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第一章 聖女と竜
第20話 山を超え谷に落ち
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ルニアが一緒にきてくれて良かった、なんて思ってた日が懐かしいです。ついさっきの話だけど。
「まだまだ、先は長いぞ!」
鬼がいる。
「このままじゃ日が昇るどころか日が沈むぞ」
まって、ルニアはどこまで果物狩りにでていたのよ。
ぜーはーぜーはーと肩で息をする。こんなに遠いなんて聞いてない。
鬼二人……、ルニアとオゥニィーは余裕の顔だけど私にはとても無理そうです。
わざわざ、あの果物にこだわらなければもっと近くにあるのではないのか。ルニアに提案してみようかな。
「ほら、次は谷超えだ」
「え、山越えは終わったの?」
半分終わったならそのまま頑張れば……。
そんな気持ちも吹き飛ぶ恐ろしい断崖絶壁。これを越える?
「これは越えるってのは言いすぎたな」
ルニアの言葉にホッとする。無理だよね。だってこんな下が確認できないような……。
「ここを落ちるんだ☆」
「前言てっかーーーっい!!」
「どうした、何が撤回なんだ?」
しまった。つい心の声がもれてしまったわ。
「落ちるって、死ぬよ? 絶対」
「ん、わたしは生きてるだろ?」
「そうだけど」
「ほら、あそこだ。赤い実が見えてるだろ」
崖の下に確かに小さく赤い実がなる木が見えた。ちっさ。ちっさ!! あれをとってきてたの? わざわざ?
私のためにあそこまで行ってたのは感謝してもしきれないのだけれど、無理だよね。私が行ったら死の未来しか見えないよ?
なんだかお腹まわりがくすぐったい。お腹に視線を落とすと縄がかけられていた。
「あ、あのぅ。これは?」
少し離れた木でOKサインを出すオゥニィーが見えた。その手には縄。そう、私にかけられた縄と繋がっていてその先の木にくくりつけられている。
「はい、これ持って」
「え?」
石を持たされる。ほんとのほんとに石。
「落ちたくなきゃ、それ落とすな。あと飛べって願えよー!!」
「はぁっ!?」
気がつけば私は空を飛んでいた。からの落下が始まる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
死にたくない死にたくない死にたくないー!!!!
手に握る石に必死にお願いする。空を飛んでーっ。
…………。
落下のスピードが止まった。空を飛んでる。
赤い実がはえる場所がみえる。私は必死で泳いでいこうとした。少しずつ。少しずつ。
だけど、上手く動けなくてその場でただバタバタしてるだけだった。
私このまま……。情けないまま、ここでもがき続けるの?
酷いよ。私そんな恨まれることしてしまったの?
思考がどんどんマイナスになっていく。このままじゃ、私。
「まったく。ボクがいるからって無茶苦茶だな」
がしりと抱えられて木のところまで連れてこられた。
ここまで連れてきてくれたのは、翼だけ竜化したブレイドだった。
「な、何でブレイドがここに!?」
「ん? ルニアから何も聞いてないのか? ここにボクが来てる事やその竜魔石がボクが作ったものだって」
「何にもきいてませぇぇぇん」
緊張がとけて一気に涙が溢れた。頑張りたいとは言ったけどいきなりこれは無理だよぉぉぉ。
「よっと。お、ブレイド。きてたんだ」
ルニアは普通にここまでおりてきた。出っ張った石や枝なんかを使って。いったいどんな運動神経なのよぉぉ!!
「まだまだ、先は長いぞ!」
鬼がいる。
「このままじゃ日が昇るどころか日が沈むぞ」
まって、ルニアはどこまで果物狩りにでていたのよ。
ぜーはーぜーはーと肩で息をする。こんなに遠いなんて聞いてない。
鬼二人……、ルニアとオゥニィーは余裕の顔だけど私にはとても無理そうです。
わざわざ、あの果物にこだわらなければもっと近くにあるのではないのか。ルニアに提案してみようかな。
「ほら、次は谷超えだ」
「え、山越えは終わったの?」
半分終わったならそのまま頑張れば……。
そんな気持ちも吹き飛ぶ恐ろしい断崖絶壁。これを越える?
「これは越えるってのは言いすぎたな」
ルニアの言葉にホッとする。無理だよね。だってこんな下が確認できないような……。
「ここを落ちるんだ☆」
「前言てっかーーーっい!!」
「どうした、何が撤回なんだ?」
しまった。つい心の声がもれてしまったわ。
「落ちるって、死ぬよ? 絶対」
「ん、わたしは生きてるだろ?」
「そうだけど」
「ほら、あそこだ。赤い実が見えてるだろ」
崖の下に確かに小さく赤い実がなる木が見えた。ちっさ。ちっさ!! あれをとってきてたの? わざわざ?
私のためにあそこまで行ってたのは感謝してもしきれないのだけれど、無理だよね。私が行ったら死の未来しか見えないよ?
なんだかお腹まわりがくすぐったい。お腹に視線を落とすと縄がかけられていた。
「あ、あのぅ。これは?」
少し離れた木でOKサインを出すオゥニィーが見えた。その手には縄。そう、私にかけられた縄と繋がっていてその先の木にくくりつけられている。
「はい、これ持って」
「え?」
石を持たされる。ほんとのほんとに石。
「落ちたくなきゃ、それ落とすな。あと飛べって願えよー!!」
「はぁっ!?」
気がつけば私は空を飛んでいた。からの落下が始まる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
死にたくない死にたくない死にたくないー!!!!
手に握る石に必死にお願いする。空を飛んでーっ。
…………。
落下のスピードが止まった。空を飛んでる。
赤い実がはえる場所がみえる。私は必死で泳いでいこうとした。少しずつ。少しずつ。
だけど、上手く動けなくてその場でただバタバタしてるだけだった。
私このまま……。情けないまま、ここでもがき続けるの?
酷いよ。私そんな恨まれることしてしまったの?
思考がどんどんマイナスになっていく。このままじゃ、私。
「まったく。ボクがいるからって無茶苦茶だな」
がしりと抱えられて木のところまで連れてこられた。
ここまで連れてきてくれたのは、翼だけ竜化したブレイドだった。
「な、何でブレイドがここに!?」
「ん? ルニアから何も聞いてないのか? ここにボクが来てる事やその竜魔石がボクが作ったものだって」
「何にもきいてませぇぇぇん」
緊張がとけて一気に涙が溢れた。頑張りたいとは言ったけどいきなりこれは無理だよぉぉぉ。
「よっと。お、ブレイド。きてたんだ」
ルニアは普通にここまでおりてきた。出っ張った石や枝なんかを使って。いったいどんな運動神経なのよぉぉ!!
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