4 / 20
過去の亡霊との邂逅
しおりを挟む
『酷いわ。私は貴方とずっといっしょにいたのに』
りぃん、という澄んだ鈴の音と共に頭の中に響いてきた幼い声に、彼女は驚いた。
「…えっ…?」
周りをきょろきょろと見回しても、一面に広がる星空以外には何もない。…目の前で行儀良く座る獣のほかには。
『ついでに言うならあなたはまだ死んでない。ここは、無意識の空間。様々な生き物が根っこに持っている、意識の集合体の場所』
ぱた、ぱた、と獣が尾を振っている。良くみれば獣の背には生前にはなかった小さな羽根があり、それがぱたぱたと可愛らしく羽ばたいていた。…そういえば、自分が治療していた頃、この子は背中に大きな傷がなかったか。
『…丁度、貴方がずっと眠っていたから、お礼が言いたくて』
「…?お礼…?」
彼女はことばの意味を理解できずに首をかしげると、目の前の獣はおもむろに立ち上がって、伸びをした。
『ずっと、言いたかった。…最期のとき、いっしょにいてくれてありがとう。どうせ助からないとわかっていたのに、ずっといてくれてありがとう。…嬉しかったの…』
りぃん、と鈴の音が鳴る。目の前に座っていた獣は、羽根を羽ばたかせたと思うと、軽やかに飛び上がり、羽根をはためかせながら彼女の腕の中に飛び込んだ。
おもわず彼女が腕を広げて抱きとめると、獣は生前、そうしたように、彼女の脇の部分に小さな頭をぐりぐりとすりつけて甘えた。
そんな様子に彼女は破顔して、昔のようにゆっくりと頭から背中にかけて、ゆっくりと優しくなでた。昔は大きな傷があって触れるのを躊躇っていた背中には、ふわふわの羽根が生えており、彼女はその前縁部分を指で優しくなでた。
「甘えん坊さんね。いいの、お互い様だったもの。私は貴方に救われたわ。自分にも存在意義があるんだって、そう思えたもの…」
獣は答えず、ただその小さな羽根をぱたぱたと羽ばたかせ、尻尾をぶんぶんと振った。
『お礼が、したいの』
ひとしきり甘えた後、獣はふと我に帰ったのか、恥ずかしげに彼女の腕から抜け出し、ふわふわと空中に浮かびながら彼女にそう提案した。
「…?お礼?」
彼女は首を傾げた。
『…私、もうじきここから発つの。皆に会いに行くの』
「まあ!貴方の仲間が待っているのね。…よかった、ひとりじゃないのね…」
彼女は安堵した。そんな彼女を、獣はただ空中で浮かびながら、うかがうような目で見上げた。
『…願いを、一つだけ。貴方の願いを、叶えたいの』
「…?」
『…貴方を不幸にした男に、死ぬよりつらい罰を与えてもいい。あなた自身を見ようとしなかった、父親でもいい。』
「…そんな、ことが…?」
彼女はおどろいて獣の瞳を見返した。獣の瞳は澄み切っていて、とても嘘を言っているようには見えなかった。
『疑うのも、無理はないけど。…私は普通の獣ではないから…』
そういいながら、獣は目を伏せる。
「…ごめんなさい、貴方を疑ったわけでは…うん、ちょっとはそうしたけど、ちょっとびっくりしちゃったの」
獣の羽も、尻尾もシュンとうなだれているのを見て、彼女は慌てて獣をフォローする。
「…そりゃあね、婚約破棄だけならいざ知らず、あの方私を突き飛ばしたからね。腹は立つけど。…でも、今となっては、あんな人につかまらなくて良かったって思うの…自分の意見が通らないからって、相手を突き飛ばすなんて。いまどき子供でもやらないわ!
