10 / 78
八話 殿下とジョルジュ様と私と突然の告白
しおりを挟む「ぶぉっ!…」
というオマール様の情けない声がしてしゃがんだまま横にバッタリと倒れた後。
「エンヴェリカ嬢!」
この数年間で一番多く聞いた声で私の側にずっと居てくれた方。
殿下の声が聞こえた。
私は声がする方向に目をやるといつもは整っているプラチナブロンドの前髪が乱れて、制服も少し着崩れていて、カッと金の瞳を鋭く見開きながら殿下が私の所へ走ってきて、私の背中に腕を入れて抱き起こしてくれた。
「で、殿下、殿下~」
私は殿下の顔を見て我慢出来ずに涙が溢れてきてしまった。
殿下助けてって思ったら本当に助けに来てくれた。
「エンヴェリカ嬢、大丈夫か?」
何だか必死な感じの声音の殿下が私の名を呼びギュッと抱きしめてくる。
「うっ…でん…かぁ…うぅっ」
私はボロボロ涙が溢れてきて殿下の胸に顔を押し付ける。
今までなら普段なら考えられない。
私からそんなこと絶対出来ないけど、この時はいつもの私ではなかった。
殿下を見て本当に助けに来てくれたという気持ちと助かったという安心で一杯になっていた。
「エンヴェリカ嬢、怪我は?何をされた?クソッ!あの男!殺してやろうか!
八つ裂きにしてやる!」
殿下がギュッと私を抱きしめたまま凄い物騒なことを言い出した。
いつもと違う殿下の厳しい乱暴な口調に肩がビクッとなるけど、まだ完全に薬が抜けてなくて、まだ痺れが残っていて自由に動けないから殿下の胸から顔を離せない。
怒りからか殿下の身体が震えているように感じる。
「セントバーナル様、恐らくエンヴェリカ嬢は薬を嗅がされたんでしょう?
調べてみないとわかりませんが、睡眠薬と身体全体が緊張状態になる痺れ薬の併用だと思われます。
まだ身体がちゃんと動かないようです。
この男はしばらく眠ったままですし、すぐに騎士が参りますのでここは大丈夫です。
とりあえず私と王宮へ戻りましょう」
そこにジョルジュ様の声が聞こえてきた。
殿下がジョルジュ様と一緒に助けにきてくれたんだ。
「…うぅっ…じょるじゅ、さ、ま…」
「エンヴェリカ嬢大丈夫だよ。
今からとりあえず王宮に避難しよう」
「そうだな、ジョルジュ頼む」
殿下が私を抱きかかえたまま立って、ジョルジュ様のところへすぐさま向かう。
そしてその後すぐパッと明るい場所に変わった。
えっ?ジョルジュ様が殿下と私を転移させた?
一人だけでも転移するの大変なのに殿下と私も?
やっぱりジョルジュ様凄い!凄過ぎる!
「うっ、うぅ~じょるじゅ、さま、すご、すぎます~」
私はまだ止まらない涙を流しながらも感激して言った。
「フッ、エンヴェリカ嬢今それ言うところ?」
ジョルジュ様が苦笑いしながら私を見ている。
「エンヴェリカ嬢!本当に今そんなところではない!
すぐに部屋に連れて行って医療師を呼ぶからもう少し我慢してくれ!」
殿下が興奮している。
「でんかぁ…ふっ、うっ、…ここは?」
「王宮だ」
「…おう、きゅう?!」
えええ、転移したと思ったら王宮に来ちゃったの?
私ジョルジュ様と殿下の会話ちゃんと聞いてなかった。
いやいや駄目でしょう?そんなの。
「あ、の…大丈夫…ですから…私は、寮に…その…戻った方が…」
驚いたからか涙が引っ込んだ。
「大丈夫な訳ない!寮なんかに帰せるか!」
殿下の乱暴で大きな声に私はポカンと呆気に取られてしまう。
「セントバーナル様、すぐにエンヴェリカ嬢を医療師に診てもらうでしょうが、今ここで私が状態を見て薬の効果を消しておきましょう」
ジョルジュ様が殿下に抱きかかえられてる私の側にやってきて、両手を私の心臓辺りにかざすと、虹色!?の光が出てきた。
その光が私の全身を巡っていくように感じる。
虹色なんて初めて見た!
その後、白い光がジョルジュ様の両手からパァッと溢れてきてすぐに頭や身体が軽くなった。
頭痛もなくなり、締まっていたような喉も何だかスッキリしている。
えっと、もしかして虹色の光は探知魔法?何故虹色?ジョルジュ様全属性だから?
それと白い光は光属性魔法だ!
使える者が少ない貴重な光属性魔法を初めて見た!
それも私にかけてもらった。
ジョルジュ様は全属性のすべて最上級を使える天才だそうだけど、特に光属性魔法が得意だと聞いたことがある。
それも無詠唱!
虹色の魔法が探知魔法?で無詠唱なら凄過ぎるを突き抜けている!!
ヤバい!凄い!凄い!
無詠唱も初めて見たよ!
やっぱり本当に天才だ!
「光属性!初めて見ました!
おまけに無詠唱!
眼福です~。
あ、あの虹色の光はもしかして探知魔法ですか?それも無詠唱なんて~。
凄い~やっぱりジョルジュ様天才です!」
私は自分が今どういう状況か忘れてジョルジュ様の魔法に感動感激して興奮しているし。
「ハァ~」
私の頭の上から殿下の溜息が聞こえた。
そうだった!私殿下に抱きかかえられていたんだった。
私は慌ててジョルジュ様に感謝と謝罪をする。
「ジョルジュ様お礼を申し上げるのが先なのに申し訳ありません。
そして治して下さりありがとうございます。
身体も自由に動くようですし、スムーズに喋れるようになりました」
「そか、良かったよ。
でも無理しないでね。
まあ虹色の光のことはまた追々ね」
ジョルジュ様が苦笑いしながらも虹色の光のことも教えてくれるみたい!
私は魔道具馬鹿だけど、魔法ももちろん
関係しているから大好きで、魔法陣を描く必要があるから魔法も平行して研究している。
めちゃくちゃ大好きで興味のあることだから興奮して言ったけど、身動ぎして今更ながら殿下に抱きかかえられてることに気付いてしまった。
そういえば、先程私の頭上で殿下の溜息も聞こえた。
私は顔が熱くなってきてアワアワしてしまう。
それに殿下に抱きかかえてもらってるなんて恐れ多い。
「殿下申し訳ございません!
今更気付いてしまいました!
ジョルジュ様に治療して頂いたのでもう大丈夫です。
下ろして下さいませ」
「はあ?駄目に決まってるだろ!
大人しくしていろ!」
殿下に即叱責されてしまい、肩がビクッとなって殿下の顔を見上げる。
本当に殿下だろうか?という口調に驚いてしまう。
「元気になったのは見てわかるけど、ジョルジュの魔法で大丈夫だと思うが、ちゃんと医療師の診察を受けるまでは駄目だ!」
「あ、あの…」
「エンヴェリカ嬢大人しくセントバーナル様の言う通りにした方がいいよ。
今セントバーナル様は大変気が立っておられるからね。
僕からもお願いだよ、大人しくジッとしていてね。
それではセントバーナル様私は一度現場に戻ります」
ジョルジュ様が私に余計なことは言わないで大人しくしておいた方がいいよと助言してくれた後、殿下に向かいまた現場に戻ることを言う。
「ジョルジュ、緊急に呼び出してまた戻らせてすまないな。
よろしく頼む」
「大丈夫ですよ。
お気になさらず、私の仕事ですから。
ではいったん失礼します」
そう言うと、ジョルジュ様の姿がシュッと一瞬で消えてしまった。
「わぁ~」
私は目の前でジョルジュ様の凄さを見て感激してしまう。
「…エンヴェリカ嬢行くぞ」
殿下が私の頭上で言ってから私を抱きかかえたまま歩いて行く。
「あ、あの…さっきの所は?」
「王宮の専用転移門だ。
ジョルジュならいきなり部屋に行くことも出来るが、緊急だったから王宮の結界魔法のことを考えて転移門を使用したんだろ。
転移門ならいつでも大丈夫だからな。
エンヴェリカ嬢大人しくしておいてくれ」
殿下は私に説明しながらも足早に私を抱きかかえたまま歩いていく。
殿下は見た目、ジョルジュ様よりほっそりして見えるのに、私の顔に当たっている殿下の胸は固い。
そして私を軽々と抱きかかえたままサッサと歩いていく。
やっぱり男性なんだなと思いながらボーッとしていると、転移門を出てから階段を上がり、王宮内の廊下を殿下は足早に歩いているけど、廊下に出たら人と行き違うのよ。
すれ違う人たちが驚いて珍しいものを見る目で私たちを見ていて、恥ずかしさとこの有り得ない状況にオロオロしてしまう。
男性にお姫様抱っこなんてしてもらったことなんてない。
おまけにそれをしているのが殿下なんて。
でもさっき殿下に叱責されたから大人しくするしかない。
なるべく顔を見られないように殿下の胸に顔を埋める。
その時に殿下がフッと笑ったような気がしたけど、顔を上げるのも恥ずかしいので私はそのまま顔を赤くして縮こまっていた。
あれから殿下に客間だという部屋に運ばれてベッドに下ろされてすぐに寝かされた。
見たこともないどんでもなく広く豪華な部屋に私は恐れ慄く。
領地の子爵家の部屋の何倍ある広さなんだろう。
天蓋付きベッドも今まで見たこともないくらい大きくて柱が金で宝石があちこちに付いている。
天井には美しい壁画が。
私は一応貴族令嬢であることも忘れてキョロキョロとしてしまう。
「エンヴェリカ嬢気分が悪くなったり、していないか?」
ベッドのすぐ脇に椅子を持ってきてそこに座った殿下が聞いてくる。
「で、殿下、大丈夫です。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「そんなことはいいんだ。
すまない、まさか寮の中に入り込んでくる者がいるとは気付かなかった」
殿下が私に頭を下げてくる。
「で、殿下やめて下さい。
どうして殿下が頭を下げるのてすか。
殿下のせいではありません!」
私は慌てて殿下の顔を見る。
殿下は唇を引き結んで、眉間に皺を寄せている。
「しかし寮の中も万全にしておくべきだった」
えっ?寮の中も?万全に?
「あの、それはどういうことですか?」
私は殿下の金の瞳を見つめながら聞く。
「ずっとエンヴェリカ嬢は何者かに狙われているようだからエンヴェリカ嬢に影や護衛を配置していたが、寮の中は結界魔法もあるし管理人もいるから大丈夫だと思っていたんだ。
私の油断が招いたことだ」
殿下がそう言って目を伏せた。
プラチナブロンドの長い睫毛がフルフルと震えているように見える。
っていうか、私に影と護衛が付いていた?全然知らなかったんですけど?
「そんな…影とか護衛まで付けて下さってたんですか?…そんなことまで…本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません」
私はその事実を知って申し訳なくなる。
「当たり前のことだよ。
クエスベルト子爵卿にもエンヴェリカ嬢をちゃんと安全に守ると約束していたのに、それなのにこんなことになってしまって本当に申し訳ない」
えっと?
お父様も知ってることなの?
どういうこと?
いやいや、いろいろと何だか凄くてまた頭が痛くなってきた。
薬の副作用ではないよね?!
「あ、あの私しがない子爵令嬢ですよ?
そんな影って王家直属の方ですよね?
護衛も。
そこまでして頂くなんて恐れ多いことですし、殿下に私を守って頂くなんて私にそんな価値はありません」
「何を言っているんだ、エンヴェリカ嬢!
そなたは私の大切な人だ。
守って当たり前の存在だ」
「えっ?」
殿下の言葉に目を見開く私。
今大切な人と言いました?
「エンヴェリカ嬢は本当に鈍感だな。
私はずっとそなたに私の気持ちをわかってもらいたくて何度となく伝えてきたつもりだが…回りくどい言い方ではやっぱりわかってもらっていなかったのだな…。
私はそなた、エンヴェリカ嬢のことが好きだ。
もう愛している。
エンヴェリカ嬢は私の唯一だ。
私の婚約者になってもらいたいと思っている」
「!!……」
突然の殿下の告白に私は言葉を失う。
えっと、ずっと気持ちを伝えてきた?
殿下が私のことを好き?愛してる?
婚約者になってもらいたい?
私は頭が混乱して言葉が出てこない。
「今、こんな時に言うつもりはなかったが、そなたが自分を私が守る価値がないなどと言うから私にとってそなたがどんな存在なのかわかってもらいたかった」
殿下の金の瞳がジッと真剣に私を見つめてきて、私は心臓がバクンッと跳ねた。
トクンとか上品な跳ね方ではない。
「あ、あの…殿下、それは…」
私は殿下の真剣さが伝わってきて何て返事をいいかわからず、ちゃんと答えることが出来ない。
「こんな状況で突然言ってしまって申し訳ない。
でも私は自分の気持ちもエンヴェリカ嬢そなたを婚約者にしたいと思っていることも事実だ。
私はそなた以外とは結婚するつもりはない。
至って真剣で本気だ。
そなたが今私に対してそこまでの気持ちがなっていないことも十分承知している。
でも私は諦めない。
そなたが私を愛してくれるよう何でもするし、私の気持ちを伝え続けていくつもりだ」
私は殿下の突然の告白に口をポカンとさせた阿保な顔をしているだろう。
そこにコンコンとノックの音が聞こえて、殿下がいったん外に出られてしばらくしてから医療師様らしき胸元と袖に銀糸の刺繍のある白の神官服にを着た壮年の男性と王宮の侍女らしき女性1人と共に殿下ももう一度部屋に入ってきた。
「エンヴェリカ嬢、医療師を連れてきた。
診てもらってくれ。
私はいったん席を外すよ」
そう言って殿下はいったん席を外して部屋を出て行った。
70
お気に入りに追加
450
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる