20 / 20
親愛なる友へ~とある精霊の回顧録~
しおりを挟む
「――友達に、なってくれないかな」
自分にとっては心地よい、漆黒の空間の中で。
わけもわからぬままここにつれてこられて、おそらく本人にとっては突拍子も無い話をされた後であろうに。
いつもなれば、『不老不死の肉体が欲しい』『尽きぬ財宝が欲しい』『憎いアイツに死よりも苦しい地獄を』なんていわれるその状況下で。
目の前の人族の娘が、羞恥に頬を染めながら、所在無げに両手をもじもじと組み合わせつつ願ってきたその内容の、そのくだらなさで、眉間に皺がよってしまったことくらい、許されると思う。
――今、この娘は、なんと言ったか。
友達、ともだち、トモダチ。
獣の脳内でその言葉が残響音を響かせながらリフレインする。
はてさて、トモダチとは、我ら精霊に願ってもたらされるものであったのか。
その後、獣の様子がおかしいことに気づいて、目の前の人族の娘は必死になって獣に弁解をし、彼女の願いの凡庸さに、叶える側の獣が「くだらない」と渋り、それでもあなたとお友達になりたい、ずっと友達がほしかった、この間読んだ冒険活劇で勇ましい戦士達や、娘達の友情が如何に素晴らしく心を打つものであったかを身振り手振りを交えて熱心に語られ、うんざりして尻尾がぶんぶん振れてしまったことも…致し方ないことだと思う。
「その物語の最後で、娘達が言うんです。『たとえ生まれ変わっても、私達友達でいましょうね!』って…」
うっとりと夢見がちな瞳をしながら、娘が熱く語る冒険活劇の最後のシーン。
親友同士だった二人の娘は、お互い別々の国に嫁ぐことになり、うすうすと今生の別れを感じながら、峠の別れ道でお互いの手を握り、再会を願う。
『いつか、どこかで会いましょう』と。
そのシーンがとても印象深くて…と娘は恍惚とする。
獣には理解できない感情だ。しかし、いくらいっても頑として譲らない娘の意思に、獣は負けた。
「…わかった。じゃあ、友達になってあげるわ」
ありがとう!と両手を叩いて喜んだ娘の顔。その顔が今まで願いを叶えてきたどの相手よりも、眩しく見えたのは真実だったと、今でも彼女はそう思っている。
------------------------------------------------------------
「――あれは、『成った』か…」
瞳を閉じ、無意識の海に沈んでいた精霊は、はるか彼方の世界で『友達』に起こっている変化を感じ取り、透き通る翅を震わせた。
半分透けている身体。人族のようでありながら、其の背には美しい透明な翅が八枚、燐光を発しながら僅かに震えている。
さらさらと流れ落ちる髪は銀色に輝いて美しく、薄絹をその肢体にまとう彼女は森の奥の泉で瞑想をしていた。
かつて、真っ黒な獣の姿を持っていた彼女。彼女の持つ力を欲した人族によって、仮の器として戯れに生み出された獣の身体に魂を押し込められていたが、あまたの世界を渡ることにより、其の力が増大したことで彼女は其の姿を本来のものとしていた。
共に渡っていた兄弟達も、少しずつその数を減らしていった。精霊は、生命力の集合体が其の核と成る。異なる世界を渡り、気に入った場所で身体を休め、身体を活性化させて其の世界の生命力を僅かずつ吸い取り、他の世界で得た生命力を周りに与えることで他の生命も育てる。
そうやって、精霊は其の力を増やし、増え切ったところで新たな精霊が分裂し、生まれる。其の生命誕生には途方も無い生命力が必要になるので、もともと寿命も長く、数が増えない種族でもあった。
兄弟達は、各々気に入った世界があると別れていく。力が弱いときには団結し、力が満ちてくると、独り立ちしていく生き物であった。
その過程で、どこかの世界では神格化されて崇拝されたり、逆に迫害されたりする。彼らの生には、その生き方ゆえに波乱が多いのも特徴でもあった。
生まれたばかりの頃、右も左もわからない状態で、自分に優しくしてくれた人族にすっかりほだされ、油断していたところにその力を狙われ、生命を狙われた。
