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三十四話 テンクラビィ子爵令嬢とお茶会と知らなかった真実 ②
しおりを挟むロザリナ様が大事そうに胸に輝くペンダントを撫でた。
「えっ?精神干渉系魔法が発動したら警告音がなるものなのですか?」
「ええ、ダベンサードル辺境伯様とエンヴェリカ様のお父様のクエスベルト子爵様の合作なのだとお聞きしました。
もちろん相手には警告音が聞こえないものだそうです」
ロザリナ様が嬉しそうな顔をする。
ちょっと羨ましい!
どんなものか見せて欲しい!
いや、違う!
でも精神干渉系魔法が発動したら警告音が鳴るなんて、どうやっているのだろう?
お父様そんなことも出来るなんて知らなかったよ。
ぜひどういったものが必要か教えて欲しい!
「エンヴェリカはまた魔道具に意識を持っていかれてますね」
セントバーナル様が私を見て苦笑いをする。
「あっ、申し訳ありません!
こんな時なのに…。
でもロザリナ様本当にご無事だったのですか?」
「はい!エンヴェリカ様お気遣いありがとう存じます。
第二王子殿下が護衛や影をわたくしや家族に付けて下さったんですよ。
ペンダントもありますしね!
だから大丈夫でした。
それに一度は過ちを冒したわたくしでもお役に立てると思うととても嬉しく思いました。
精神干渉系魔法にかかった演技も結構楽しかったですよ」
ふふっとロザリナ様が笑う。
「テンクラビィ子爵令嬢は精神干渉系魔法にかかった振りをして今日ここに来てもらいました」
セントバーナル様もふふっと笑う。
「そうだったんですか…」
私は呆気に取られる。
「本当はエンヴェリカもテンクラビィ子爵令嬢も巻き込みたくはなかったのですが、相手がなかなか動きを見せなかったので、お二方の手紙のやりとりを知ったら動きがあるかも?と思ったのです。
それを利用したことになりますので、お二方には申し訳ないことをしました」
セントバーナル様が頭を下げる。
「そんな、セントバーナル様謝らないで下さい」
「そうです。殿下がわたくしに謝罪などされてはいけません。
一刻も早く犯人が捕まって、エンヴェリカ様に安心して頂きたいからお引き受けしたのです」
私の言葉に続いてロザリナ様が言った言葉に胸が熱くなる。
「ロザリナ様…」
今度は私の目が潤んでくる。
そんなに私のことを思っていてくれたなんて。
「えっ?エンヴェリカ様大丈夫ですか?」
そんな私を見てロザリナ様が心配そうに眉を寄せて慌てて前のめりになる。
「大丈夫です。
ロザリナ様ありがとうございます。
そういうふうに言って頂いて本当に嬉しく思います。
ロザリナ様が本当にご無事で良かったです」
「捜査のことはあまり詳しく申し上げられませんが、精神干渉系魔法は恐らくその男からではなく、男が持っていた魔道具から発動されたものであると考えられます」
「魔道具ですか?」
私はまた驚く。
精神干渉系魔法の魔道具なんて早々あるものではない。
まず精神干渉系魔法を使える人間なんてほとんどいないに等しいはず。
闇属性とか無属性魔法とかになるけど、闇属性を持っている人なんて瞳の継承者様以外にほとんどいないよね?
そんな精神干渉系魔法の高度な魔道具を作れる人間がお父様以外にいるの?
でもセントバーナル様が言うから事実なんだろう。
それはいったい誰なんだろう?
前にも思ったけど悪いことをする為に魔道具を利用するなんて凄く嫌だ。
「ええ、恐らく精神干渉系魔法を持っている本人ではありません。
その男はまだ泳がせる為に監視中で捕らえていませんが、捕らえるとわかると思います。
テンクラビィ子爵令嬢の協力のお陰で事件が早く解決出来そうです。
ありがとうございます」
「殿下、そんな…私なんか…ありがとう存じます」
ロザリナ様が感極まったような顔をしている。
「それでですが、テンクラビィ子爵令嬢はこれからドレンナザス公爵家で保護することになっています」
「えっ?ドレンナザス公爵様と言えば赤の瞳の継承者のお家ですよね?」
私はセントバーナル様を見つめながら聞く。
「そうです。
エンヴェリカと一緒に王宮で保護することも考えましたが、テンクラビィ子爵卿やみなで話し合い、テンクラビィ子爵令嬢はドレンナザス公爵家で保護することになりました。
もちろんドレンナザス公爵家には話を通していて、快く了承してくれました」
「そうなのです。
恐れ多いことではございますが、殿下や皆様のお陰様でドレンナザス公爵様がわたくしを預かって下さることになりました。
わたくしはこのまま学院を卒業出来ないことを覚悟をしておりましたが、ドレンナザス公爵様から邸で教育を受けさせてもらえるそうです。
それと婚約者までも紹介して下さるとのこと、本当に有り難い限りでございます!」
ロザリナ様が嬉しそうに微笑む。
「ロザリナ様はそれでいいのですか?」
ロザリナ様は嬉しそうだけど、どれくらいかわからない期間、家族と離れて隠れていなければいけないし学院にも通えないのだ。
私は心配になり聞く。
「わたくしは自分も罪を冒しましたし、事件が解決するまでは表に出れませんから当然学院にも通えません。
でもドレンナザス公爵様が家庭教師を雇って下さるそうで、それから事件が解決したら1年遅れでも学院に通っても良いと殿下に言って頂きました。
自分の家で自主学習では限界がありますので、本当に感謝しております。
それに条件の良い婚約者も見つけて頂けるそうで、わたくしなどに本当にそれほどのことまでして頂いて良いのだろうかと思っているくらいでございます!」
ロザリナ様は明るく私の顔を見てニッコリと笑う。
それでもロザリナ様を巻き込んでしまい申し訳ないと思ってしまう。
「ロザリナ様巻き込んでしまって本当にごめんなさい!」
私は申し訳なくて頭を下げる。
「どうしてエンヴェリカ様が謝るんですか!
おやめ下さい!
巻き込まれているというならオマール様と婚約して学院に入学した時点で巻き込まれています。
オマール様や犯人たちが悪いのです。
エンヴェリカ様は何も悪くないです。
わたくしはそれに気付くことが出来ました。
このままだとわたくしの将来はなくなったも同然だったのです。
当然家族にも領民にも迷惑をかけることになるだろうと思っていました。
家族にとても申し訳ないことをしたととても後悔していました。
でもそれを殿下がわたくしなどに恩情をかけて下さったのです。
本当に有り難いとわたくしは思っています」
「そうなのですね」
私はセントバーナル様の顔を見ながら首を傾げる。
「テンクラビィ子爵令嬢は事件が解決するまで姿を隠してもらわねばなりません。
万が一を考えて人が多く出入りする王宮とは別のところが良いと判断してドレンナザス公爵邸にしました。
しばらく領地にも王都の邸にも戻ることは出来ませんませんが、ドレンナザス公爵邸で家族に会えるようにしますし、エンヴェリカも会いに行けばいいと思いますよ。
姿を見せないようにする為にテンクラビィ子爵令嬢が王宮を訪ねてくることはなるべく避けた方が良いので、エンヴェリカの方から会いに行けばいいのではないでしょうか?」
「殿下わたくしがエンヴェリカ様とお会いしても本当によろしいんですか?」
ロザリナ様は嬉しそうにセントバーナル様に聞く。
「もちろんですよ。
テンクラビィ子爵令嬢は事件解決の為に私たちに協力してくれた功労者です。
テンクラビィ子爵令嬢の活躍のお陰で手がかりが増えて解決にだいぶ近付きましたからね。
これからもエンヴェリカのことよろしくお願いします」
「有り難いお言葉ありがとう存じます!
エンヴェリカ様、これからもよろしくお願い致します!」
ロザリナ様が弾けるような笑顔で私を見てくる。
「ロザリナ様こちらこそよろしくお願いします」
私も嬉しくて笑顔を返した。
「テンクラビィ子爵令嬢は領地でも王宮の医療師を派遣して診てもらいましたが、この後念の為にもう一度医療師に身体をを診てもらって、事件担当の者から事情ももう少し聞かせてもらうことになります。
それが終わってからドレンナザス公爵邸に移動してもらおうと思っています」
「はい!承知致しました!」
セントバーナル様の言葉にロザリナ様は明るく答えた。
ロザリナ様とはまたゆっくり会うことを約束して、セントバーナル様と私は部屋に戻ってきた。
ソファに隣り合って座る。
「エンヴェリカ驚かせてすみませんでした」
「本当に驚きの連続でした。
セントバーナル様はすべてご存知だったのですね」
「ええ、でも最初にテンクラビィ子爵令嬢がエンヴェリカに手紙を送ってきたのは彼女の本当の気持ちですよ。
その時は私は関わっておりません。
その後エンヴェリカが返事の相談をしてきた時はあんなことを言ってきたテンクラビィ子爵令嬢を信用出来ませんでした。
なので返事するのをやめさせようかと思いましたが、エンヴェリカがテンクラビィ子爵令嬢のことを本当に心配していることがわかりましたから了承したのです」
セントバーナル様が私に顔を近付けてきて真剣な眼差しで見つめてくる。
ちょっと顔が近い!
でもセントバーナル様はいつも私のことをまず考えてくれる。
私はナターシャ様の言葉を思い出す。
今後、こんなに愛して大切にしてくれる人に出会えるのか?
いや、きっとセントバーナル様以外いない。
セントバーナル様は王族で、第二王子で子爵令嬢の私とは身分差が凄いあるけど、セントバーナル様はそんなこと関係なく私のことを思ってくれている。
愛して大切にしてくれているんだ。
私もセントバーナル様が好き。
私はずっとセントバーナル様の隣に立って一緒に歩いて行く為に自分が出来ることをしていきたい。
まだ私の気持ちをセントバーナル様に伝えられていないけど、今はまだ恥ずかしくて言えないけど、いつかちゃんと自分の言葉で言いたいな。
「そ、そうですか。
私のことを思ってロザリナ様と私の手紙のやりとりを続けていても何も言わないでいてくれたんですね。
ありがとうございます」
私がお礼を言うとセントバーナル様は少し顔を赤らめた。
耳も赤い。
照れているんだね。
照れるセントバーナル様は可愛いと思う。
そんなこと言えないけど。
「最初は一度のやりとりだけで終わると思ったのですが、テンクラビィ子爵令嬢がまたエンヴェリカに手紙を送ってきました。
エンヴェリカも返事をまた送り返しましたよね?
それで今後もエンヴェリカとやりとりを続けるのならと、テンクラビィ子爵令嬢のことを調べました。
エンヴェリカにまだ害をなそうとしているのかどうか。
エンヴェリカが安全かどうか確認しなければなりませんからね。
それで彼女が家族に説得されて本当に反省しているらしいことがわかりました。
最初の頃は手紙を極秘でスペンサー殿かジョルジュ、あと転移出来る者に頼んで届けてもらい、テンクラビィ子爵令嬢からの手紙も受け取って転移してもらって届けていました。
ですが、一度スペンサー殿にテンクラビィ子爵令嬢に会ってもらって彼女の真意と彼女が誰かに指示されていないか調べてもらいました。
そういった怪しいところはないとスペンサー殿が判断して報告がきましたので、このままやりとりを続けてもいいだろうと判断しました」
「なるほど、それでロザリナ様に事情を話したのは協力してもらう為ですか?」
どうやらセントバーナル様は私の視線を咎めるものだも感じたようで、肩を竦める。
「エンヴェリカすみません…。」
確かに少しは私の為にロザリナ様が危険な目に遭っていたかもしれないのにという思いがあったけれど、セントバーナル様に謝って欲しい訳ではない。
「セントバーナル様私こそすみません。
私たちの為に考えて動いて下さっているに。
でもセントバーナル様を責めているのではありまさん。
ただロザリナ様は自分から協力したいと言ったと言ってましたが、それでも協力させてしまったことを悪いと思っているのです」
「ええ、エンヴェリカわかっていますよ。
それで協力してもらう為かという話ですが、スペンサー殿がテンクラビィ子爵令嬢に探りを入れた時に彼女は何かあるのでは?と気付いたようなのです。
まあ通常スペンサー殿直々に話を聞きにくるなどないことですからね。
何かあると思って当然のことだと思います。
それでテンクラビィ子爵令嬢がどういうことなのか教えて欲しいと言ってきました。
スペンサー殿がテンクラビィ子爵令嬢を信用出来ると判断したので間違いないと思いましたが、もう一度私たちは話し合いました。
その時にスペンサー殿がテンクラビィ子爵令嬢は信用出来ると言いました。
それなら手紙のやりとりを続けてもらうことは犯人たちが何らかの動きをしてくることを考えると、いいことかもしれないと私が判断したのです。
もちろん彼女をちゃんと守ることを前提にです。
それでテンクラビィ子爵卿にも事情を話しました。
テンクラビィ子爵令嬢だけでなく子爵家の人間、使用人も含めて全員に魔道具を支給していますし、王宮から護衛だけでなく魔術師と使用人も手配しました。
魔道具の支給は領民にまでは無理ですが」
えっ?そんなにたくさん魔道具を渡したということ?
「そんなに魔道具を配ったって大変だったんではないですか?」
「エンヴェリカはそちらを心配しているんですか?
彼らに協力してもらうなら安全が第一ですからね。
エンヴェリカの為ならとクエスベルト子爵卿もエンヴェリカのお兄様も協力してくれましたよ。
事件解決の為です。
もちろん事情を話したからと言って彼女に必ず協力してくれとは言いませんでしたよ。
手紙のやりとりだけでも誘き寄せることは出来ると思いましたから、彼女の安全の為に魔道具を渡して周りを守り、邸内にも私の手の者が入りました。
でもテンクラビィ子爵令嬢はエンヴェリカの為に何か自分に出来ることはないか協力したいと言ってくれました。
私たちも悩みましたよ。
彼女はいち貴族令嬢ですからね。
でも彼女の熱意に押されたのです」
ロザリナ様が私の為だと言ってくれたんだ。
温かい気持ちになる。
「そうなんですか。
ロザリナ様が協力してくれることになってから手紙の届け方を変えたということですか?」
「そうです。
王宮の騎士が早馬でエンヴェリカの手紙を届けて、テンクラビィ子爵令嬢の手紙を受け取って持って帰っていました。
そしてその騎士にも魔道具を装着させて、誰か近付いてきて精神干渉系魔法を使ったら騙された振りをするように指示しました」
セントバーナル様策士だわ。
「そこまで読んでいたのですね」
「王宮から頻繁にテンクラビィ子爵領に早馬が走っていれば、犯人たちは怪しむと思っていましたので」
「そうだったんですね。
すべてはセントバーナル様の手の内だったということですね」
「まあ、そういうことでしょうか」
セントバーナル様が私の目を見て伺うような仕草を見せた。
「本当にロザリナ様に何事もなくて良かったです」
私が言うと、セントバーナル様が目を伏せて。
「すみませんでした」
「セントバーナル様もう謝らないで下さい。
ロザリナ様も自分から納得してやりたいと言われたようですし、セントバーナル様は事件を早く解決しようと考えてくれたことなのですから私の為でもありますよね?
ありがとうございます」
私がセントバーナル様の目を見つめながら笑顔で言うと、パアッと明るい顔になった。
「それでロザリナ様はドレンナザス公爵様のところに保護されるそうですが、テンクラビィ子爵様たちは大丈夫なのでしょうか?」
私はロザリナ様の家族のことも心配だ。
「大丈夫ですよ。
引き続きテンクラビィ子爵卿たちも私たちで守りますから。
それにそんなにかからず解決出来そうです」
「それを聞いて安心です。
よろしくお願いします」
事件が解決するまでは本当の安心は出来ないけど、とりあえず良かった。
「テンクラビィ子爵令嬢は慣れるまで大変かもしれませんが、彼女は聡明ですし、明るく活動的な方のようですから大丈夫でしょう。
必ず彼女のことも守ります。
これからもやりとりを続けて大丈夫ですから」
セントバーナル様の言葉を聞いて安心する。
「ありがとうございます。
ロザリナ様が言ってましたが、婚約者も紹介されるんですか?」
「ええ、テンクラビィ子爵令嬢もそれを望んでます。
まだオマールのことで完全に吹っ切れて立ち直ってはいないようなので、様子を見てですが彼女は家のこと、領民のこと自分のこともちゃんと考えているようです。
貴族令嬢なのですね。
彼女はエンヴェリカが思うよりも強い女性のようですよ」
セントバーナル様がニッコリと笑った。
「そのようですね」
私もセントバーナル様を見つめてニッコリと笑った。
二人で顔を見合わせてふふっと私たちは笑い合った。
ロザリナ様が立ち直って新しい婚約者と上手くいってくれることを祈ろう。
そしてこれからロザリナ様とは友人として接していけたらと思う私だった。
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