地味に見せてる眼鏡魔道具令嬢は王子の溺愛に気付かない

asamurasaki

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四十六話 メリル・ジラルーカス ④

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叔父家族が修道院送りになってから2年近くが過ぎた頃に、叔父の第一男ジルベスターと第一女のフローラが修道院を出ることが許された。

ジルベスターが14歳、フローラが12歳でまだ成人ではないことと、メリルが身元引受人になるからと被害者であるメリル自身が恩赦を申し出た形で、ジルベスターとフローラは貴族籍剥奪になり平民となったが、修道院を出ることが出来た。

メリルはジルベスターとフローラを引き取って、ジルベスターを従者にフローラを侍女として雇い、ジルベスターとフローラを平民の学院に編入させた。

ジルベスターとフローラに慈悲を与たとしてまた世間のメリルの評判が上がる。

本当はメリルは叔父夫婦の他にジルベスターとフローラの修道院に通い続けることが大変だと思ったのと、今後二人を利用しようとしていただけなのだが、そんなことを知らない世間はメリルをまるで天使のようだと持て囃す。


またその頃にメリルはセラーズを通してジャスティンと出会う。

ジャスティンは元伯爵子息だったが、家が没落して平民となった後王都に移り住み、魔道具の販売をしている商会で配達の仕事をしていた時にセラーズのギルドマスターヴィンセントと知り合い、魔力量が多いことをヴィンセントが知ってスカウトされて、まず商会と平行してセラーズの下働きをしてから正式にメンバーとなった。 

ジャスティンに裏仕事をさせる為に表向きはメンバーではないことにヴィンセントはしていた。

ヴィンセントは実は元高位貴族の子息であり魔力が非常に多くジャスティンより魔力があったので、ジャスティンの魔力がどれくらいかわかっていた。

(ちなみに魔力の比較は
ヴィンセント>メリル=ジャスティン。
3人とも高位貴族中でも多い方だが、わずかにヴィンセントが一番多く、メリルとジャスティンはほぼ同じくらい。

尚、瞳の継承者たちの魔力は桁外れに多く比べものにはならない)

そしてジャスティンはヴィンセントと出会って3ヶ月後に自分がスキル『擬態』を持っていることを明かす。

ヴィンセントは非常に頭が切れる男で、人の懐に入るのが上手く、また独特の話術で人を操るのが上手かった。


ジャスティンはヴィンセントに上手く言いくるめられ、セラーズの裏の仕事を請け負うようになる。

宝石や金塊などの違法取引や運搬、違法薬物の取引や運搬、違法賭博の見張り役などの主に下働きであったが、ジャスティンは気付かぬうちに自らが犯罪に手を染めていることを後で知る。

だが、気付いた時には後戻り出来なくなっていて、罪悪感を持ちながらもセラーズと一員として働いていた。

メリルはとりあえずセラーズのメンバーなど、知り合った者たちにはスキル『入れ換え』を使い属性魔法などを調べていた。

スキル『入れ換え』の保持者だったアーセナルが自分の属性、スキルとメリルの属性、スキルを瞬時に入れ換えて元に戻して、メリルが闇属性とスキルを持っていることがわかっていたから、『入れ換え』を奪ってからは相手の属性とスキルの有無を調べるようになった。

尚、スキル『入れ換え』に関してはすべての者に使用出来るものではなく、自分より魔力が少ないか同等、それと相手の了承を得た時のみ発動するという制限がある。

メリルは魅了を使い、洗脳して了承を得てスキルを使っていた。

【しかしアーセナルがメリルにスキルを使用した時はメリルの了承を得ず発動したのだ。

では何故メリルの了承を得ず、アーセナルはスキルを使うことが出来たのか?

それはアーセナルもメリルの了承を得ずには無理だとわかっていながら試してみたら偶然なのか、メリルの属性とスキルがわかったということだった。

メリルの中に2つの魂が存在していて、ジライヤではなくメリルが了承したのか?偶然なのか?魂が2つあることによるイレギュラーなのか?】


メリルは『入れ換え』によりジャスティンがスキルを持っていることを知る。

尚、ヴィンセントからはジャスティンがスキル保持者だとは聞かされていなかっだ。

ジャスティン曰く神殿の属性判定後、平民になってから後天的にスキルが顕現したらしく、国も神殿も彼がスキルを持っていることを知らないという。

ジャスティンが国への報告義務を怠ったのだが、スキルが顕現した時にそれが何かすぐにはわからなかったのもあるが、それがスキルだとわかってからも最初はどう使うかまったくわからず、役に立たないと思ったジャスティンは国への報告をせず、しばらく放置していた。

その後ジャスティンはヴィンセントと知り合い、言葉巧みに誑かされて結局国にスキルの報告せず仕舞いになった。


メリルはジャスティンのスキルが後天的に顕現したことを知り、アーセナルのスキルを奪った時のことを思い出して、ジャスティンを利用していつかスキルを奪ってやろうと思うのだった。

その為に特にジャスティンを気にかけて優しく言葉をかけるようにした。
ジャスティンはだんだんとメリルに心酔していく。

この時にジャスティンに使った魅了は微量だった。

ジャスティンは最初からメリルに惹かれていたのだろう。


そしてメリルが甥っ子と姪っ子の身元引受人になった数ヶ月後にまず叔父がメリルが面会に行った時に魔力暴走を起こして、意識不明になりその1ヶ月後に亡くなる。   

メリルはこの時に叔父の魔力暴走に巻き込まれて少し怪我をした。


その数ヶ月後に叔母はメリルとの面会後、修道院内で暴れて修道女3人に怪我をさせて修道院よりさらに厳しい魔術研究所送りになっていた。

叔母は魔術研究所送りになった時には正気を保っておらず、自分の名も言えない状態だったという。

実は叔父カンチェスも叔母シーナも面会に来たメリルによる魅了で精神的ショックを与えられたことが原因であった。

しかしそのことは誰にも知られることなくカンチェスとシーナは処分された。


その一方でメリルはギレンの魔道具の研究の為に魔石集めにヴィンセントに協力する。

メリルは婚約者のミホークに『貴重と言われる属性魔法が備わった魔石を見てみたい』と言ってミホークを騙し、セラーズのメンバーと一緒にミホークを森に向かわせるようになる。

そしてヴィンセントからスキル保持者の国の管理者は魔法契約により他者に漏らすと罰則があるが、神殿の神官は魔法契約のような縛りがないという情報を聞き、神官からスキル保持者の情報を聞き出すことを思いつく。

魅了で了承を得て、スキル『入れ換え』を片っ端から使って、調べていく方法はリスクが高いとメリルが判断したからだ。

前世で魅了の乱用で自らの精神が破綻したり、周りの精神も破綻させてしまった経験がある。

前世より格段に魔力が多くなったけれど、甥っ子姪っ子のジルベスター、フローラ、使用人たち、そしてセラーズのヴィンセントと今でも多くの人間たちに魅了を重ねて使用しているからなるべく乱用は控えたいとメリルは思った。

ところでジャスティンには最初に微量の魅了を使って以来、使っていない。
ジャスティンが魅了を使わずともメリルに心酔しているので、その必要がないからだ。

それと自分が他のスキルを持っていることを知られるリスクは避けたかったからだ。


メリルは神殿や修道院、孤児院の慈善事業をしながら神官たちの信用を得ていく。

しかしすべての神殿内は結界魔法で守られている。

特に国唯一の王都にある大神殿の結界魔法は強固で、神官たちは家族を持つことを許されているが、大神殿の神官たちは家族と共に大神殿で生活し、外でも家族も大神殿直轄の聖騎士に護衛されて生活している為に、大神殿の神官たちにはおいそれと近づけない。

尚、大神殿直轄の聖騎士団はすべてを防御する防御魔法の魔道具を常に所持している為に彼らに精神干渉系魔法は効かない。

そして聖騎士団は大神殿にしかいないので、いかに大神殿が他の神殿と比べて特別かということがわかる。

大神殿の中でも最高責任者であり、この国の神官の頂点に立つ大神官長になる者は女神セレナより神託があった者がなるとされていて、瞳の継承者に次ぐの実力を要していると言われており、精神干渉系魔法に耐性がある。

その大神官長が大神殿にはいる。 

それと大神殿だけでなく王都にある神殿は大神殿の息がかかっているところがほとんどである。

それらのことを自領の神官から聞き出したメリルは大神殿や他の王都の神殿の神官たちは諦めて、自分の領地だけでなく各領地の神殿を訪れるようになり、そこで神官たちと顔見知りになって信用を得て神殿の外で会う機会を作った。

そして外で会った神官を魅了により洗脳をしてスキルなどの情報を聞き出すようになる。

メリルが18歳の貴族学院3年生の時にプロベルフナー伯爵領の神官のウェンディを魅了により洗脳して、元当主で当主を引退してから領地の神殿の神官長となったインセイド・プロベルフナーがスキル『保存』を持っていることをウェンディから聞き出して、インセイドが領地の別邸に帰る時に待ち伏せして、インセイドのスキルを奪う。

インセイドは邸近くで倒れているところを家族に発見されるが、1週間後に亡くなる。

インセイドは高齢であった為に心臓発作による原因で亡くなったとされた。

保存とはそのままの状態を保つようにして、とっておくことだ。


メリルは各地で慈善事業をしながら、スキル保持者の情報を得ようと動いていた。

そしてメリルは卒業間近になった時、婚約者のミホークにも手を下す。

メリルとミホークは学院を卒業したらすぐき結婚することになっていたが、メリルはミホークと結婚する気は元からなかった。

それどころか叔父家族に無実の罪を着せたのはミホークのせいだと自分に都合良く思っていたので、ずっとミホークの存在を疎ましく思っていた。

今までミホークに数度に渡って森に魔石を探しに行ってもらっていたのは、いつかミホークを始末する為だった。

メリルは卒業間近のその日にミホークに「また貴重な属性魔法の魔石が欲しくなったの」と強請って、お守りだと言ってギレンが作成した魔道具をミホークに渡す。

そしてセラーズのメンバーとミホークで森に魔石を見つけに行かせて、ミホークたちが森に入った時にミホークの魔道具を発動させるように、セラーズのメンバーに指示した。

メリルがミホークにお守りだと言って渡した魔道具は防御のものではなく他者の魔力で発動する仕組みで、血の匂いを周囲に漂わせるものだった。

セラーズのメンバーはあらかじめ防御魔法の魔道具を装着していた。

ミホークはどこからか血の匂いが漂ってきたと思って、身の危険を感じて退散しようとしたが、気付いた時には遅かった。

血の匂いに誘われた獣たちがミホークだけを襲って、ミホークは命を落とした。

ミホークが森で死体で発見されたことを聞き、メリルはショックを受けて領地に引き籠もった。

メリルはミホークが亡くなって以降学院に通うことがなかったが、既に卒業資格があったのでメリルは学院を卒業することができ、学院卒業後ジラルーカス伯爵となった。

婚約者のミホークをも失ったメリルは『悲劇の天使伯爵』と言われるようになる。


すべてメリルの計画通りだった。

メリルは婚約者をも失った悲しみのあまりに領地に引き籠もることになったが、メリルが領地に引き籠もったのは1年程だった。

ミホークの喪が明けると、メリルは王都の社交界に姿を現すようになったり、各領地の神殿や修道院、孤児院を訪れるようになる。

『悲劇の天使伯爵』と呼ばれてみなから注目されて、同情される日々をメリルは送っていた。

そして修道院や孤児院、神殿での慈善事業に勤しみ、悲劇に見舞われながらも可憐で崇高な人物だと言われることに自尊心が満たされていた。

メリルは王宮でのお茶会や夜会、舞踏会にも積極的に参加するようになる。

メリルに近寄って、少しでも目に止まりたい貴族令息たちがメリルの元に大勢集まるが、メリルはまだ亡くなったミホークを忘れられず、その気はないという姿勢を崩さなかった。

そのことにさらにメリルの名声と人気は上がっていく。

メリルのことを悪く言う者も中にはいるが、ごく少数で今やメリルは貴族令息だけでなく、貴族夫人や令嬢たちの憧れの存在となっている。

しかし事実はセントバーナルに会いたい為に王宮に通っているに過ぎなかった。

だがそれでも、メリルはセントバーナルに会うことが出来ず、ただ悪戯に年月が過ぎていった。

メリル23歳のセントバーナルが貴族学院に入学する1年前に、優秀な王宮の文官であったインキュリナー伯爵グレイナンド・インキュリナーのスキル『秘匿』も奪っていた。

グレイナンドのスキルの情報もインキュリナー伯爵領の神官からもたらされた情報だった。

インキュリナー伯爵は病で急死という扱いになった。

それからこの頃にはギレンにより多くの魔道具が開発、作成されていた。

ギルドマスターヴィンセントもギレンもセラーズの中心メンバーもみなメリルの魅了により洗脳されて、メリルの手足となって動くようになっていた。

その中にはずっと魅了を使わずともメリルに心酔するジャスティンも含まれる。

メリルは前世の教訓で魅了の使い過ぎの影響で、自分だけでなく相手の精神も破綻することを経験していたので、ずっと長年魅了をかけ続けているジルベスターとフローラなどは様子を見ながら調節していた。



そしてメリルが24歳になった年、セントバーナルが16歳になり貴族学院に入学した。

いよいよセントバーナルが王宮の外に出る日がやってきたが、王族であり瞳の継承者であるセントバーナルにそんなに簡単に近づけるものではない。

メリルはセントバーナルの通う貴族学院の教師や生徒たち、セントバーナル周辺の情報を集め始める。

いざセントバーナルが学院に通うと、貴族令嬢たちがセントバーナルに憧れて、少しでも目に止まろうと媚びて近寄るがセントバーナルはまったく相手にしていなかった。

セントバーナルが誰にも興味を示さないことに安心するが、メリルは情報収集の手を緩めなかった。

メリルのセントバーナルに対する執着は異常な程である。


メリルはセントバーナルがデビュタントを迎えた夜会にも参加したが、遠くでセントバーナルを見つめるだけだった。

そのことに切なく悲しくなったが、セントバーナルにまた近づいて余計警戒されてはいけないと、今はまだ近付くべきではないと考えた。

それでもセントバーナルがまだ誰も愛していないことは知っていたので、メリルの気持ちは明るかった。

メリルはいつかセントバーナルの隣に立つのはわたくしだと何故か根拠のない自信を持つようになっていた。


この頃のメリルはセントバーナルと貴族学院の情報を収集しながら、スキルを保持者も探して国内を積極的に往来していた。

前世と今世の経験から瞳の継承者に対抗する為にはスキルが役に立つという思いと、自分のスキル『受容』に万能感をメリルは持つようになり、わたくしがスキルを持って使ってあげる方が最も有効に使えると思い込んでいて、まるで宝石を収集する趣味のようにスキルを収集するようになっていた。

今までメリルが奪ったスキルは『入れ換え』『保存』『秘匿』だ。

『入れ換え』は自分が闇属性を持っていることを隠す為に侍女の属性と闇属性を入れ換えたりとスキルを使用していた。

しかしスキル『秘匿』を手に入れてからは『秘匿』により、闇属性を隠せるようになった為に『入れ換え』は相手の属性を確かめたりスキルを持っているか確かめる為に使用するようになる。

この頃はまだ『保存』は使用していなかった。


セントバーナルが1年生の終わり頃からエンヴェリカを意識し出して追いかけるようになったと配下から報告を受けて、メリルはどうして?そんなこと許せないと怒りを顕にする。

そこでメリルは我慢出来ず、すぐさま配下を連れてこっそりとセントバーナルとエンヴェリカの様子を学院の外から、遠くを近くに大きくして見ることが出来る望遠の眼鏡のような魔道具を使い、二人を観察した。



エンヴェリカ・クエスベルト子爵令嬢、あの魔道具の天才と言われるクエスベルト子爵の息女で、学院でもSクラスに所属しているがSクラスの中では目立った成績でない。

それに薄灰色の髪をお下げにして顔の大部分が隠れる大きな黒縁眼鏡をかけた地味な見目の令嬢で、メリルにはどこがいいのかさっぱりわからなかった。

セントバーナルは成長して益々アレンリードに生き写しの美しい青年になっていた。

そんなセントバーナルにあの地味女なんか相応しくないのに、何故セントバーナルがエンヴェリカを追いかけるのだろう?とメリルは納得がいかなかった。




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