彼女はその生命力を死ぬ寸前まで落としたことで、その魔手から逃れえたが、その先何年も、その魂や身体を癒すために潜伏することを余儀なくされた。
そんな時だった。どこか頼りなく、それで居て頑固な女の子に拾われたのは。
歯をむいて威嚇しても、仕方無しに噛み付いても、その女の子は自分を抱く手を離さなかった。
「いたいね、いたいね」
此方の傷を涙を浮かべて顔をゆがめながら、薬をやさしく塗りこんで、噛み跡が残る小さな手で、優しく撫でてくれた。
『貴女の傷でもないのに。…変な子』
彼女は、泣きながら獣の自分を抱いて丸くなって眠る自らに、そんな感想を抱かれていたことなんて知らないだろう。
精霊としての力を削がれ、ただの獣として何とか命をつないでいたあの時、自分に自らの生命力を吸い取られていたことも。
彼女と過ごした一週間、その僅かな期間だったけれど、精霊は僅かながら力を蓄えることが出来た。
――この力を使って、この子の中で休ませて貰おう。
変な女の子はミラーナといった。肉体を脱ぎ捨て、彼女の精神に憑依して、力の回復を待った。
そのせいか、彼女の周りには余り人が寄らなくなっていた。
――悪いけど、ここで休ませて貰うわよ。
彼女の周りの生命を少しずつ頂いて、傷を癒した。
でも、まさか、そのせいで彼女に大きな傷を負わせるとは――
------------------------------------------------------------
だから、獣は償いをした。
友人とやらになってみた。でも、それだけでは彼女に申し訳ない気がして、昔世話になった大樹に話を通して、彼女の保護を願った。
自分が頼み込んだことは、大樹には秘密にしてもらった。
――なんだか、申し訳ない気がしたから。
時折、彼女の夢の中に入って、彼女が喜ぶような夢を見せてあげてみた。友達というものが、未だに良くわからなかったけれど。
きっと、相手が喜ぶことをしてあげるものなんだろう。…そう、自分を納得させて。
彼女が、精霊の加護なき世界を望んでいるのを知って…
もう彼女の元へと向かうことが出来ないことを残念に思いながらも、精霊は彼女の住む世界に精霊が訪れないように細工をした。
精霊の手を借りずとも、生命はもともと生きていくことは出来る。
自分の力を必要とされないことは、残念だったけれど。
――だけど、こっそりと、様子を伺うことくらいは、許して欲しい――
いつしか、精霊は友達のことが大好きになっていた。
ちょっと抜けているけれど、とっても優しくて、お人よしで、頑固な友達が。
精霊よりもずっとちっぽけなのに、彼女はたくさんのことをなした。彼女のことを知るものは、もうほとんど居ないけれど。
――今なら、彼女が大好きだったというお話がわかる…
たった一人、世界を支え続けている彼女。ずっと遠くの世界で、沢山の生命と共に生きる自分。
もう、会うことも無いけれど。
『夢でもいい、また、会えたなら…』
精霊は夜空を見上げる。その先の、ずっと、ずっと、はるか遠くに居る『友達』を。
「ありがとう」
そう、伝えたい。
自分にとっては心地よい、漆黒の空間の中で。
わけもわからぬままここにつれてこられて、おそらく本人にとっては突拍子も無い話をされた後であろうに。
いつもなれば、『不老不死の肉体が欲しい』『尽きぬ財宝が欲しい』『憎いアイツに死よりも苦しい地獄を』なんていわれるその状況下で。
目の前の人族の娘が、羞恥に頬を染めながら、所在無げに両手をもじもじと組み合わせつつ願ってきたその内容の、そのくだらなさで、眉間に皺がよってしまったことくらい、許されると思う。
――今、この娘は、なんと言ったか。
友達、ともだち、トモダチ。
獣の脳内でその言葉が残響音を響かせながらリフレインする。
はてさて、トモダチとは、我ら精霊に願ってもたらされるものであったのか。
