笑んだ。
◇
小さな舞台に光が当たる。お客さんも数えられるくらいだけど、私達、皆で一番になるんだ。
「すず、ゆあ! 行くよ!」
「うん」「はーい」
「皆で一番になろう!!」
私達は、スタートした。中学生仲良し三人、地元の小さな小さなこのステージから。
目指すのはトップアイドル。聞いてくれる人達の一番になりたい。
私は二人と手を繋ぎ笑顔で舞台へと走り出した。まぶしいくらい輝く光の中へ。
ここから見えるのはあの人の目指す国。
「――、もう少し、はやく! 置いていかれるじゃない」
「だって、スズ。ボクはスズほど魔力も体力もないんだから少しは加減して欲しいな」
赤い髪を汗だくで張り付かせる男が少し遅れて到着する。
「もうすぐ着くよ。ほら、もう見えてる!!」
「……スズ、帰ろう」
「イ・ヤ・だ! 私は一人でも行く」
男はため息をつきながら私のあとについてくる。この男が私を置いてどこかに行くことがないと知っていたからそう言った。
「今度はいったい何をするのかな」
わくわくしながら私は前方を眺める。私達と相容れない人達が住む国、ファイスヴェード。
「どんな彼が見られるかな」
私は目の前で嫌そうな顔をする男ではない、もう一人の赤い髪の男を思い浮かべ微笑んだ。
◇
小さな舞台に光が当たる。お客さんも数えられるくらいだけど、私達、皆で一番になるんだ。
「すず、ゆあ! 行くよ!」
「うん」「はーい」
「皆で一番になろう!!」
私達は、スタートした。中学生仲良し三人、地元の小さな小さなこのステージから。
目指すのはトップアイドル。聞いてくれる人達の一番になりたい。
私は二人と手を繋ぎ笑顔で舞台へと走り出した。まぶしいくらい輝く光の中へ。
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