帝国の魔女

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第三話 タークでお出かけ

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あたしはやっとよちよち歩きが出来るようになった。言葉も舌がうまく回らないがそこそこ話せるようになった。アクシャナの時代と随分言葉が変わり、最初はもの凄い方言を聞いてるような感じだったけど、言葉と意味がだんだん繋がるようになってきた。

カーサ母様はあたしが良く話すのでもの凄く喜んでくれる。
「シャニは天才よね!ね!イワーニャ」
「あー、はいはい。またカーサの親馬鹿が始まった」
「ボクもてんしゃい」負けず嫌いのミトラ兄様が張り合う。
「あら、意味分かってるの?ミトラ」ナンカ姉様が馬鹿にする。
「わかってるもん!」

あー、夕食時のいつものが始まった。
知らん振りしてあたしは離乳食を食べることにする。何かと過保護のカーサ母様は、すぐにあーんして食べさせようとするから、先制してスプーンを掴む。指はまだあまり自由が効かない。でもグーで握ることは出来る。
最初はスプーンの先をうまく口へ持って行けなくて笑ってしまった。もちろん、今は大丈夫。こうして積極的に手を使えば早く自由に使えるようになるだろう。
料理長のマイレ・スクジラシュの離乳食は結構おいしい。

そのうち、イッティ姉様が食べるのに飽きて遊びだした。
「イッティ、だめよ、ちゃんと食べなくちゃ。シャニのお姉ちゃんでしょ?」
イワーニャ母様がたしなめるとイッティ姉様がむずかる。
「おねーたん、やー」
ミトラ兄様とナンカ姉様の言い争いはお互いのたたき合いになって、ミルクのコップを吹っ飛ばしてしまった。侍女のクリルとニキが大慌てでテーブルと床を拭く。
まあ、毎日の風景よね。

「三人ともシャニみたいにお行儀が良いと助かるんだけどねー。やっぱり私があまりかまえないからかしら」イワーニャ母様が盛大にため息をつく。
あー、気にしないでって。通算、ん百年人生を過ごしたあたしが特殊なんだから。
「私がその分、かまってるから。それぞれの性格なのよ、気にしないで。イワーニャには仕事押しつけて済まないって思ってる」
「良いのよ、カーサが手を出すと私の仕事が増えちゃう」
「ううっ。ほんとの事言わないでぇ……」
「その代わり、命に関わるような事、やってくれてるんだから」
「イワーニャぁ」「カーサぁ」
あーあ、二人で手を取り合って。こういう時、不思議と子供達はおとなしく見てる。
まー、これも毎日の事だわ。ごちそうさま。

そんなある日、あたしの初外出が決まった。多分、あたしの作戦勝ち。
「シャニ、何かして欲しいことある?言ってみて」
あたしを抱っこしてたカーサ母様が聞いてきた。おーし、チャンスだ。
「お外、連れてって」できるだけ甘ったれた調子で言ってみる。
「お外?」
「うん、お外のずーっと向こう」下から上目遣い。うまく目がきらりん、ってできたかな?
「怖い怖い、いっぱいよ?」
「だめえぇぇぇ?」手を胸に合わせてくねくねする。我ながらあざとい。
カーサ母様が複雑な表情であたしを見つめる。
期待を込めた目線でじっと母様を見る。手を胸に合わせたままで。どうだ?
しばらく経って、カーサ母様はすっごく深いため息をついてあたしを抱きしめた。
「良いわ、連れて行ってあげる。でも言う事聞かないとだめよ」
「母様大好き!」あたしは思いっきり母様を抱きしめた。てか、首なんだけど。
でも言葉はほんとだよ?めちゃくちゃ、嬉しかったんだから。
「ああ、シャニ、シャニ」
顔は見えなかったけど、頬ずりを何度も返してきた。きっと凄く良い顔をしてたと思う。

この世界ではうかつに外出できない。色々と危険を伴うからだ。女子供は誘拐犯に狙われる。北の方の国、クノートでは奴隷を使っているので高く売れる。
あたしのような領主の子女は身代金目当て。強盗団も出没する。男でも油断できない。
特にマンレオタでは時々ギヌアードから魔物が迷い出てくる。
だから子供を躾けるときはこんな風に言う。
「大人しくしないと、魔物が聞きつけて食べに来るよ」
「勝手にどこかに行っちゃうと、怖ーいおじさんに掠われちゃうよ」
でも、あたしはこの目で外の世界を見たかった。
空間把握術式は便利だけど、色が分からないという欠点がある。色は光の反射だ。だから空間にある物質を直接感知する空間把握では色を認識できない。色のように見えるのは魔力の強さや種類の反映だ。それに音は拾えない。

カーサ母様は館を出るときは髪を編み上げる。ノーマが手を貸すとは言え、もの凄く素早い。それから革鎧を身につける。革と行っても魔物の皮をなめした物で、金属よりも強く魔物の体液にも耐える。そしてとても軽くしなやかだ。
革鎧をぴったり纏ったカーサ母様は、ツナギを身につけたレーサーみたい。いつもスレンダーなその体が強調されて、とても素敵だ。
あたしにも同じような革鎧を着せてくれる。ああ、しばらく待たされたのは、子供のあたし用にこれを作ってくれていたのか。ちょっと申し訳なく思う。

ナンカ姉様とミトラ兄様がうらやましそうにあたしを見てる。お澄まし屋のナンカ姉様まで指くわえちゃって。イッティ姉様は不思議そうに眺めている。
「タークに乗るときは、ちゃんとこういう物を着るの」カーサ母様が言って聞かせる。
「タークに乗るのぉ?」ナンカ姉様とミトラ兄様が一斉に声を上げた。
「わあーい!」思いがけない幸運にあたしも叫んでしまう。
聞いてなかったよ。歩きかと思ってた。
「シャニだけずるいよ」ミトラ兄様が頬を膨らます。
「良い子にしてたら今度乗せてあげる」カーサ母様、ウィンク。
それからあたしに手を伸ばして抱こうとする。
「歩く!」
そう言って、あたしはちょこちょこ歩き出した。まだ足下がおぼつかない。
でも革鎧、意外と着心地が良い。伸縮性が良いようで、レオタードとタイツを身につけた感じだ。
カーサ母様はちょっと苦笑いして、あたしと手を繋いだ。

タークは目の前で見ると予想外に大きい。全長五メートル位?もっとあるかも。
尖った先端から後ろに向けて緩いカーブを描きながら左右に広がって行く。底面は平らでやや湾曲している。盛り上がった上部は一番高い所でカーサ母様と同じくらいかな。
盛り上がりは前から三分の一位までで、それから後ろは水平、最後尾ですとんと落ちている。
色は暗い緑色。触るとすべすべしているのに光沢は無い。重量感あるなあ。

カーサ母様はあたしを抱きかかえ、タークの縁に足をかけて乗り込んだ。座席に座ると腰のベルトと左右の輪鐶で体を固定する。
なるほど、これで振り落とされないようにするのか。それから、あたしの腰のベルトと母様のベルトを繋ぐ。さらに母様の肩からあたしの胸を通して腰のベルトに繋ぐ。シートベルトみたいなもんだな。
支度が済むと、母様は座席の前にあるバーを両手で握る。その手から魔力の流れを感じる。すると、タークがふわっと浮き上がり、するすると前に進んだ。振動も無く何の音もしない。魔力で動き、魔力で操縦するのか。なるほど。

館の前の通路を進むと大通りと交差する地点になる。その大通りの手前まではタークの収納用の大きな建物が並び、その後ろには騎士隊隊員の宿舎などが設けられている。
建物は木の柱と白く塗られた漆喰と緑の屋根が印象的。とても綺麗だと思う。
交差点から左折して大通りを進むと、色々な店が並び、色とりどりの看板が自己主張する。さながら地方の商店街。
建物は木の柱の間を切りそろえた石で埋めてある。レンガじゃ無さそうだ。屋根は木の皮らしい。材質のせいか、どの家も色合いが微妙に違って、面白いリズム感を醸し出している。
ほとんどが平屋だけど、所々二階建てがある。どれもきちんと手が入っているらしく、崩れたり穴があいてるような所は無い。
お店は大きな板戸を上にはね上げ、家の中からその戸の下まで台を並べて商品を飾ってる。テーブルと椅子がある所は食堂か喫茶店みたいなものかな。大きくなったら入ってみよう。
行き交う人々には活気が感じられる。
衣服は男が上着に緩いズボン、女は長めのスカート。上着は着物みたいに前合わせで、幅広の帯でとめている。
上着は思い思いの模様が染めてある。いや、織りなのかな?ズボンやスカートは単色の染めのようだけど、色とりどり。
これがこの地方の平均的なファッションなのかも。生活は貧しくはなさそうだ。

タークがゆっくり進むと、人々は左右に道を空け、手を振って笑いかけてくる。
「カーサイレ様のお子様かい?」店の主人が声をかけてくる。
「シャニナリーア。娘よ」嬉しそうにカーサ母様が答える。
あたしも手を振って愛嬌を振りまいておく。建物が尽きるまで、そんなやり取りが続いた。
おおむね、マンレオタは住民から好感を持たれているらしい。カーサ母様も気取らず、気さくに会話を交わす。
ありがたいな、と思う。どの前世も庶民のあたしは領主令嬢の嗜みなんて知らないし、威厳も貫禄も付かないだろうな。アクシャナは魔女だったけど、ほとんどコミュ障同然だったし。

街を抜けると、草原や森、畑が広がる中をタークが走って行く。
片側の遠くに山並みが見える。反対側はなだらかな起伏を見せる平原で山並みは見えない。どこまでも広がる平原。
草原の間に、茶色い岩肌を覗かせている所がかなりある。森は木々があまり密集していない。そうした草原の合間に、飛び飛びに農地が割り込んでいる。
全体的に乾燥している感じだ。思ったより耕作地が少ないのはそのためだろうか。農夫クロの知識では、農法は遅れているようだ。
時折、農夫らしい人が畑の中からこちらを見て手を振る。あたし達も手を振り返す。

所々ぽつんと建つ家は農家だろうか。
柵の中にたくさん居るのは――うわ!竜だ。飼ってるのかな?
何度かタークに乗った隊員とすれ違った。
「巡回、ご苦労様!」カーサ母様は必ず声をかける。
「はっ!」
敬礼を返した後、あたしに気が付くと笑顔で手を振ってくれる。
あたしも手を振って返す。

景色が現れては左右に流れていく。
バイク、というよりバスや電車の一番前の窓から眺めている感覚に近い。前にバイクに乗ってた感覚から、時速四十~五十キロと見当をつけた。
「もっと早くなるの?」ただ聞いただけなんだけど
「なるわよ、見てて」カーサ母様はやる気十分。
バーを握った両手から魔力を注ぎ込む。ぐいっと加速度を感じる。景色はもう、流れると言うより後ろに線を引いて飛んでいく感じ。
こりゃ時速百キロどころじゃないな。それにしても?
バイクの時のようなもの凄い風圧は感じない。なぜ?ああ、そうか。
空間把握で見てみると、タークとあたし達の周りが魔力で包まれている。
結界魔法か!

そのうち、草原を横切る小川に行き当たり、タークをその川岸に停める。
「少し休憩しようか」
「うん」
母様はタークの後ろのハッチを開き、中から手提げのついた篭を取り出す。
ハッチの中はかなり広い。魔物を狩った後、この中に入れて持って帰るんだな。空間把握で見た記憶と重ねてみる。あのおどろおどろしい魔物の破片があった所に篭を置くなんてちょっと引く。

母様は川岸の草むらにシートを広げ、篭の中から果物や水筒を取り出してる。母様が果物をむいている間、あたしは水筒のジュースを飲んだ。ちょっと興奮して暑くなった体に冷たさが気持ち良い。果物は良く熟れていて柔らかく、とても甘い。
それからあたしはちょこちょこ川岸の草むらを歩き回って、足下の感触を楽しむ。花の香りを嗅ぐ。川の水を手ですくう。せせらぎの音に耳を傾ける。髪を撫でていくそよ風が気持ち良い。
ああ、この世界に生まれて初めてこの世界の自然に触れたんだ。何だか嬉しくてたまらない。思わず頬がゆるんでしまう。自然に笑い声が出る。

そんなあたしをカーサ母様がシートに座って、お茶を飲みながら目を細めて見ている。
そう言えば、母様と二人っきりになる機会ってあまりなかった。いつもナンカ姉様、ミトラ兄様、イッティ姉様と一緒だったし、朝や寝る前はノーラが付きっきりで居る。
そう気が付いたあたしは思いっきり母様の胸に飛び込む。
「あら、シャニは甘えんぼさんね。おっぱい、欲しくなった?」
そ、それはあまりにも甘い誘惑!
あたしの幼い体は、前世の記憶を吹っ飛ばして欲しがる。
母様が革鎧の紐を解いてぽろりと乳房を出すと、あたしは無心にむしゃぶりついた。おっぱいを飲むとき、何か脳内麻薬でも出るんじゃないだろうか。気持ちはもう桃源郷。
大満足で口を離すと、ふわりと眠気が襲ってくる。

そして、気がつくと館のベッドの中に居た。
しまった!寝てしまった!せっかくのお出かけだったのに。
今度は絶対寝ないぞ!
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