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十八話 事件と可愛い弟とスキル
しおりを挟むしばらく事件のお話ばかりで話数を使いまして、なかなかヒロイン目線にいけてません。
早くほんわかも書きたいと思ってましたが、やっと次のお話からヒロイン目線に戻ります。
このお話はセントバーナルの兄上王太子目線のお話です。
☆★☆
アルスタイン王太子side
私がセントにクエスベルト子爵令嬢と婚約するように、そして令嬢を3年生から復学させるように言うと、セントは今までにないくらい口調こそ敬語だが声を荒げて、目を吊り上げ私を睨んできた。
そんなセントにあんな表情が出来るなんて、私にあんなに鋭く睨んでくるなんて、と私は不謹慎ながらセントにも執着して必死になる存在に出会えたんだと感慨深い気持ちになった。
今まで大人しく言葉少なで、昔のクリスと同じく表情筋が死んでいるのではないかというくらい表情がほとんど変わらない、家族や極親しい人間以外に興味を示さなかった我が弟。
そんなセントが学院に通い出して半年くらいしてから徐々に変わってきた。
それがクエスベルト子爵令嬢という存在のお陰だと聞いたのは、クリスの伴侶でナタの親友であるヴァネッサが第一子となるレオナルドを出産して、ナタと一緒に会いに行った時にヴァネッサから聞いて知った。
クリスもヴァネッサもクエスベルト子爵令嬢と会ったことがあるらしく、ヴァネッサからとても良い子だと聞いて安心した。
まあセントは人を見る目があるからそこは心配していなかったけど。
私がセントに会った時にそれとなく聞いた時は「何もありませんよ」と私には話してくれなかったが、私に筒抜けなのだよ。
セントと令嬢の側にミーナ嬢がいるのだから、ミーナ嬢→ヴァネッサ→ナタ→私とね。
女性はそういう話が好きだからね。
セントがだんだんとクエスベルト子爵令嬢に執着して、追いかけるようになりついに自分の気持ちを自覚した時にジョルジュとミーナ嬢に相談したことももちろん知っている。
私はセントに愛する人が出来て本当に良かったと思った。
しかし私の可愛い弟にとって一大事の事件が起こった。
すぐにでも解決してやりたい。
けど、セントがちゃんと自分で愛する者を守れる存在なのだと自信を持ってもらうには私があまり手出しをしない方が良いのかなとは思っている。
あの後、会合が終わるまでセントは終始無言で、私を睨みながらも怒りを必死に押え込んで厳しい表情を崩さなかった。
私の言ったことに怒って頭に血が上っているのだろうが、セントのことだたぶん自分のことを責めてもいるのだろう。
後でちゃんとやり過ぎない程度にフォローしておかないとな。
その前に私とクリスは先程の会合の件を父上とクリスの父上、ランドル殿に報告すべく別の部屋に移動中だ。
クリスは一刻も早くヴァネッサのところに帰りたいのだろう。
顔に出ている。
それは私も同じだ、私も早くナタに会いたい。
しかしクリスもセントが関わっていることだから文句を言わず、ついて来ている。
クリスの側近のアランに案内されて別の部屋に入った。
そこには父上、ランドル殿だけでなく母上もいた。
「お待たせしました。
母上まで来て下さったんですね」
私が母上に目を向けると。
「セントのことですからね。
それに女性に関することでしょ。
わたくしがいる方が良い情報が得られるかもしれませんわよ」
母上が扇で口元を隠しながら食えない顔でそんなことを言ったが、セントの愛する女性に関する事件で、明らかにセントの前から排除しようというものだから黒幕が女性だろうこともまあ凡そは想像がつくことだけど、確かに母上がいて下さるのは有り難い。
それに父上と母上は私たちを愛してくれているのは確かだからな。
確かだけど、私たちが幼い頃から忙しくあまり側に居てくれることはなかった。
国王と王妃なのだから国と民が一番なのは当然だが、幼い頃はそれが寂しいと思っていた。
だから私はセントとよく一緒にいた。
妹のアマリアもいるが、アマリアと私とは少し年が離れているし、アマリアは私たちより幼い頃からある騎士にご執心だからな。
セントほど一緒にはいなかったけど、それでも兄、弟、妹で一緒に行動して、親にあまり会えない寂しい気持ちを紛らわせていたのも事実だ。
だからこそセントの人となりを私は父上や母上よりもよく知っているし、繊細で人付き合いが苦手で口下手で不器用なセントを気にかけて可愛がってきた。
そのセントが愛する人に出会えたことは自分のことのように嬉しいと思っている。
だからこそ何としてもセントもセントの愛する人、クエスベルト子爵令嬢を守らなければならない。
まあセントは優秀だから私が何かしなくても自分で何とかするだろうが、私が出来ることはやりたい。
部屋には軽食とお茶が用意されていた。
お茶が湯気を出しているので、見計らって用意してくれたのだろう。
私とクリスが席に着くと父上が話しかけてきた。
「食事まだだろう?アルとクリスは食事をしながらで構わない。
で、会合はどうであった?」
食事をしながら父上たちに報告など、普段では有り得ない。
いくら父上であっても国王だからね。
しかし時間も時間だし、私もクリスも早く帰りたいと思っているのを父上もわかってくれているから、軽食程度を用意してそのように言ってくれたのだろう。
有り難く頂くことにしよう。
ランドル殿も早く帰りたい側か。
クリスがヴァネッサと結婚してからしばらくして、クリスもだが、ランドル殿も王宮にいつまでも留まることがなくなっていった。
あんなに仕事の虫だったのに。
ヴァネッサをランドル殿も可愛がっているだろうことはすぐにわかった。
ランドル殿は特に孫が出来てからはサッサと自分の仕事を終わらせて、いそいそと帰っていくのだと父上が愚痴を言っていた。
「そうですね、本当にスペンサー殿とジョルジュ殿が優秀で、何とか糸口を掴めそうなところまできましたね」
私が微笑みながら答えると。
「ほぉ、クエスベルト子爵令嬢を寮から攫った男は死体で発見されたのだろう?」
父上たちはもうそこまで掴んでいるのか?
私はひとつ頷いて、会合であった話を父上たちに報告した。
「『悲劇の天使伯爵』メリル・ジラルーカスか…確かスキル『受容』を持っている令嬢だな」
「そうです」
父上の話に私は頷く。
「受容とは受け入れ、取り込むという意味でございますわね」
母上も受容の意味を言った。
「本来女神セレナ様からスキルという加護を賜われる者は人格を兼ね備えてなければ賜れないはずですがね」
ランドル殿が言う通りだ。
本来魔力や属性魔法はこの国の人間であればほとんどの者が備わっているものだ。
だが、この国が女神セレナ様の慈悲により生まれた国であっても全員が善人ではない。
悪人もいる。
言ってしまえば人間とはそういう生き物だ。
しかしスキルというのは女神セレナ様より加護として賜うものと言われていて、良い人格を持っていると思って当然だ。
そのスキルを持っている人間がそのスキルを悪用しているかもしれないのだ。
受け入れたのではなく奪ったのなら…。
「メリルという女はセントから聞くに天使などではないようですが」
クリスが表情を変えずに前を向いたままに言った。
「あら、セントが言っていたのなら確かですわね。
あの子は一目で人を見抜く力がありますから。
それにわたくしもお茶会で、ジラルーカス女伯爵、メリルとは何度か会ったことがあるけれど、あんなに多くの身内を失い愛する婚約者をも失いながらいつも明るく屈託なく笑い、多くの男性も女性も魅了している方ですわよ」
これは母上の嫌味だ。
母上も王妃たるもので、人を見る目がある。
その母上がメリルを噂される『悲劇の天使伯爵』だとは思っていないということだ。
そうか、メリルという女は今まで家族や婚約者を失っているが、明るく楽しそうに屈託なく笑って暮らしているということか。
確かに愛する者を失ってもいつまでも悲しみに沈んだままでいなければならないことはない。
そうなったからこそ失った愛する者の為にも明るく新たな幸せを見つける人生を送れることは喜ばしいことだ。
だが、メリルがその愛する家族や婚約者の持つ者を奪い、命をも奪うのに関わっていたのならもはや天使などではなく悪魔だな。
これは本当に何かありそうだ。
「父上と母上、ランドル殿はメリルの家族のことを何か聞いたりしたことはありませんか?」
私はサッと食事を終えて御三方を順に見ていく。
「そうだな、亡くなったジラルーカス伯爵とは挨拶程度しか交わしたことはないが、第二子の息女が生まれつき身体が弱くほとんど寝たきりだと言っていたと思うが」
「そうでしたわね、それからあまり経たない間に確か喪に服している時期があったのでは?」
父上と母上の話はメリルの妹が生まれつき病弱で、そして早くに亡くなったことを示している。
「…そう…私もジラルーカス伯爵と少し話したことがあるが、下の息女は原因不明の病だと大変心配していた。
その下の息女はクリスとそんなに年齢が変わらないという話で…。
我が息子も最初は原因不明だったのだが、ある程度成長してから己の魔力の多さに幼い身体がついていかないことが原因と判明したとジラルーカス伯爵に話したことがある。
とても温和で実直な人物で、その穏やかで相手を油断させる雰囲気を持った人物でしたな。
つい息子のことを話してしまったことを覚えてますよ」
下の息女は原因不明の病だったが、ジラルーカス伯爵がランドル殿からクリスのことを聞いて同じ原因かもしれないと思ったかもしれないな。
実際息女がクリスと同じだったかはわからないが、ランドル殿から話を聞いて改めて医療師の診察を受けた可能性があるな。
「その下の息女はいつ亡くなったのか?ですね」
クリスが私と同じことを思っているな。
「ん~いくつであったか記憶にはないが、調べてみればすぐにわかるだろう」
「属性判定前にに亡くなったと推測しているということか?」
父上、ランドル殿の言う事通りだ。
そしてスペンサー殿とジョルジュはもうそのことを調べて知っているのかもしれない。
その話はしなかったが。
「はい、義父上とジョルジュはメリルは闇属性を持っているのでは?と推測しています。
メリル自身が元々持っていない属性ですが、妹が闇属性を持っていてそれにスキル『受容』を持っているメリルなら妹から奪うことは可能だったのではないかと」
クリスがスペンサー殿とジョルジュの推測を話すと父上たちは目を見開いた。
「…なるほど、受容というスキルが奪えるものなのかはまだわからんがな。
スキルに対してはこの国でも持っている者は少ないし、それぞれ独自のものであるので国への報告を義務付けていて、それぞれのスキルの特性を調べている。
だが、スキルも属性魔法と同じくその者の努力次第で能力を高めることが出来ると言われておる。
ほとんどのスキルを持っている者は国で把握しており、そのスキルを生かして王国魔術師団や王国魔術研究所に所属している。
なので、どのようなものかどのように成長しているか我らが把握しているが、メリルの場合は身の上に起こったこともありそれをしておらんかった」
「なるほど。
では必要とあれば、父上がメリルを呼び出して、現在のメリルのスキルなどを調べることも可能ということですね」
いざという時は父上にメリルを呼び出してもらい、メリルの正体を暴くことが出来る。
「まあそうではあるな。
だが、呼び出してすぐに応じるか疑問であるな。
そして危険でもあるぞ。
メリルがもし妹から闇属性を奪っていたのなら、その時点で犯罪だ。
そして闇属性には禁術がある、魅了だ。
闇属性は属性判定時に判明すれば、その場で禁術の魅了は封じ込める処置が行われる。
だが、属性判定を行なっておらん妹の闇属性をメリルが奪ったのだとしたら、その禁術の魅了を封じておらんということだ。
我ら瞳の継承者には魅了は効かんが、他の者はそうではない。
我らだけでメリルを呼び出して会うことは可能だが、知恵が回る者なのだろ?
呼び出したら怪しんですぐに逃走するのではないか?
それに逃走すればすぐに捕らえるよう動くことは出来るが、他の者たちに魅了を使い何をやらかすかわからんのではないか?
被害者が多数出る可能性がある」
「それはそうですね…」
父上に言われて、私はやはりそれはいざという時だなと思い直す。
もしメリルが身内や婚約者の殺害に関わっていたのなら、他の者たちを魅了して利用していた可能性は高い。
それどころか殺害した人物自体に魅了をかけていたかもしれない。
もしそんな人間ならこちらが呼び出して、怪しまれたら他の者たちに何をするかわからないな。
罪が確定してから即捕らえる方が良いな。
「とりあえずはスペンサーとジョルジュに任せて報告を待とうではないか。
お前は自分でクエスベルト子爵令嬢を囮にすることをセントに提言したのだから、もう一度ちゃんとセントと話せ」
「承知しました」
父上もセントのことがちゃんとわかっていて、私にセントと話せと言ってきた。
はいはい、わかりましたよ。
父上たちに報告を終わらせて、ランドル殿とクリスは転移ですぐさま帰って行った。
私も急ぎ足で愛しのナタのところへ向かって歩くのだった。
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