帝国の魔女

G.G

文字の大きさ
上 下
22 / 36

第十九話 取引と出陣準備

しおりを挟む

練兵場での魔法お披露目から二日ほどして、あたしリーアに宮殿からお呼びがかかった。
「リーア殿、これは命令ではなくお願いなんだが、私の客員魔道士になってくれまいか」
シャクティおばさんからいきなり切り出された。
「え……っと、それは戦争に協力するって事ですよね」
「そういう局面もあるのは事実です。だが帝国魔道士の役割はそれだけじゃない。魔法を使って国民の暮らしを支える役割が大きい。治山、治水、災害対策、開拓事業など、魔法が無いと困難、又は不可能な事態に対処するんです。報償ははずみますよ」
「あたしにそんな大それた事、無理ですよ」
「何を言ってるんです。先日、練兵場で私の部下達を総なめにしたじゃありませんか。彼らに出来てあなたに出来ないなんて、あり得ません」

あー、やっぱり目をつけられた。ホムンクルス使って正解だった。幼女のあたしシャニだけじゃ逃げ道無かったろうな。今後も慎重に行かなくっちゃ。
「それじゃですね、パートタイムじゃいけませんか?」
「ぱあとたいむ?」
「ああ、非常勤って事です。何か事案があれば事前に相談して頂く。それを受ける、受けないはあたしが決めます。いつやるか、どれくらいやるかも。一旦決めたら約束は守りますから」
「何と。聞いた事のない仕組みですな。よろしいでしょう。それで契約成立です」
「それで、早速なんだけどね、兵達を訓練して欲しいんだ」
アイン、何で居るの?それに何言ってる?
「訓練なんて、素人のあたしに出来るわけ無いでしょ?」
「戦闘の訓練じゃないよ。『どこでもない場所』に慣れる訓練さ。司令官や騎士団長とも話し合ったんだけど、リーアさんの魔法で兵士達を移動させるんだ。戦術的には圧倒的優位に立てる」
こいつ、何てこと考えるんだ。それに司令官や騎士団長?いつの間に?
「まあ、出来ない事ないけどさ。大丈夫かなあ。それに転移はあたしの行ったことのある場所じゃないとできないよ」
「転移させる前にその場所へ行っておけば良いじゃないか」
「簡単に言ってくれるじゃない」
「マンレオタはターク持ってるだろ?あれで移動すれば良い」
そりゃそうだけどさ。毎度、騎士さんの膝に乗っかるのも、乙女としてどうかと思う。

「タークの乗り方、教えましょうか?」カーサ母様の助け船。
タークを自分で操縦する?そうか、幼女じゃなくて大人の体のあたしリーアなら一人で操縦できるじゃない。閃いた。
「シャクティさん、あたしにタークを一台買って頂けますか?」
「ふむ。カーサイレ殿、タークはいかほどするものでしょう」
「金貨五千枚です」
「ご……五千枚……ううむ……」シャクティおばさん、天を仰いで黙り込んでしまった。
「騎士団や軍にも負担させればいいじゃないですか。あと、魔道協会とか帝室とか」
そう言ってアインは携帯端末を取り出す。ちょい待ち、それって秘密になってるんじゃ?
「ああ、これね。軍機だって言うからマッシュ達には知らせてないよ」
アインはウィンクすると、端末であちこち交渉を始めた。すっげー。
いつもすっとぼけてるけど、こいつ、とんでもない大物じゃないかな。
「騎士団五百、軍二千、魔道協会五百、ケッテニー宰相が色んな所から一千集めるって。あと一千だけだよ」
「……分かった。リーア殿、タークを購入する。それで引き受けてくれるな?」
あ。逆に断れなくなっちゃった。アインめ。