…父も…ちっとも私を見てくれなくて。家を継ぐための、中継ぎとしか私を見ていなかった。
…でも、ね。私だって、とうの昔にあの人に父としての役割を求めていなかったし…お互い貴族らしい貴族だったんだと思うわ。…こんな目にあったからこそ、だけど。家のために、何もかも捨ててしまった人なんだろうって。」
獣はかつてのように、黙って彼女のことばを聞いていた。ただ昔とは違い、そのひとみには傷ついた光が宿っていた。
『…恨まないの?』
「…ふふ」
彼女は微笑んだ。邪気のない笑顔だった。
「恨んでないわけなんてないわ。…ただ、どうでもよくなっちゃったのかな。あんな人たちのことを考えているより、先のことを考えて居たいなあって思うようになったというか」
彼女は微笑みながら、はるか頭上を見上げた。彼女の視線の先には、小さいけれど暖かな光が映っている。それはきらきらと輝きながら、ゆるく円を描きながら彼女達の元へと舞い降りてきた。
「…こんな私にも、私を心から思ってくれている人がいるの。心配して、毎日変わった事があるとお話してくれて…」
『…暖かいわね』
彼女達の手元にまで降りてきた暖かな光は、微かな光と共に、優しい声を運んできていた。
------------------------------------------------------------
『…お嬢様、今日私、初めて耳長族の魔法と言うものをみたのです。…素晴らしいですね!お嬢様にもお見せしたいです…』
『小人族と言うものは、皆身長が低いのだそうです。…女性もあのように力持ちだそうで!私、びっくりいたしましたわ…』
『今日は空を飛ぶ飛翼族というものを見ましたわ。大きな鳥の羽を背中に生やしているのです!』
『…早く、お嬢様にもじかに見ていただきたいですわ…世の中はこれから、きっと大きく変わります。』
『旦那様がお許しくださるなら、私、お嬢様と外の世界を旅したいですわ!…今、留学生を外の国々は募集しているのです。』
『お嬢様のご学友も、数人行かれるそうですよ。…お嬢様、早くお目覚めください。…席がなくなってしまいますよ…』
------------------------------------------------------------
「…私の、専属メイドです。…姉のように、母のように…いつも励ましてくれました。…彼女のためにも、早く目を覚ましてあげたいのです…」
沢山の小さな光が、一人の女性の優しい声を伝えてくる。それらはすべて、目の前の彼女への励ましと、優しさに満ちていた。快い感情を感じ、獣はそっと目を閉じた。
『…彼女のために、目覚めると?』
「…ええ。早く目覚めてあげないと。私の面倒ばかり見させてしまって、婚期を逃してしまいそうなんですもの。せめて、一緒に外の世界に出て、彼女に素晴らしい旦那様を見つけてあげたいの」
わたしは、もう旦那様はいらないから。
そういって朗らかに彼女は笑った。
「私はもう十分にしあわせです。だから、あなたの願いも必要ないのです。…でも、あえて言うのなら…」
その後、獣と彼女は何度かやり取りをした。獣はその願いを受け入れがたかったが、彼女が是非にと強く願うので、結局折れてしまった。
『…あなたって、結構頑固なのね…』
恨みがましくねめつけてくる獣に、彼女は微笑を浮かべた。
「何だか一度死んだつもりになってしまったせいか、ふてぶてしくなってしまったようですわ。…あなたは、こういう人間はお嫌?」
コテリと首を傾げて問う彼女に対し、獣は犬歯を見せて笑った。
『いいや。…わかりやすくって、正直で。私個人としては好ましいと思うよ』
「それはよかったわ。他の人にどう思われようともうどうでもいいけれど、何だか貴方に嫌われるのは嫌だったの、私」
『…本当に、変わったね。…心配して、損した』
そういいながらも、獣の羽はぱたぱたとせわしなく羽ばたいており、尻尾もぶんぶんと大きくふれていた。
りぃん、という澄んだ鈴の音と共に頭の中に響いてきた幼い声に、彼女は驚いた。
「…えっ…?」
周りをきょろきょろと見回しても、一面に広がる星空以外には何もない。…目の前で行儀良く座る獣のほかには。
『ついでに言うならあなたはまだ死んでない。ここは、無意識の空間。様々な生き物が根っこに持っている、意識の集合体の場所』
ぱた、ぱた、と獣が尾を振っている。良くみれば獣の背には生前にはなかった小さな羽根があり、それがぱたぱたと可愛らしく羽ばたいていた。…そういえば、自分が治療していた頃、この子は背中に大きな傷がなかったか。
『…丁度、貴方がずっと眠っていたから、お礼が言いたくて』
「…?お礼…?」
彼女はことばの意味を理解できずに首をかしげると、目の前の獣はおもむろに立ち上がって、伸びをした。
『ずっと、言いたかった。…最期のとき、いっしょにいてくれてありがとう。どうせ助からないとわかっていたのに、ずっといてくれてありがとう。…嬉しかったの…』
りぃん、と鈴の音が鳴る。目の前に座っていた獣は、羽根を羽ばたかせたと思うと、軽やかに飛び上がり、羽根をはためかせながら彼女の腕の中に飛び込んだ。
おもわず彼女が腕を広げて抱きとめると、獣は生前、そうしたように、彼女の脇の部分に小さな頭をぐりぐりとすりつけて甘えた。
そんな様子に彼女は破顔して、昔のようにゆっくりと頭から背中にかけて、ゆっくりと優しくなでた。昔は大きな傷があって触れるのを躊躇っていた背中には、ふわふわの羽根が生えており、彼女はその前縁部分を指で優しくなでた。
「甘えん坊さんね。いいの、お互い様だったもの。私は貴方に救われたわ。自分にも存在意義があるんだって、そう思えたもの…」
獣は答えず、ただその小さな羽根をぱたぱたと羽ばたかせ、尻尾をぶんぶんと振った。
『お礼が、したいの』
ひとしきり甘えた後、獣はふと我に帰ったのか、恥ずかしげに彼女の腕から抜け出し、ふわふわと空中に浮かびながら彼女にそう提案した。
「…?お礼?」
彼女は首を傾げた。
『…私、もうじきここから発つの。皆に会いに行くの』
「まあ!貴方の仲間が待っているのね。…よかった、ひとりじゃないのね…」
彼女は安堵した。そんな彼女を、獣はただ空中で浮かびながら、うかがうような目で見上げた。
『…願いを、一つだけ。貴方の願いを、叶えたいの』
「…?」
『…貴方を不幸にした男に、死ぬよりつらい罰を与えてもいい。あなた自身を見ようとしなかった、父親でもいい。』
「…そんな、ことが…?」
彼女はおどろいて獣の瞳を見返した。獣の瞳は澄み切っていて、とても嘘を言っているようには見えなかった。
『疑うのも、無理はないけど。…私は普通の獣ではないから…』
そういいながら、獣は目を伏せる。
「…ごめんなさい、貴方を疑ったわけでは…うん、ちょっとはそうしたけど、ちょっとびっくりしちゃったの」
獣の羽も、尻尾もシュンとうなだれているのを見て、彼女は慌てて獣をフォローする。
「…そりゃあね、婚約破棄だけならいざ知らず、あの方私を突き飛ばしたからね。腹は立つけど。…でも、今となっては、あんな人につかまらなくて良かったって思うの…自分の意見が通らないからって、相手を突き飛ばすなんて。いまどき子供でもやらないわ!
