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呪いの事実
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「ああ、お待たせいたしました、ケラーファ様」
息を切らせてやってきたのは、国王の侍従だ。今、探してきた体で息を切らし、耳長族の長に向かって丁寧にその身を折り、別の侍従も駆け込んできて、自然な動作で子爵令息から彼らの身を隠す。その際、子爵令息アレクセイに向かって何事かささやきかけると、彼はすぐさまその顔色を真青に変えて、後ろによろめいたところを、なぜかその場にいた二人の近衛兵が自然な流れで彼の腕を取り、会場の外へと連れ去っていった。
眼前からアレクセイが去ったのを見届けて、長はその腕の抱擁を解く。そして、侍従に向かって礼を述べると、自然な動作で国王の待つエリアへと義妹の手を取ったままにこやかに去っていった。その表情には先程浮かべたような険しさは全く感じられず、周りに立ち尽くしていた貴族達はしばし呆然としていたが、一人、また一人と会場の中に戻っていった。
「…やりすぎですわ、お義兄様」
にこやかに、今にも踊りだしそうなくらいに軽やかに義妹の手を取り案内されるまま進む義兄の手をとりながら、リューティアは義兄をちらりと横目でねめつける。里長はそんな義妹の視線にも全く動じてはいなかった。
「ふふ、これでも抑えたくらいだ。君が我等の元に来てくれた恩人でもあるけれど、やはり君を理解しようとせずに傷つけた人間など、我らにとっては害でしかないからね。ここらで釘でも刺しておかねば、私がマナ様に叱られてしまうよ」
歩みはとめないまま、里長は義妹の手を優しく握り返して、横目でいたずらっぽく笑った。
「我らは大樹の子。母なる大樹の元に生き、死ぬ種族だ。そんな大樹たるマナ様が久方ぶりに認めた『娘』なんだから。君は、我らにとっても宝なんだよ。基本的に異種族とのかかわりを倦む我らが、久方ぶりに迎えた異種族の家族だ。そりゃあ大事にするさ」
里長は、声量を抑えて小声で話すリューティアとは対照的に、声を潜めようとはしていなかった。そのため、案内を務める侍従にも、周囲に侍る貴族にもその内容は聞こえている。彼らの会話を耳に挟みながら、周囲にいた貴族の顔色は面白いことになっていた。そんな顔色の変化をも、里長は愉しんでいるようだった。
「だから、もっとわがままを言ってもいいのだけれどね。…本当に、我が義妹は慎ましやかで困ったものだよ。…『導き手』のあの子が認めただけはあるね」
「まあ」
リューティアは驚いて義兄を見上げる。彼は目を見開いた彼女に微笑んだ。
「私がまだ大樹から離れられぬ稚児であった頃、友人になってくれたのがあの子なんだよ。…だから、あの子を傷つけた人族は嫌いだったんだ」
「そうだったのですか…」
「でも、君が彼女と心を通じ合わせてくれて、彼女が心穏やかになってくれて。ようやく旅路につく決心がついたのだから、そういう意味でも、私は君に感謝しているんだよ」
「…わたしは、そんな大事にするつもりで彼女と友人になったわけでは…」
「いいんだよ」
里長の口調は、優しかった。
「精霊は存在するだけで世界に恵みをもたらすもの。今まで、沢山の欲深いものたちが彼女を欲し、願う中で、きみは彼女に何の助力も願わなかった。…ただ、共に存在するだけを願った。それが、どれだけ、彼女にとっては大きなことだったか。…君にはわからないだろうけどね」
リューティアは俯いたまま、きゅっと義兄の手を握り締めた。義兄はそれに微笑んだ。
「常に、利用され続けてきた。願われ、力を振るうことが当然だった彼女にとって、ただ共にあるだけで相手に微笑みかけられる関係が、どんなに救いになっていたか。…私にも全てを理解することは難しいけれど、それが現在、精霊の呪いが軽症化していることの大きな原因であることは、疑いようのない事実だと思うよ。…君は、あの子も、この国も救ったんだよ」
だから、と里長は義妹の手を優しく握り返した。
「もう、そんなに根をつめて役目を果たさなくていいんだ。…この渡りを最後に、自由に生きて良いんだよ。…これは、マナ様、里のみんなの総意でもあるんだ。…私は、君にそれを伝えるために、ここまで来たんだよ」
「…お義兄さま」
リューティアは俯いたままだった。しかし、義兄を呼ぶその声は少し揺れていた。
「さあ、あとは王様に挨拶して、君の用事を済ませないとね」
義兄は義妹ににこりと微笑みかけた。丁度、案内されて大広間の突き当たりの豪奢な扉にいきついたところであった。
侍従に促されるまま、里長は義妹の手をやさしく取ったまま、重厚な扉の奥へと消えた。
「此度は本当に、すまなかった」
扉が閉められ、出迎えた王は心底すまなそうな顔をしていた。
「折角、貴女が此方にきてくれたというのに…嫌な思いをさせてしまった」
王の顔色は悪かった。目の下には隈がクッキリと見えていたし、そこはかとなく気だるげにも見える。
「…本当に。人手が足りないというのはお聞きしておりましたが、正直ここまでとは思いませんでしたよ」
里長は礼儀なんぞ知ったことではないと鷹揚な態度のまま言い募る。王の背後に控える宰相や、近衛騎士はあまりの態度に一瞬息を呑んだが、さっと王が片手で静止をしたためそれ以上動くことはなかった。
「…まことに、申し訳ない。この場は私と貴方がたしか居らぬと思って、此方の礼儀は無視してもらって構わない」
「…人族の礼儀と言うのは面倒なものだね」
「…私らはあなた方よりも早く生き、死ぬのでな…純然たる魔法を扱う力もない。種としての序列を作るには、おのが血脈を辿るのがわかりやすかったりするのだよ」
「…いうねぇ。言うようになったね、人族の王よ。我らが血脈で優劣を誇れないのを逆手に言うとはね」
「…きっと、貴方にとっては私はすぐに過去の人となるだろう。だが、短いものには短いものなりに、矜持と言うものはあるものだ」
「ふふふ…」
「お義兄さま!」
長同士のやや黒い口撃合戦に、終わりを告げさせたのは後ろに控えていた巫女であった。彼女は頬を膨らませて、義兄の服の裾を引っ張る。義妹の可愛らしい制止に里長はふと背後の黒いオーラを霧散させ、にこりと微笑んだ。
「なんだい、わが義妹よ。こんなつまらない場は飽きたかな?」
「…」
リューティアは義兄を鋭く睨んで黙らせると、向かいで座る王に向かい一礼し、「発言の許可を」と願うと、王は軽く手を上げて苦笑した。
「もとよりここは無礼講の場だよ。…貴方はもう此方の慣習等気にしなくて良いだろうに、気を遣わせてしまってすまない。」
「…はい。では、義兄がすみません。それと、此方に伺ったのは私の意思ですから、お気遣いなさらず。…此方に伺ったのは、『代表として』です。…他の方々は、少々難しかったようですので」
王の顔色が曇る。その表情に多少の後ろめたさを感じつつ、リューティアは言葉を続けた。
「個人的に私が連絡役として丁度いい位置に住んでおりましたので、皆様方と連絡を取っておりました。…ここに、皆様と話し合って出した結論を、かつての主君である陛下にお伝えしたく馳せ参じました、次第です」
リューティアは、王の近くで侍っていた侍従に目礼し、近寄ってきた侍従に一通ずつ、差出人の名を告げながらきちんと封蝋のされた書簡を手渡していく。
それを横目で眺めていた王は、感嘆の息を上げた。
「…我らでは彼女達の消息は辿れなんだが。…こういっては為政者としては失格だろうが…皆、息災か?幸せだろうか」
不敬だとはわかっていたが、ちらりとリューティアは王の顔を盗み見た。王の横顔は、なんとも寂しそうな影を落としていた。
「…当時の王太子の婚約者殿とは、王妃と共に時折私的な茶会を開くこともあった。第二王子の婚約者殿ともね。お二人とも、賢く気高い姫君だった。…我らは、彼女に何の不満もなかったし、あの時引き止められずに何度後悔したか…いや、すまない、忘れてくれ」
ぽつり、ぽつりとこぼされていた過去への未練は、王が自ら首をふって断ち切った。
「…ああ、それなんだけれどもね」
そんな王の感傷を、先程から不機嫌さを隠そうともしなくなった里長がふん、と鼻息を荒くして足を組みなおし、椅子に乱暴に座りなおした。
「あのときの婚約破棄騒動だけれども。…あれは、たぶん『反転』の呪いだと思うよ」
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にこやかに、今にも踊りだしそうなくらいに軽やかに義妹の手を取り案内されるまま進む義兄の手をとりながら、リューティアは義兄をちらりと横目でねめつける。里長はそんな義妹の視線にも全く動じてはいなかった。
「ふふ、これでも抑えたくらいだ。君が我等の元に来てくれた恩人でもあるけれど、やはり君を理解しようとせずに傷つけた人間など、我らにとっては害でしかないからね。ここらで釘でも刺しておかねば、私がマナ様に叱られてしまうよ」
歩みはとめないまま、里長は義妹の手を優しく握り返して、横目でいたずらっぽく笑った。
「我らは大樹の子。母なる大樹の元に生き、死ぬ種族だ。そんな大樹たるマナ様が久方ぶりに認めた『娘』なんだから。君は、我らにとっても宝なんだよ。基本的に異種族とのかかわりを倦む我らが、久方ぶりに迎えた異種族の家族だ。そりゃあ大事にするさ」
里長は、声量を抑えて小声で話すリューティアとは対照的に、声を潜めようとはしていなかった。そのため、案内を務める侍従にも、周囲に侍る貴族にもその内容は聞こえている。彼らの会話を耳に挟みながら、周囲にいた貴族の顔色は面白いことになっていた。そんな顔色の変化をも、里長は愉しんでいるようだった。
「だから、もっとわがままを言ってもいいのだけれどね。…本当に、我が義妹は慎ましやかで困ったものだよ。…『導き手』のあの子が認めただけはあるね」
「まあ」
リューティアは驚いて義兄を見上げる。彼は目を見開いた彼女に微笑んだ。
「私がまだ大樹から離れられぬ稚児であった頃、友人になってくれたのがあの子なんだよ。…だから、あの子を傷つけた人族は嫌いだったんだ」
「そうだったのですか…」
「でも、君が彼女と心を通じ合わせてくれて、彼女が心穏やかになってくれて。ようやく旅路につく決心がついたのだから、そういう意味でも、私は君に感謝しているんだよ」
「…わたしは、そんな大事にするつもりで彼女と友人になったわけでは…」
「いいんだよ」
里長の口調は、優しかった。
「精霊は存在するだけで世界に恵みをもたらすもの。今まで、沢山の欲深いものたちが彼女を欲し、願う中で、きみは彼女に何の助力も願わなかった。…ただ、共に存在するだけを願った。それが、どれだけ、彼女にとっては大きなことだったか。…君にはわからないだろうけどね」
リューティアは俯いたまま、きゅっと義兄の手を握り締めた。義兄はそれに微笑んだ。
「常に、利用され続けてきた。願われ、力を振るうことが当然だった彼女にとって、ただ共にあるだけで相手に微笑みかけられる関係が、どんなに救いになっていたか。…私にも全てを理解することは難しいけれど、それが現在、精霊の呪いが軽症化していることの大きな原因であることは、疑いようのない事実だと思うよ。…君は、あの子も、この国も救ったんだよ」
だから、と里長は義妹の手を優しく握り返した。
「もう、そんなに根をつめて役目を果たさなくていいんだ。…この渡りを最後に、自由に生きて良いんだよ。…これは、マナ様、里のみんなの総意でもあるんだ。…私は、君にそれを伝えるために、ここまで来たんだよ」
「…お義兄さま」
リューティアは俯いたままだった。しかし、義兄を呼ぶその声は少し揺れていた。
「さあ、あとは王様に挨拶して、君の用事を済ませないとね」
義兄は義妹ににこりと微笑みかけた。丁度、案内されて大広間の突き当たりの豪奢な扉にいきついたところであった。
侍従に促されるまま、里長は義妹の手をやさしく取ったまま、重厚な扉の奥へと消えた。
「此度は本当に、すまなかった」
扉が閉められ、出迎えた王は心底すまなそうな顔をしていた。
「折角、貴女が此方にきてくれたというのに…嫌な思いをさせてしまった」
王の顔色は悪かった。目の下には隈がクッキリと見えていたし、そこはかとなく気だるげにも見える。
「…本当に。人手が足りないというのはお聞きしておりましたが、正直ここまでとは思いませんでしたよ」
里長は礼儀なんぞ知ったことではないと鷹揚な態度のまま言い募る。王の背後に控える宰相や、近衛騎士はあまりの態度に一瞬息を呑んだが、さっと王が片手で静止をしたためそれ以上動くことはなかった。
「…まことに、申し訳ない。この場は私と貴方がたしか居らぬと思って、此方の礼儀は無視してもらって構わない」
「…人族の礼儀と言うのは面倒なものだね」
「…私らはあなた方よりも早く生き、死ぬのでな…純然たる魔法を扱う力もない。種としての序列を作るには、おのが血脈を辿るのがわかりやすかったりするのだよ」
「…いうねぇ。言うようになったね、人族の王よ。我らが血脈で優劣を誇れないのを逆手に言うとはね」
「…きっと、貴方にとっては私はすぐに過去の人となるだろう。だが、短いものには短いものなりに、矜持と言うものはあるものだ」
「ふふふ…」
「お義兄さま!」
長同士のやや黒い口撃合戦に、終わりを告げさせたのは後ろに控えていた巫女であった。彼女は頬を膨らませて、義兄の服の裾を引っ張る。義妹の可愛らしい制止に里長はふと背後の黒いオーラを霧散させ、にこりと微笑んだ。
「なんだい、わが義妹よ。こんなつまらない場は飽きたかな?」
「…」
リューティアは義兄を鋭く睨んで黙らせると、向かいで座る王に向かい一礼し、「発言の許可を」と願うと、王は軽く手を上げて苦笑した。
「もとよりここは無礼講の場だよ。…貴方はもう此方の慣習等気にしなくて良いだろうに、気を遣わせてしまってすまない。」
「…はい。では、義兄がすみません。それと、此方に伺ったのは私の意思ですから、お気遣いなさらず。…此方に伺ったのは、『代表として』です。…他の方々は、少々難しかったようですので」
王の顔色が曇る。その表情に多少の後ろめたさを感じつつ、リューティアは言葉を続けた。
「個人的に私が連絡役として丁度いい位置に住んでおりましたので、皆様方と連絡を取っておりました。…ここに、皆様と話し合って出した結論を、かつての主君である陛下にお伝えしたく馳せ参じました、次第です」
リューティアは、王の近くで侍っていた侍従に目礼し、近寄ってきた侍従に一通ずつ、差出人の名を告げながらきちんと封蝋のされた書簡を手渡していく。
それを横目で眺めていた王は、感嘆の息を上げた。
「…我らでは彼女達の消息は辿れなんだが。…こういっては為政者としては失格だろうが…皆、息災か?幸せだろうか」
不敬だとはわかっていたが、ちらりとリューティアは王の顔を盗み見た。王の横顔は、なんとも寂しそうな影を落としていた。
「…当時の王太子の婚約者殿とは、王妃と共に時折私的な茶会を開くこともあった。第二王子の婚約者殿ともね。お二人とも、賢く気高い姫君だった。…我らは、彼女に何の不満もなかったし、あの時引き止められずに何度後悔したか…いや、すまない、忘れてくれ」
ぽつり、ぽつりとこぼされていた過去への未練は、王が自ら首をふって断ち切った。
「…ああ、それなんだけれどもね」
そんな王の感傷を、先程から不機嫌さを隠そうともしなくなった里長がふん、と鼻息を荒くして足を組みなおし、椅子に乱暴に座りなおした。
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