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落ちてきた食べ物 ― 2
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◇
「もう終わりだ」
「いや! 諦めないでよ!! 死にたくない。私は死にたくない。死ぬなら一人で死んでよ」
女は男から距離をとる。
「結婚する時に誓ったじゃないか。ずっと一緒に」
「いやっ!!!! いやぁ!! 死ぬのは違う! 死ぬのは……」
首がちぎれるんじゃないかと思うほど勢いよくふり続ける女に男はゆっくりと近づいていく。
男の手には大きな刃物が握られている。
「ごめんな。僕は愛してるから一緒に連れていきたいんだ」
「いやぁっ、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
勢いよく刺された女は最期まで大きな声を出していた。
◇
「み……み、イタい……」
「大きい声を出しながらここに落ちてきたのかな」
珍しく間を置かず次の食べ物は降ってきた。
よくあるお腹がすいても降ってこない日が続けば、ゆめを食べるつもりだったのに。
僕は今回も彼女と一緒に食事する。前回はぐちゃぐちゃの肉塊だったけど、今回は小さく切り分けられた肉だった。それを数を数えて半分こしてやった。14個あったから、7個ずつ。ゆめは小さいから小さい部分ばかりを渡す。
「お二……ちゃんがオオい。ずるい……」
「ゆめも僕も7個。一緒だよ」
取られないようにゆめの分から少し離して僕は続きを食べ出した。
鬼ちゃん。食べ終わったあとの残った大きな歯を僕は頭につけている。
だから、僕の名前は鬼だってゆめに教えた。
「半分こが嫌なら全部僕が食べる」
そう言うと、ゆめはすぐに下を向いて食べ出した。
おんなじだ。僕もそう言われたっけ。
「ごめん、ゆめ。盗らないからゆっくり食べなよ」
次が降ってくるのがいつか、僕達にはわからないから。だから、あんまり急いで食べちゃうとダメだよ。
小さく切られた食べ物は、目玉をこちらに向けながら僕達の食事をじっとまばたきもせず見ていた。
「もう終わりだ」
「いや! 諦めないでよ!! 死にたくない。私は死にたくない。死ぬなら一人で死んでよ」
女は男から距離をとる。
「結婚する時に誓ったじゃないか。ずっと一緒に」
「いやっ!!!! いやぁ!! 死ぬのは違う! 死ぬのは……」
首がちぎれるんじゃないかと思うほど勢いよくふり続ける女に男はゆっくりと近づいていく。
男の手には大きな刃物が握られている。
「ごめんな。僕は愛してるから一緒に連れていきたいんだ」
「いやぁっ、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
勢いよく刺された女は最期まで大きな声を出していた。
◇
「み……み、イタい……」
「大きい声を出しながらここに落ちてきたのかな」
珍しく間を置かず次の食べ物は降ってきた。
よくあるお腹がすいても降ってこない日が続けば、ゆめを食べるつもりだったのに。
僕は今回も彼女と一緒に食事する。前回はぐちゃぐちゃの肉塊だったけど、今回は小さく切り分けられた肉だった。それを数を数えて半分こしてやった。14個あったから、7個ずつ。ゆめは小さいから小さい部分ばかりを渡す。
「お二……ちゃんがオオい。ずるい……」
「ゆめも僕も7個。一緒だよ」
取られないようにゆめの分から少し離して僕は続きを食べ出した。
鬼ちゃん。食べ終わったあとの残った大きな歯を僕は頭につけている。
だから、僕の名前は鬼だってゆめに教えた。
「半分こが嫌なら全部僕が食べる」
そう言うと、ゆめはすぐに下を向いて食べ出した。
おんなじだ。僕もそう言われたっけ。
「ごめん、ゆめ。盗らないからゆっくり食べなよ」
次が降ってくるのがいつか、僕達にはわからないから。だから、あんまり急いで食べちゃうとダメだよ。
小さく切られた食べ物は、目玉をこちらに向けながら僕達の食事をじっとまばたきもせず見ていた。
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