…父も…ちっとも私を見てくれなくて。家を継ぐための、中継ぎとしか私を見ていなかった。
…でも、ね。私だって、とうの昔にあの人に父としての役割を求めていなかったし…お互い貴族らしい貴族だったんだと思うわ。…こんな目にあったからこそ、だけど。家のために、何もかも捨ててしまった人なんだろうって。」
獣はかつてのように、黙って彼女のことばを聞いていた。ただ昔とは違い、そのひとみには傷ついた光が宿っていた。
『…恨まないの?』
「…ふふ」
彼女は微笑んだ。邪気のない笑顔だった。
「恨んでないわけなんてないわ。…ただ、どうでもよくなっちゃったのかな。あんな人たちのことを考えているより、先のことを考えて居たいなあって思うようになったというか」
彼女は微笑みながら、はるか頭上を見上げた。彼女の視線の先には、小さいけれど暖かな光が映っている。それはきらきらと輝きながら、ゆるく円を描きながら彼女達の元へと舞い降りてきた。
「…こんな私にも、私を心から思ってくれている人がいるの。心配して、毎日変わった事があるとお話してくれて…」
『…暖かいわね』
彼女達の手元にまで降りてきた暖かな光は、微かな光と共に、優しい声を運んできていた。
------------------------------------------------------------
『…お嬢様、今日私、初めて耳長族の魔法と言うものをみたのです。…素晴らしいですね!お嬢様にもお見せしたいです…』
『小人族と言うものは、皆身長が低いのだそうです。…女性もあのように力持ちだそうで!私、びっくりいたしましたわ…』
『今日は空を飛ぶ飛翼族というものを見ましたわ。大きな鳥の羽を背中に生やしているのです!』
『…早く、お嬢様にもじかに見ていただきたいですわ…世の中はこれから、きっと大きく変わります。』
『旦那様がお許しくださるなら、私、お嬢様と外の世界を旅したいですわ!…今、留学生を外の国々は募集しているのです。』
『お嬢様のご学友も、数人行かれるそうですよ。…お嬢様、早くお目覚めください。…席がなくなってしまいますよ…』
------------------------------------------------------------
「…私の、専属メイドです。…姉のように、母のように…いつも励ましてくれました。…彼女のためにも、早く目を覚ましてあげたいのです…」
沢山の小さな光が、一人の女性の優しい声を伝えてくる。それらはすべて、目の前の彼女への励ましと、優しさに満ちていた。快い感情を感じ、獣はそっと目を閉じた。
『…彼女のために、目覚めると?』
「…ええ。早く目覚めてあげないと。私の面倒ばかり見させてしまって、婚期を逃してしまいそうなんですもの。せめて、一緒に外の世界に出て、彼女に素晴らしい旦那様を見つけてあげたいの」
わたしは、もう旦那様はいらないから。
そういって朗らかに彼女は笑った。
「私はもう十分にしあわせです。だから、あなたの願いも必要ないのです。…でも、あえて言うのなら…」
その後、獣と彼女は何度かやり取りをした。獣はその願いを受け入れがたかったが、彼女が是非にと強く願うので、結局折れてしまった。
『…あなたって、結構頑固なのね…』
恨みがましくねめつけてくる獣に、彼女は微笑を浮かべた。
「何だか一度死んだつもりになってしまったせいか、ふてぶてしくなってしまったようですわ。…あなたは、こういう人間はお嫌?」
コテリと首を傾げて問う彼女に対し、獣は犬歯を見せて笑った。
『いいや。…わかりやすくって、正直で。私個人としては好ましいと思うよ』
「それはよかったわ。他の人にどう思われようともうどうでもいいけれど、何だか貴方に嫌われるのは嫌だったの、私」
『…本当に、変わったね。…心配して、損した』
そういいながらも、獣の羽はぱたぱたとせわしなく羽ばたいており、尻尾もぶんぶんと大きくふれていた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説


この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。


あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」

高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の低田悠真のクラスには『高嶺の花』と呼ばれるほどの人気がある高嶺結衣という女子生徒がいる。容姿端麗、頭脳明晰、品行方正な高嶺さんは男女問わずに告白されているが全て振っていた。彼女には好きな人がいるらしい。
ゴールデンウィーク明け。放課後にハンカチを落としたことに気付いた悠真は教室に戻ると、自分のハンカチの匂いを嗅いで悶える高嶺さんを見つける。その場で、悠真は高嶺さんに好きだと告白されるが、付き合いたいと思うほど好きではないという理由で振る。
しかし、高嶺さんも諦めない。悠真に恋人も好きな人もいないと知り、
「絶対、私に惚れさせてみせるからね!」
と高らかに宣言したのだ。この告白をきっかけに、悠真は高嶺さんと友達になり、高校生活が変化し始めていく。
大好きなおかずを作ってきてくれたり、バイト先に来てくれたり、放課後デートをしたり、朝起きたら笑顔で見つめられていたり。高嶺の花の高嶺さんとの甘くてドキドキな青春学園ラブコメディ!
※2学期編3が完結しました!(2024.11.13)
※お気に入り登録や感想、いいねなどお待ちしております。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる