地味に見せてる眼鏡魔道具令嬢は王子の溺愛に気付かない

asamurasaki

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四話 もう一人の最注目人物と知り合ってしまってもう平穏どころではありません

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※お詫び※

探知魔法を検知魔法と記載していました。
訂正しております。

申し訳ありません。

☆★☆


ウォンタートル伯爵令嬢、ミーナ様と親しくなったことによって私の目立たず平穏な学院生活という計画はすんなりと終わってしまった。

ミーナ様と仲良くなったということはジョルジュ様とも当然交流が生まれるし、ジョルジュ様もミーナ様だけでなく私にも話しかけてこられるようになった。

この学院で最も注目を集めている第二王子殿下、ジョルジュ様とその婚約者、ミーナ様の内ジョルジュ様とミーナ様と親しくなってしまい、私も注目を集めることになってしまった。


『地味で大きな眼鏡で隠して素顔を晒せない醜女のくせに』
『ダベンサードル辺境伯令息に良く思われたくてミーナ嬢に擦り寄って何て恥知らずなのかしら?』
『寮から通ってる貧乏な田舎貴族が偉そうに』
『Sクラスと言っても中の下の大したことない成績の下位貴族のくせに成績上位で伯爵令嬢のミーナ嬢と仲良くしようなんて何様?』

とか、聞こえるように言われる陰口というか悪口がパワーアップした。

言わせて頂くと、貧乏な田舎貴族と言っていたみたいだけど、クエスベルト子爵領は元々はベルナールド侯爵領だった所を子爵の爵位を賜った時に頂いた領地なんだけどね。

それを言った人はベルナールド侯爵様の領地が田舎と言っていることと同じなんだと気付かないのだろうか?

それに言わないけど寮に入っているとはいえ、クエスベルト子爵家は貧乏ではないのだけどね。

少なくともベルナールド侯爵様に関わることは自分の家の為に言わない方がいいと思うけど。

貴族ならそういうこと自分で少しでも調べてから言うべきだと思う。

まあ今のところ聞こえよがしに悪口を言われるだけで、実害がないから私は大して気にしてないのだけど、正義感が強いミーナ様が自分のことのように怒ってくれて周りを諌めてくれるし、ジョルジュ様もミーナ様だけでなく私のことまで目を光らせるようになって下さってとても有り難いのだけど、それがまた嫉妬の対象になったりしている。

こうなってしまっては私はもう仕方ないと諦めた。

実際ミーナ様と仲良くなってより学院生活が楽しくなって、私がいろいろと言われるくらいは気にしないと決めた。


学院生活が始まって4ヶ月後に16歳で成人となるこの国では国内のすべての16歳になった貴族が家族と共に、王宮でデビュタントの舞踏会に参加することになっっている。
 
お父様、お母様、お兄様、シェリーナお姉様の家族みんなが私のデビュタントの為に王都に来てくれて、家族でデビュタントの舞踏会に参加した。

家族とは学院に入学してから数ヶ月だけど、会えなかったのでやっぱり寂しかったから再会出来たことが嬉しくて家族で抱き合って喜んだ。

お母様は私の為に素敵なデビュタント用の白いドレスを用意して下さった。

この国はデビュタントを迎える貴族令息令嬢は白の意匠と決まっている。

髪型と眼鏡はそのままにして参加した。
お母様もわかってくれてるのか何も言わなかった。

学院で知った顔の令嬢にコソコソと何か言われていたけど、頼もしいお母様始め、家族が側にいてくれたから嬉しいの方が勝っていてまったく気にならなかった。

初めて国王陛下始め王族の方々にご挨拶をさせて頂いたのは凄く緊張したけど、両陛下など皆様が穏やかに私にも声をかけて下さり、緊張の中でもあっという間に終わった感じだった。

ダンスはお兄様と踊った。
通常はお兄様のファーストダンスは婚約者のシェリーナ様なのだけど、婚約者のいない私のデビュタントなので私にファーストダンスを譲ってくれた。

私はデビュタントに参加することが出来なったシェリーナお姉様にお兄様とファーストダンスを踊って欲しいから遠慮してお父様とと思ったのだけど、お母様曰くお父様のダンスは壊滅的に下手で、お母様がリードしないと相手の足を踏みまくるらしい。
だからお父様に私のパートナーはさせられないと言ってお兄様になったのだ。

お兄様とはダンスの授業で踊ったことがあるけど、格段に上達していた。

婚約者のシェリーナお姉様に恥をかかせてはいけないとお母様にスパルタで教えられたのではないだろうか。

私のデビュタントは終始家族で和やかな時間だった。


学院はそのデビュタントの翌日からお休みとなる。
通常は2ヶ月のお休みなのだけど来月には王太子殿下の結婚式があるので、3ヶ月のお休みとなった。
 
その代わり冬のお休みが2ヶ月が1ヶ月となることが決まっている。

これから社交シーズンとなるので、王都に留まる貴族たちが多い中、私たちはすぐ様いったん領地に戻った。 
来月王太子殿下の結婚式があるにも関わらず。
 
そして次の月にまた家族で王都に向かって、王太子殿下の大神殿で行われる結婚式と王宮での披露パーティーに参加させて頂いた。

昨年にベルナールド侯爵、マーロンド様がお忙しいだろうにわざわざ我が領地の邸までお越し頂き、対応したお父様とお母様に「来年の王太子殿下と私の娘の結婚式の式と披露パーティーに出席して欲しい」とおっしゃれたのだ。

その時お父様は「披露パーティーはまあ…でも式は…」と断ろうとしたのを。

「ヘンド何言ってるの!
王太子殿下もそうだけれどマーロンド様のご息女ナターシャ様の式にも披露パーティーにも呼んで頂けるなんてとても光栄なことで有り難いことなのよ!
わざわざマーロンド様がお越し下さってまでお誘いして下さってるのに!
マーロンド様に散々お世話になっているのに恩を仇で返すようなことわたくしは許しませんよ!」

お母様に久方ぶりに叱られて渋々式にも参列させて頂いた。
渋々なのはお父様だけね。
  
お父様とお母様は大神殿の中に入ったことがあるけど、お兄様、シェリーナお姉様、私は初めてで完全にお登りさん状態だった。
  
大神殿は我が領地にある小ぢんまりとした神殿とは比べるまでもなく、大きくて広くて白い外観も中も荘厳で神聖さが一際あるように感じた。

女神セレナ様の天井画も大きくてそれでいて精密でとても美しく、女神セレナ様の像も見たことのない大きさで真っ白でまさに神々しく光り輝いていて、それを見れただけで感動した。

私たち家族は末席で参列させて頂いたのだけど、式の王太子殿下とナターシャ妃殿下はお二人とも絢爛で何だか神がかってるように威厳があり、圧倒された。
これぞ王族なのか!と私は初めて思った。

披露パーティーでの王太子殿下ナターシャ妃殿下は式よりいくらか穏やかなご様子で、お互い見つめ合い微笑み合っていらっしゃるお姿はお互いを思い合っているんだなというのが私にもわかるくらいで、国外からも皇族、王族、各国の重鎮の方々が参加されていたが、終始和やかで素晴らしいパーティーだった。


その後私たち家族はまたすぐに領地に戻って、私はお休みの期間伸び伸びと魔道具研究をしながら過ごした。


3ヶ月のお休みが終わってまた学院生活が始まってから1ヶ月くらい経った日のこと、その日は昼休みにジョルジュ様とミーナ様に一緒に昼食をと誘われたのだけど、私は試してみたいことがありお断りして、一人であまり人が来ない奥まった庭のベンチに座って食堂で選んだサンドイッチをサッと食べてから庭の木々の間をウロウロとし始めた。

12の月になって王都は比較的年中温暖なのだけど、12の月と1の月は結構な寒さだ。

この辺でよく野良ちゃんだと思うけど、可愛い猫ちゃんを数匹見るようになったのよね。

どうしても試してみたかったからこの時期にしたけど、寒いのが苦手は猫ちゃんは現れてくれるだろうか?

入学してからも寮で研究した魔道具を試してみたくて今日はここにやってきた。
入学前に領地にいる頃から1年以上かけて取り組んできた魔道具だ。

学院には結界魔法が張られていて指定の所以外では魔法を使ってはいけないことになっているんだけれど、以前学院にいたお兄様から簡単な人間や生き物に害を及ぼさない魔道具なら許可を取れば学院の庭の目立たない所で試していいことを聞いていたので、1週間前に魔法、魔術担当の先生に許可を申請した。

「本当は指定の室内で試してもらいたいのだけど、エンヴェリカ嬢は真面目に授業を受けているし、魔法、魔術に関しては優秀ですしね。
それにあのクエスベルト子爵の令嬢だからね。
いいでしょう、でも今回だけですよ。
これからは実験する時は専門の教室で行なうようにして下さい。
そうすれば許可も出しやすいです」

と何とかお許しをもらった。

私が試したい魔道具とは小動物の健康状態を調べるというものだ。
それが成功したらいずれは人間の健康状態を調べられるものを作りたいと思っている。

探知魔法の魔法陣を魔石に埋め込むのだけど、生き物の健康状態を知る為の探知魔法陣が、森などで危険がないか探るなどの魔法よりかなり複雑で苦戦をしているのだけど、何とか成功させたい。

探知魔法の中でも医療師様や光属性魔法が使える神官様が使う診察の為の探知魔法はより魔法陣が複雑で高度なものだ。

何とかその探知魔法の魔法陣を描くことは出来るようになった。

その複雑で高度な魔法陣を魔石に埋め込むこともかなり難度が高い。
しっかりと埋め込むことが出来なければ魔石が複雑な魔法陣に耐えれなくて魔石が砕けてしまったり、魔力を通しても上手く発動しなかったりする。

まず自分の身体で生き物の身体に影響がないことを確かめてから、領地にいる時は鼠で試していたのだけど、学院には鼠はいないから猫で試すことにした。

「猫ちゃ~ん、可愛い猫ちゃ~んどこかな?少しだけ協力して欲しいの。
痛かったり、身体に影響とかしないからお願い~出てきて~」

と猫ちゃんに話しかけるようにしながら猫ちゃんを探してると、突き当りの木陰から黒白のブチの可愛い猫ちゃんがひょっこり出てきた。

あっ!声をあげそうになったのを何とか堪える。
猫ちゃんは用心深いからね。

「猫ちゃん可愛いね~」

慎重に用心深く近付いて行く。
ブチ猫ちゃんは愛想の良い猫ちゃんみたいで私がしゃがんで猫ちゃんを見つめると、私の方へトコトコと歩み寄ってきて私の足首に身体を擦り寄せてきてくれた。

「本当に可愛い~」

私は嬉しくなってブチ猫ちゃんの口に自分の手を持って行って匂いを嗅いでもらい大丈夫だよとアピールしてから「大丈夫?」ともう一度確認して、慎重にブチ猫ちゃんの様子を見ながら顎の下や身体を撫でさせてもらう。
毛並みは短いブチ猫ちゃんだけど、野良ちゃんのはずなのにサラサラで気持ちいい~。

「ブチ猫ちゃん大丈夫だからね。
ブチ猫ちゃんは何も感じないはずだし、大事な身体にも影響ないからねぇ、少しだけ協力してくれる?」

とブチ猫ちゃんに聞くと、いいよという合図なのかさらに私の足に身体を擦り寄せてくれた。
それ私の判断だけど、極力音を立てないようにワンピースのポケットの中から魔道具をそうっと取り出して、自分の魔力を流したけど何の反応もない。

魔石が砕けることはなかったけど、ちゃんと魔力が通らなかったのか何の反応もない。

「あー失敗したー!」

小さいけど思わず声に出してしまい、驚いたブチ猫ちやんが飛び跳ねていなくなってしまった。

しまったー!ブチ猫ちゃんびっくりさせて本当に本当にごめんなさいと謝ろうとしたら後から突然少し低めの男性の声が聞こえた。

「どうしたんですか?」

私はその声にびっくりして肩をビクッとさせて恐る恐る振り返る。

そこには長いプラチナブロンドの髪を緩く結んで肩に前側にかけ、金色の瞳をした中性的な人形のように美しいと言われる第二王子殿下が立ってしゃがむ私を見ていた。

えええ、何でこんな所に一人でいるの?

私は慌てて立ち上がり。

「だ、第二王子殿下ごきげんよう」

と焦って混乱しながらもカーテシーをして挨拶をした。

「その手に持っているのは魔道具のようですが、ここで何をしていたのですか?」

あっ!魔道具を見られてしまった。
第二王子殿下は何か私を怪しむような怪訝な表情になっている。

「あ、あのちゃんと許可を取ってます!」

まさかこんな所で会うことはないと思った第二王子殿下と相対してる驚きと怪しまれていることに私は焦って声が上ずってしまう。

「そう、クエスベルト子爵卿の魔道具を持ち出して何をしようとしていたのですか?」

スーッと目を細めた第二王子殿下が冷めた視線で私を見てくる。

私がクエスベルト子爵の娘だと知っているのね。
王族だものね、貴族のことを把握していて当然といえば当然か。

「違います!これは私が開発した魔道具です!」

お父様が開発したものではないことは言っておきたい。
だって失敗してしまったんだもの。
失敗した!って声たぶんさっき聞かれてしまったものね。
お父様の魔道具が失敗したなんて思われたくなくて、それに勝手にお父様の魔道具を持ち出したんではないのだからそこの誤解を解いておきたい。

何?完全に信じてないって顔された。
ちょっと腹が立つんですけど?

「…」

第二王子殿下が無言で私を見据えてくる。
私にそんなもの作れる訳がないって顔してるよね?
本当に心外だわ。
そう思われても仕方ないのかもしれないけど、本当なんだから!

「何なのですか?!私は嘘など言ってません!い、今失敗してしまったからお父様の魔道具だと嘘をつきたくなかったからなんです!」

私は口を尖らせて抗議するように言い放った。

「それは申し訳なかっです。
それでそれはどんな魔道具なんですか?」

表情は冷たい疑ってるような顔のままだけど、殿下にすんなり謝罪されて私は驚いて目を見開く。

「えっ?」

「何に使用する魔道具なのか私に教えてくれませんか?」

第二王子殿下が少し口調を柔らげて、でも金の瞳は何かに警戒しているように鋭く細められたままで聞いてこられた。

「…動物の健康状態を調べるものです」

いろいろと疑われてるから嘘はつきたくなくて正直に答えた。

「動物の健康状態、ですか?」

「そうですよ!いずれは誰でも人間の健康状態も調べられるようにまずは小さい動物から出来るように魔道具を研究しているんです!

先程ブチ猫ちゃんに協力してもらいましたが、もちろんブチ猫ちゃんの身体に何の影響もないことは私が保障します!
大丈夫です!」

言ってしまったけど、私が保障します!って言ってもね…。
信用出来ないのは当然だよね。

それでも私はまだ疑われてると思ってムッした口調になりがら早口で説明した。

第二王子殿下相手に不敬だと思うけど、また腹が立ってるので言い方がキツくなってると思うけど、もう今更だ。

「そうですか、クエスベルト子爵令嬢疑ったり言い方が悪かったですね、すみません。

ところでそれは探知魔法を使ったものかと思うのですが、かなり高度な研究をしているんですね。

それにその魔道具が実現すれば民の為になるのは間違いありません。

国に多大な貢献をしてくれる素晴らしい研究ですね」

先程までの冷たい表情と口調とは一転して少し表情の緩んだ第二王子殿下があらためて謝罪して褒めて下さった。
キラッと輝くような微笑み付きで。 

人の美醜にそれほど興味のない私でも極上の美形と言われる第二王子殿下の微笑みは破壊力があり、私はしばらく呆けてしまった。

ハッと我に返って。

「私こそ無礼な言い方申し訳ありませんでした。

それでは失礼致します」

私は改めて礼をしてから足早にその場を慌てて去った。


あの場だけで、終わりだと思ったのに第二王子殿下はそれから毎朝教室に入ると、私の方までやってきて。

「クエスベルト子爵令嬢おはようございます」

と挨拶してこられるようになった。  

「だ、第二王子殿下おはようごさいます…」

教室の中の視線が痛い程私に刺さってくる。

他に廊下や食堂で会っても第二王子殿下から話しかけてこられるようになった。
 
魔法、魔術の授業ではわざわざ私の席まで来てあれこれと質問されたりする。 
成績トップの殿下が私に何を質問することがあるんですか?

いやいや、待って。
やめてよー。
ジョルジュ様とミーナ様だけでも周りの当たりがキツくなってきてるのにこれで殿下にまで目を付けられたらどんなことになるの?

私はただ挨拶を返すだけ、話しかけられても「はい」「そうですね」という返答だけで、後に会話が続かないように殿下相手に不敬だと思うけど、素っ気ない態度で接するようにした。

魔術、魔法に関する質問に対してはそうですねとはいかないので、表情を変えず淡々と簡潔に答えるのみにしていた。


でもそれがさらに周りに生意気だと思われたみたいで、面と向かって嫌味を言われたり教材を隠されるようになったり、食堂で食事の乗ったトレーを持っている時に足を引っかけられて、転びそうになってトレーの上の食事をガシャンと落としてしまったりと所詮虐められるようになった。

それでもジョルジュ様、ミーナ様そして私が虐められる最大の原因の殿下が私を庇って、特に殿下が正論で令嬢たちに厳しく注意するから表立って虐められることはなくなっていったのだけど、そんな中12の月の末から1ヶ月学院はお休みでお休みが明けてまた学院生活が始まってからは陰湿な虐めへと変化していった。







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