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六十八話 披露パーティーと語らい
しおりを挟むほぼすべての方々と挨拶を交わした。
皆様祝福して下さった。
もし私に思うところがあったとしてもこの場でそんなことを言葉に出したり、態度に現すような人はいなかった。
バナ様と私は会場の端で少しの間だけ、休憩することになった。
主賓なので通常休憩したくても出来るものではないし、いつ誰が声をかけてこられるかわからないので、気を抜けないけれどバナ様が私に配慮してくれたようだ。
私は有り難いと思った。
端の方に寄った時にバナ様の従者が二人分の果実水を用意してくれた。
「リカ大丈夫かい?
疲れていないかい?」
バナ様は果実水を飲みながら私を気遣ってくれている。
「大丈夫ですよ、ありがとうございます。
バナ様は大丈夫ですか?」
「ありがとう、私も大丈夫だよ。
ひと通り挨拶は終わったからリカの家族やジョルジュ、ミーナと話したりしておけば大丈夫だからね」
「はい!ところでヴァネッサお姉様は大丈夫でしょうか?」
ヴァネッサお姉様は今二人目を身籠っておられるけど、バナ様と私の為に式にもパーティーにも出席してくれている。
先程挨拶を交わした時は元気そうだったけれど、少し心配だ。
「ふふっクリスが過保護に貼り付いているから大丈夫だよ」
バナ様が前方を見ながら微笑む。
そちらを見ると、クリスフォード様がヴァネッサお姉様の腰に腕を回して密着して、柔らかい笑みを浮かべてヴァネッサお姉様を見つめていた。
「クリスフォード様はヴァネッサお姉様がいる時といない時とではまったく違う表情をされるんですね」
私は笑みを浮かべながらお二人を見る。
「そうだね、クリスはわかりやすいね」
バナ様がクリスフォード様を見ながら少し呆れたように笑う。
「あら、セント貴方もよ」
声がした方に顔を向けるとナタお姉様がアルお兄様にエスコートされながらこちらに向かって歩いてきている。
「アルスタイン様、ナターシャ様!」
「エンヴェリカ、アルって呼んで~」
アル様が軽い調子で言って笑う。
「あの、公の場ですので…」
私が困って笑うと。
「他の者が今側にいないから大丈夫だよ。
ほら、アルお兄様と言ってみてよ」
「兄上いくら他の者が聞いていないとはいえ、場所を弁えて下さい」
バナ様が冷たい口調で言う。
バナ様はアルお兄様への当たりがキツいのよね、最近特に。
第一王子のクライファート様がお生まれになって、しばらくかなり浮かれてしまってしょっちゅう執務を放置して、ナタお姉様とクライファート様の所へ通っていたから、バナ様はとばっちりで執務を押し付けられていたからだと思うのだけど。
でもそれも1ヶ月くらいしてナタお姉様に「執務を放ったらかしにして、いい加減にしなさい!」って一喝されて渋々執務中に抜け出すことはなくなったみたいだけど、バナ様はアルお兄様には遠慮なくキツい言葉を放つようになった。
「セントは本当に可愛くないね~お兄様は寂しいよ~」
「何言ってるんですか!
思ってもないのに」
「酷い~ナタ~私の可愛い弟が反抗期かな~?」
アルお兄様が戯けてナタお姉様に泣き言を言う。
「何を言ってるの!アルの自業自得でしょ!」
「ナタまで~酷い~」
アルお兄様は普段はこんなに軽い。
私は苦笑いを浮かべる。
アルお兄様は本当はとても優秀な方だ。
王太子としての勤めをちゃんと果たしておられるし、どんな事に対しても一度取り組まれたら必ず成果を上げられる。
この方が国王になったらこの国は安泰でもっと繁栄するのではないかと思うくらい、現国王陛下と同じくらいか、それ以上に優秀な方なのかもしれない。
アルお兄様は能ある鷹は爪を隠すで、自分で本当は優秀で隙がないことをわかっておられるからこんなふうに軽く見せておられるのではないかと最近思うようなった。
「エンヴェリカ疲れてない?」
ナタお姉様が気にかけて声をかけてくれた。
「ナターシャ様ありがとうございます。
大丈夫です、ナターシャ様は大丈夫ですか?」
「ありがとう、わたくしは慣れているから大丈夫よ」
「そうですか、良かったです」
私は微笑みを浮かべてナターシャ様を見る。
「他国の王族とのご挨拶もちゃんと出来ていて、立派だったわよ」
他国の方たちとはそちらの言語でご挨拶をした。
王子妃教育で隣国の三か国の言語を習って、まだ完全に習得は出来ていないけど挨拶程度なら話せるようになった。
他のことはバナ様が隣でフォローしてくれた。
「ありがとうございます!
