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第一章 聖女と竜
第28話 空腹に負けそうです
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触れた場所にピンク色のスライムがいた。まるで守るように寄り添って。
あぁ、リリーの大事な人なんだってすぐにわかった。
出来るかな。二人一緒になんて……。
…………。
………………。
ぐぅぅぅぅぅぅ
自分のお腹のあまりに大きな音で目が覚めた。
「こ、ここは!? 食べ物は?」
なんだかあったかい。おふとんの中かしら?
ぬくもりを求めてあったかい方に顔を寄せるとブレイドとばっちり目があった。
「あれ、ブレイドが何で?」
さっきまで私スピアーに持ち運ばれててそれで?
「またエマに助けられてしまったな」
一度ぎゅっと抱きしめられてから、彼はゆっくりと腕の力を緩める。
「ありがとう。リリーとマチスを救ってくれて」
知らない二人がこちらを見ていた。あれ、もしかして私また出来たのかな。そっか、私やっぱり魔物になった人をもとに戻す事が出来るんだ。
ぐぅぅぅぅぅぅとなる私のお腹。お腹がすき過ぎて目の前にあるものがお肉に見えてくる。美味しそう、いただきます。
「ちょっ、待ってまって。エマ、それボクの腕」
「え……」
がぶりといく前にとめられる。もう口に咥えてはいるんだけど確かにこれは腕だ。急いで口を離す。
「ごめんなさい! お腹がすき過ぎて」
またぎゅっと抱きしめられる。苦しいです。
「ボクが食べられる方になってるじゃないか。ボクが食べるって言ってるのに」
「あ、えーっと、ごめんなさい?」
「いつ食べたらいい?」
「今はダメです」
「そっか」
今というかずっと食べないで欲しい。だけど今はそれどころじゃないのです。
空腹に負けそうです。
「おーい、エマ! とってきたぞ!」
「何でオレが付き合わなきゃならないんだ! って、あぁーーーー!! こら、なに勝手にエマちゃんにくっついてるんだ。離れろ、ブレイド!!」
ルニアとスピアーが騒がしく戻ってきたみたい。手には魚や果物なんかをいっぱい持って。あと、スピアーは何故かまた小さくて丸い竜の姿になってる。
「今からお祝いパーティしようぜ。ほらっいっぱいとってきたぞ」
「な、何の?」
「そりゃ、エマの痩せてきれいになった記念? あとは人に戻れた記念とか、んー。あっ、酒も持ってくりゃよかった!! あそこにいいの置いてきちまったな」
ルニア、確かに痩せたけれどここからは自己責任らしいので暴食しては……、食べたいけれどダメなのよ!! パーティーをしようと言ってくれるのは嬉しいけれど、誘惑が……。
「オレのおかげなんだからな! そこを忘れるなよ!」
「はいはい、ありがとな。スピアー」
ルニアにいいようになで回され小さい竜は怒りながらも、ふんっと鼻を鳴らして胸をはっていた。
私はくすくすと笑いながらブレイドの腕から抜け出そうとする。さすがにそろそろ離れないとお腹の叫びと胸のドキドキで恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
なのに、ブレイドは私の手をきゅっと掴む。
「あの、ブレイド? 手を掴んで何を……」
じぃーっと腕を見たあとこちらに視線を向けてくる。
「さっきのお返し」
そう言って、彼は私の腕、さっきかぷりとした場所に唇を押し付けた。
ひぃっ! 食べ……!? これは確かにびっくりする。ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさーいっ!!
「まだ、食べないで下さいぃぃぃぃ!!」
ブレイドは私の言葉を聞いて満足そうに笑っていた。
あ……、いつか食べられる。私はその目を見て確信した。
あぁ、リリーの大事な人なんだってすぐにわかった。
出来るかな。二人一緒になんて……。
…………。
………………。
ぐぅぅぅぅぅぅ
自分のお腹のあまりに大きな音で目が覚めた。
「こ、ここは!? 食べ物は?」
なんだかあったかい。おふとんの中かしら?
ぬくもりを求めてあったかい方に顔を寄せるとブレイドとばっちり目があった。
「あれ、ブレイドが何で?」
さっきまで私スピアーに持ち運ばれててそれで?
「またエマに助けられてしまったな」
一度ぎゅっと抱きしめられてから、彼はゆっくりと腕の力を緩める。
「ありがとう。リリーとマチスを救ってくれて」
知らない二人がこちらを見ていた。あれ、もしかして私また出来たのかな。そっか、私やっぱり魔物になった人をもとに戻す事が出来るんだ。
ぐぅぅぅぅぅぅとなる私のお腹。お腹がすき過ぎて目の前にあるものがお肉に見えてくる。美味しそう、いただきます。
「ちょっ、待ってまって。エマ、それボクの腕」
「え……」
がぶりといく前にとめられる。もう口に咥えてはいるんだけど確かにこれは腕だ。急いで口を離す。
「ごめんなさい! お腹がすき過ぎて」
またぎゅっと抱きしめられる。苦しいです。
「ボクが食べられる方になってるじゃないか。ボクが食べるって言ってるのに」
「あ、えーっと、ごめんなさい?」
「いつ食べたらいい?」
「今はダメです」
「そっか」
今というかずっと食べないで欲しい。だけど今はそれどころじゃないのです。
空腹に負けそうです。
「おーい、エマ! とってきたぞ!」
「何でオレが付き合わなきゃならないんだ! って、あぁーーーー!! こら、なに勝手にエマちゃんにくっついてるんだ。離れろ、ブレイド!!」
ルニアとスピアーが騒がしく戻ってきたみたい。手には魚や果物なんかをいっぱい持って。あと、スピアーは何故かまた小さくて丸い竜の姿になってる。
「今からお祝いパーティしようぜ。ほらっいっぱいとってきたぞ」
「な、何の?」
「そりゃ、エマの痩せてきれいになった記念? あとは人に戻れた記念とか、んー。あっ、酒も持ってくりゃよかった!! あそこにいいの置いてきちまったな」
ルニア、確かに痩せたけれどここからは自己責任らしいので暴食しては……、食べたいけれどダメなのよ!! パーティーをしようと言ってくれるのは嬉しいけれど、誘惑が……。
「オレのおかげなんだからな! そこを忘れるなよ!」
「はいはい、ありがとな。スピアー」
ルニアにいいようになで回され小さい竜は怒りながらも、ふんっと鼻を鳴らして胸をはっていた。
私はくすくすと笑いながらブレイドの腕から抜け出そうとする。さすがにそろそろ離れないとお腹の叫びと胸のドキドキで恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
なのに、ブレイドは私の手をきゅっと掴む。
「あの、ブレイド? 手を掴んで何を……」
じぃーっと腕を見たあとこちらに視線を向けてくる。
「さっきのお返し」
そう言って、彼は私の腕、さっきかぷりとした場所に唇を押し付けた。
ひぃっ! 食べ……!? これは確かにびっくりする。ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさーいっ!!
「まだ、食べないで下さいぃぃぃぃ!!」
ブレイドは私の言葉を聞いて満足そうに笑っていた。
あ……、いつか食べられる。私はその目を見て確信した。
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