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十七話 私の愛する人を害そうとする者は絶対許さない ⑥
しおりを挟むセントバーナルside
服毒死だと?
スペンサー殿からジャスティンが服毒死したことを聞かされて、最初の死体が発見されたという言葉と同じくらいの衝撃を受けた。
スペンサー殿の話が続いている。
「ジャスティン本人による自害の可能性もなくはないですが、死後何者かに別の所へ運ばれたこと、毒の性質を考えれば殺害されたと思うのが普通ですね。
毒はジナンティアでした」
「…ジナンティア?」
スペンサー殿の毒物の名にクリスが片眉を吊り上げた。
クリスがそうなったのもわかる。
その毒は私もよく知っているものだ。
毒というより解毒薬として有名だからだ。
ジナンティアは確かに毒性があるが、毒を持って毒を制するというのか、通常は微量だと他の物質の毒の効果を消す作用があり、解毒薬として多く使用されているものだ。
それに昨今では薬草学の権威と言われているベルナールド侯爵令息の発見により、微量のジナンティアと他の物質を組み合わせると鎮痛する役割があり頭痛などに効く薬として使用されるようになった。
「そうです。
ジナンティアという物質はジナンという草の根から取れますが、もうひとつ闇属性魔法のいくつかある毒性魔法の種類の中のひとつです。
通常解毒魔法として使うものなのですが。
ジナンティアはもちろん毒性がありますが、他の毒の効果を消すことが出来る解毒薬にもなるものなので、通常は解毒薬として流通しているもので、ありふれたものです。
そして最近では頭痛を治す薬としても有名になってきています。
一般の多くには毒としてというより、解毒薬と認識されているものです。
しかし量が過ぎれば毒となるものなのです。
しかしジナンティアの毒としての致死量はかなりものです。
人間一人に対して一度の食事と飲み物に混ぜたくらいでは致死量には至りません。
それに解毒薬や他の薬として使用されるもので、人間の体内で消化出来るものです。
何度かに分けて与える毒としても適当ではありませんね」
スペンサー殿の声が一層低くなり、その黒い瞳が怒りに燃えているように私は感じだ。
スペンサー殿の話を聞いて、目を見るとおのずとスペンサー殿が考えていることがわかった。
「スペンサー殿は闇属性を持っている者がいてその魔法を使って、ジャスティンを殺害したと思っているのですか?」
私は自分で言いながらも半ば信じられない気持ちで言った。
「同じ闇属性を持った者がそんなことをしたと思いたくはないですが、私は可能性は大いにあると思っています。
先程も言いましたが、ジナンティアを毒物として飲食物に混ぜて与えるにはかなりの量を必要とします。
例えジナンティアを煎じて液体にして直に飲ませても相当の量でないと殺害は無理です。
ジャスティンが事件後間もなく死んでいることを考えると、闇属性を持っいて、尚且つ魔力量が多い人間が解毒魔法の特性を持つジナンティアを一気に大量に浴びせたのではないかと私は思っています。
今回の事件では単独犯でないことはすでにわかっており、ジャスティンはスキルを持っていたのかもしれない優秀な人物であったかもしれませんが、ジャスティンだけが優秀であった訳ではなさそうです。
ジャスティンが料理人に変装したり、廃墟に出入りしたのは魔道具を使用した可能性が大きいです。
オマール、黄色のハンカチーフの男も廃墟に侵入する際、幻覚魔法の魔道具を使ったと思われます。
犯人たちはこれだけ高度なスキル、魔道具を使っているとなると、優秀な人物の集まりで、犯行もほとんど証拠を残していない状況です。
あらゆる可能性を想定した方が良いと思います。
魔道具に関してはギレンが怪しいと思っていますが、それにしても背後にいるであろう黒幕の人間はあらゆる優秀な人間集めて、そして本人もかなりの知識と知恵を持っている者。
それにこれだけのことをしておいて、尻尾も掴ませない周到さ、何かあると思っています」
スペンサー殿に続いてジョルジュも話しだす。
「そうですね、父上の言う通りだと思います。
この事件の黒幕は相当用心深く、用意周到、そしてかなり頭が回る人物。
また高度な魔道具などを使っているということはギレンに作らせているとしても魔術、魔法に関しての相当の知識がある者だと思います。
あと毒の他に何か気になるのです。
何というか、指示されてか動いている者たちが、完璧過ぎると言える程の動きをしていることです。
それだけ有能な者が多いのかもしれませんが、あまりにも隙がない。
今回ジャスティンの魔力痕が残っていたことは犯人たちは知らない可能性が高いと思いますが、彼の死体が偶然にしてもすぐに見つかったことは犯人たちの想定外だった可能性はありますね。
今わかっていることで、目に見えてのミスはジャスティンの死体が早期に見つかったことくらいではないでしょうか」
スペンサー殿、ジョルジュの意見に兄上がふむ、と唸るような声を出してから。
「確かにな、闇属性を持った者がいると…。
しかし光属性より稀でほとんどいないよ。
この国で闇属性持ちの者はダベンサードル辺境伯の4人(スペンサー、ジョルジュ、ヴァネッサ、トロント。トロントはスペンサーの弟でスペンサーの側近)と王国魔術師団の団長の1人だけだ。
登録されている人間で他にはいないはずだけど…」
兄上の言う通りだ。
「属性判定していない人間の中に闇属性を持った者がいるということですか?」
私はスペンサー殿とジョルジュを見る。
「これは私の推測ですが、元々は闇属性を持っていなかったけれど、ある時に手に入れることが出来たということなのかも?と思っています。
実際気になる人物がいるんです。
数多の悲劇に遭いながらそれでも歪まず、献身的で人を恨まず健気で可憐で美しく天使と呼ばれている存在」
「!!…『悲劇の天使伯爵』と言われているメリル・ジラルーカス女伯爵ですか?」
スザンヌ殿が目を見開いてスペンサー殿に尋ねる。
「…!?」
メリル・ジラルーカス…?!
どこかで聞いたことがあると思えば、思い出した。
確か私が7歳くらいの時に王宮で私に近づいてきた女だ。
他の令嬢と同じものを感じて歯牙にもかけず、近寄らせないようにしていたのに私から声をかけていないにも関わらず、何度か私に近付いて声をかけてきた女が名乗った名だ。
「セントどうした?知っているのか?」
兄上が私に顔を近付けて私の顔を覗いていた。
「…はい、私が幼い7歳くらいの頃に何度か近寄ってきて声をかけられたことがあります。
ですが、彼女も他の令嬢と同じもの、いやそれ以上の何か気持ち悪さを感じたのでまったく相手にしなかったのですが、向こうから数度近寄ってきて話しかけられたことがあります。
そういえば、私は王宮の中でも人が寄り付かないあまり知られていない所にいたにも関わらずどこからかひょっこり現れたのを記憶しています。
あの女が天使と言われているんですか?…」
私は8歳あたりからほとんど公の場に出ていなかったから知らなかったが、あの女が『悲劇の天使伯爵』と言われているのか。
数度しか見ていないが、あの女が天使などとは私にはどうしても思えない。
他の令嬢と同じようなものだったが、どこかもっと暗い闇のようなものを感じたからだ。
それでも数度だけ近寄ってきただけででそれ以降私の目の前に現れなかったから、すぐに忘れていた。
「セントバーナル殿下もメリル・ジラルーカスに何かを感じていたようですね。
私たちダベンサードルの人間もほとんど公の場に出ませんが、私は今までに彼女と王宮で二度程すれ違った程度ですが、その時に一瞬何か違う魔力の揺らぎというものを感じたのです。
すぐに消えたので、私もまだ幼かったので気のせいかと思ったのですが…。
その時に気になったのは事実です」
ジョルジュはメリルに違う魔力を感じたという。
「私は会ったことありませんが、ジョルジュのそのメリルに関する話を聞いて覚えていましてね。
確か学院で出会って婚約したというミホーク・トーチバス伯爵令息が森で獣に襲われて、亡くなってからしばらく公の場に出なくなったそうですが、1年もしないうちに夜会などに姿を現すようになったらしいですね。
それから彼女の周りであまりにも多くの人間が死んでます。
尋常ではないくらいに。
それでも健気で心が美しいから天使と言われているそうですが、だからこそ気になります。
そして彼女はスキル『受容』を持っていることが、神殿での属性判定時に判明しています」
「スキル『受容』?ですか?」
私がスペンサー殿を見つめると、スペンサー殿は頷いた。
「受容とは受け入れ、取り込むことです」
「受け入れ、取り込むこと…」
スザンヌ殿が受容の意味を復唱する。
「受け入れるのではなく、奪い取り込んでいるとしたら?」
ジョルジュの言葉にその場が一瞬静まった。
だんだんとみなより厳しい顔になる。
「なるほど…奪い取り込んだかもしれないと。
ではメリルの方も調べてもらうことにするか。
スペンサー殿、わかっていると思うが、王家の魔術師、魔術師研究所、騎士たちも遠慮なく使ってくれ」
「承知しました、感謝致します」
兄上の指示にスペンサー殿は頷いた。
「ところでセント、お前は早急にクエスベルト子爵令嬢と婚約しなさい」
「はい?」
私は兄上に突然言われて、声が上擦りそうになった。
そこは第二王子としての矜持で何とか堪えた。
「そうだな~お前たちが3年生になる新学期の前に正式に婚約を発表して、その時にクエスベルト子爵令嬢も復学してもらう」
「兄上!何を言っているんですか?」
エンヴェリカと婚約することは私の望みである。
願ってもないことだが、エンヴェリカの気持ちもあるではないか。
私はエンヴェリカに私を好きになってもらうまで待つつもりだったのに。
それに3年生からエンヴェリカを復学させるなんて、まだ事件が解決していなければ、絶対反対だ。
「お前もずっとスペンサー殿たちの報告を聞いていただろう?
相手は相当の知恵や知識を持って多くの人間を使い、用意周到で狡猾だ。
もし黒幕がメリルでセントを慕っているのならセントに接触はしてきてもお前に危害を加えることはないだろう。
お前にまた直接接触してくることも考えられる。
そこで隙を見せてくれればいいが…。
正直今このままの状況では早期に黒幕に辿り着けるかどうかもわからない状態だ。
確かにクエスベルト子爵令嬢が復学すればまた狙われるのは彼女だろう。
おまけにお前と婚約したとなれば、相手は今まで以上に焦るだろう?
そこが狙い目だ」
「何を言っているんですか!?
私はエンヴェリカ嬢を危険な目に、囮に使うようなことなど絶対許しません!」
私は今日一番声を張り上げて、初めてなのではないかというくらい兄上を睨んだ。
そんなの許せる訳ないだろう。
兄上は何を言い出すんだ。
「お前が3年生になるまでに解決すれば、その必要もなくなる。
解決しなくともクエスベルト子爵令嬢を学院には通わせず、卒業まで王宮で教育を受けさせて卒業資格を取ることも可能だ。
しかしもしお前たちが婚約した後も解決していなければ、どうなる?
お前は結婚するのはクエスベルト子爵令嬢と決めているのだろう?
お前はこの国の第二王子なんだぞ!
婚約したらクエスベルト子爵令嬢もどうしたって表に出てこなくてはならないんだ。
それともお前はクエスベルト子爵令嬢を監禁でもするのか?」
「……」
兄上にエンヴェリカを監禁でもするのか?と言われた時にドキッとしてしまった。
私はそんなことを考えるような人間なのだろうか?
いや、私は本当はそんな人間かもしれない。
エンヴェリカが危険に遭うかもしれないと思ったら、私はやりかねない。
「お前も私たちと同じ瞳の継承者だからな。
やりかねないだろう?
でもそれをクエスベルト子爵令嬢はそれを望むか?受け入れてくれるか?
学院にも通えず、一切王宮からも出れない。
王宮内であっても公の行事にも出れない。
家族や友人とも自由に会うことが出来なくなるのだよ。
まずはそうならないようお前が3年生になるまでに解決するように今みなが動いてくれている。
しかし解決出来るかわからない。
私は今までのことを考えてかなり難しいと思っている。
相手に揺さぶりをかけることが必要だと思っているんだ。
だからお前もちゃんと考えるんだ。
いいな?」
兄上が言ったことは正論で、でも私にとって許せるものではなくて、私は口を真一文字に引き結んでしばし兄上を睨みつけ続けた。
怒りで腹の底からドス黒いものが込み上げてくるのをグッと押え込む。
兄上に対してではない。
自分の情けなさにだ。
クソッ!私は何て無力なんだ。
私一人では何も出来ないでいるではないか!
私がエンヴェリカを守っているつもりだったのに…守れていないどころか、さらに危険な目に晒さないといけないのか?
どこにも行き場のない怒りが腹からせり上がってくるのを私はどうにか表に出ないようにするだけだった。
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