結局、午前中はタークの練習、午後は兵達の訓練ということになった。期限は携帯端末が揃う一ヶ月先まで。
タークの操縦は意外に難しかった。あたしリーアは操縦席に座り、カーサ母様が後ろで立つ。
前世のあたし陽子はニーハンライダーでもあった。でも、タークは上下にも走る。小型の飛行機みたいなもんだ。感覚がまるで違う。
カーサ母様が後ろで指示する通り動かしてみる。大事なのはイメージだ。イメージを魔力に乗せて前のバーに流し込む。ゆっくり走っている分には良いが、少しスピードを上げるとイメージが追いつかなくなる。底を擦ったり、大幅に外にぶれたりする。機体が斜めに傾いたり、変な振動がしたりする。
防御魔法が無かったらあちこち傷だらけ、へこみだらけになってたろうな。
それにしてもカーサ母様は凄い。立ったままなのに、振り飛ばされもせず姿勢を保ってる。

一ヶ月で細かい動きはともかく、ちょっと遠出でツーリング、みたいのは出来るようになった。
でも、飛竜に襲われたりすると対処できないので、カーサ母様なんかに護衛して貰おう。
新しい二十台のタークも新人騎士に割り当てられ、父様が訓練に当たった。
魔法が使える必要があったので、魔道協会に選んで貰ったらしい。彼らは朝から晩までスパルタ式の特訓。その甲斐あってか、あたしリーアよりずっとうまく乗りこなしてる。

空間魔法の訓練は、要するに疑似空間に慣れるという事だ。それから実空間に転移した時、隊列を維持し、すぐに活動出来なきゃいけない。
だから、只ひたすら繰り返せば良い訳なんだけど、疑似空間にそのまま浮かぶというのは実に精神衛生上良くない。だから壁や天井、床が必要なんだ。これが大人数となると大事になる。
ぶっちゃけ、二万人収容の建物なんて一月二月で出来るもんじゃない。
苦肉の策として、天幕を大量に用意して貰った。これは隊列を変更した場合でも、自由に組み替えがきく。悔しいけどアインの案だ。
最初、隊長格の人たちに慣れて貰い、部下を指導して貰う。中隊規模くらいから徐々に増やして最後は二万人。一ヶ月で現空間に転移直後、一糸乱れず突撃、なんて事ができるようになった。
騎士団は特別で、百騎の飛竜がいる。更に闘竜一千。人間じゃなく飛竜や闘竜を落ち着かせるのは大変だった。闘竜は走竜と違い、肉食で凶暴。巨大な頭と鋭い牙を持つ。それを騎士達はなだめすかし、大人しくさせる。さすが帝国騎士団。

一方、あたしシャニは、アジャ商会が買い取った工房にニニと出向き、魔法コンロの製法を技師達に教えた。どうやら魔工技師付きで買い取れたらしい。
技師達はあたしシャニとニニを見て、疑わしそうな目つきになった。六才の幼女と十才の少女だもんね。
それが、さくさくと術式を組み上げ、腐食液を魔晶石に転写していくのを見て驚嘆した。彼らの全く知らない方法だったし。
そして、ニニがロダ・バクミンの孫だと知ると、もう神扱い。
あたしシャニと言えば、工房のマスコットみたいになっちゃた。けど、仕事はちゃんとしてるよ。

最初のロットを揃えた後、マッシュおじさんは展示室に小売商の主人達を集め、実演会を開いた。最初のロットは瞬間的に売り切れ。予約殺到という顛末になった。
現状の工房ではとても受けきれない数量。
マッシュおじさんは急遽、別の大きな工房を買収、またしても、あたしシャニとニニが出向く事になった。
あっという間に魔鉱石は底をつき、『工房の里』で精製して貰って、あたしリーアが転移させる。アジャ商会との契約では相当の金額になる。
帝都では魔法コンロはびっくりするほどの勢いで売れていき、やがて帝国全体に普及する。ロイヤリティ収入は安定してマンレオタを潤した。が、まあ、それは後日譚。

壮行会でお披露目になった絹は、とんでもない騒ぎを巻き起こした。壮行会はあたしもカーサ母様と一緒に参加したので覚えてる。
マッシュおじさんは一通り紹介した後、現在五反ずつしかなく、年間十反づつしか販売できない事、予約は受付できない事を念を入れて説明した。
その上で、オークション形式で販売する事を宣言。正直、マッシュおじさんも値段を付けかねたらしい。
反物をあらためた領主の奥様方からはブーイングの嵐。
マッシュおじさん曰く、背中に殺気を感じて震え上がったという。

