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六十三話 初めてのダブルデートとトラブル ①
しおりを挟むセントバーナル様の言葉を受けて私たちはフルーツタルトとお茶を頂くことにした。
メニューはミーナにお任せしたのだけど、フルーツタルトは豊富なフルーツの種類と噛じると水分がジュワッと出てきて、甘味と酸味のバランスが良くて凄く美味しい!
生クリームとカスタードクリームがフルーツの下に入っていた。
カスタードクリームというものは食べたことがなかったのだけど、卵の黄身が入っているそうで薄い黄色で、生クリームとはまた違って、トロッとしていてまろやかでとても美味しいし、タルトという生地はクッキーよりは柔らかいけど、普通のスポンジとはまた違って歯ごたえがあり、食感が外はパリッとしていながら中はフワッと柔らかくて初めて味わう食感でとても美味しかった。
お茶は香りも味もスッキリとしたもので、フルーツタルトにとても合っていた。
ミーナにお店の内装や平民と貴族の出入り口、部屋も分けたこと貴族は個室にしたり、店員の教育にもナターシャ様とヴァネッサお姉様が関わっていることを聞いて、私はその手腕にとても驚いて感激した。
お店で美味しいタルトとお茶を味わった後、タルトを買って持って帰れるからとセントバーナル様が私の家族や使用人の分まで買って下さった。
お店の方が後で邸に届けて下さるらしい。
タルトを持って帰れるけど、お店が届けることは今回は特別にして下さることらしい。
セントバーナル様にお土産まで買って頂いて、とても嬉しかった。
きっと初めてのタルトに家族も使用人も喜んでくれると思う。
セントバーナル様もご家族にお土産に買って帰ると言われていたし、ミーナも家族の分をジョルジュ様が買ってあげていた。
私たちはしばしお店でお喋りしてからセントバーナル様が私の為に魔道具のお店を探してくれていたようで、次にそのお店に入った。
魔道具のお店は先程のお店の近くにあり、徒歩でも5分もかからなかった。
そのお店は中はそんなに広くはないけれど、中にはたくさんの魔道具が所狭しと置いてあった。
そのお店は平民だけでなく貴族も通うお店らしく、実用的なものから娯楽的なものとたくさんの種類があった。
火を起こしたり、水が出る実用的なものから時を知らせるものや部屋を美しく照らす照明となるもの、私のお祖父様が収集していた音楽の演奏が聞こえてくるもの、音楽に合わせて小さい人形が踊るもの、あとは身体の毛を剃るものなどもたくさんあって、私は大好きな魔道具に囲まれて時間を忘れて目を輝かせて見て回った。
私は放っておくとずっとこのお店に留まっていそうだ。
「エンヴェリカは夢中だね。
喜んでくれて良かったよ」
と微笑みながらセントバーナル様に言われてハッと気付く。
「あっ!ごめんなさい!
嬉しくてつい時間を忘れてしまって!
セントバーナル様やみなさん退屈でしたよね?」
私は申し訳なくて頭を下げる。
「いや、そうじゃない。
大丈夫だよ。
エンヴェリカ嬢が楽しそうで私たちも微笑ましく思っているところだよ」
ジョルジュ様が笑顔で言ってくれたけど、みなさんのことを考えてなかった。
「でもごめんなさい。
私一人はしゃいでしまって…」
「そんなことはないよ。
エンヴェリカが楽しんでくれて私
も楽しいし嬉しいよ」
セントバーナル様が私の頭を撫でる。
それに恥ずかしくなって顔が赤くなってしまう。
もう抱きしめられたり、キスをされることに慣れてきたけれど、ここは街中のお店で私たち以外にお客さんはいないけど、お店の店主はいる。
知らない人がいる中で、頭を撫でられて私は恥ずかしくなり顔に熱が集まる。
「もう大丈夫です。
これからどこかへ行く予定あるんですよね?
ごめんなさい!さあ、行きましょう」
「私たちも楽しんでるからいいのよ」
ミーナもそう言ってくれたけれど、セントバーナル様たちは他の所にも行こうと計画してくれているはず。
「大丈夫よ。
十分楽しめたわ。
ありがとうございます。
次にどこへ行くか楽しみだもの!」
「ふふっ、そうかい。
なら次に行こうか」
そう言ってセントバーナル様が手を差し出してくれたので、私はセントバーナル様の手をキュッと握る。
手を繋ぎながら私たちは魔道具のお店を出た。
そしてこれから王都にある公園に行くのだと言う。
木々やいろんな花があって自然豊かで、広くて王都の民たちの憩いの場なのだという。
私は公園に行くのも初めてでワクワクして楽しみになる。
公園にはそのまま徒歩で行くらしい。
セントバーナル様たちと公園に向かって歩いていると、前方で何だかガヤガヤと騒ぎになっているところがあった。
何だろうとそちらを見ると、すぐに護衛の方たちが私たちに近付いてきた。
「ちょっと何なのよ!どきなさいよ!
無礼者!
わたくしはゴーガバンズ侯爵家の第一女ツェツリーナよ!」
という声が聞こえてきた。
えっ?ゴーガバンズ侯爵令嬢?
今領地にいるはずじゃ?
何でこんなところにいるの?
私たちのところから前方の少し離れた所で、何人かの男たちに囲まれた女性が隙間から見えた。
何があったのかしら?
ゴーガバンズ侯爵令嬢?の服装は以前のような豪華なものではなく、装飾が一切ない質素な水色のドレスを着ている。
髪はプラチナブロンドの腰まである長い髪だけど、以前のような艷やかさがないように見える。
「はぁ~何だよ!
お貴族様か何だか知らねえけど、こんなに小さい子供が当たってきたからって、突き飛ばして怪我させてるのに何言ってんだ」
男の一人が興奮してそんなことを言っている。
「わたくしは貴族なのだから当然でしょ!
その汚らしい下賤な子供がわたくしの方へ走ってきてぶつかってきたんだからその子供が不敬で無礼なことをしたのよ!
その子供を捕らえなさいよ!」
見ると、小さな子供が輪の中で尻もちをついて泣いている。
「ちょっとここで待ってて下さい。
私が行ってきます。
ミーナはセントバーナル様とエンヴェリカの側にいて。
こっちに来ちゃ駄目だよ。
護衛はセントバーナル様たちをお守りして!
私は一人で大丈夫だから」
そう言って、ジョルジュ様が一人でその輪の中に向かい歩いて行く。
私がセントバーナル様を見上げると。
「とりあえずジョルジュに任せよう。
それにしてもゴーガバンズ侯爵令嬢は領地から出ることを許されていないのに何をしているんだ」
セントバーナル様が溜息をつきながらも冷たい視線で、その騒ぎを見ている。
やっぱりゴーガバンズ侯爵令嬢なんだ。
こんなところで何をしているんだろう?
「何をしている!」
騒ぎの輪の中の近くまで行ってジョルジュ様が声をかける。
ジョルジュ様の声で男たちが振り向く。
「このお貴族様だと言う姉ちゃんがぶつかった子供を突き飛ばしたんだよ。
そりゃぶつかったことは子供の方が悪かったかもしれんけど、こんなちっちゃい子なんだから突き飛ばすことはねえだろ?
兄さんもそう思わないか?」
一人の男がジョルジュ様に事情を説明する。
「何ですって~わたくしじゃなくこの不潔な子供が悪いんでしょ!
何言っているの?
貴方たちもまとめて処分されるべきよ!」
ゴーガバンズ侯爵令嬢がいきり立って怒っているようだ。
「大丈夫かい?怪我は?」
ジョルジュ様が尻もちをついて泣いている子供に向かって、しゃがんで事情を聞こうとすると。
「ちょっとそこの平民!
何なのよ!
そんな下賤な子供よりわたくしの心配をするのが当然でしょ!」
ゴーガバンズ侯爵令嬢はジョルジュ様に向かって怒鳴る。
「君はここで何をしているんだ?」
ジョルジュ様が冷静にゴーガバンズ侯爵令嬢に問う。
「はあ?平民如きがわたくしに何て口の効き方をするの!
この無礼者が!」
ゴーガバンズ侯爵令嬢は髪色と瞳の色を茶色に変えているジョルジュ様に気付いていないのだろう。
ジョルジュ様に食ってかかっている。
「君が貴族だか何だか知らないけど、こんな騒ぎを起こして恥ずかしくないのか」
「な、何ですってぇ~!
ちょっとこの無礼者を警備兵捕らえなさい!」
私たちの後ろから輪の方へ走ってくる警備兵を見つけたゴーガバンズ侯爵令嬢が興奮して大声で、ジョルジュ様を捕らえろと言う。
セントバーナル様はそれを冷気を発しているような冷たい視線で見つめている。
ゾクッとするようなオーラを漂わせている。
これは怒っている。
「エンヴェリカとミーナはここにいて」
セントバーナル様は我慢出来なくなったのか、その輪の中へと向かい歩いて行く。
「警備兵、その女を捕らえて牢にブチ込め」
セントバーナル様が警備兵を見ながら指示を出す。
かなり怒っているようで、セントバーナル様の口調が荒くなっている。
「ちょっとあんたまで何なのよ!捕らえるのはそこの下賤な子供と無礼な平民男たちよ!」
ゴーガバンズ侯爵令嬢がセントバーナル様をキッと睨み付けている。
少し離れているし、背中を向けているセントバーナル様が今どんな表情をしているか見えない。
警備兵がセントバーナル様の方をしばらく見つめてから、驚いているようだ。
警備兵の一人がセントバーナル様のことをわかったようだ。
「えっ?第二おう…」
髪と瞳の色を変えているセントバーナル様の正体に気付いて言いかけて、ハッとして警備兵の一人が慌てて口をつぐんだ。
でも警備兵が言いかけたことにゴーガバンズ侯爵令嬢が反応した。
「第二?…えっ?本当に本当にセントバーナル様ですの?…
髪と瞳の色は違うけど…そうだわ、お顔は間違いなくセントバーナル様だわ!
セントバーナル様~」
ゴーガバンズ侯爵令嬢の先程とは一変して、嬉しそうな甘い声が辺りに木霊した。
「私は貴様に名を呼ぶことを許していない。
警備兵早くその者を連れて行け!」
セントバーナル様のそんなに大きくないが、冷静な声が私の方まで聞こえてきた。
「護衛の方セントバーナル様が危険です!
すぐセントバーナル様のところへ行って下さい」
私はセントバーナル様の正体がわかって、危険だと判断して私とミーナの周りにいた護衛に指示した。
「はっ!」
4人の護衛がセントバーナル様の所へ走っていく。
私とミーナの所に2人の護衛が留まり、警戒を強めている。
セントバーナル様とジョルジュ様の従者も警戒を強めて、ミーナと私の侍女たちが私たちの周りを固める。
「待って下さいセントバーナル様!
事情を聞いて下さいまし!
こんなところでお会い出来るなんてやっぱりセントバーナル様とわたくしは運命なのですわ。
ちょっと何するのよ!
離しなさい!
わたくしはセントバーナル様にお話がありますの!
セントバーナル様お話をわたくしのお話を聞いて下さいませ!
わたくしはこの者たちに酷い目に遭わされているのです!」
ゴーガバンズ侯爵令嬢が必死で言い募るけれど、警備兵に両脇を掴まれて、ズルズルと引き摺られて行く。
その間もゴーガバンズ侯爵令嬢は「無礼者!離しなさい!
わたくしはゴーガバンズ侯爵令嬢よ!
お前たちが気軽に触れられる存在じゃないのよ!離してったら!
セントバーナル様と運命の出会いなのよ!
邪魔しないで!」
と叫んでいる。
警備兵たち4人が「はいはい」と言いながらゴーガバンズ侯爵令嬢を連行している。
例え本人が侯爵令嬢と名乗ってもセントバーナル様のご命令だ。
警備兵たちが令嬢を連れて行く。
警備兵に引き摺られてゴーガバンズ侯爵令嬢が私たちの前を通り過ぎようとした時に護衛2人が私とミーナの前に立って警戒している。
だけど、警備兵と護衛の隙間からゴーガバンズ侯爵令嬢と私は目が合ってしまった。
「まさか!」
ゴーガバンズ侯爵令嬢が私と目が合って、セントバーナル様の方をもう一度見てから声を張り上げる。
そして令嬢のどこにそんな力があったのか、両脇の警備兵の隙を見て腕を振り払って私たちの前に出てきた。
「エンヴェリカぁーっ」
ゴーガバンズ侯爵令嬢が髪を振り乱して叫びながら、魔法詠唱を唱え出した。
えっ?嘘でしょ?
こんな街中で魔法なんて使ったらどんな被害が出るかわからない!
私は慌てて護衛より前に出て、防御魔法を詠唱した。
でもゴーガバンズ侯爵令嬢の方が早くに詠唱していたので、令嬢の手から炎が出てきている。
これは間に合わない!
私はギュッと目を閉じて衝撃がくることを覚悟する。
「エンヴェリカ!!」
セントバーナル様の私を呼ぶ声が聞こえてきた。
大丈夫だよね?
魔法攻撃されても後でジョルジュ様に回復してもらえるよね?
でも私たちだけでなく他の人たちは?街はどうなるの?
私は結局何も出来なかった。
他の人たちも被害に遭う。
それが怖くて、私はその場て身動き出来ずギュッと目を閉じた。
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