10 / 14
罠
しおりを挟む
エリックの奴は、どこまでも俺をなめくさっていたようだった。
そもそも、今回の盗賊征討作戦そのものが、俺をおびき出すエサだったとか、そのすきに依頼人を自宅に突撃させてミルごと連れ出す予定だったとか。ふざけるなといいたい。
しかし、俺が思いつきで使った魔法がすでに禁呪指定を受けていたとあれば、俺は魔術ギルドから処分が下る。そのへんをうまくとりもつので、協力しろと…そもそも俺に拒否権すらないくせに。性格の悪さは相変わらずだ。俺は、おとなしく奴についていった。
神殿に行くようだ。道中、馬に乗りながら夜空を見上げる。中空には、雲間から月が垣間見えていた。満月でも、半月でもないけれども…三日月よりは大きい。ああ、この大きさならば、ミルが俺が寝付くくらいまではいつも話し相手になってくれたなあ、と思い出される。
あの小さくてふわふわの前足でカードを遠慮がちにさしてくれた初めのころ。月夜のたびに人の姿に戻れることがわかって、俺が窓際の椅子に頭からすっぽりとかぶれるようなシンプルなワンピースを用意して、それに気づいてありがとうと微笑んでくれたのは先月のことだったか…俺の最近の記憶は、ミルのことばかりだ。何度言っても俺のお気に入りの皮製の肩掛けかばんにツメを立てるのをやめないので、猫の嫌がる柑橘のコロンをかばんに振りかけたところ、お返しとばかりにお気に入りのソファに思い切りかじりつかれて、泣く泣く修理する羽目になったこと。猫の好むご飯が最初わからなくて、ミルクばかり出していたらお腹を壊して俺のお気に入りのシーツがだめになったこと。仕事のことで嫌な思いが重なって、部屋で頭を抱えて悩んでいたとき、ふと視線を感じて振り向くと、ドアの隙間から気遣わしげに見られていたこと。…ああ、思い出が沢山ありすぎて。忘れられるはずもない。
早く、ミルに会いたい。あの綺麗な白の毛皮は、ちゃんと自分でもお手入れしているだろうか。最近は俺がブラッシングするほうが綺麗になると気づいたのか、自分で毛づくろいする回数が減っていたようだったから、あの美しさは損なわれていないといいのだが。
俺たちが数刻馬を飛ばして神殿に着くと、出迎えてくれた神官の歯切れがどうにも悪かった。
エリックがあの胡散臭い微笑を浮かべて状況の説明を受けている。あーあ、あの神官今日眠れるだろうか。アイツの機嫌の悪い笑顔って黒いものが背後からにじみ出てるから、まともに見ると体調崩す奴が多いんだよな。
何度か会話の応酬をして、状況を掴んだらしいエリックが俺たちの元に戻ってきた。奴は珍しく険しい顔をして、俺の顔を見るなり顎でしゃくってきた。
「…ついて早々、仕事だ。マリク、お前エサになってくれ」
「…どういうことだ?」
なんとなく、嫌な予想はついていたが確認のために聞き返すと、エリックは心底嫌そうな顔をして俺を促した。
「お前の姫様が逃げ出した。お前がいれば、きっと誘い出されてくれるだろう。…礼拝堂へ行くぞ」
「…そうか」
可愛そうなミル。あいつはあの家から出たことがない。いきなりこんなところにつれてこられたら、寂しいだろう。俺が来ているとわかったら、会いにきてくれるだろうか?今は、動かないほうが得策か。帰ったら、しっかりなでていたわってあげなければいけないな、と俺は暢気に思っていた。
俺はこのとき、エリックという奴のことを買いかぶっていた。昔からの腐れ縁。…あいつの生まれを思えば、それだけで俺をそばに置く奴じゃないってことくらい、わかっていたはずなのに。影の一族は、この国の王族に絶対の忠誠を誓うものだ。そのためなら、いくらでも周りを欺く奴らだって、俺はすっかり忘れていた。ミルとの穏やかな日々が、俺の危機意識を鈍らせてしまっていたのかもしれない。
――礼拝堂で。
「エリック…!!貴様…!!」
ぎり、と奥歯をかみ締めて俺は騎士に守られた奴を睨む。…失敗した。まさか、田舎都市の揉め事ごときに、王家の影を出してくるなんて…!!