希少価値と品質から、オークションは金貨百枚から始める事にした。
「二百枚!」すぐに声が上がった。
「三百枚!」間髪を入れず。
「五百枚!」
「六百枚!」
「七百枚!」
「八百枚!」
あれよあれよ。でも、さすがに間が開く。
「九百枚!」
「さあ、九百枚出ました。その上はありませんか?」
「九百五十枚!」
「はい、九百五十枚。さあ、他には?」
「一千枚」これで確定という落ち着いた声。第二皇妃セララ。
「一千枚出ましたねえ、これで落札かな」
「一千百!」
皇妃セララがじろりと発言者を睨む。
「一千二百」
「一千三百!」
「一千五百」
これで決着がついた。第二皇妃セララが落札。
第一落札者の権利として入念に反物を選ぶ。
「では、次の一反。公平を期して、前の落札者は参加できませんので悪しからず」
黄色い叫び声が会場を満たす。
さすがに金貨一千五百枚は出なかったが、一千二百から一千四百までで買い手が付いた。

その後、マッシュおじさんは奥様方から猛烈に攻めまくられたという。
「合計、一万三千六百枚だ。この六割を……」ハミに向かって言う。
「マッシュさん、ちょっと待って下さい。六割は無いでしょう?絹の生産にはとんでもない労力がかかってるんです。九割が妥当です」あたしリーアが遮る。
「ん。そう言えばそうだな。じゃ七割で」
「ふーん、じゃ、取引終わりですね。他の商人なら九割でも喜んで買いますよ」
「あー、待て待て、八割で手を打とう。リーアさんも駆け引き覚えたな?」
「アインさんのおかげです」
「あいつめ!」
そう言いながら、マッシュおじさんは従業員に金貨を数えながら箱に入れさせる。
「金貨一万枚……」ハミの手が震えている。
「良かったね。これで無事冬が越せる。もう危ないお役目引き受けちゃダメだよ」
「リーア様。本当に何とお礼を言って良いか……」
ハミはあたしリーアの胸にすがって泣き出した。

携帯端末が揃い、全体に支給されると、通信を使った訓練が始まった。
空間魔法を使った訓練は一時休止し、あたしリーアは魔道士達の訓練に付き合うように言われた。
それで気になったのが割と早い魔素切れ。
体内魔素を増やすには魔素の濃い所で過ごしたり、魔素の濃い食品を摂るのが効果的だ。
帝都の魔素はかなり希薄だ。そこで訓練は魔素の濃い『工房の里』近くの荒れ地で行う事にする。食事も谷で採れた小麦や野菜を摂る。
魔道士達を荒れ地に転移する。これは毎日行き来するので空間魔法に慣れる訓練にもなる。
数日で効果が現れ始めた。
時々魔獣に出くわすけど、それも良い戦闘訓練になるし、肉には魔素がたっぷり含まれている。

ある日、魔道士達が騒ぎ始めた。
「なに、どうしたの?」
「魔女殿、あれ見て下さい。魔獣に人が……」
指さす方を見ると、大型の猫のような魔獣に人が乗っている。
ん?あれって。
イッティ!
人を乗せた魔獣があたしリーアの側に走り寄ってくる。
「あらー、リーアさん。ここで何してるのー」
「魔法の訓練なんだけど、あなたこそそれ何?」
「お友達ー。お散歩してるのー」
巨大猫の魔獣とお友達?
この子はまあ、常識ひっくり返してくれるわね。人の事言えないけど。

「お知り合いですか?」魔道士の一人が聞いてくる。
「ええ、マンレオタの娘さん」
「マンレオタって魔獣飼ってるんですか?」
「んな訳無いでしょ!この子が変なのよ」
「あー。リーアさんに言われたくないー」返されたよ。
「イワーニャ奥様はご存じなの?」
「うん。知ってるよー。びっくりしてたけどー」
そりゃ驚くだろうさ。
「それより遊ぼうよ。みんな逃げちゃって遊んでくれないんだー」
当たり前でしょうが。天然も大概にしろっての。
「追かけっこしよー。行っくよー!」
その日の訓練は、身体強化をかけた魔道士達が、巨大猫の魔獣に乗ったイッティに追いかけまくられる次第となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

処理中です...