何とかなったかなと思っています。
まだまだ勉強が必要ですけれど」
「2年半くらいであれだけのことをやってのけたのだから十分よ。
エンヴェリカ頑張ったわね」
ナタお姉様に頑張ったと言ってもらえて、嬉しくて瞳が潤んでくる。
「あ~ナタがエンヴェリカを泣かせようとしてる~」
アルお兄様が合いの手のように茶化す。
「兄上うるさいです!」
「そうよ、アル余計な事言わないの!」
アルお兄様がバナ様とナタお姉様に叱られている。
「エンヴェリカ~二人が私をイジメるよ~」
アルお兄様が私に向かい手を伸ばしたところで、バナ様がバシッとアルお兄様の手を叩き落とした。
「兄上リカに近寄らないで下さい」
「ヒャ~暴力反対~」
変わらないアルお兄様にバナ様とナタお姉様は溜息をつく。
「ごめんなさいね、この馬鹿はわたくしが引き取るわ。
あとはご家族や友人とゆっくり寛いでね。
ではまたね」
「ナタ~馬鹿って酷いよ~。
もっと可愛い弟と妹とお喋りしたい~」
「わたくしたちはもういいのよ!
ほら行くわよ!」
アルお兄様はナタお姉様に腕を引っぱられて、歩いて行った。
「ふふふっ」
私が声を出して笑うとバナ様が困った顔をする。
「リカごめんね。
あんな兄上で」
「どうしてですか?
アルお兄様のお陰で緊張が和らぎましたよ」
そう言うと、バナ様がむすっとする。
「バナ様?」
「…やだ…私じゃなく兄上がリカの緊張を和らげたなんて嫌だ…」
「えっ?」
バナ様は何を言い出すんだろ?
それって嫉妬?
「いくら兄上でもリカは私のものなのに、お株を奪われたくないよ」
バナ様のストレートな嫉妬に嬉しいと思う私は重症かもしれない。
「私を助けて癒やしてくれるのはいつだってバナ様ですよ」
私が言うと、バナ様はわかりやすく顔を赤らめて、口に手を持っていった。
「だからリカのそんなところは破壊力があり過ぎるから」
ボソッと呟くように言ったバナ様の言葉が聞えてきた。
「破壊力?」
私は首を傾げてバナ様を見上げる。
「もぉ~無自覚って本当に怖い!
今日は覚悟しておいてね。
積年の想いをぶつけるから」
バナ様に耳元で囁かれて肩がビクッと跳ね上がる。
「バナ様?」
「この後初夜だから」
耳元でバナ様にまた囁かれて、私はボンッと顔が真っ赤になる。
「バナ様!」
私は恥ずかしくなって責めるような口調になる。
「ハハハッ、リカ顔が真っ赤可愛い!」
バナ様が言った後、キュッと私を抱きしめてきた。
周辺にいた夫人や令嬢たちから「キャア~」という歓声のような悲鳴のような声が上がる。
私はそれにもっと恥ずかしくなって、でもこんなところでバナ様の腕を振り払うなんて出来ない。
「まあ、もう見せつけないで~。
砂を吐きそうなくらい甘い雰囲気撒き散らしてるわよ」
ミーナの声が聞えてきた。
ジョルジュ様とミーナが近くにやってきてくれた。
「ジョルジュ様!ミーナ」
私は二人の顔を見て力が抜けてくる。
あら、まだバナ様は私を抱きしめたまま。
「バナ様ちょっと!離して下さい!」
私は照れくさくて声を上げて抱擁を解いてもらうよう言う。
「残念」
バナ様が言いながらやっと解いてくれた。
「ふふっセントバーナル様はどんどん隠さなくなってますね」
ジョルジュ様が微笑みながら声をかけてきた。
「ジョルジュもそうだろ!」
バナ様も照れているのか少しぶっきらぼうに返事した。
「アハ、否定はしませんけどね」
「ちょっとジョルジュ!」
今度はミーナの顔が赤くなった。
「ふふっあらためてセントバーナル様、エンヴェリカ夫人ご結婚おめでとうございます」
「夫人…」
ジョルジュ様にお祝いの言葉を言われた時に、夫人と言われてドキツと胸が鳴った。
「あら、私の時もセントバーナル様は夫人と言ったわよ。
エンヴェリカも夫人になったのよね。
あっ!妃殿下になったのよね」
ミーナも面白そうに笑う。
「妃殿下って王宮で言われたりしてきたけど、まだ実感がないわ」
私は困ったように笑う。
「あら見ていたけど、エンヴェリカ他国の王族の方々と妃殿下として堂々とご挨拶していたわよ。
立派だったわ」
ナタお姉様にも立派だっと褒めてもらったけど、ミーナにも同じように褒められて嬉しくけど、小っ恥ずかしくなる。
「ミーナありがとう…」
「顔を赤くして照れてエンヴェリカ可愛い!」
「もうやめて~」
ミーナにさらに言われて私はさらに照れる。
それからしばらくジョルジュ様とミーナと雑談をして、バナ様と私は私の家族のところに向かった。
お父様は私の顔を見て一瞬クシャッと顔を歪めて泣きそうな顔をしたけど、グッと堪えているようだ。
「お義父上、お義母上、義兄上、義姉上本日はありがとうございます」
バナ様が私の家族に挨拶をする。
今日は家族と話をするのは初めてだ。
「セントバーナル第二王子殿下、エンヴェリカ第二王子妃殿下ご結婚おめでとうございます」
お父様の畏まったお祝いの言葉に私はビックリする。
でも公の場では私はお父様の娘ではなく王子妃になったのだ。
それが正式な挨拶なのだけど、私は悲しくなる。
「お父様に妃殿下なんて言われたら悲しくなっちゃう…」
私は今まで堪えていた涙が決壊してポロポロと溢れ落ちた。
「エンヴェ!ちょっと!いや。これは正式な挨拶で…えっ?…」
お父様がオロオロとして私に近付いてくる。
「お父様!」
私は装うことが出来ず泣きながらお父様に抱きつく。
「エンヴェ!」
お父様もしっかりと私を受け止めて優しく抱き止めてくれる。
「エンヴェはいつまでも私の宝物の娘だよ」
お父様に優しく言われて、私は涙が止まらなくなる。
「お父様!私も私もずっとお父様の娘でいたい」
「もちろんだよ」
お父様の優しい言葉と温かい体温に私は声を殺しながら、お父様の胸で泣いた。
しばらくして、正気に戻ったら恥ずかしくなってしまい俯きながらお父様から離れた。
「エンヴェ…」
お母様が涙声で私に声をかける。
お母様を見ると、目に涙を一杯溜めて流さまいと堪えながら私を見つめている。
「お母様!」
私はお母様にも抱きついた。
お母様も私の背中に手を回してくれて、ポンポンと背中を叩きながら。
「エンヴェ、今日の貴方は王子妃として素晴らしい行ないをしていてよ。
わたくしの自慢の娘だわ」
「…お母様!」
私は込み上げてきて、しゃくり上げそうになるのを堪える。
「さあ、もう泣くのはおよしなさい。
わたくしたちは一生貴方の家族なのは変わりなくてよ。
何かあったらすぐに駆けつけるからね」
お母様が抱擁を解いて私の涙をハンカチで優しく拭いてくれながら、幼い頃に言って聞かされた時と同じ優しい口調で言ってくれた。
「お母様ありがとうございます」
私は精一杯笑ってみせた。
「第二王子殿下、娘をエンヴェリカをどうぞよろしくお願い致します」
お母様がバナ様の方に向いて頭を下げた。
「もちろんですお義母上。
私にはエンヴェリカしかいません。
一生大事にしてエンヴェリカだけを愛して添い遂げることを誓います」
「ええ、殿下にお任せして大丈夫だと思っております」
お母様は晴れやかな笑顔になった。
私はバナ様の言葉にまた結婚したんだと実感したのだった。
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