地味に見せてる眼鏡魔道具令嬢は王子の溺愛に気付かない

asamurasaki

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五十七話 王妃殿下のお茶会と駆け引き ②

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王妃殿下のお声かげてお茶会が静かに始まった。

私がいるテーブルでは王妃殿下がいらっしゃるので、王妃殿下が同じテーブルにいる令嬢たちの学院での話やそれぞれの領地の話などを質問されたりしていた。

卒業生に対しても今の近況などを聞いたりされている。

やはり王妃殿下はちゃんと前もって招待客の令嬢たちの情報を頭に入れておられる。

それも令嬢たちが話しやすい話題を提供していて、王妃殿下なら当たり前かもしれないけど、さすがだなと私は思った。

私は見習わなくてはならないことばかりだ。

そしてしばらくしてから王妃殿下が他のテーブルも回っていくとおっしゃって席を立たれた。

いつの間にか他のテーブルに王妃殿下用の席が用意されている。

それは滅多にないことである。

通常は王妃殿下はお茶会ではずっと同じ席に座られていて、あまり移動されず、貴族が赴いてご挨拶をしていくのである。

しかし本日は王妃殿下自ら他のテーブルを回られることになっている。

王妃殿下が侍女3人と護衛騎士を伴い、違うテーブルへと移動していかれた。

私はこれも私のテストなんだと思い、気を引き締める。

私は王宮では王族担当、セントバーナル様と私専属の侍女や護衛以外の使用人、騎士、文官の方たちから妃殿下と呼ばれて王族扱いになっている。

王宮すべての方にまだ婚約者という立場なので、といちいち言えないのでそのままにしているけれど、実際はまだセントバーナル様の婚約者としての立場なので、まだ王族ではなく子爵令嬢だ。

同じテーブルには私より身分が上の方ばかり。

でも王妃殿下が席を移動されたから私がこのテーブルを取り仕切らなければならない。

そういうことなのだろう。

「クロスベリー辺境伯令嬢、お聞きしてもよろしいですか?」

身分のことがあるので一応辺境伯令嬢にお伺いを立てる。

「第二王子妃殿下、お声をかけて頂いて光栄にございます。

何なりとお聞き下さいませ」

クロスベリー辺境伯令嬢は少し緊張しているのか、顔が引き攣っているけれど微笑んで私を見てきた。

私と同じように顔に出てしまう方のようだ。

王妃殿下にお話を聞かれた時も緊張しておられたものね。

クロスベリー辺境伯令嬢が私のことを妃殿下と言った時に、ゴーガバンズ侯爵令嬢が視線の端に見えたけど、肩をピクリとさせた。

私が妃殿下と言われたことが気に入らないのかもしれない。

ゴーガバンズ侯爵令嬢は偽の招待状の件で、ジョルジュ様とミーナの家から抗議文が届いているはずだが、そんなことは一切表情には出さず、堂々としていることはさすがだと思うが、私が妃殿下と呼ばれたことには反応した。
 
そのことについてはどうなのだろう?

「クロスベリー辺境伯令嬢、私はまだセントバーナル様の婚約者という立場に過ぎません。

妃殿下はおやめになって、名前で呼んで下さいますか?」

私が微笑みを向けると、クロスベリー辺境伯令嬢も私の顔を見て微笑む。

榛色の腰までの長い髪に琥珀に近い薄めの茶色の瞳の凛とした美しい令嬢だ。

「ありがとう存じます。

それではエンヴェリカ様と呼ばせて頂きます。

わたくしのことも名で呼んで頂けると嬉しく思います」

「それではヘレン様と呼ばせて頂きます」

「はい!」

私が名を呼ぶと嬉しそうに微笑む。

凛とした美しさで一見すると冷たく見える令嬢だが、微笑むととても可愛らしい。

見ていると、私に悪意を持っていないことがわかる。

「ヘレン様は今貴族学院に通っておられますが、文武両道とお聞きしています。

剣術や魔法もかなりの腕前だとか。

剣術や魔法はおいくつから訓練されているのですか?」

私はこのお茶会の前に出席者全員の人となりや、どういう令嬢なのか調べていた。

ヘレン様はとても活発な少女時代を過ごしてきたようで、剣術や魔法を得意とされているらしい。

私は先程、王妃殿下がお話になられたこととは別の話題で話を聞くことにした。

私が剣術、魔法のことを聞くとヘレン様の顔が少し戸惑ったような顔をされた。

あっ!聞いてはいけないことだったのかもしれない。

女だてらに剣術などに勤しんでと嫌味などを言われているのかもしれないわ。

失敗だったかしら?

「わたくしのことを存じて下さり大変光栄で嬉しく思います。

我が家は辺境伯でございますので、もちろんなのですが父は武に力を入れています。

子はわたくしと弟がおりますが、わたくしは3歳の頃から剣術を習い始めました。
魔法の方は属性判定を受けてからですので、5歳からでございます」

ヘレン様は冷静にすんなりと答えてくれた。

「まあ、3歳から剣術を!
素晴らしいことですね。

女性も文武両道であることは誇るべきことだと私は思います」

「ありがとう存じます、エンヴェリカ様」

私の返答を受けて、ヘレン様は少し嬉しそうな顔をしてくれた。

「ふふっ、文武両道ですか…エンヴェリカ様は令嬢たるもの武も必要だとお思いでいらっしゃると」

そこに割り込むようにゴーガバンズ侯爵令嬢が馬鹿にするように言葉を挟んできた。

まるで令嬢が武を極めることが野蛮だとでもいうような嫌味だ。

王妃殿下がいる時には大人しくして澄ましていたのに、随分と態度が変わるものだ。

おまけに私はゴーガバンズ侯爵令嬢に名を呼ぶことを了承していない。

そのことはまあ言わないけど、爵位はゴーガバンズ侯爵令嬢の方が上だしね。

でもそれでもこちらが了承していないのに、いきなり名を呼ぶのは無粋なのだけど、話に割り込むことも失礼に当たる。

ミーナが視線の端に少し見えた。微笑んでいるけれど、目が笑っていない。
怒っているみたい。

ヘレン様はシュンッと落ち込んだ顔をされてしまった。

「ダベンサードル辺境伯様もそうでごさまいますが、クロスベリー辺境伯様も国境でこの国を守って下さっている尊い方でございます。

その辺境伯様の第一女であるヘレン様が武に富んでいらっしゃることはこの国にとって大変喜ばしいことだと私は思っております。

それに先程王妃殿下がおっしゃっておられましたが、ヘレン様の弟君のクロスベリー辺境伯令息は王立薬草学研究所に入ることを目指しておられ、辺境伯はヘレン様がお継ぎになるのですよね?」

「はい、そうでございます。

普通なら男性が後継となるところですが、弟は幼い頃から剣術や魔法より医療や薬草に興味を持っており、薬草を発見して今や薬草学の権威となられたベルナールド小侯爵様をとても尊敬しております。

なので、お父様は弟の歩みたい道を歩ませてあげたいと思い、わたくしが後を継ぐことになりました」

ヘレン様が真剣な瞳で私を見てくる。

「ヘレン様のお父様はとてもご理解があり、愛情深い方なのですね」

「エンヴェリカ様、そう言って頂いてありがとう存じます。

お父様も第二王子殿下の婚約者様がそうおっしゃって下さったこと喜びますわ」

ヘレン様が嬉しそうに微笑まれた。

その話にゴーガバンズ侯爵令嬢が憮然した顔になる。

「今や王国騎士団、魔術師団に所属する優秀な女性も年々増えていっております。

近年その割合は二割を越えたそうなのですよ。

国王陛下、王太子殿下も女性の騎士、魔術師が増えていっていることを喜んでいらっしゃるとお聞きしておりますが、そのことについてゴーガバンズ侯爵令嬢のお考えをお伺いしてもよろしいでしょうか?」

私がゴーガバンズ侯爵令嬢に問いかけて、顔を見るとゴーガバンズ侯爵令嬢の顔が引き攣った。

ちょっと煽り過ぎたかな?