その後、獣の様子がおかしいことに気づいて、目の前の人族の娘は必死になって獣に弁解をし、彼女の願いの凡庸さに、叶える側の獣が「くだらない」と渋り、それでもあなたとお友達になりたい、ずっと友達がほしかった、この間読んだ冒険活劇で勇ましい戦士達や、娘達の友情が如何に素晴らしく心を打つものであったかを身振り手振りを交えて熱心に語られ、うんざりして尻尾がぶんぶん振れてしまったことも…致し方ないことだと思う。
「その物語の最後で、娘達が言うんです。『たとえ生まれ変わっても、私達友達でいましょうね!』って…」
うっとりと夢見がちな瞳をしながら、娘が熱く語る冒険活劇の最後のシーン。
親友同士だった二人の娘は、お互い別々の国に嫁ぐことになり、うすうすと今生の別れを感じながら、峠の別れ道でお互いの手を握り、再会を願う。
『いつか、どこかで会いましょう』と。
そのシーンがとても印象深くて…と娘は恍惚とする。
獣には理解できない感情だ。しかし、いくらいっても頑として譲らない娘の意思に、獣は負けた。
「…わかった。じゃあ、友達になってあげるわ」
ありがとう!と両手を叩いて喜んだ娘の顔。その顔が今まで願いを叶えてきたどの相手よりも、眩しく見えたのは真実だったと、今でも彼女はそう思っている。
------------------------------------------------------------
「――あれは、『成った』か…」
瞳を閉じ、無意識の海に沈んでいた精霊は、はるか彼方の世界で『友達』に起こっている変化を感じ取り、透き通る翅を震わせた。
半分透けている身体。人族のようでありながら、其の背には美しい透明な翅が八枚、燐光を発しながら僅かに震えている。
さらさらと流れ落ちる髪は銀色に輝いて美しく、薄絹をその肢体にまとう彼女は森の奥の泉で瞑想をしていた。
かつて、真っ黒な獣の姿を持っていた彼女。彼女の持つ力を欲した人族によって、仮の器として戯れに生み出された獣の身体に魂を押し込められていたが、あまたの世界を渡ることにより、其の力が増大したことで彼女は其の姿を本来のものとしていた。
共に渡っていた兄弟達も、少しずつその数を減らしていった。精霊は、生命力の集合体が其の核と成る。異なる世界を渡り、気に入った場所で身体を休め、身体を活性化させて其の世界の生命力を僅かずつ吸い取り、他の世界で得た生命力を周りに与えることで他の生命も育てる。
そうやって、精霊は其の力を増やし、増え切ったところで新たな精霊が分裂し、生まれる。其の生命誕生には途方も無い生命力が必要になるので、もともと寿命も長く、数が増えない種族でもあった。
兄弟達は、各々気に入った世界があると別れていく。力が弱いときには団結し、力が満ちてくると、独り立ちしていく生き物であった。
その過程で、どこかの世界では神格化されて崇拝されたり、逆に迫害されたりする。彼らの生には、その生き方ゆえに波乱が多いのも特徴でもあった。
生まれたばかりの頃、右も左もわからない状態で、自分に優しくしてくれた人族にすっかりほだされ、油断していたところにその力を狙われ、生命を狙われた。
彼女はその生命力を死ぬ寸前まで落としたことで、その魔手から逃れえたが、その先何年も、その魂や身体を癒すために潜伏することを余儀なくされた。
そんな時だった。どこか頼りなく、それで居て頑固な女の子に拾われたのは。
歯をむいて威嚇しても、仕方無しに噛み付いても、その女の子は自分を抱く手を離さなかった。
「いたいね、いたいね」
此方の傷を涙を浮かべて顔をゆがめながら、薬をやさしく塗りこんで、噛み跡が残る小さな手で、優しく撫でてくれた。
『貴女の傷でもないのに。…変な子』
彼女は、泣きながら獣の自分を抱いて丸くなって眠る自らに、そんな感想を抱かれていたことなんて知らないだろう。
精霊としての力を削がれ、ただの獣として何とか命をつないでいたあの時、自分に自らの生命力を吸い取られていたことも。
彼女と過ごした一週間、その僅かな期間だったけれど、精霊は僅かながら力を蓄えることが出来た。
――この力を使って、この子の中で休ませて貰おう。
変な女の子はミラーナといった。肉体を脱ぎ捨て、彼女の精神に憑依して、力の回復を待った。
そのせいか、彼女の周りには余り人が寄らなくなっていた。
――悪いけど、ここで休ませて貰うわよ。
彼女の周りの生命を少しずつ頂いて、傷を癒した。
でも、まさか、そのせいで彼女に大きな傷を負わせるとは――
------------------------------------------------------------
だから、獣は償いをした。
友人とやらになってみた。でも、それだけでは彼女に申し訳ない気がして、昔世話になった大樹に話を通して、彼女の保護を願った。
自分が頼み込んだことは、大樹には秘密にしてもらった。
――なんだか、申し訳ない気がしたから。
時折、彼女の夢の中に入って、彼女が喜ぶような夢を見せてあげてみた。友達というものが、未だに良くわからなかったけれど。
きっと、相手が喜ぶことをしてあげるものなんだろう。…そう、自分を納得させて。
彼女が、精霊の加護なき世界を望んでいるのを知って…
もう彼女の元へと向かうことが出来ないことを残念に思いながらも、精霊は彼女の住む世界に精霊が訪れないように細工をした。
精霊の手を借りずとも、生命はもともと生きていくことは出来る。
自分の力を必要とされないことは、残念だったけれど。
――だけど、こっそりと、様子を伺うことくらいは、許して欲しい――
いつしか、精霊は友達のことが大好きになっていた。
ちょっと抜けているけれど、とっても優しくて、お人よしで、頑固な友達が。
精霊よりもずっとちっぽけなのに、彼女はたくさんのことをなした。彼女のことを知るものは、もうほとんど居ないけれど。
――今なら、彼女が大好きだったというお話がわかる…
たった一人、世界を支え続けている彼女。ずっと遠くの世界で、沢山の生命と共に生きる自分。
もう、会うことも無いけれど。
『夢でもいい、また、会えたなら…』
精霊は夜空を見上げる。その先の、ずっと、ずっと、はるか遠くに居る『友達』を。
「ありがとう」
そう、伝えたい。
0
お気に入りに追加
13
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説


この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。


貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!

高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の低田悠真のクラスには『高嶺の花』と呼ばれるほどの人気がある高嶺結衣という女子生徒がいる。容姿端麗、頭脳明晰、品行方正な高嶺さんは男女問わずに告白されているが全て振っていた。彼女には好きな人がいるらしい。
ゴールデンウィーク明け。放課後にハンカチを落としたことに気付いた悠真は教室に戻ると、自分のハンカチの匂いを嗅いで悶える高嶺さんを見つける。その場で、悠真は高嶺さんに好きだと告白されるが、付き合いたいと思うほど好きではないという理由で振る。
しかし、高嶺さんも諦めない。悠真に恋人も好きな人もいないと知り、
「絶対、私に惚れさせてみせるからね!」
と高らかに宣言したのだ。この告白をきっかけに、悠真は高嶺さんと友達になり、高校生活が変化し始めていく。
大好きなおかずを作ってきてくれたり、バイト先に来てくれたり、放課後デートをしたり、朝起きたら笑顔で見つめられていたり。高嶺の花の高嶺さんとの甘くてドキドキな青春学園ラブコメディ!
※2学期編3が完結しました!(2024.11.13)
※お気に入り登録や感想、いいねなどお待ちしております。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる