地味に見せてる眼鏡魔道具令嬢は王子の溺愛に気付かない

asamurasaki

文字の大きさ
上 下
73 / 78

六十五話 結婚式の前々日と前日

しおりを挟む



街でのゴーガバンズ侯爵令嬢の一件から年の前半は国王陛下在位15年パーティー、王太子殿下の誕生日パーティーがなどあり、年の後半9の月の前半に国王陛下の誕生日パーティーがあった。

婚約が決まった時に私たちが結婚する年の前半は国王陛下在位15年パーティー、王太子殿下誕生日パーティーの他にも王家の公式行事が多く予定されていた為、セントバーナル様と私の結婚式は年の後半、11の月の20の日に決定していた。

そしていろんな行事があったり、結婚式の準備などで慌ただしい日々があっという間に過ぎて、セントバーナル様と私の結婚式前々日になった。

結婚式の予定は午前中に大神殿の式、その後に夕方から王宮で結婚披露パーティーが行なわれることになっている。

大神殿の式には王家と国内の招待した貴族方が出席する。

そして夕方の結婚披露パーティーには国内の貴族だけでなく、国外の王族や重鎮の方々の出席もあり、王太子殿下夫妻の時のように街でパレードなどはないが、パーティーはほぼ同じ規模で行なわれることになっている。


前日には私は王宮に入るので、前々日に家族と過ごした。

セントバーナル様と結婚することは嬉しいけれど、今までのようにほぼ毎日家族に会うことが出来なくなることに、私は寂しい気持ちになった。

まったく会えない訳じゃないけど、王族となる私は家族にも会いたくなったからとすぐ会えないし、お父様とお母様は私が結婚した後は領地に戻ると言っているのだ。

領地で過ごしているお兄様とシェリーナお姉様、そして昨年の末に生まれたお兄様とシェリーナお姉様の子、第一男のアーロンも1週間前に王都にやって来てくれた。

甥っ子のアーロンはシェリーナお姉様のブラウンブロンドの髪とお兄様の薄灰色の瞳を受け継いで生まれてきた。

まだ幼いけれど、クリクリした大きな瞳で愛想の良い子で、私にもニコッと笑いかけてくれてとても可愛い。

やっぱり血の繋がった子となると、特別なんだと思った。

少しセントバーナル様と私の子のことなど、想像して嬉しいやら恥ずかしい思いをしながら、アーロンと目一杯遊んだ。

お母様とお兄様は明るく楽しく、私の昔話なんかを面白可笑しく話して笑ってくれているのだけど、お父様とシェリーナお姉様がすぐ泣いてしまって、私は自分が泣くどころではなくなってしまった。

「エンヴェ~嫌だ~寂し過ぎるよ~」

お父様が酔っているのかという程、何度もそんなことを言いながらワンワンと子供みたいに泣いてしまう。

「本当に寂し過ぎる~わたくしに出来た可愛い妹なのに~」

そんなお父様に釣られてシェリーナお姉様も泣くという繰り返しで、私は「まあまあ」と言いながらも困ってしまった。

本当は私も凄く寂し過ぎると思っていたけど、お父様とシェリーナお姉様のあまりの泣きっぷりに泣けなくなってしまった。


私の独身最後の夜は遅くまで家族で過ごして、今までのいろんなことを語り合った。

その時もお母様とお兄様は場を盛り上げようとしているのか、明るくはしゃいでいたけれど、お父様とシェリーナお姉様はずっと泣き続けていた。


翌日、午後にとうとう王宮に行く時間になり、門の前で家族が見送ってくれた時に今まで明るくケラケラ笑っていたお母様が私を抱きしめて泣いた時に、私も泣いてしまった。

今まで明るく振る舞っていたお母様の涙にいっぱい感謝が込み上げてきた。

名残惜しくてなかなかお別れ出来なかったけど、「もうそろそろ行きなさい」とお母様に言われて、私は馬車に乗り込んだ。

王宮に到着して、ずっと過ごさせてもらった思い出深い部屋に入る。

本当にいろんなことがあったな。
とても愛着がある部屋だ。

この部屋に泊まるのも今日が最後になる。

結婚式が終わったら私はセントバーナル様が暮らす第二王子宮で一緒に暮らすことになる。


思い出深い部屋の中を歩き回る。
あのオマール様の事件があり、期せずして王宮に滞在するようになった。

事件にショックを受ける私をセントバーナル様は側にいて、言葉で行動で私を助けて癒やしてくれた。

私が悩んだり、不安になった時もセントバーナル様はどんなに忙しくても必ず会いに来てくれて、話を聞いてくれて励まして褒めてくれた。

セントバーナル様が事件を防げなかったことで、自分を責めて様子がおかしくなってしまった時に私はとても不安になった。

やはり私はセントバーナル様に相応しくないんじゃないかと思った。

その時もセントバーナル様とじっくりと話し合った。

その時に私はセントバーナル様のことをとてもしっかりしていて、頭も良く外面も内面も完璧な人だと思っていたけど、とても繊細な人なのだと知った。

それから私が自分の見目に自信が持てないと打ち明けた時も、セントバーナル様が実は自分に自信が持てなくてずっと悩んでいた幼い頃の話を聞いて、セントバーナル様も普通に悩める私と同じ人間なんだと思って、セントバーナル様のこと改めて愛しいと思って自分の気持ちを初めて告げたのだ。