「…それはわたくしの言葉が過ぎました。
申し訳ございません」

ゴーガバンズ侯爵令嬢が謝罪したけど、明らかに不満そうだ。

ヘレン様はホッとした表情になった。

「ヘレン様が文に武に精進されていること、私は尊敬致します」

私の言葉を聞いてヘレン様が少し目をウルウルさせる。

「エンヴェリカ様本当にありがとう存じます。

学院の魔術、魔法担当の先生がエンヴェリカ様は歴代でもとても優秀な成績だったとおっしゃっていて、わたくしもエンヴェリカ様を尊敬致しておりますの」

良かった!
ヘレン様が花が綻ぶような美しい微笑みを浮かべた。

「ヘレン様、ありがとうございます。

これからもお互い精進してまいりましょうね」

「はい!」

ヘレン様が元気良く返事して下さって私はホッとした。

「ところでサントフェリー侯爵令嬢、ヘレン様同様名で呼ばせて頂いてとよろしいでしょうか?」

次はもう一人の貴族学院の学生であるサントフェリー侯爵令嬢に声をかけた。

サントフェリー侯爵令嬢は腰まであるフワフワのブロンドの髪に青い瞳の高位貴族令嬢そのものの髪と瞳の色をしている大人しそうだけど、ほんわかとした可愛らしい令嬢だ。

性格は大人しくて控えめだと聞いている。

「も、もちろんでございます。
レスティーナとお呼び下さいませ」

レスティーナ様はかなり緊張しているのか、少し吃ってしまったことにゴーガバンズ侯爵令嬢がクスッと馬鹿にしたように笑う。

学院在学中は知らなかったけど、ゴーガバンズ侯爵令嬢って性格悪いな。

「ありがとうございます。それではレスティーナ様と呼ばせて頂きますね。

私のこともどうぞ名で呼んで下さいませ」

私はレスティーナ様安心して下さいという思いで、微笑みかける。

「…光栄にございます。

それではエンヴェリカ様と呼ばせて頂きます」

レスティーナ様が少し小さな声になってしまった。

ゴーガバンズ侯爵令嬢のせいで、レスティーナ様が縮こまってしまったじゃない!

今席を外されているけど、この場に王妃殿下がいること忘れているんじゃない?

「レスティーナ様は絵画にとても造詣がお深いとお伺いしております。

そしてご自身も絵を描く才能をお持ちでいらっしゃり、女神セレナ様の宗教画が大変高い評価を得られているとか?

宗教画の他に描かれているものがおありですか?」

私が聞いたことにレスティーナ様は少し驚いた顔をされた。

でもその後すぐ照れ臭いような可愛らしい微笑みを浮かべた。

「わたくしのことを知って頂き大変光栄にございます。

絵画についてですが、わたくしは宗教画を描くことが多いのですが、風景画も描きます」

「風景画ですか!

サンフェリー侯爵領は南の方で年中温暖だから、花々や緑も大変豊富で美しい土地だと聞きます。

領地の風景を描かれると、とても美しいのでしょうね」

私がレスティーナ様にそう声をかけると、レスティーナ様はとても嬉しそうな顔をした。

「エンヴェリカ様そうなのです!

我がサンフェリー領はとても自然豊かで、花も緑もとても美しいのです。

わたくしは朝露に濡れて輝く領地の花や草木を描くことも宗教画と同じくらい好きなのです」

「…ふんっ」

と小さい声だけど、ゴーガバンズ侯爵令嬢の声が聞こえた。

本当に何なんだろう?
学院の生徒と卒業生の交流目的だということを忘れているの?

それとも私が気に入らないからそんな態度なの?

イラッとしているけど、私は王妃殿下のテスト中であることを思い出して、グッと堪える。

レスティーナ様はとても絵が好きなのだろう。
そして自分の領地にとても誇りを持っている。

まるで私が魔道具のことを語るように、饒舌に話してくれた。

「まあ、とても素敵な事ですわ。

レスティーナ様が絵がとてもお好きなこと、領地をとても愛しておられることが伝わってきますわ。

私も魔道具がとても好きなのでそのお気持ちよくわかりますわ」

私が微笑みながら言うと、レスティーナ様は目を輝かせる。

「はい!わたくしもクロスベリー辺境伯令嬢と同じく、エンヴェリカ様が魔術魔法にとてもお詳しく、成績もとても良かったと存じ上げております。

エンヴェリカ様のお父様やお兄様同様に魔道具研究の天才であるとわたくしのお父様からお聞きしております!」

レスティーナ様可愛い!
とてもキラキラした表情をしている。

「天才だなんて、私はまだまだですわ」

本当に謙遜ではなく私はお父様とお兄様に比べたらまだまだだと思う。

「ええ、ええ、エンヴェリカ様は魔道具の天才と言われるクエスベルト子爵卿の元で幼い頃から魔道具に親しんでおられますものね~
それはお詳しいことでしょう。

それでなのか変な噂も出回っておりますしねぇ~」

ゴーガバンズ侯爵令嬢が魔道具の話題が出たからか、待ってましたと言わんばかりに話に割り込んできて私に嫌味を言ってきた。

噂のことを言って私を煽ろうとしているのだろう。

そんなものに負けないわと思って冷静を心がけて、話し出そうとした時。

「まあ、変な噂が出回っているですって?」

王妃殿下の声がした。
王妃殿下は私の左斜め前方に立たれていた。

他のテーブルを回って終わって戻られたのだ。
私たちは慌てて席を立つ。

ゴーガバンズ侯爵令嬢の後ろに他の令嬢たちが集うテーブルがあったので、ゴーガバンズ侯爵令嬢は肩をビクッとびくつかせて、慌てて立ち上がった。




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