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第二草
6・治療の要、草!!
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「スケイルフット?」
使っていいと言われた穴に入り、何か使えるものがないか探しているとチャミちゃんから聞きなれない言葉が出たので聞き返した。
衣類置き場だろうか? 服に出来そうな布が残っていた。これをもらっておこう。
ここで何があったのかわからないが、手付かずでそのまま放置されているみたいだった。
「はい。足が硬い鱗に覆われて、次第に動けなくなってしまうそうです」
「ふぅん」
似たような話は聞いた事がある。だが、それは皮膚がただれるだけだったような。思い出そうとするがうまく思い出せない。何か記憶の中に穴が点々と空いてるような気がした。
「患者に会ってみよう」
「え、でも。私達も感染しませんか?」
そうか、ここがスケイルフットになった人の家だから、放置されてるのかな。オレは納得して、使っていた家主に一言謝り、マントと腰巻き風に布を巻いた。
同じような布をチャミちゃんにも渡す。大きめの布を彼女は肩で結い、上から蔓を腰に巻き直してワンピーススカートのようにしていた。
「大丈夫。オレこの病気たぶん知ってる。あ、チャミちゃん、水場だけ気をつけて。喉が渇いたら魔法で出すから言ってね」
「水場ですか?」
「そう、これは飲み水に原因があると思う」
気配のある近場の穴の中に入って、ドアらしきものの前で声をかける。
「すみませーん、こちらにいらっしゃったらですが、もしよければスケイルフットの治療をさせてもらえませんか」
ドサッと何かが落ちる音がした。ズルズルと何かが這って近寄ってくる。
「治るなら、子供を!! オレはいい!! 子供を!!」
ドアが開く様子がないけれど、オレはゆっくりと取っ手をもってみた。押して開かなかったから引いてみた。開いた。そこにいたのはとかげみたいなヤツだった。
「二人とも見せてもらえるかな?」
上半身を必死に動かして、彼は頷く。足が硬い金属の鱗のようになっていた。
彼が指差す先にいるのは下半身が彼と同じ症状の子どもだった。
「あの、もしかして話がわかってますか?」
「あ、そうなんだ。さっき急に頭の中でわかるようになって」
チャミちゃんはオレが急に共通言語が出来るようになったのに気がついたようだ。
「私もでした。不思議ですよね。……っと、この人達は治せそうですか?」
「あ、あぁ。試してみるよ」
オレは自分が食べた草の中から治療に使う一本を思い出す。うん、食べてるな。
あそこにはたくさんの草がはえていた。それこそ、貴重な薬草や解毒草、ついでに毒草なんかも一緒に。オレはそれらを自分の中に大量に取り込んでいる。オレの中はあらゆる草パワーを秘めているのだ。毒草は勇気がいったけど、全然旨かった。オレつえー。
そう、むしゃむしゃとただ草うめぇしてたわけじゃない。いや、旨かったけど。
「この者に癒しを、解毒」
言われた通り、まずは子供から。
神聖術と食べた解毒草から編み出した草パワーの重ねがけ。
みるみると鱗が姿を消していった。よし、思った通り。
「おと……さん。足が軽い。動けるよ」
ぴくりとも動かなかった子どもが起き上がり、不思議そうに足を動かしていた。
「あとは、お父さんだな」
「はい!」
父親にも同じ術をかける。こちらも問題なく治すことが出来た。
「ありがとうございます。ありがとうございます!」
「いえいえ、たまたま治し方を知っていたので」
「あの、治療代なんですが……」
「あ、治療代はですね。オレ、情報が欲しいんです。えーっと、そうですね」
全員の治療はさすがに無理だ。何人いるかもわからないのを一人でなんて時間がかかりすぎる。だけど、原因の根っこくらいは取り除いてもいいだろう。そうすればたぶん、ゆっくりだが皆回復していくはずだ。
「この症状が出ている住人の住む場所を詳しく聞かせてもらってもいいですか?」
たぶん、オレの予想が正しければ、門番達が住んでいるという街の東側にはでていないから。
使っていいと言われた穴に入り、何か使えるものがないか探しているとチャミちゃんから聞きなれない言葉が出たので聞き返した。
衣類置き場だろうか? 服に出来そうな布が残っていた。これをもらっておこう。
ここで何があったのかわからないが、手付かずでそのまま放置されているみたいだった。
「はい。足が硬い鱗に覆われて、次第に動けなくなってしまうそうです」
「ふぅん」
似たような話は聞いた事がある。だが、それは皮膚がただれるだけだったような。思い出そうとするがうまく思い出せない。何か記憶の中に穴が点々と空いてるような気がした。
「患者に会ってみよう」
「え、でも。私達も感染しませんか?」
そうか、ここがスケイルフットになった人の家だから、放置されてるのかな。オレは納得して、使っていた家主に一言謝り、マントと腰巻き風に布を巻いた。
同じような布をチャミちゃんにも渡す。大きめの布を彼女は肩で結い、上から蔓を腰に巻き直してワンピーススカートのようにしていた。
「大丈夫。オレこの病気たぶん知ってる。あ、チャミちゃん、水場だけ気をつけて。喉が渇いたら魔法で出すから言ってね」
「水場ですか?」
「そう、これは飲み水に原因があると思う」
気配のある近場の穴の中に入って、ドアらしきものの前で声をかける。
「すみませーん、こちらにいらっしゃったらですが、もしよければスケイルフットの治療をさせてもらえませんか」
ドサッと何かが落ちる音がした。ズルズルと何かが這って近寄ってくる。
「治るなら、子供を!! オレはいい!! 子供を!!」
ドアが開く様子がないけれど、オレはゆっくりと取っ手をもってみた。押して開かなかったから引いてみた。開いた。そこにいたのはとかげみたいなヤツだった。
「二人とも見せてもらえるかな?」
上半身を必死に動かして、彼は頷く。足が硬い金属の鱗のようになっていた。
彼が指差す先にいるのは下半身が彼と同じ症状の子どもだった。
「あの、もしかして話がわかってますか?」
「あ、そうなんだ。さっき急に頭の中でわかるようになって」
チャミちゃんはオレが急に共通言語が出来るようになったのに気がついたようだ。
「私もでした。不思議ですよね。……っと、この人達は治せそうですか?」
「あ、あぁ。試してみるよ」
オレは自分が食べた草の中から治療に使う一本を思い出す。うん、食べてるな。
あそこにはたくさんの草がはえていた。それこそ、貴重な薬草や解毒草、ついでに毒草なんかも一緒に。オレはそれらを自分の中に大量に取り込んでいる。オレの中はあらゆる草パワーを秘めているのだ。毒草は勇気がいったけど、全然旨かった。オレつえー。
そう、むしゃむしゃとただ草うめぇしてたわけじゃない。いや、旨かったけど。
「この者に癒しを、解毒」
言われた通り、まずは子供から。
神聖術と食べた解毒草から編み出した草パワーの重ねがけ。
みるみると鱗が姿を消していった。よし、思った通り。
「おと……さん。足が軽い。動けるよ」
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「あとは、お父さんだな」
「はい!」
父親にも同じ術をかける。こちらも問題なく治すことが出来た。
「ありがとうございます。ありがとうございます!」
「いえいえ、たまたま治し方を知っていたので」
「あの、治療代なんですが……」
「あ、治療代はですね。オレ、情報が欲しいんです。えーっと、そうですね」
全員の治療はさすがに無理だ。何人いるかもわからないのを一人でなんて時間がかかりすぎる。だけど、原因の根っこくらいは取り除いてもいいだろう。そうすればたぶん、ゆっくりだが皆回復していくはずだ。
「この症状が出ている住人の住む場所を詳しく聞かせてもらってもいいですか?」
たぶん、オレの予想が正しければ、門番達が住んでいるという街の東側にはでていないから。
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