私たちは二人とも足りないところがいっぱいある。

いろんな人に助けてもらい、支えてもらいながら生きている。

これからもいろんなことがあるだろう。

また不安になったり、悲しく辛いこともきっとある。

周りに私が第二王子妃として相応しくないと言われることもあるだろう。

生きていくってたくさんのしんどいこや嫌な事、悲しい事、辛い事の方が多いかもしれないよね。

でも楽しくて嬉しくて幸せって思えることがあるから生きていけるんだよね。 

逃げたくなったり怖くなったり自分に自信を失くしたりすることもまたあるだろう。

でもそんなすべてのことをセントバーナル様の隣で経験しながら、お互い成長して、笑い合って愛しているよと伝え合いながらずっとセントバーナル様と一緒に生きていきたい。

みなさんありがとう。
セントバーナル様ありがとう。

そしてこれからもよろしくお願いします。


いろんなことを思い出しながら一人浸っていたら、コンコンとノックの音が聞こえて、セントバーナル様が入ってきた。

「エンヴェリカ!」

私の名を呼んで抱きしめてくれる。

「セントバーナル様ただいま!」

私が笑顔を向けると、腕を解いて。

「エンヴェリカおかえり!
ただいまっていいね」

セントバーナル様がとても嬉しそうに笑う。

「これからはただいまおかえりを毎日言いましょう」

「うん!そうだね。

やっとやっとだよ!ずっと待っていたんだ」

「うん?」

セントバーナル様の瞳を見たら金の瞳を溶けそうにさせて微笑む。

「エンヴェリカと結婚出来ることだよ。

あぁ~長かった」

「ありがとうございます。

私も待っていました!」

私から心からの笑顔が溢れる。

「嬉しい!本当に嬉しいよ!

エンヴェリカ愛しているよ」

「私もセントバーナル様を愛してます」

またギュッと抱きしめられた。

しばしお互いを確かめ合うように抱き合った。


この日の夜、陛下に招待頂き王族みなさんで夕食を頂いた。

国王陛下夫妻、王太子殿下夫妻、そして第一王女殿下のアマリア様と殿下の婚約者のステファン様と共に。

アマリア様は王国騎士団副団長のステファン様と目出度く婚約した。

アマリア様は現在17歳なので、貴族学院を卒業して、その1年後にご結婚される。

アマリア様は幼い頃にステファン様に出会い、一目惚れして長い年月の片思いを成就させての婚約だった。

13歳の年の差があり、ステファン様は元は平民で叩き上げで王国騎士団副団長までお成りになり、騎士爵を賜った方だ。

年齢差も身分差もあり、お二人にはきっといろんなことがあっただろうと思うけど、それを乗り越えられての婚約だ。

アマリア様は隣に緊張の面持ちで座っておられるステファン様に、これ以上はないのではないかという愛しいという思いを隠さず見つめておられて、とても幸せそう。

王妃殿下もおっしゃられていた。
瞳の継承者様の男性はとても愛が重くて一途なのだという。

アマリア様を見ていると、何年もの片思いを続けても、年齢差身分差があっても決して諦めず、それらを乗り越えて思いを成就された。

男性だけではなく瞳の継承者様の女性もとても一途なんだなと思った。

そして国王陛下も王妃殿下、王太子夫妻もステファン様を認めて祝福しておられる。

私のことも子爵令嬢であるのにそんなことは気にせず、認めて下さった。

きっと瞳の継承者様の性質をよくご存知で、自分のことだけでなく家族の恋も見守り支えて下さる方たちなのだ。

とても器の大きな方たちなのだなと改めて思った。

私もセントバーナル様の隣に座りやはり緊張はするけど、幸せな気持ちで食事を頂いた。

食後、場所を移動して応接室でみなさんとお茶を飲みながら歓談の時間となった。

「いよいよ明日ですわね、エンヴェリカ」

「はい、王妃殿下」

王妃殿下に話しかけられて微笑んで答える私。

まだ緊張はするけれど、王妃殿下と接することにだいぶと慣れてきた。

「明日からは公の場以外ではお義母様と呼んで欲しいわ」

「えっ?」

私は王妃殿下の言葉に驚いて声を出してしまった。

「ふふっ、ずっと待っていたのよ。

エンヴェリカ貴方にお義母様って呼んでもらう日をね」

王妃殿下が悪戯っ子のような顔をしてウィンクした。

「王妃殿下ありがとうございます。

承知致しました」

私が返事すると。

「今呼んでみて」

王妃殿下が圧倒的な美しい顔で微笑む。

「…はい、お義母様これからもよろしくお願い致します」

「ありがとうエンヴェリカ。
よろしくね」

「私もエンヴェリカにお義父様と呼ばれたいね」

国王陛下が続いてそんなことをおっしゃれた。

国王陛下は公ではご自分のことを我とおっしゃられるけれど、普段は私と言われる。

「陛下…」

私は陛下にまで言われてビックリしてしまう。

「さあ、我が義娘よ、私もこともお義父様と呼んでもらえないか?」

陛下はいつもの覇王のような威厳はなく、優しい慈愛に満ちた顔で微笑んでおられる、

「はい…お義父様今後もよろしくお願い致します」

「ふっ、いいものだな。
アマリア、ナターシャに続き3人目の娘だな」

陛下が王妃殿下と見つめ合い、微笑んでいる。

まっ眩しい!
陛下と王妃殿下の迫力の美形が微笑み合っている。

「あら、わたくしもお姉様と呼んで欲しいわ。

わたくしにはアマリアがいるけれど、ヴァネッサがミーナとエンヴェリカにお姉様と言われているのが、羨ましくて仕方なかったのよ」

ナターシャ様も迫力の美貌で微笑む。

ここは美形だらけだ。
ナターシャ様も眩し過ぎる。

「…ナターシャお姉様、これからもよろしくお願い致します」

「まあ、素敵!ありがとうエンヴェリカ」

ナターシャ様が嬉しそうな顔をしてくれている。

「もちろん私のこともお兄様だよ」

アルスタイン様がニコッと笑う。

「はい!アルスタインお兄様よろしくお願い致します」

「いいね~でもアルでいいよ。
家族は愛称で呼ぶからね」

「あら、わたくしのこともナタでよろしくね」

アルスタイン様に続いてナターシャ様も愛称呼びをして欲しいと言う。

「アルお兄様、ナタお姉様」

「「ふふっ」」

アルスタイン様とナターシャ様も見つめ合って笑っている。

こっちも眩し過ぎる!

「わたくしのこともリアがいいわ!
それにファンのこともファンお兄様と呼んで欲しいわ。

あら、あれ?ファンは弟になるのかしら?」

「ア、アマリア様…」

そこに元気な声でアマリア様が戯けたようにおっしゃる。
ファンとはステファン様の愛称なのね。

それにステファン様が慌てているよう。

「もう、ファン!リアと呼び捨てにしてって言っているでしょう?」

とステファン様に拗ねた口調でおっしゃる。

「いや…し、しかし…」

ステファン様がオロオロとしておられる。

そうだよね、いくらアマリア様の婚約者になったとはいえ、陛下たちの前で愛称で呼び捨てはなかなか出来ないよね。

「もう、ファンは本当にお堅いんだから!」

「ふふふっ、まあリアそれはおいおいよ!
あまりステファンを困らせてはだ駄目よ。

あら、セントどうしたの?怖い顔をして」

王妃殿下がアマリア様を諌められたと同時にセントバーナル様が怖い顔をしていると言う。

私がセントバーナル様を見ると、本当に怖い顔をしている。

えっ?どうしたんだろう?

「どうして、兄上と義姉上が私より先にエンヴェリカに愛称で呼ばれているんですか?」

えっ?セントバーナル様はそれで怖い顔をしていたの?

「やだね~狭量な男は」

アルスタイン様がニヤリとする。

「それを兄上が言いますか!」

セントバーナル様がアルスタイン様の言葉に反応して、ジロッ睨む。

「ぶっ!アハハハ」

それに陛下が吹き出して声を出して笑われた。


その後も終始和やかに歓談の時間が過ぎていった。

「エンヴェリカ、後でお互いの愛称決めるからね」

セントバーナル様が私の耳元で小声で囁いてきた。

セントバーナル様の息が耳元にかかり、私は耳を押さえて顔を真っ赤にさせた。

そんな私を見てセントバーナル様は満足そうに微笑みを浮かべるのだった。

陛下たちとの歓談の後にセントバーナル様に部屋に送ってもらい、しばらく二人でお話をした。

セントバーナル様は他の人が呼ばない愛称が良いと言うので、セントバーナル様はバナ、私はリカになった。

私はまださすがに呼び捨ては出来ないと言ったので、バナ様と呼ぶことにした。










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

廃妃の再婚

束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの 父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。 ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。 それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。 身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。 あの時助けた青年は、国王になっていたのである。 「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは 結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。 帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。 カトルはイルサナを寵愛しはじめる。 王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。 ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。 引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。 ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。 だがユリシアスは何かを隠しているようだ。 それはカトルの抱える、真実だった──。

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...