腕の中のミルは、低く唸り声を上げながら、俺の腕にツメを食い込ませて、必死に抵抗している。おれ自身も、必死に足元に描き出された魔方陣からにじみ出てくる魔力を自らの魔力で相殺しようと試みるが、如何せん足元の魔術の完成度は俺ごときではかなうはずもない…魔方陣からの魔力は膨大だ。まさか田舎の魔法使い一人を始末するためにわざわざ王家の魔道士を送り込んでくるとは…読みが甘かったか。
急速に失われる魔力のせいでぐらぐらとかすみ始める視界の中で、エリックは友人だった魔法使いを悼むように目を細めた。
「折に触れて警告はしただろう。早く解呪しろと。…セドリックの扱う商品の中に、非常の価値の高い魔道具の材料が発見されてね。彼は王家預かりになったんだ。…だから、この問題を長引かせるわけには、行かないんだよ」
娘が見つからないから、王家への協力を渋っているんだ。だったら、さっさと娘を引き渡すか。…引き渡せる状況にないのなら、娘の死亡を告げなければならない。
エリックの告げた内容はマリクの最悪の予想以上のものだった。
「なんということを…!!」
ああ、まずい。目がかすむ。腕の中のミルだけは、何とか守らなければ。その一心で、ひたすら魔方陣の干渉に耐える。
ひたすらあがく友人を、エリックは冷たく突き放した。
「その腕の猫をかばうと、君の命も危ないと思うけど。…解呪が長引きそうなら、さっさと死体として引き渡しても構わない、そのほうが早いと上は言うんだよ。」
貴族って勝手だよなあ、とエリックは他人事のようにこぼす。
「…どうせ、俺だって生かす気はない、くせに…!!」
口の中で鉄の味が滲み出す。くそ、魔力が少ない。腕の中のミルがどうにも先程から静かなのが気になって仕方がない。だめだ、このままでは…!
「…君との友人ごっこは、それなりに楽しかったよ、マリク」
その言葉を最後に、俺の意識は闇に溶けた。
そもそも、今回の盗賊征討作戦そのものが、俺をおびき出すエサだったとか、そのすきに依頼人を自宅に突撃させてミルごと連れ出す予定だったとか。ふざけるなといいたい。
しかし、俺が思いつきで使った魔法がすでに禁呪指定を受けていたとあれば、俺は魔術ギルドから処分が下る。そのへんをうまくとりもつので、協力しろと…そもそも俺に拒否権すらないくせに。性格の悪さは相変わらずだ。俺は、おとなしく奴についていった。
神殿に行くようだ。道中、馬に乗りながら夜空を見上げる。中空には、雲間から月が垣間見えていた。満月でも、半月でもないけれども…三日月よりは大きい。ああ、この大きさならば、ミルが俺が寝付くくらいまではいつも話し相手になってくれたなあ、と思い出される。
あの小さくてふわふわの前足でカードを遠慮がちにさしてくれた初めのころ。月夜のたびに人の姿に戻れることがわかって、俺が窓際の椅子に頭からすっぽりとかぶれるようなシンプルなワンピースを用意して、それに気づいてありがとうと微笑んでくれたのは先月のことだったか…俺の最近の記憶は、ミルのことばかりだ。何度言っても俺のお気に入りの皮製の肩掛けかばんにツメを立てるのをやめないので、猫の嫌がる柑橘のコロンをかばんに振りかけたところ、お返しとばかりにお気に入りのソファに思い切りかじりつかれて、泣く泣く修理する羽目になったこと。猫の好むご飯が最初わからなくて、ミルクばかり出していたらお腹を壊して俺のお気に入りのシーツがだめになったこと。仕事のことで嫌な思いが重なって、部屋で頭を抱えて悩んでいたとき、ふと視線を感じて振り向くと、ドアの隙間から気遣わしげに見られていたこと。…ああ、思い出が沢山ありすぎて。忘れられるはずもない。
早く、ミルに会いたい。あの綺麗な白の毛皮は、ちゃんと自分でもお手入れしているだろうか。最近は俺がブラッシングするほうが綺麗になると気づいたのか、自分で毛づくろいする回数が減っていたようだったから、あの美しさは損なわれていないといいのだが。
