地味に見せてる眼鏡魔道具令嬢は王子の溺愛に気付かない

asamurasaki

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六話 魔道具の研究と殿下と事件!?

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月日が過ぎるのは早いもので、2年生になってから昨年私がデビュタントを迎えた日が過ぎて学院は2ヶ月お休みになり10の月になった。

相変わらず殿下かミーナが常に私の側にいてくれる。

特に殿下は私が授業終わりに魔術、魔法の授業の専用教室で魔道具の研究をするのにも付き合ってくれるようになった。

以前も魔道具の実験の時に専用教室で行なうのを付き合ってくれていたけど、今は研究する時も一緒にいるのだ。

今までは授業が終わると魔道具の研究をする為にいそいそと寮に帰って一人で研究していたのだけれど、2年生になって8の月のお休みに入る前の7の月の時に殿下が実験だけでなく魔道具の研究にも魔法、魔術の教室を使わせてもらえばいいと言い出したのだ。

1年生の時の庭で殿下に魔道具の実験をしているのを見つかって以降、専用教室で許可を取って実験をするようになった。

協力してもらっている動物はあの庭で出会ったブチ猫ちゃんだ。
あの時以降、ブチ猫ちゃんは私を見かけると近付いて身を寄せてくれるようになった。

まるでブチ猫ちゃんは『仕方ないから実験手伝ってやるよ』と言わんばかりに大人しく教室にも一緒に行ってくれるのだ。

私がそう思っているのだけど、ブチ猫ちゃんは専用教室にも嫌がらず抱っこされたままで大人しくしてくれているので、本当に感謝している。

実験では専用教室を使わせてもらうようになったけど、研究となると実験より遥かに日数が多くなる。
毎日のようにと言ってもいいくらいで、研究で教室を使用させてもらうなんてって私は思っていた。

確かに魔術の授業で簡単な魔道具を作る授業もあり、魔術、魔法専門教室だと教室内にはあらかじめ暴発などを防ぐ防御結界魔法が張られていて、寮の部屋みたいに自分で結界を張らなくてもいいし道具など私は幼い頃から使ってる自分の物を寮に持ち込んでいるけど、授業用の物は私が持っている物より高価で性能も良い。

以前殿下に「エンヴェリカ嬢が魔道具を研究しているところを見たい」とおっしゃったことがあり、その時に教室を借りてやって見せたことがあるのだけど、だいたいの魔道具は魔法陣構築してそれをを埋め込んだ魔石を剥き出しのままには出来ない。

複雑な魔法陣を構築した魔石であればある程、いくらコーティングしていても剥き出しになるとちょっとした衝撃で魔石が砕けてしまうことがある。

複雑な魔法陣だと、情報量が多いからと言われているからだが、そんなに複雑ではないものはコーティングだけで大丈夫なのもある。

魔道具には防御魔法を施した護身用のペンダントや指輪にしたものがあるが、それが剥き出しでも大丈夫な魔石だ。
それは防御魔法陣を魔石に埋め込んで、魔石強化する為に全体にコーティングして金や白金等で装飾してペンダントや指輪にして常時微量の自分の魔力が魔石に流れ込むようにしていて、もしも魔法や物理で攻撃された時に防御魔法が発動するようになっている。

護身用のものであれば、自分の魔力が常時その魔石に流れ続けているとはいえ、ほんの微量なので魔力が少ない人でも影響のないものだ。

魔石には属性魔法があらがしめ備わった魔石と無属性の魔石とがある。
それと、属性魔法が備わった魔石にも無属性の魔石にもランクがある。

ランクは魔法の純度や元からの硬度などで決まる。
もちろん硬い程良いランクの魔石である。

魔石は鉱山では金や銀、白金、宝石と共に採掘されたり森などで発見される。

その魔石の中でもあらがしめ属性魔法が備わった魔石は無属性の魔石より取れる数が少なく、貴重で高価だ。

鉱山でも取れるらしいが、鉱山では無属性の魔石がほとんどで属性魔法が備わった魔石が取れるのはあまりなく、だいたいギルドによって森で発見されることが多い。
それだけ数が少ないと言える。

例えば調理に必要な火を起こす魔道具は火属性の魔石で作ると魔石に魔法陣を埋め込む必要なく作れる。

それに魔石自体が火属性で、属性を持った魔石は消耗することがなく、人が持っているどんな魔力でも少し流すだけで、魔石の中で火属性となり半永久的に使えるものだが、非常に高価で裕福な貴族でしか購入出来ないものだ。

平民などに一般に流通しているのは無属性の魔石に火属性の魔法陣を埋め込んで作るものだ。

無属性魔法の魔法陣を埋め込んだ魔石は属性魔法が備わった魔石よりは使用して魔力が流れてくる間に摩耗して使用出来なくなると言う。
といっても日常的に使う火を起こす調理器具や水を出して洗濯出来る魔道具等は50年は保つそうだが。

なので、無属性魔石を使用した魔道具の方が安価なのだ。

それに防御魔法の魔法陣はそんなに複雑ではないから例え無属性の魔石であっても簡単には砕けないが、属性魔法が備わった魔石は数が少なく高価だが、より強度が高くなるので、ペンダントや指輪にするにはより最適だと言える。

だが、属性が備わった魔石は貴重で数も少ないのでお父様やお兄様もそうだけど、魔道具を一般的にも流通させるには無属性の魔石を使用することが多い。

複雑な魔法陣を埋め込む必要がある魔道具は無属性の魔石ももちろん全体にコーティングするが、簡単に砕けたりしないように周りを魔法で強度を上げた木製のものや鉄や銅の金属を使って魔石をすべて囲う箱のようなものにして魔石の強度をより上げるのだ。

木製でも魔法の強度をあげるとかなり強くなるが、金属の方が強度を上げやすい。

金属の方が魔法の伝導率が良く強度を上げやすいからだ。
だが、重かったり木製より高価になったりする。

安価で出来てより軽量化出来るのが、木製だが木製を魔法により金属並みに強化するにはかなりの技術が必要だ。

お父様はそれを難なくやってのける。
お兄様もだいぶ上達してお父様にかなり近付いてきているが、私はまだ全然で、強度を上げる為に時間がかかってしまっている。

そこが魔道具研究でかなり時間を食ってしまってる悩みでもある。

その魔石を保護して強度を上げ、尚かつ魔力が通るようにする箱を作るのに魔力を通す道具がいるのだ。

その私が普段使っている道具を見て殿下が驚いた。

「そのような物を使って魔道具を作っているのですか?」

「えっ?お父様もお兄様も昔から同じような物を使っていますよ?」

えっ?何故?と私は首を傾げた。

「えっ?クエスベルト子爵も?それはかなり古式の魔力が通りにくい道具ですよ。
それであれ程の物を作るとはやはり天才なのですね…」

殿下が顎に手を持っていて思案顔になる。

確かにお父様は魔道具に関しては天才だと思う。
お兄様もかなり良い線をいっているけど、お父様まではまだまだいかない。

お父様なら高価なものを使えるだろうに子供の頃から使い慣れたものの方がいいとずっと同じものを使っている。

「お父様はそうだろうと思いますけど、お兄様と私は普通ですよ」

「いやいや、その道具を使って魔道具を作れているのです。
それであれ程の出来ならそんな訳ないはずです」

殿下に言われてそうかしら?と首を傾げていると。

「エンヴェリカ嬢が研究している健康状態を調べる魔道具はこの国の医療を変える画期的なものです。

平行して他の魔道具も研究して作っていますしね?

魔石に埋め込む魔法陣の研究も大事ですが、周りの強度も大事なのではないですか?」

「確かに軽量化もしたいので、木製でもっと強度を上げる必要がありますが、私だとまだかなり時間がかかってしまいますね」

「うむ、時間がかかってしまうけど、出来てしまうと…。

教室の道具を使わせてもらったらどうですか?

教室のものは普段魔道具を作ったことのない生徒向けのもので、自分の魔力も流れていきやすく木製でも強化しやすいと思いますよ。

研究を速やかに進めていくには教室で道具だけを使わせてもらった方がいいのではないですか?

研究中は金属を使ってもいいかもしれませんね。
金属なら私で用意出来ますし。

成功するまでは金属で、成功してから木製などの軽量化などを考えてもいいと思いませんか?

教室にはあらかじめ防御結界も張ってあるからエンヴェリカ嬢の魔力の消費も少なくて済みます。

私が使用許可を取ります」

「ちょ、ちょっと、待って下さい!
そんな特別扱い困ります」

殿下が教室の使用許可を取ってくれておまけに研究用に金属も用意してくれるなんて、そして教室の道具も使っていい。そんな特別扱いしてもらったら本当に困る。

今でも多くの貴族令嬢たちに反感を持たれて睨まれているのに、そんなこと知られたりしたらもっと凄いことになりそう。

それに私の研究に殿下は興味を示してくれているのはわかるし嬉しいけど、何か誤解を生みそうですよ!

今でも殿下とミーナには本当に良くしてもらってる。
実際二人といると、とても楽しい。
私のつまらない魔道具の話ばかりでも興味を持って話をよく聞いてくれるし、いろいろと意見も言ってくれたりしてそれがとても良いヒントになったりしている。

最初は殿下ともミーナとも関わらず、目立たず平穏な学院生活を望んでいたけど今は二人の存在があるから学院生活を楽しく平和に送れていて、とても感謝しているし凄く助けられている。

だからこそ余計にこれ以上殿下とミーナに迷惑をかけたくないと思っている。
それなのに。

「周りのことを気にしているようだけど、そこは大丈夫ですよ。

魔術、魔法の教室はクラスの教室から結構離れているでしょ?授業終わりに他の生徒たちが近付くことはまずないはずです。

授業が終わってから私とエンヴェリカ嬢が行っても知られることはないはずですよ。

それに私には護衛が付いています。
周囲の状況を確認してから移動することが可能ですからね」

いやいや、確かに殿下には護衛も影も付いているでしょうけど、私事で殿下の護衛さんたちを使うなんて!

「私は今まで通り寮の自分の部屋で十分です」

「エンヴェリカ嬢大丈夫です。
他の者たちにわからないように私がするから、私に任せてくれませんか?」

えっとー、今までのお付き合いで殿下は一度こうすると言い出したら聞かないところがおありだ。

こうなったら絶対にやってしまう方だ。

本当は私も研究で教室を使わせてもらえるなら有り難いと思っている。
でもいち子爵令嬢がそこまで特別扱いしてもらってもいいのだろうか?
駄目なんじゃない?と思う。

しかし結局殿下に押し切られる形で、殿下が学院と魔術、魔法担当の先生に許可を取って下さり週に3日授業終わりの3時間教室を使わせてもらうことになった。

たぶん週に3日というのは殿下の都合だと思う。

殿下は王宮でもう政務を熟しておられるらしいので、その合間にお忙しいのに私に付き合ってくれると言うのだ。

申し訳ないと思ったけど、私も教室を使わせてもらうのは魅力的なことなので、つい甘えてしまった。
本当に有り難いお話だ。
 
週に3日授業終わりに教室で研究をした後は殿下が寮の前まで送って下さる。

私は「そこまでして頂くのは本当に申し訳ないから一人で帰ります」と言ったのだけど。

「帰る時にエンヴェリカ嬢を一人にさせるなんて危険なことをさせられないです。
それこそ本末転倒なことですよ」

いくら教室を使っていることが知られなくても殿下に寮の前まで送ってもらったらそれまで一緒にいたと思われる。
教室を使っているいないの話ではないと思うんです。
 
それも言ったのだけど。

「私が毎日常にエンヴェリカ嬢に張り付いてるから今更でしょう?
寮まで着けば安心だろうから送って行くことはもう決まりです」

はい、もう決めてしまわれたのでこれ以上いくらいっても決定は覆らないみたい。

ここまでしてもらっていいんだろうか?と思いながらも、週に3日だけでなく教室が使えない時にも毎日寮の前まで送って下さるようになった。

私は申し訳ない気持ちがあるが、それでもどこか嬉しい胸がトクンとなる気持ちになった。

この胸がトクンとなる気持ちはどこからくるのだろう?
何故だろうと思っていた。


そんな日々が続いた10の月にある事件が起こった。

その日は魔術、魔法教室を使わせてもらって殿下に寮の前まで送ってもらって、殿下にお礼を言ってお別れしてからいつものように寮の門を開けて館の中に入って、部屋に戻る前にいつものように夕食を食べるようと食堂に向かい歩き始めた時に、背後に人の気配を感じて振り向こうとした瞬間、「あっ!…」という声を出したすぐ後に口を何かで塞がれた。

「むぐっ!…んんーっ」

誰?と思ったけど、すぐ力が抜けて身体が前に傾き、視界がグランと揺れた。
 
何とか振り向いた時に黒に近い濃いグレーの髪に琥珀色の瞳が一瞬見えたような気がした。

でもその後、私はすぐに気を失った。













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