16 / 78
十四話 私の愛する人を害そうとする者は絶対許さない ③
しおりを挟むセントバーナルside
あの男、ヴォンドウェル伯爵家のオマールを見るとその場で殺してやりたいと思ってしまうけど、ちゃんと取り調べを見ておきたい。
私が取り調べが行なわれている王宮のとある部屋へ向かうと、オマールがちょうど自白魔法をかけられているところだった。
自白魔法は事実を話さなかったり、隠そうとすると全身に刺すような痛みが生じる。
「うわあぁぁぁぁぁー、い、いだいぃー」
と絶叫のような悲鳴を上げながらオマールが自供していく。
オマールは学院に入学してしばらくしてから学院内ではなく王都の街で1人でいるところを見知らぬ男にいきなり話しかけられたという。
その得体の知れない男に自分はエンヴェリカと友人関係にある女生徒の知り合いで、エンヴェリカの情報を知っていると言われて簡単に信じた愚かで間抜けな男だ。
その男が知り合いと言った女生徒は現実にSクラスにいたが、エンヴェリカと彼女は友人関係どころか話したこともないと思われる。
オマールはその女生徒本人に確認も取っていなかった。
オマールの話ではその男たちに巧みに言いくるめられて、その女生徒とは話したこともないと言ったのだ。
何故学院関係者でもない、その女生徒との繋がりも本当かわからないような男の話をどうして鵜呑みに出来るのか信じられない。
オマールはその男からエンヴェリカは今だにオマールのことを忘れられないでいる、好きなのだ。
オマールが婚約者といるのをいつも見つめて悲しんでいると聞かされたのだと言う。
そして私と親しげにしているのもオマールにもっと嫉妬して欲しいからだとも。
それをオマールは本気にした。
だが、相手も用心深いのかオマールと外で会う場所も度々変えて、オマールが最初の1人男の慣れて信じ込むようになった頃に相手も変わったりしたという。
違う男や女に。
会った者から次の落ち合う場所を聞いて、目印は黄色のハンカチーフをもった平民風の男か女。
オマールはその複数の黄色のハンカチーフの男や女たちにエンヴェリカの話をされ続けたらしい。
まるで洗脳のようだな。
エンヴェリカはオマールのことを好きだが、オマールに婚約者がいるから自分からは話しかけられないと悩んでいる、オマールと婚約者が一緒にいるのを見るたびに心を痛めていると。
その話を聞いているうちにオマールはエンヴェリカの行動を逐一監視するようになったという。
私がエンヴェリカの気持ちを自覚してからこちらもオマールを監視していたが。
2年生になってから私やミーナが常に側にいて目を光らせるようになり、卒業したジョルジュも折に触れて学院にやってきて手助けしてくれるようになったからか、嫌がらせはなくなった。
しかしどこの誰だかまだわからないが、決して諦めていなかったのだ。
それどころかエンヴェリカを完全に排除しようと行動に起こした。
それがオマールを使って起こった昨日の出来事だ。
ある日、オマールはエンヴェリカを攫ってくるから既成事実を作ればいい。
そうすればエンヴェリカも望むオマールと婚約が出来て喜ぶはずだと誑かされたのだ。
オマールは濃いグレーの髪の琥珀色の瞳の男については一度だけ、黄色のハンカチーフをもった男と共に会ったことがあると言った。
名前や素性は聞かされなかったがその濃いグレーの髪の男が寮の料理人に変装してエンヴェリカを寮から攫い、廃墟まで運んでオマールに引き渡して、その廃墟でエンヴェリカと二人きりにしてやるから廃墟で待っているように言われたのだという。
オマールが何故騎士たちが見張りをしている廃墟に気付かれずに侵入することが出来たかだが、それは黄色のハンカチーフを持った男に魔道具を渡されたのだという。
その魔道具を使ってまた違う黄色のハンカチーフを持った男と一緒に騎士たちに気付かれることなく廃墟に侵入出来たのだと証言した。
しかしオマールはその魔道具を持っていなかった。
オマールが廃墟に侵入すると、一緒に侵入した黄色のハンカチーフを持った男がオマールが持っていた魔道具を回収して、去って行ったのだという。
恐らくその黄色のハンカチーフを持った男はオマールが使った魔道具と同じものを使用して、オマールと一緒に廃墟に侵入してからオマールの魔道具を回収し、自分は再び魔道具を使用して外の見張りの騎士たちに気付かれないように姿を消したのではないだろうか。
そこも証拠を残さない、用意周到でかなりの用心深さだ。
寮の料理人に変装した濃いグレーの髪の男も騎士たちに気付かれることなく、廃墟に侵入してエンヴェリカを置いて去って行ったという。
濃いグレーの男も魔力の擬態のようなものや変装とは別に廃墟に侵入する時は姿を見られていないからオマールと同じ魔道具を使用したのだろう。
しかし何故寮から出る時は料理人に変装して、廃墟に出入りする時は見つからないようにしたのだろう?
エンヴェリカを薬で眠らせる時はエンヴェリカに自分の正体がわからないように変装することはわかる。
しかし姿を見せないように出来るのであれば、寮を出る時も同じ魔道具を使えば良かったのではないだろうか?
そこにも何かあるのだろうか?
魔道具は幻覚魔法か何かを付与したものだったのかもしれない。
とにかく濃いグレーの髪の男を捕まえないとわからないことが多いな。
スペンサー殿がきっと捕まえてくれるだろう。
ところでオマールという男の話を聞いていると、頭が痛くなってくる。
全部自分の都合の良いように考えて身勝手な主張をする男だ。
エンヴェリカが自分を好きなのだと何回も言っていた。
自分もエンヴェリカをずっと好きなのに周りにずっと邪魔されてきたんだと言ったのだ。
エンヴェリカの容姿が変わって一度は自分で去ったくせに。
エンヴェリカ本人に確認した訳でないのに他人からの話を自分の都合の良いように歪曲して考え思い込んで、行動に起こしたのだ。
洗脳されたのかもしれないが、オマール本人の人間性にも問題があったとしか思えない。
本当に自分本位な気持ち悪い男だ。
オマールの言う協力してくれている人というのが、間に人を何人も挟んでいて、巧妙で狡猾でオマールの証言では黒幕まで辿り着けなかった。
かなり用心深く、用意周到で間に何人もの人間を介しているようで、尻尾を掴むのに骨が折れそうだと思った。
どこかの組織が絡んでいるのかもしれない。
廃墟を見張っていた男はジョルジュが見つけてくれて、ジョルジュの部下が後をつけて行き、監視を続けている。
相手側にかなり魔術魔法に精通している者がいるかもしれないから、優秀なジョルジュの部下に監視してもらった方がいいだろう。
そこから糸口を掴むしかないのだろうか?
まだ1日しか経っていない。
オマールの共犯者たちを捕らえたり、監視を続けて黒幕に辿り着く糸口を掴みたい。
オマールの処分については後日となるだろうが、しばらくは牢の中だ。
もう日の目を見ることはない。
オマールの家、ヴォンドウェル伯爵家も処分することになる。
以前も調べていたが、オマールの家のことはもう一度念の為に調べるが、現当主やその伴侶、弟や妹はまだ幼く関わっていない可能性が高い。
家自体後ろ暗いこともしていない当主は真面目で堅実な男だ。
昔にエンヴェリカの家から見合いも婚約も断られても、勝手に先触れもなくいきなりエンヴェリカの元に通っていたオマールに、両親が散々叱り説得したことは調べてわかっている。
オマール以外はまともらしい。
だからといって伯爵家が何のお咎めなしとはいかないだろう。
オマールの処分が決まってから家も処分することになる。
エンヴェリカにはしばらくは学院を休んでもらって、王宮で保護することにする。
暇を持て余すだろうから王宮内でも魔道具の研究が出来るように、設備を整えてあげよう。
エンヴェリカは私のことを嫌いではないだろう。
それにオマールが迫ってきた時に私に助けを求めたと言っていた。
鈍感なんだろうけど、私のことを少しは思ってくれていると思っていいのかな。
これからもエンヴェリカに私の気持ちを言葉と行動で表し続けて、私を好きになってもらえるように頑張るつもりだ。
そしていつか思いが通じ合った時にエンヴェリカと婚約してそして結婚したい。
その為なら私はどんなことでもするつもりだ。
エンヴェリカを害そうとしている者たちを探し出して、根こそぎ捕まえて裁きを与えてやらないと気が済まない。
☆★☆
エンヴェリカside
殿下にしばらくは学院を休み、王宮に留まってもらうと言われた翌日。
殿下は1日だけ休んで学院に通うようなったと殿下から聞いた。
殿下は帰ってきてからも忙しそうで、学院から帰ってきたらすぐに顔を出してくれるが、すぐに政務があると部屋を出て行き、夜に1時間くらい部屋で会って話すくらいになった。
王宮に来てから3日目の夕方にお父様とお母様が来てくれた。
部屋に入ってきたお父様とお母様を見たらやっぱり涙が出てきた。
お母様も涙を流しながら私を抱きしめてくれて、お母様と私をお父様が抱きしめてくれた。
しばらく泣きながら抱き合っていたけど、落ち着いてから侍女がお茶とお菓子を用意してくれて、私の両隣にお父様とお母様が座ってくれて話をした。
「そのな、…エンヴェには言ってなかったし、手紙にも書いてなかったがセントバーナル殿下とは通信魔道具でずっとやりとりさせてもらっていたんだ」
「えっ?いつから?」
お父様から聞かされて私は目を見開いた。
「えっと…マリー?」
お父様いつからか忘れたの?
「あれはエンヴェがもうすぐ2年生になる前の3の月くらいからだったわ」
「そんなに前から?」
お母様から聞いて驚いた。
「ええ、マーロンド様からヘンドにセントバーナル殿下がお話したいことがあるとおっしゃられているから、通信魔道具を繋げていいか?聞かれてね。
エンヴェに何かあったのか?って凄く心配したわよ。
実際いろいろとね、あったわよね?
でもセントバーナル殿下がわたくしたちと密に連絡を取りつつエンヴェを守って下さるとおっしゃられるから大船に乗ったつもりでお任せしたのよ」
お母様が何でそこでえっへんと胸を張るのよ!
「どうして私に教えてくれなかったの?」
私当事者よ!
「それは殿下がいずれは自分からエンヴェに話すからとおっしゃったからよ!ね、ヘンド」
「そ、そうだな」
何かお母様ウキウキしてるんだけど、どういうこと?
「そうなの…」
「で、殿下から聞いたんでしょ?」
「何を?」
私が首を傾げると。
「嫌だわ~そういう鈍感なところ本当にヘンドにそっくりね」
お母様がウィンクする。
お母様のさっきの涙は何だったんだろう?
もうすっかりいつものお母様だわ。
きっと私のことを気遣ってわざと明るくしてくれているんだろうけど。
「エンヴェ、身体の健康状態を計測する探知の魔道具を研究してるらしいな」
お父様が急に話題を変えてきた。
ちょっと殿下!
お父様に内緒にしていたのに言ってしまわれたのね。
「はい、ずっと失敗続きだけど…お父様!この研究は私がやり遂げたいから!お父様ならすぐに出来るかもしれないけど、私にやらせて下さい」
私は頭を下げた。
「何を言ってるんだ、エンヴェ。
もちろんだよ、それはエンヴェの研究だからね。
それに私でもすぐに出来るものではないよ。
それくらい高度な分野だからね。
諦めずに信じて研究し続ければエンヴェならきっとやり遂げられるよ」
「お父様ありがとうございます!」
「殿下がね~エンヴェの研究を何回も凄く褒めて下さってるのよ~」
お母様がふふふっと嬉しそうに笑う。
「そうなんですか…」
私は何て言っていいかわからず、恥ずかしくなって声が小さくなっていく。
「とにかくエンヴェが無事で良かったわ。
今はとにかく身体を休めてここでお世話になりなさい」
「お母様?」
お世話になりなさいってここ王宮ですよ?
「まあ、問題が解決した後なら王都の邸から学院に通ってもいいんじゃないか?」
「ヘンド何言ってるの?殿下が王宮でって言って下さってるのだからそれでいいんではなくて?」
お父様が言ったことにお母様がすぐ反論する。
お父様も問題が解決しても今後寮から通うのは反対ということかしら?
王都の邸だと使用人を新たに雇わなければならないけど、いいのかな?
それからずっとお父様とお母様が喋り続けて、ほとんどお母様が1人で喋り続けていて私が口を挟む間がなかった。
呆気に取られたけど、いつものお父様とお母様で私は気持ちが解れてほんわかとした。
お父様とお母様は敢えて何も聞かずいつものままでいてくれたのかもしれないな。
ありがとう、お父様お母様。
69
お気に入りに追加
450
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる