38 / 79
声を忘れた猫
しおりを挟む
朝日が自室に差し込んできている…朝ですね。
布団から起き出します。
降りて朝御飯食べないと…
めんどくさいけど。
やっぱりうちのにゃんこは可愛い。
あぁそういえば。
口を開けてみる。
「………」
声の出し方、わかんなくなっちゃった、みたいだな。
当時、親の反応は全く記憶にありません。
地元で一番の友人には、メールしたらすごく心配された覚えがありますが。
「猫ちゃん、それ大丈夫なの!?」
ってメールできかれて、
「筆談すりゃいいからへーきへーき」
と返したような。
たぬきさんにも勿論知らせました。
久し振りに会う彼女がいきなり無言だったら心配するだろうし。
まぁ心配されましたが。
親は…ノートで最低限やりとりしていたみたいだし…なんか思っていたかもしれないけど、覚えてない。
ここいら辺りから、両親に関して記憶にないことが増えてまして。
たぶん、私のなかで、彼らが本当にどうでもいい存在にランクダウンし始めていたからでしょうね。
頭の中はむしろ賑やかでしたよ。
しゃべらないぶん、色々考えていました。
表情には、出にくかったとは思いますが…
私の場合、しゃべる気にならない上、しゃべり方を忘れたというか…そんな感じでした。
初めて外国語を習う際、まずは発声から始めますね。
巻き舌だったり、音のつまらせ方や、したの位置など。
細々とした口全体の動きを、図解で見ながら、実際にやってみて、感覚をつかんでいく、そんな感じではないでしょうか。
そこから忘れてしまったような感じで…
『あ』
を発音するときは、口を大きく開けて、空気を押し出すように、そんなところから。
一々発音からわかんないし、そもそも話す気もないので。
周りは慌てていたようですが、猫当人はあっけらかんとしたもんでした。
むしろせいせいしてた。
だってこれで親と話さなくていいもの。
向き合わなくていい。楽でいい。
部屋にこもってていいのですもの。
喋れないんだから、無理にしゃべらせようとはしないでしょうし。
そこまで鬼じゃないと思ってましたし…
たぬきさん、とても心配したみたいでした。
まあ、家出して、家に返したら
「しゃべれなくなったけど、筆談はできるから心配しないでね」
…心配するわ!
という、感じだったようで。
むしろ、戻さねばよかった、やはりあの家から引き離すべきか…と考えを強めていたようです。
たぬきさん、初めてあったときから猫の引き取りを考えてくれていたようで…うつに関しても、勉強していたみたいでした。
「君の場合はどうみても、環境を変えた方がいいと思ったからね」
「あのお母さんでしょ?一番ストレスかかってんの」
後々聞いたお話でした。
「自分ならあのお母さんには対処できるし、自分は猫さん引き取って愛でてればいいし猫さんはストレスなくなっていいことづくめだし」
猫さんのカーディガン毎週貸してもらってるけど、あれ臭いが減っていくし、本体が絶対いいもんねー、ですかそうですか…
布団から起き出します。
降りて朝御飯食べないと…
めんどくさいけど。
やっぱりうちのにゃんこは可愛い。
あぁそういえば。
口を開けてみる。
「………」
声の出し方、わかんなくなっちゃった、みたいだな。
当時、親の反応は全く記憶にありません。
地元で一番の友人には、メールしたらすごく心配された覚えがありますが。
「猫ちゃん、それ大丈夫なの!?」
ってメールできかれて、
「筆談すりゃいいからへーきへーき」
と返したような。
たぬきさんにも勿論知らせました。
久し振りに会う彼女がいきなり無言だったら心配するだろうし。
まぁ心配されましたが。
親は…ノートで最低限やりとりしていたみたいだし…なんか思っていたかもしれないけど、覚えてない。
ここいら辺りから、両親に関して記憶にないことが増えてまして。
たぶん、私のなかで、彼らが本当にどうでもいい存在にランクダウンし始めていたからでしょうね。
頭の中はむしろ賑やかでしたよ。
しゃべらないぶん、色々考えていました。
表情には、出にくかったとは思いますが…
私の場合、しゃべる気にならない上、しゃべり方を忘れたというか…そんな感じでした。
初めて外国語を習う際、まずは発声から始めますね。
巻き舌だったり、音のつまらせ方や、したの位置など。
細々とした口全体の動きを、図解で見ながら、実際にやってみて、感覚をつかんでいく、そんな感じではないでしょうか。
そこから忘れてしまったような感じで…
『あ』
を発音するときは、口を大きく開けて、空気を押し出すように、そんなところから。
一々発音からわかんないし、そもそも話す気もないので。
周りは慌てていたようですが、猫当人はあっけらかんとしたもんでした。
むしろせいせいしてた。
だってこれで親と話さなくていいもの。
向き合わなくていい。楽でいい。
部屋にこもってていいのですもの。
喋れないんだから、無理にしゃべらせようとはしないでしょうし。
そこまで鬼じゃないと思ってましたし…
たぬきさん、とても心配したみたいでした。
まあ、家出して、家に返したら
「しゃべれなくなったけど、筆談はできるから心配しないでね」
…心配するわ!
という、感じだったようで。
むしろ、戻さねばよかった、やはりあの家から引き離すべきか…と考えを強めていたようです。
たぬきさん、初めてあったときから猫の引き取りを考えてくれていたようで…うつに関しても、勉強していたみたいでした。
「君の場合はどうみても、環境を変えた方がいいと思ったからね」
「あのお母さんでしょ?一番ストレスかかってんの」
後々聞いたお話でした。
「自分ならあのお母さんには対処できるし、自分は猫さん引き取って愛でてればいいし猫さんはストレスなくなっていいことづくめだし」
猫さんのカーディガン毎週貸してもらってるけど、あれ臭いが減っていくし、本体が絶対いいもんねー、ですかそうですか…
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる