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十六話 私の愛する人を害そうとする者は絶対許さない ⑤
しおりを挟むセントバーナルside
私はエンヴェリカと別れて部屋を出てから自分の執務室に行き、出来る得る限りの書類業務をどんどんと捌いていった。
今までは週3日エンヴェリカの魔道具の研究に授業終わり付き合って一緒にいるからと、1日の政務の量を計算して熟していたが、事件後は今後のことを考えて片付けられる時にやっておくべきだと思ったからだ。
今晩スペンサー殿始め瞳の継承者たちとの会合がある。
基本は瞳の継承者の後継者や主たちの会合は緊急時以外にはほとんど開かれることはないしらしい。
私は瞳の継承者であるが後継者でも主でもないので、今まで出席したことはない。
何か必要であれば、出席することを促されられたり、自分から希望すれば出席することは許される。
私にとって今までそのようなことがなかったからと言える。
でも今回はエンヴェリカの事件についてだから私が出席するのは当然だ。
濃いグレーの髪の男を追っているスペンサー殿からまだ何の情報も入ってきていない。
3日経っているがまだ捕らえられていないのか、新しい情報があるのか凄く気になる。
書類業務があらかた片付いたところで、私の側近兼護衛のストレンダーが入ってきた。
ストレンダーは王妃である私の母上の兄上、私の叔父上に当たるクロードフィル侯爵家当主の第三男で私の6歳上の優秀な魔術師でもある。
ストレンダーはブロンドの髪に青色の瞳をしていて私に顔が似ているらしいが、私より随分背が高く筋肉質で体格が良く、断然男らしい見目だ。
「セント様、そろそろお時間です」
とうとう会合の時間が来たんだな。
「わかった」
ストレンダーに案内されて私は執務室を出て、会合が行われる部屋へと向かった。
本宮にある知っている所だが、初めて入る部屋だ。
王族でも王宮の部屋の数は数え切れない程あって、入ったことのない部屋もかなりある。
ストレンダーがノックをして扉を開けてから私が部屋に入ると、もうみなが揃っていた。
「お待たせしてしまいましたか?」
私が全体を見回して言うと。
「セント、みな先程到着したところだよ、さあ座って」
「はい」
兄上に促されて私は兄上の左隣の席に座った。
部屋は扉を開けたら縦に長いテーブルが置かれていて椅子が10脚以上並べられている。
兄上と私が扉から一番奥の席でクリスは兄上の右斜め前の席、その隣にドレンナザス公爵次期当主スザンヌ殿が座っていた。
私の左斜め前の席にはスペンサー殿、その隣にはジョルジュ。
私の少し斜め後に椅子が用意されていて、そこに側近のストレンダーが座った。
兄上以外の瞳の継承者の側近たちがそれぞれ主の後ろの席に座っている。
クリスが兄上の側近でもあるので、兄上の後ろには席は用意されていなかった。
私は初めてのことなので少し緊張しているが、みなは慣れた様子でテーブルの上にある書類に目を通したりしている。
私もパラッと書類を見てみたが、オマールの取り調べ内容、エンヴェリカの事情聴取や寮の料理人や管理人、エンヴェリカの侍女クララなどの事件関係者の証言が書類としてまとまったもので、私はすべてを知っているものだった。
しばらくして扉が開いて侍女たちがお茶が用意して部屋を出て行く。
「それでは始めようか。
今回の事件についての概要はみなが知っていると思うので、早速本題から入ろう。
スペンサー殿よろしく」
兄上から促されたスペンサー殿がお茶を少し含んでから。
「承知しました。
ではまず報告の件で、報告に関しての人物に対しては敬称を省かせて頂きます。
それでは私からの報告です。
私が捜索しておりました、濃いグレーの髪に琥珀色の瞳をした男ですが、昨晩遅くにテンクラビィ子爵領で死体で発見されました。
王国騎士団より報告があり、すぐ現場まで向かい先程までおりましたので、報告が今になりました。
申し訳ありません」
「!!…」
濃いグレーの髪の男が死体で発見された?テンクラビィ子爵ってオマールの婚約者の家ではないか!
「昨晩夜半にテンクラビィ子爵家当主より王国騎士団に通信にて連絡が入り、すぐに部下と共に現場向かいました。
事件後、すぐ王都から近郊の領地、そしてその他のすべの領地まで範囲を広げて探知魔法を捜索しましたが、1日経っても見つからないはずです。
死んでしまったら魔力を探知することは出来ませんから」
スペンサー殿は真っ直ぐ前を見ながら表情を変えず淡々と言っているが、いくら転移出来るとはいえ、事件後1日で国内全土に探知魔法を展開出来るなんて普通では有り得ない。
スペンサー殿はいったい一度にどれ程の範囲の探知を展開出来るのだろう?
探知魔法は一度にかなり多くの魔力を必要とする。
瞳の継承者はみな膨大な魔力を持って生まれてくるが、スペンサー殿はどれほどのものなのか想像がつかない。
ジョルジュがスペンサー殿ならすぐに見つかると言っていたが、やはり黒の瞳の継承者の能力は他の瞳の継承者とは比べものにならないくらいなのだな。
今回のことは私がエンヴェリカを守り切れなかったから起こったことなのだ。
スペンサー殿、ジョルジュには本当に有り難い、そして申し訳ないと思ってる。
「義父上がすぐに探知魔法で捜索したにも関わらず、見つからなかったということは事件後、そんなに経っていない間に死亡したと考えていいでしょうか?」
スペンサー殿の言葉に衝撃を受けたけど、クリスの言葉にもまた衝撃を受けた。
そうか、スペンサー殿がすぐに国内全土に探知魔法を展開したにも関わらず、見つからなかったのだもな。
私は少し冷静にならなければならない。
「クリス殿の言う通りです。
テンクラビィ子爵の邸に安置されていた遺体をすぐに部下に検視させましたが、死後2日半ほどが経過していました。
詳細の死亡時刻などは私の部下より報告書にて上げますので、後でご覧下さい。
恐らく事件後そんなに経たずに死亡してその後、テンクラビィ子爵領に運ばれたようです。
昨晩の夜半に領民3人がテンクラビィ子爵邸から西に約100m離れた道の脇の草村に黒いローブの何者かと、倒れている人間を発見しました。
時間を考えると、濃いグレーの髪の男が死亡後、すぐに馬車で王都に向かいテンクラビィ子爵領へ運んだと見て間違いないでしょう。
王都からテンクラビィ子爵領まで馬車で2日半ほどかかりますので、時間も合います。
黒いローブの何者かは領民に目撃されてすぐに逃走。
領民がテンクラビィ子爵にすぐに報告に走ったようで、テンクラビィ子爵が自領の魔術師と騎士たちに黒のローブの者を追いましたが、捕らえることは出来なかったそうです。
魔力痕など黒いローブの者の痕跡が残っておりませんので、捜索中ですがまだ見つかっておりません。
帰りは馬車ではなく馬で逃走したのかもしれません。
テンクラビィ子爵は領民からの報告後、すぐに自領の魔術師と騎士たちに行方を追うようにと、遺体を邸に運ばせるよう指示してから、すぐに王国騎士団に通信魔道具で報告してきました。
昨晩領民3人が黒いローブを着ていた者をとその側の死体を目撃しましたが、夜半ですので周辺は暗く、顔もほとんど隠れていたので黒いローブの者の人相などはわからないとのこと。
背恰好からして男の可能性が高いそうです。
尚、テンクラビィ子爵は自領で起こった事件ながら遺体の側に立っていた者が黒いローブを着ていたことから何者かわからない、魔術師の可能性もあり、どこから来たのかわからないので、すぐに王国騎士団に報告をしたようです」
手練れの魔術師相手だと自領の魔術師や騎士では手に負えない可能性もあるから王国騎士団にすぐに連絡したんだろう。
領民が巻き添えで殺害されなくて本当に良かった。
「あの、テンクラビィ子爵といえばオマールの婚約者の家です。
通常自分が関わっているなら秘密裏に死体を処理してしまえば、知られる可能性は低いのに報告してきたということなんですね」
私がスペンサー殿をジッと見ながら尋ねる。
「そうなんですよ、セントバーナル殿下。
テンクラビィ子爵にも事情を聞いてますが、テンクラビィ子爵は何も知らないようで関わっていない可能性が高いですね。
まだ事情聴取中で確実とは言えませんが」
「濃いグレーの髪に琥珀色の瞳の男の身元はわかったんですか?」
スザンヌ殿が徐ろに口を開き、スペンサー殿に聞く。
「はい、神殿に魔力登録されていまして、寮内に残っていた魔力痕と一致しました。
ドレンナザス公爵の傍系の元カンザス伯爵子息で今は平民のジャスティンでした」
「やっぱり…」
スザンヌ殿がスペンサー殿の話を聞いて深刻な顔で呟いた。
「スザンヌ殿どういうことかな?」
それに兄上が反応した。
「みながそうてはありませんが、琥珀色の瞳は元は赤の瞳の継承者の血筋が濃く受け継がれているとそうなることがあります。
カンザス伯爵は確かにうちの傍系の貴族でしたが、20年前に没落して領地を売り払い爵位を返上し平民となりました。
ですが、確かにうちの傍系でしたが、ここ百年はうちと婚姻歴がないはずで、血としてはそんなに濃くなかったので琥珀色の瞳の者が生まれる確率は低いと思います。
そのジャスティンという男が琥珀色の瞳だったということはうちの傍系の元貴族であったなら先祖返りだったと考えられます。
それと赤の瞳の継承者の血が濃く受け継がれる者はうちで管理したり、育てて側近や魔術師にしたりしますが、ジャスティンはそうならなかった。
うちにも瞳の色などの記録は残っていなかったはずです」
「ということは後天的に先祖返りの兆候が現れたと見ていいということかな?」
兄上が真剣な顔でスザンヌ殿を見る。
「そうなりますね。
そんなに多くないですが、後天的に先祖返りが起こることはありますからね。
ジャスティンは平民になった後に先祖返りしたと見て良いと思います。
先祖返りが起こった後は能力も瞳の色も変化があったはずです。
持って生まれた属性は変わらないですが、魔力量の増加や能力は格段に上がり、稀にスキルが顕現したりということがあります。
そういった場合、国への報告義務がありますがなかったようですよね?」
スザンヌ殿は自分の元とはいえ、傍系の貴族が犯罪を冒したという事実に怒りを覚えているのか、厳しい顔になっている。
赤い瞳のキリッとした美貌を持った人間の厳しい顔は迫力があり、私はより身が引き締まる思いがした。
「なるほど後天的な先祖返りですか…ジャスティンの神殿での属性判定の記録を見ましたが、属性判定時の魔力は高位貴族の並みの量、属性は火のみで他にスキルなどの判定はありませんでした。
他に特記するべき記載がなかったので、当時は瞳の色も特徴のあるものではなかったということですね」
ジョルジュがスザンヌ殿の話を聞いてなるほどと頷きながらジャスティンの属性判定時の報告をした。
5歳の属性判定後に後天的に先祖返りして瞳の色も変化したということか。
「ということは寮内に残った魔力痕がジャスティンと一致したということは後天的に顕現したスキルを使った可能性が高いな。
魔道具を使ったのなら魔石に埋め込まれた魔法陣は別の者の魔力痕が残るはずだ。
自分のスキルを魔道具にする必要はないからね。
後で顕現したのに報告義務を怠ったということか」
兄上の言う通りだな。
魔力を寮の料理人に似せてきたのがスキルの可能性が高いというか恐らく自分のスキルで間違いないだろう。
魔道具を使ったとなると別の者の魔力痕が残るはずだ。
「そうなりますね。
オマールや他の者ジャスティンもですが、廃墟に侵入する時に恐らく幻覚の魔道具を使って見張りの騎士たちの目を欺き侵入したと思われます。
オマールの証言により、クエスベルト子爵令嬢、エンヴェリカ嬢と言われて頂きますが、ジャスティンがエンヴェリカ嬢を寮から攫い、廃墟まで運んだと証言していますので、ジャスティンも廃墟に出入りする時は魔道具を使用したことになると思います。
オマールが使った魔道具は一緒に侵入した黄色のハンカチーフを持った男が回収して廃墟から去っているので、我らが魔道具を回収することは出来ていませんが、幻覚の魔道具は相当高度なものです。
素人が簡単に作れるものではありません。
そして魔道具を使用するとその魔道具を作成した者の魔力痕も残りますが、その魔力痕はジャスティンでした」
「ジャスティンが幻覚の魔道具も作成したというのですか?」
スペンサー殿の報告にスザンヌ殿が赤い瞳をより鋭くする。
「その可能性もなくはないですが、先程も言ったように幻覚の魔道具はかなり高度なもので、余程の天才でもない限り…クエスベルト子爵くらいの人物でなければ何年もの修行が必要なものです。
ジャスティンが後天的に先祖返りをしたとしても、20年前に平民になり、死亡時27歳だったジャスティンがおいそれと作成出来るものとはどうしても思えないのです。
ジャスティンのことを調べましたが、彼は平民になった後、元カンザス伯爵領から出て行き、王都に家族と移り住んでいます。
ですが、王都で平民が通う学院での編入歴も通学歴もありませんでした。
魔道具作成は専門的知識をちゃんと学んで修行しなければ不可能なものです。
ジャスティンに魔道具を作成出来る技術はなかったのではないでしょうか?
それで他に専門家が仲間にいて、ジャスティンの擬態のスキルを利用して作成した可能性があるのでは?と私は思っています。
それも自分の魔力痕を残さず魔道具を作成出来るとは相当な人物かと思います。
それで魔道具の専門家が多くいる王立魔術研究所の人物たちも調べましたが、1人長年魔道具開発をしていた者で、クエスベルト子爵には及びませんが、魔道具のスペシャリストと言われた人物がいます。
それがプリズナン子爵の前当主の三男のギレンという男です。
今回ギレンの魔力痕が発見された訳ではないですが、そのギレンは2年前に王立魔術研究所を退職していて、その後あるギルドに所属しています。
そのギルドがまた怪しいのです」
「怪しいとは?」
スペンサー殿の報告にクリスが眉間に皺を寄せる。
「そのギルドは今はセラーズという商業ギルドで、非合法なことは表面上しておらず、合法的な商業ギルドです。
しかし10年前に非合法なことを繰り返して壊滅した闇ギルドのプロバンスの残党と繋がっているようです」
「なるほど、そこが今回の事件に関わっている可能性が高いかもしれないですね」
クリスが眉間を皺を寄せたまま顎に手をやって思案顔になっている。
「あの廃墟で見張りをしていた男をジョルジュの側近アーバインが後をつけてからずっと監視しているが、今のところ怪しい人物と接触はしていないのだったな?」
スペンサー殿が振り返り、ジョルジュの斜め後ろに座っている榛色の短髪に濃いグレーの瞳の鋭い目つきをした男に聞く。
その男、アーバインは黒の瞳ではないが、濃いグレーの瞳と黒に近い。
通常は瞳の継承者の兄弟の瞳の継承者の色を持った子が後継者の側近になったりするが、スペンサー殿の斜め後ろに座っている側近で弟のトロントは結婚したのが遅くまだ子供が幼い為、アーバインはジョルジュの再従兄弟に当たる。
赤の瞳の継承者のスザンヌ殿の側近は当主で赤の瞳の継承者の主のデモンダス殿の妹の娘、スザンヌ殿の従兄弟に当たる赤の瞳の継承者のカレンが側近である。
クリスの側近だけ異例で元々平民の茶色の髪に茶色の瞳の男、アランだ。
ブレンダーザス公爵家は祖父上も一人っ子、父上のランドル殿も一人っ子だったで、クリスも一人っ子だから紫の瞳を受け継いでいるのはクリスだけ。
そしてクリスはブレンダーザス家の系統の者からではなく平民出身のアランを側近として選んだのだ。
アランは平民の出だが、クリスが見込んだだけはある優秀な男だが。
「はっ!廃墟にいた男を私と部下とで監視していますが、今のところ怪しい人物、商業ギルドセラーズの人物などに接触していません」
アーバインが席についたままスペンサー殿からの問いかけに答えた。
この場では主からの問いかけであっても座ったままで許されているようだ。
「なるほど、ではそちらもとりあえず泳がせて背後を調べていくことにするのだな?」
兄上がスペンサー殿を顔を見る。
「はい、そうでございます。
ギレンも私の部下が監視中です」
スペンサー殿の答えに兄上はふむと頷いた。
「ところでジャスティンの死因は何だったのかな?」
兄上がスペンサー殿の目を見ながら引き続き聞いた。
「服毒死です…」
服毒死だと?
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