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五十八話 王妃殿下のお茶会と駆け引き ③
しおりを挟むゴーガバンズ侯爵令嬢が魔道具の話題なるのを待ってましたとばかりに、私を嘲笑うように噂について嫌味を言った時に、私が言葉を返す前に王妃殿下の声がした。
私から見て斜め前方なのに私は気付くことが出来なかった。
王子妃教育ではどんな時にも周りに注意するようにと言われて、訓練もしていたのに。
ああーっ、テスト不合格かもしれないと思い、落ち込みそうになるけどここで落ち込んでいられないと気を引き締める。
みな立って王妃殿下に礼を取る。
「もう、頭を下げなくてよくてよ。
さあ、座りましょう」
王妃殿下が席に戻られて、座られたのを確認してからみなが座る。
みなが席に座って姿勢を正したのを見計らって、また新たにお茶が入れ直されると王妃殿下が話し始める。
「ゴーガバンズ侯爵令嬢、先程貴方の話が聞こえてきたのだけれど、変な噂とは何のことかしら?
わたくし知らないのよ。
教えて下さる?」
『ジークシルードの薔薇』と称される迫力の美貌の王妃殿下が口角を上げて微笑まれる。
でもキラキラ光る青の瞳は冷え冷えとしていて、目は全然笑っていない。
私に向けられたものじゃないのに、ゾクッとするほど迫力があって有無を言わせない程の圧がある。
王妃殿下はもう噂のことを知っておられるのに、惚けたような声音でゴーガバンズ侯爵令嬢に問うた。
ゴーガバンズ侯爵令嬢は顔を青くして、顔を引き攣らせている。
王妃殿下には自分がそんなことを言っているなど、聞かれたくないことだったのだろう。
なら何でこの場で言うんだと思うけど、まだ王妃殿下は戻ってこないと思ったのか、それとも私のことで冷静さを失くしていたのだろうか。
シーンとテーブルが静まり返った。
王妃殿下は先程からの目が全然笑っていない微笑みを讃えたままで、ゴーガバンズ侯爵令嬢の答えを待っているよう。
これは怖い!
本当!王妃殿下の迫力と圧が凄い。
「あ、あの…」
ゴーガバンズ侯爵令嬢は完全に王妃殿下の圧に押されて、掠れた小声を出すので精一杯のようだ。
「ええ、変な噂とは?
わたくしに教えて下さらない?」
王妃殿下が追い打ちをかけるようにもう一度ゴーガバンズ侯爵令嬢に問い質す。
「…はい。
わたくしも人伝にお聞きしただけなのですが…あの、クエスベルト子爵令嬢がお父様のクエスベルト子爵卿の魔道具を使い、セントバーナル第二王子殿下を誑かして婚約したとの噂が出回っているようですわ」
ゴーガバンズ侯爵令嬢を俯き加減で言い難そうに言ったけど、調べてゴーガバンズ侯爵令嬢と彼女の取り巻きが噂を流した張本人だと私は知っている。
そしてもちろん王妃殿下もそのことをご存知だ。
「まあ~何てこと?
わたくしの可愛い義娘のエンヴェリカがそんなことをしたと噂になっているの?
それにその噂わたくしの息子であるセントバーナルを貶めるものでもあるわよね?」
王妃殿下は変わらぬ微笑みを湛えながらも、ジッとゴーガバンズ侯爵令嬢を見据える。
王妃殿下は通常なら公の場でセントバーナル様、私のことを息子、義娘という言い方はされない。
今は敢えてそんな言い方をされたのだろう。
「い、いえっ!セントバーナル第二王子殿下を貶めるなどと、そんなつも、…いえそんな噂ではない、と思われますが…」
ゴーガバンズ侯爵令嬢はさらに顔を青白くさせ、カタカタと震え始めた。
そんなつもりはないと言いかけて、慌ててそんな噂ではないと言い直した。
語るに落ちたのではないだろうか。
それに王妃殿下の言葉で今更その噂がセントバーナル様をも貶めるものだと気付いたのではないだろうか?
「ゴーガバンズ侯爵令嬢もそう思いませんこと?」
「は、はい…」
王妃殿下の尚の問い質しにゴーガバンズ侯爵令嬢の額に冷や汗が浮かんでいるように見える。
「だってそうでしょう?
どんな魔道具かはわたくしは噂自体知らないので、わからないけれど誑かしすのだとしたら、幻覚とか精神干渉系の魔道具になるわよね?
セントバーナルがそんなものに引っかかったと?」
「い、いえ、…わ、わたくしは決してそのようには思っておりません」
先程レスティーナ様が少し吃ったことを『ふんっ』と馬鹿にして嘲笑っていたゴーガバンズ侯爵令嬢が、王妃殿下に責められるように問われて、今度は自分が何度も吃っている。
「本当に馬鹿げていて、程度が低過ぎる噂ね。
その噂を流した者に一言言ってあげたいわ。
セントバーナルも瞳の継承者よ、瞳の継承者には幻覚や精神干渉系の魔法は効かないのよ。
だからエンヴェリカが魔道具でセントバーナルを誑かして婚約したなど、有り得ないわ。
ゴーガバンズ侯爵令嬢もそう思わなくて?」
「…はい、…そのように、わたくしも噂を…お聞きした時に、思いました…」
ゴーガバンズ侯爵令嬢の声がどんどんと小さくなる。
王妃殿下怖いよ~。
こんなに怒って迫力のある王妃殿下は初めてだ。
私は王妃殿下と二人のお茶会の時に王子妃教育の確認で、何度もお叱りと指導を受けているけどその時とは全然違う。
セントバーナル様の為と私の為に怒って下さっていることがわかってとても怖いけど、私は嬉しかった。
ゴーガバンズ侯爵令嬢はこの公の場で、恥をかかされてしまったけど可哀想だとは思えなかった。
セントバーナル様のこと、お父様のこと魔道具のことを貶めたことに私は怒っている。
自業自得だと思った。
今後、いくら私が気に入らないからと言って、そんなことはやめて欲しいと思った。
それから30分程で、王妃殿下の締めのお言葉でお茶会はお開きとなり、王妃殿下と私は先に退場した。
私は去り際にミーナと視線を合わせ、少し微笑み合った。
ミーナはニッコリと微笑みかけてくれて、『またね』と口だけを動かしてくれた。
私も『またね』と口だけを動かして、その場から去った。
私はそのままお茶会の会場から退場した後、いったん王妃殿下と別れて王妃殿下付きの侍女にある部屋へと連れて行かれた。
「エンヴェリカ様、王妃殿下がいらっしゃるまでそちらのソファに座り少々お待ち下さい」
と言われた。
そこにはお茶会で同行していた王妃殿下付きの侍女以外の侍女がいて、私がソファに座ると、お茶を用意してくれた。
実はお茶会でお茶を飲んでいたけれど、緊張したので喉が乾いている。
一気に飲むのははしたないので、少しお茶を口に含んだ。
少しだけど喉が潤って気持ちが少し落ち着いた。
でも今からテスト結果についてきっと私が王妃殿下からお叱りを受けるはずだ。
とても緊張しているけど、もうやってしまったものは仕方ない。
覚悟を決めなくちゃ!
私が部屋に入ってから20分程して、王妃殿下が入ってこられた。
立ち上がってお出迎えする。
「エンヴェリカお待たせ、さあ座って」
「はい」
王妃殿下が座られてから私も再びソファに腰を下ろす。
「さて、早速だけどテスト結果を言うわ。
まず今日はわたくしが見る限り表情が表に出ていなかったわ、良かったわよ、そこは合格」
「ありがとうございます」
王妃殿下の判定にそこは少しホッとする。
まだあるだろうけど…。
「あと、主に見ていたのはわたくしが席を外してからよ」
王妃殿下のその言葉にドキッとして、ゴクンッと喉が鳴りそうなって堪える。
ここでそんなことをしたらお叱りを受けてしまう!
王妃殿下はそれもわかったみたいで、私を見て微笑まれた。
うっ!とても美しい微笑みなのに怖いわ。
「わたくしが席を外してから貴方たちの近くで気配を消してわたくし専属の侍女が話を聞いていたのよ。
他の侍女にはエンヴェリカの表情や他の令嬢の表情なども観察させていたわ」
「えっ?そうだったのですか?