俺たちが数刻馬を飛ばして神殿に着くと、出迎えてくれた神官の歯切れがどうにも悪かった。
エリックがあの胡散臭い微笑を浮かべて状況の説明を受けている。あーあ、あの神官今日眠れるだろうか。アイツの機嫌の悪い笑顔って黒いものが背後からにじみ出てるから、まともに見ると体調崩す奴が多いんだよな。
何度か会話の応酬をして、状況を掴んだらしいエリックが俺たちの元に戻ってきた。奴は珍しく険しい顔をして、俺の顔を見るなり顎でしゃくってきた。
「…ついて早々、仕事だ。マリク、お前エサになってくれ」
「…どういうことだ?」
なんとなく、嫌な予想はついていたが確認のために聞き返すと、エリックは心底嫌そうな顔をして俺を促した。
「お前の姫様が逃げ出した。お前がいれば、きっと誘い出されてくれるだろう。…礼拝堂へ行くぞ」
「…そうか」
可愛そうなミル。あいつはあの家から出たことがない。いきなりこんなところにつれてこられたら、寂しいだろう。俺が来ているとわかったら、会いにきてくれるだろうか?今は、動かないほうが得策か。帰ったら、しっかりなでていたわってあげなければいけないな、と俺は暢気に思っていた。
俺はこのとき、エリックという奴のことを買いかぶっていた。昔からの腐れ縁。…あいつの生まれを思えば、それだけで俺をそばに置く奴じゃないってことくらい、わかっていたはずなのに。影の一族は、この国の王族に絶対の忠誠を誓うものだ。そのためなら、いくらでも周りを欺く奴らだって、俺はすっかり忘れていた。ミルとの穏やかな日々が、俺の危機意識を鈍らせてしまっていたのかもしれない。
――礼拝堂で。
「エリック…!!貴様…!!」
ぎり、と奥歯をかみ締めて俺は騎士に守られた奴を睨む。…失敗した。まさか、田舎都市の揉め事ごときに、王家の影を出してくるなんて…!!
腕の中のミルは、低く唸り声を上げながら、俺の腕にツメを食い込ませて、必死に抵抗している。おれ自身も、必死に足元に描き出された魔方陣からにじみ出てくる魔力を自らの魔力で相殺しようと試みるが、如何せん足元の魔術の完成度は俺ごときではかなうはずもない…魔方陣からの魔力は膨大だ。まさか田舎の魔法使い一人を始末するためにわざわざ王家の魔道士を送り込んでくるとは…読みが甘かったか。
急速に失われる魔力のせいでぐらぐらとかすみ始める視界の中で、エリックは友人だった魔法使いを悼むように目を細めた。
「折に触れて警告はしただろう。早く解呪しろと。…セドリックの扱う商品の中に、非常の価値の高い魔道具の材料が発見されてね。彼は王家預かりになったんだ。…だから、この問題を長引かせるわけには、行かないんだよ」
娘が見つからないから、王家への協力を渋っているんだ。だったら、さっさと娘を引き渡すか。…引き渡せる状況にないのなら、娘の死亡を告げなければならない。
エリックの告げた内容はマリクの最悪の予想以上のものだった。
「なんということを…!!」
ああ、まずい。目がかすむ。腕の中のミルだけは、何とか守らなければ。その一心で、ひたすら魔方陣の干渉に耐える。
ひたすらあがく友人を、エリックは冷たく突き放した。
「その腕の猫をかばうと、君の命も危ないと思うけど。…解呪が長引きそうなら、さっさと死体として引き渡しても構わない、そのほうが早いと上は言うんだよ。」
貴族って勝手だよなあ、とエリックは他人事のようにこぼす。
「…どうせ、俺だって生かす気はない、くせに…!!」
口の中で鉄の味が滲み出す。くそ、魔力が少ない。腕の中のミルがどうにも先程から静かなのが気になって仕方がない。だめだ、このままでは…!
「…君との友人ごっこは、それなりに楽しかったよ、マリク」
その言葉を最後に、俺の意識は闇に溶けた。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる