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第一章 聖女と竜
第65話 因果は巡る(元婚約者視点)
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◆
「なんや、アンタが呪い主か。太れ太れ言う声にそっくりやな」
「だ、誰だお前は!?」
エマが竜に連れ去られ呆然としているところに、青い髪の男が近付いてくる。コイツは誰だ? おかしな喋り方で話しかけてくる。
「オレ? オレはエマちゃんの――、うーん。変な事言ったら怒られるかぁ」
「エマの仲間か。なら、好都合。こいつを捕まえろ!!」
仲間を残していくとは。こいつを餌にすればエマに――。
「あー、エマちゃんイジメるのはたいがいにせーよ?」
突然、ビリビリと衝撃が走る。見れば、捕まえに出た兵の腕が氷ついていく。この男、魔法を使えるのか? 簡素な布の服しか着ていない男のどこにも竜魔石らしき物は見当たらない。
「まさか、お前も……」
先ほど間近で見た赤い竜を思い出し冷や汗が流れた。
「さすがにチューは勘弁したいからなっと」
「は?」
足が動かなかった。氷が太ももまでバキバキと登ってくる。
「何をする。動け、お前ら!! コイツを――」
男はがじりと自らの指を噛み血を滴らせる。
「――っ!?」
頬に痛みを感じる。何かに引っかかれたかのような傷ができ、こちらも赤い血が流れた。
目の前まで男が近付いてくる。すでに腕も氷で動けなくなっていた。
「コレ、返したるわ」
傷口に指を当てられ擦り付けられる。瞬間、自分の中がぐらりと動いた。
「さてと、はよ帰ろ。ブレイド、容赦なくオレを置いていきよって……」
バサリと大きな青い羽が広がった。やはり、目の前の男は滅多に姿を見せないという……。
「こっちやと時間がかかるっちゅーの」
青い髪の男が空へと消えていく。同時に氷がすべて消えた。
体勢を立て直さなければと足を踏み出す。いつもならあがる足があがらない。足の位置が低すぎて草に引っかかった。
なんだ? 息苦しい。服にしめつけられる。
手足が、腹が自分の体ではなくなっていた。まるで、あのエマのような……。
「こっちだ!!」
さきほどの竜を確認にでもきたのだろうか。騎士団が数人駆けつけてきた。ルニアが団長をつとめていた第一騎士団だ。
王に剣を突き立てている兵達が狼狽える。
騎士団員達はその間にも数を増やし続け、私が連れてきていた者達より多くなっていた。
「王に仇なす不届き者ども!! 今すぐ引くならば命だけは助けてやろう」
ぞろぞろと兵達が投降していく。私の見た目が変わったからなのか? 私は間違いなく王子ラヴェルなんだぞ?
「その男が首謀者だ。捕らえよ」
王の命令で私は捕らえられた。
私はただ、国にとってよくない存在を始末したりしていただけだ。エマだって、そう。いつかは――。
「首謀者だと!? 首謀者はあなただ! 王。なぜ、あんな薄い赤い瞳の女を庇うんだ」
「……やはり、見えていなかったか」
「なんの事だ!?」
「彼女には魔法がかけられていた。敵意があるものには真実の姿は見えないようにな」
「――っ!?」
あの女の私が見ていた姿と本当のそれは違ったということなのか? そんな馬鹿な。ならあの美しくない顔も体もすべてまやかしだったとでもいうのか?
「連れて行け!!」
王の冷徹な声が響き渡る。私は、こんなところで終わるのか? こんな、こんなところで?
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
捕らえている二人を振り払い、私は必死に走る。いつもより足が、体が重い。走っているだけで息が上がる。
シャーリィ! シャーリィ! 君だけは私の大切な君だけは私の味方になってくれるはずだ。
彼女の部屋に駆け込む。そこで出迎えてくれるはずの笑顔が――。
「……シャーリィ?」
己の荒い息がこだまする真っ暗な部屋。そこに最愛の人の姿はなかった。
「どこだ。シャーリィ、帰ってきたよ」
追手が迫る。はやく、シャーリィを連れて逃げなくては――。
今度は容赦がなかった。腕を固められ動けない。
「私に触るな! シャーリィ! シャーリィ! 私と逃げよう!」
「ここにいた者は、もういない。故郷へと向かった」
王が遅れて入ってくる。
シャーリィがいない? そんなはずはない。帰ってくるのを彼女は心待ちにしているはずなんだ。
「なっ!? どういうことだ。彼女は!!」
「婚約者を殺したのはお前だと知っていた。知っていて復讐するつもりでここにいたのだ……。これから起こる事を説明して、納得してもらった。許せないけれど、そうなるのならばと言っておった」
「……嘘だ。……嘘だ、嘘だ!! 嘘だ!! 私は望まぬ相手との結婚をさせまいと。彼女こそ、この国の王妃にふさわしいと。だから――」
「国のためと言って己がしでかした大罪、精算してもらうぞ。安心しろ、一人では背負わせぬ。聖女を隠したのは私もだからな……」
王の後ろからひょいと見たことがない男が顔を出す。
「いいですか?」
「あぁ、もう大丈夫だ」
「誰だ、お前はっ!?」
私と同い年くらいに見える男はニコニコ笑いながら近付いてきた。
「どうも。これから私がラヴェル・ハヘラータとして生きていくのでご挨拶を」
「なっ!? いったい何を言って……」
「王の血筋をたくさん作るのは当たり前だろ? 私もその一人。ちゃんと王族ですよ? だから問題なくいつでも、代わる事が出来るんだ。君のように失敗したら、ね?」
私が失敗? どうしてだ……。私は間違ってなんて……。
目の前の男、姿がだんだん私になっていく。今の私の姿ではなく、細かった時の私の姿に。
「便利ですね、コレ」
「少しずつ元の姿に近づけていけば誰にも気付かれないだろう。時間がかかるかもしれないが」
竜魔石の変身魔法を使っているようだ。男の胸元に竜魔石の飾りがあった。
「さぁ、行くぞ」
「嫌だ。嫌だ! 嫌だぁぁぁぁぁぁ」
立たされ、手を引っ張られた。後ろには剣を突き立てられる。進まなければ串刺しだ。
私は逃げる事もかなわず、暗闇へと連れて行かれる。
そう、さっきまでのエマと自分の立場が反対になっていた。
「なんや、アンタが呪い主か。太れ太れ言う声にそっくりやな」
「だ、誰だお前は!?」
エマが竜に連れ去られ呆然としているところに、青い髪の男が近付いてくる。コイツは誰だ? おかしな喋り方で話しかけてくる。
「オレ? オレはエマちゃんの――、うーん。変な事言ったら怒られるかぁ」
「エマの仲間か。なら、好都合。こいつを捕まえろ!!」
仲間を残していくとは。こいつを餌にすればエマに――。
「あー、エマちゃんイジメるのはたいがいにせーよ?」
突然、ビリビリと衝撃が走る。見れば、捕まえに出た兵の腕が氷ついていく。この男、魔法を使えるのか? 簡素な布の服しか着ていない男のどこにも竜魔石らしき物は見当たらない。
「まさか、お前も……」
先ほど間近で見た赤い竜を思い出し冷や汗が流れた。
「さすがにチューは勘弁したいからなっと」
「は?」
足が動かなかった。氷が太ももまでバキバキと登ってくる。
「何をする。動け、お前ら!! コイツを――」
男はがじりと自らの指を噛み血を滴らせる。
「――っ!?」
頬に痛みを感じる。何かに引っかかれたかのような傷ができ、こちらも赤い血が流れた。
目の前まで男が近付いてくる。すでに腕も氷で動けなくなっていた。
「コレ、返したるわ」
傷口に指を当てられ擦り付けられる。瞬間、自分の中がぐらりと動いた。
「さてと、はよ帰ろ。ブレイド、容赦なくオレを置いていきよって……」
バサリと大きな青い羽が広がった。やはり、目の前の男は滅多に姿を見せないという……。
「こっちやと時間がかかるっちゅーの」
青い髪の男が空へと消えていく。同時に氷がすべて消えた。
体勢を立て直さなければと足を踏み出す。いつもならあがる足があがらない。足の位置が低すぎて草に引っかかった。
なんだ? 息苦しい。服にしめつけられる。
手足が、腹が自分の体ではなくなっていた。まるで、あのエマのような……。
「こっちだ!!」
さきほどの竜を確認にでもきたのだろうか。騎士団が数人駆けつけてきた。ルニアが団長をつとめていた第一騎士団だ。
王に剣を突き立てている兵達が狼狽える。
騎士団員達はその間にも数を増やし続け、私が連れてきていた者達より多くなっていた。
「王に仇なす不届き者ども!! 今すぐ引くならば命だけは助けてやろう」
ぞろぞろと兵達が投降していく。私の見た目が変わったからなのか? 私は間違いなく王子ラヴェルなんだぞ?
「その男が首謀者だ。捕らえよ」
王の命令で私は捕らえられた。
私はただ、国にとってよくない存在を始末したりしていただけだ。エマだって、そう。いつかは――。
「首謀者だと!? 首謀者はあなただ! 王。なぜ、あんな薄い赤い瞳の女を庇うんだ」
「……やはり、見えていなかったか」
「なんの事だ!?」
「彼女には魔法がかけられていた。敵意があるものには真実の姿は見えないようにな」
「――っ!?」
あの女の私が見ていた姿と本当のそれは違ったということなのか? そんな馬鹿な。ならあの美しくない顔も体もすべてまやかしだったとでもいうのか?
「連れて行け!!」
王の冷徹な声が響き渡る。私は、こんなところで終わるのか? こんな、こんなところで?
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
捕らえている二人を振り払い、私は必死に走る。いつもより足が、体が重い。走っているだけで息が上がる。
シャーリィ! シャーリィ! 君だけは私の大切な君だけは私の味方になってくれるはずだ。
彼女の部屋に駆け込む。そこで出迎えてくれるはずの笑顔が――。
「……シャーリィ?」
己の荒い息がこだまする真っ暗な部屋。そこに最愛の人の姿はなかった。
「どこだ。シャーリィ、帰ってきたよ」
追手が迫る。はやく、シャーリィを連れて逃げなくては――。
今度は容赦がなかった。腕を固められ動けない。
「私に触るな! シャーリィ! シャーリィ! 私と逃げよう!」
「ここにいた者は、もういない。故郷へと向かった」
王が遅れて入ってくる。
シャーリィがいない? そんなはずはない。帰ってくるのを彼女は心待ちにしているはずなんだ。
「なっ!? どういうことだ。彼女は!!」
「婚約者を殺したのはお前だと知っていた。知っていて復讐するつもりでここにいたのだ……。これから起こる事を説明して、納得してもらった。許せないけれど、そうなるのならばと言っておった」
「……嘘だ。……嘘だ、嘘だ!! 嘘だ!! 私は望まぬ相手との結婚をさせまいと。彼女こそ、この国の王妃にふさわしいと。だから――」
「国のためと言って己がしでかした大罪、精算してもらうぞ。安心しろ、一人では背負わせぬ。聖女を隠したのは私もだからな……」
王の後ろからひょいと見たことがない男が顔を出す。
「いいですか?」
「あぁ、もう大丈夫だ」
「誰だ、お前はっ!?」
私と同い年くらいに見える男はニコニコ笑いながら近付いてきた。
「どうも。これから私がラヴェル・ハヘラータとして生きていくのでご挨拶を」
「なっ!? いったい何を言って……」
「王の血筋をたくさん作るのは当たり前だろ? 私もその一人。ちゃんと王族ですよ? だから問題なくいつでも、代わる事が出来るんだ。君のように失敗したら、ね?」
私が失敗? どうしてだ……。私は間違ってなんて……。
目の前の男、姿がだんだん私になっていく。今の私の姿ではなく、細かった時の私の姿に。
「便利ですね、コレ」
「少しずつ元の姿に近づけていけば誰にも気付かれないだろう。時間がかかるかもしれないが」
竜魔石の変身魔法を使っているようだ。男の胸元に竜魔石の飾りがあった。
「さぁ、行くぞ」
「嫌だ。嫌だ! 嫌だぁぁぁぁぁぁ」
立たされ、手を引っ張られた。後ろには剣を突き立てられる。進まなければ串刺しだ。
私は逃げる事もかなわず、暗闇へと連れて行かれる。
そう、さっきまでのエマと自分の立場が反対になっていた。
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