まったくわかりませんでした。
申し訳ありません」
王妃殿下が席を外してからの会話全部侍女に聞かれていたんだ。
表情の変化も観察されていた。
本当に油断してはいけないわ。
常に油断しないようにと王子妃教育でも言われていたけど、いつ誰に見られているか聞かれているかわからないのね。
ということはゴーガバンズ侯爵令嬢のあの態度と言葉も王妃殿下の耳に入っているということだよね。
「ええ、今回気付かなかったことは大丈夫よ。
その侍女は影でもあるから完全に気配を消すことが出来るから気付かなかったことは問題なくてよ。
それでわたくしが席を外している時に貴族学院の生徒であるクロスベリー辺境伯令嬢とサンフェリー侯爵令嬢に、わたくしとはまた違った話題でちゃんと令嬢たちがお話しやすい話題にしていこと、貴方がちゃんとお話を聞いてあげていたわね。
とても良かったと思うわ」
「ありがとうございます」
「クロスベリー辺境伯令嬢、サンフェリー侯爵令嬢のことを事前に調べて、彼女たちの良いところをちゃんと褒めていたところもとてもよくてよ。
素晴らしかったわ。
それにゴーガバンズ侯爵令嬢の嫌味にもちゃんと冷静な対処をしていたわね」
「そうでございますか。
言った後でなのですが、クロスベリー辺境伯令嬢には剣術や魔法の話題を出しましたが、彼女は普段女性なのに剣術などに力を入れていてはしたないなどと言われたりしていて、そのことを気にしていたのではないかと思ったのです。
ですので、私がその話題を出してしまったのは失敗だったのかもしれないと思いました」
王妃殿下がニッコリと微笑まれる。
ゴーガバンズ侯爵令嬢に向けていた微笑みとは全然違うけど、ドギマギとしてしまう。
「そうね、クロスベリー辺境伯令嬢がもっとも気にしていることだったと思うわ。
今までから学院や周りでも言われていることなのでしょう。
そこまで調べていなかったこと、そこの配慮がなかったことはまあ減点に値するけれどね。
でもエンヴェリカは純粋に本心で素晴らしいと思って言ったことはちゃんと伝わっているのではないかしら。
その後のゴーガバンズ侯爵令嬢の嫌味に対して、エンヴェリカは文句が出ないように対処出来ていた。
わたくしはとても良かったと思っていてよ」
「それは良かったです」
私はホッと胸を撫で下ろす。
「そうねぇ~今日だけのことで言うと、すべて及第点で良かったわ。
合格よ」
「ありがとうございます。
あの、でも王妃殿下が戻っていらっしゃった時に気付くのが遅かったこと申し訳ありません」
ふふっと王妃殿下が声に出して笑われた。
「そうね、周りに常に注意を払い、気を付けるという点においては確かに減点ね」
「はい、今後もっと気を付けたいと思います」
私の言葉に王妃殿下はゆっくりと頷かれる。
「ええ、ちゃんとそのことにちゃんと気付けたことは良いことよ。
それから特にクロスベリー辺境伯令嬢とサンフェリー侯爵令嬢にかけた言葉はとても良かったとわたくしは思うわ。
彼女たちにとっても励みになったのではないかしら」
「いえ、私などそこまでではありません」
「あら、そんなことはなくてよ。
貴方は近々第二王子妃になるのよ。
その令嬢から褒めてもらえたのだからきっと彼女たちの励みになるわ!」
私なんぞの言葉が本当に励みになるんだろうか?
「そうでしょうか」
「ええ、そこは自信を持ちなさい。
貴方はもうそういう存在なのよ。
彼女たちも貴方に自分の好きなことで声をかけてもらって、喜んでいるようだったわ。
それとこれから彼女たちも貴方の臣下になるのよ。
臣下の良い所を褒めることはとても大事なことよ。
エンヴェリカは前もってちゃんと調べたのでしょう。
そこがちゃんと出ていたわ。
でもこれから自分が良かれと思って言ったことが違うように受け取られてしまうこともあると思うわ。
万人に良く思われるなんて無理だもの。
でも反省はしてもクヨクヨ悩んでは駄目!
すぐに切り替えないと、王族になったら数多くの方とお話することになるの。
いちいちクヨクヨ悩んでいたら心が保たなくなるわ」
「はい、承知致しました」
私は王妃殿下のキラキラとしている青の瞳を見つめながら頷いた。
「それと、王族は国内の貴族に対して又は他国の王族貴族に対しても頭を下げたり、謝罪してはならないと教育で習ったと思うけれど、身分が同等、下だからというだけではなくてよ。
先程も言った通り王族になれば数多くの方々とお話して接することになるわ、それは息つく暇がない程次々とね。
もちろん配慮は大切よ、どの方に対してもね、前もっての知識も必要。
でもそれでもその場で言ったことに自分で失敗だと思っても公の場でのことは簡単に謝罪しては駄目なのよ。
自分が言ったことには自信を持っていなくても、自信を持っているように振る舞うこと。
もちろん自分の言ったことには責任を持たなくてはいけないわ。
先程、ゴーガバンズ侯爵令嬢と対したことは良い経験になったと思うわ。
あれで簡単に謝罪してはいけないとわかったでしょ?」
王妃殿下がおっしゃることがよくわかった。
ゴーガバンズ侯爵令嬢に対した時に弱みを見せてはいけない、冷静さを欠いてはいけない。
簡単に謝罪しては弱みを見せたことになり、それに付け込まれると思ったもの。
「王妃殿下のおっしゃることよくわかります」
「それでいいわ、今日はもう終わりよ。
総体的に見て合格よ。
後はゆっくりしてちょうだい」
「はい!本日もありがとうございました」
「ええ、それではエンヴェリカまたね、ごきげよう」
私は王妃殿下に礼を取り部屋を出て行かれるのを見送った。
王妃殿下が部屋を出て行かれた時にホッとして、身体の力が抜けてまたソファに座った。
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