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ニ十九話 婚約式と視線 ①
しおりを挟むしばらくの沈黙の後。
「エンヴェリカ本当に美しいですよ。
私の色を纏ってくれていることがこんなに嬉しいことだと初めて知りました」
セントバーナル様の金の瞳がトロッと蕩けているように見えるけど、気のせい?じゃないよね。
「ありがとうございます。
セントバーナル様も私の髪の色と瞳の色を纏ってくれているんですね」
「もちろんです。
本当は毎日でもそうしたいですがね」
フフッとイタズラな笑みを溢すセントバーナル様。
私は照れてしまいセントバーナル様から目を逸らす。
「少しの間エンヴェリカと2人にさせてくれますか?」
セントバーナル様の言葉でクララと侍女が礼をして部屋を出て行く。
「エンヴェリカもう少し近付いても構わないですか?」
「は、はい」
セントバーナル様は婚約してからも普段は私に断りを入れてから近付いてくる。
私を気遣ってくれてるんだなと思う。
セントバーナル様が私に近付いてきて、私の両手を取って少し力を入れてキュッと握ってきた。
ハッとして私は顔を上げてセントバーナル様を見上げる。
「とうとう婚約式の日がきましたね」
「はい、そうですね…」
セントバーナル様が少し私に顔を近付けてきた。
わぁ~どうしよう?と思いより一層顔に熱が集まってくる。
「エンヴェリカとても美しいですよ。
今日はたくさんの人の前で私と出て行きます。
緊張すると思います。
でもエンヴェリカこそが私の隣に相応しいこと忘れないで下さい。
私は今夢の中にいるように幸せです」
セントバーナル様が私にわかるくらいに熱く私を見つめてくる。
そして私凄く緊張していることをわかってくれていて、気遣って言葉をかてくれているんだ。
「セントバーナル様ありがとうございます」
「緊張したりもし怖くなったりしたら私を見て下さい。
私はずっとそなたの側にいて離れません」
「はい!セントバーナル様」
私は確かに緊張して、みなさんの視線が怖いと思っている。
でもここまできたんだ!
いつまでもグダグダ思うことはやめようと思う。
セントバーナル様や周りに勧められたことだけど、婚約すると決めたのは私自身だ。
私の本来の性格はそんなに後ろ向きじゃない。
セントバーナル様とのことだけそうなってしまうだけだ。
私は緊張を振り払うように笑顔でセントバーナル様に答えた。
それにセントバーナル様は爽やかな笑顔を見せて頷いてくれた。
会場の前の王族が入場する扉の前までセントバーナル様と腕を組んで歩いてきた。
そこには国王陛下、王妃殿下、王太子殿下、王太子妃殿下、そしてセントバーナル様の妹君第一王女のアマリア殿下と婚約者の王国騎士団の副団長様がもういらしていた。
セントバーナル様は右手を胸に私はカーテシーをして礼を取る。
「良い、楽にしてくれ」
陛下のお言葉でセントバーナル様と私は頭を上げる。
アマリア殿下はセントバーナル様の3つ年下の15歳で、来年貴族学院に入学される。
そのアマリア殿下は幼い頃からの思い人と言われている副団長様と今年私たちより先に婚約された。
婚約式は来年アマリア殿下が成人されてからになるらしい。
副団長のステファン・コードシス様は短髪の赤めの茶色の髪と同じ色の瞳の見た目は鋭い顔をされていて、この中で一番背の高い騎士様らしい筋肉隆々の勇ましい方だ。
副団長様は現在で28歳で、アマリア殿下より13歳年上。
平民から騎士爵を賜って王国騎士団副団長まで成り上がった方だ。
当然身分差があるけど、アマリア殿下が3歳の時に副団長様に出会ってから押して押して婚約されたらしい。
アマリア殿下は幸せそうに副団長様を見ている。
見ているだけで、副団長様が本当にお好きなのだとわかるくらい。
アマリア殿下とは二度くらいお会いして挨拶をさせて頂く程度だったけど、セントバーナル様と私が到着したらアマリア殿下が輝かんばかりの美しい笑顔で私たちのところまで歩み寄ってきて下さった。
「セントお兄様、クエスベルト子爵令嬢この度はご婚約おめでとうごさいます」
と声をかけて下さった。
アマリア殿下はセントバーナル様とまるで双子のようと言われる通りプラチナブロンドの髪と金の瞳をしている。
髪は王妃殿下とセントバーナル様は白に近いプラチナブロンドだけど、アマリア殿下は少し青みががったプラチナブロンドの髪に金の瞳で、確かにセントバーナル様によく似ておられる。
婚約者の副団長様の手を引っ張りセントバーナル様と私のところに来て下さったのだけど、淡いピンク色のドレスを着ていらっしゃってとても美しく可憐だ。
「アマリアありがとう。
アマリア、副団長殿も婚約おめでとうごさいます」
セントバーナル様がアマリア殿下とブロ副団長様にお祝いの言葉を告げる。
「セントお兄様ありがとう。
ふふっ婚約したのはわたくしたちが先だけど、婚約のお披露目は先を越されちゃったわ」
と茶目っ気たっぷりに笑う。
副団長様はアマリア殿下の横で右手を胸に当てて礼を取っている。
「副団長殿、顔を上げて下さい。
お転婆な妹ですけど、本当によろしいのですか?」
セントバーナル様がおどけたように言う。
「いえ、私には勿体ないことでございます」
副団長様も緊張しておられるよう。
「まあ、セントお兄様お転婆なんて酷いわ。
クエスベルト子爵令嬢こそこんなむっつりお兄様でいいのかしら?」
私に向かい微笑みかけてくれる。
むっつり?!
「わ、私に勿体ないことでございます」
私は緊張でどもってしまった。
「クエスベルト子爵令嬢そんなことないわ。
身分なんて言ってたらステファンは騎士爵よ。
セントお兄様もわたくしも身分なんて関係ないの。
そうよね?お兄様」
ふふっとアマリア殿下はイタズラっぽい笑みを浮かべる。
「ええ、愛する人であれば身分など関係ありません」
「そうよ、クエスベルト子爵令嬢。
これを機にお名前で呼ばせてもらっていいかしら?」
「殿下もちろんでございます」
私は声を固くして答える。
「ありがとう、エンヴェリカ嬢。
わたくしのことも名前で呼んで欲しいわ。
殿下なんてやめて柄じゃないもの」
アマリア殿下はその美しい顔で無邪気に笑顔を見せている。
「ありがとうございます、アマリア様」
「こちらこそよ、エンヴェリカ嬢とても美しいわ」
アマリア様にそんなこと言われるなんて恐れ多いというか、お世辞だろう。
「私なんて恐れ多いことにごさいます」
「あら、もっと自信を持って。
わたくしお世辞なんて言わないわよ」
私の思っていることを見抜かれているのか、ふふっと私の瞳を見つめて笑うアマリア様は本当に美しくて可憐だわ。
「さあ、もうそろそろ入場よ。
セントとエンヴェリカ嬢は最後の入場だからよろしくね」
王妃殿下にお声をかけて頂いていよいよ王族の入場となった。
最初にアマリア様と副団長様が入場して王太子殿下と王太子妃殿下が入場される。
「エンヴェリカ嬢、婚約おめでとう、大丈夫よ。
堂々としていればいいのよ」
「ナターシャ殿下お言葉ありがとうございます」
「ふふっわたくしにも殿下はいらないわ。
もう義妹なのですもの。
それではね」
「ありがとうございます、ナターシャ様」
ナターシャ様も声をかけて下さり開いた扉から王太子殿下と入場して行かれた。
「エンヴェリカ嬢本当に美しいわ。
みなで選んだドレスとても似合っていてよ」
「王妃殿下にお褒めに預かり光栄にごさいます」
カーテシーをしながら答えると。
「わたくしも母親になるのよ。
固い話し方はやめにしてね、それでは後でね」
王妃殿下が私にウィンクして国王陛下と入場された。
皆様のお言葉に本当に有り難い気持ちになる。
いよいよセントバーナル様と私の番がやってきた。
今日は二人の婚約式のパーティーだから私たちが最後の入場となる。
緊張が最高潮になり、身体が震えてきた。
「エンヴェリカ大丈夫です。
私がいます」
そう言って微笑んだセントバーナル様が私の背中を優しく撫でてくれる。
今日のセントバーナル様はとても男らしく見える。
「はい!」
私が元気よく返事するとセントバーナル様がにっこりと笑って私を見てくる。
「セントバーナル第二王子殿下、婚約者のクエスベルト子爵令嬢、エンヴェリカ妃殿下のご入場です!」
大きな紹介の声の後、私はセントバーナル様と共に会場に足を踏み入れる。
妃殿下なんて初めて言われて肩がピクッとなってしまった。
扉の中に入っていくと、会場の中の壇上の上だった。
セントバーナル様と私は国王陛下夫妻と王太子殿下夫妻の間に立つ。
壇上から全部を見渡すなんて当然初めてで、壇の下に多くの貴族が頭を下げたままになっている。
ドクンッとしてさらに緊張する。
こんな光景を見ることになるとは想像もしたことがなかった。
セントバーナル様が私の背中に手を回して耳元に口を寄せてくる。
「エンヴェリカ大丈夫ですよ」
私は無言で頷く。
「みなの者面を上げよ」
陛下のお言葉に下に整然と並んでいる貴族たちが顔を上げる。
「みなの者、今宵は我が子息である第二王子セントバーナルとその婚約者クエスベルト子爵令嬢、エンヴェリカの婚約のパーティーである。
セントバーナルとエンヴェリカは3の月に大神殿にて正式な婚約の調印式を済ませておる。
もう正式な婚約者である。
今宵はみなへの披露目だ。
みなで祝福してくれ」
陛下のお言葉の後、みなが拍手する。
ドキドキとしながらセントバーナル様の横で私はカーテシーをした。
壇上の陛下より少し後ろに立っている宰相様が声を発する。
「みなの者、グラスを受け取られよ。祝福の乾杯の儀を行なう」
宰相様のお声の後、後ろからシャンパングラスを渡される。
「第二王子殿下、エンヴェリカ妃殿下おめでとうごさいます!乾杯!」
宰相様の言葉で乾杯が行われた。
また妃殿下と言われて一瞬ビクッとしてしまった。
第二王子殿下の婚約者だから私が妃殿下と呼ばれるんだろうけど、本当にドキドキする。
セントバーナル様が私の方に向かいクラスを傾ける。
「エンヴェリカ、乾杯」
「セントバーナル様、乾杯」
私もそれを受けてグラスを当たらないように少し傾ける。
「今宵は我らへの挨拶は不要である。
みな楽しんでいかれよ」
陛下の声でみなが礼をしてパーティーが始まった。
今日は貴族たちの個別の挨拶はない。
グラスを給仕の者のトレーに戻す。
「エンヴェリカ、私とダンスを踊ってもらえませんか?」
セントバーナル様が手を差し出してくる。
「はい」
セントバーナル様とのファーストダンスに緊張が走る。
王宮のダンスのレッスンにセントバーナル様が何度が付き合ってくれたけどこんな場ではもちろん初めてだ。
おまけに今日はまずセントバーナル様と私だけが最初に踊るのだ。
「エンヴェリカ、大丈夫ですよ。
私に任せて」
セントバーナル様の余裕の笑みを見ていくらか身体の固さが少し解れる。
セントバーナル様にエスコートされながら壇上を下りていく。
そして楽団の演奏が始まり私はセントバーナルと踊る。
セントバーナル様が私を優しく微笑みながら見てくれている。
「エンヴェリカ、とても上手です。
レッスンの成果ですね」
「ありがとうございます」
私はセントバーナル様を見つめたままダンスを踊る。
周りが少しザワザワとしているようだけど、離れているし緊張もあってか声は聞こえてこなかった。
私はそのことに良かったと安心する。
ただセントバーナル様を見つめて踊り続けた。
夢中でダンスを踊った後、会場中が拍手に包まれた。
私は無事に粗相をすることなく踊れたことにひと安心をする。
「エンヴェリカ、まだ緊張しているみたいだから少し休憩しましょうか?」
「はい、そうして頂けると有り難いです」
セントバーナル様に声をかけてもらって中央からエスコートしてもらい歩いているところで、多くの視線が私に注がれていたが、他とは違う視線を感じてそちらを見たが、それが誰なのか私にはわからなかった。
そしてセントバーナル様もそちらを見ていることに私は気付かなかった。
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