地味に見せてる眼鏡魔道具令嬢は王子の溺愛に気付かない

asamurasaki

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二話 私が地味にして顔を隠すようになった理由とお兄様の婚約者

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本日は本編二話を更新させて頂きますが、明日以降は本編完結まで毎日一話ずつ更新していく予定です。

もし毎日更新出来ない時にはこちらにてお知らせさせて頂きます。

よろしくお願い致します。


★☆☆



私が寮から入学式が行われる講堂に向かって歩いていると、学院にやってきた貴族令嬢たちのコソコソという声が聞こえてくる。

『ちょっとあの地味な方はどなたかしら?』
『会ったことございませんわね。
どこの家の方かしら?』
『寮のある方向から歩いてこられたから下位貴族じゃありませんこと?』
『まあまあいくら下位貴族でも経済的に厳しいのかしら?』
『それとも魔力が高いからと通える平民かしらね?』

クスクスと笑い声も聞こえる。


私は今年にデビュタントを迎える予定ですが、今まで確かに王都に来たのは魔道具の許可や商談などで、お父様が必要に迫られて王都に行く時に二度程ついて行っただけですけどね。

私のことを知らない方は多いでしょうね。
貴族名鑑には当然載ってると思うのですけど。
あら?姿絵が違ったのかな?
どんな姿絵をお父様は提出したのかしら?
提出したのはお父様じゃなくお母様でしょうけど、知らないけどたぶん違うのでしょうね。

そういえば、私は学院入学前にお母様に貴族名鑑を暗記しなさいと渡されたのだけど、自分の家のところはまったく見なかったわ。

私は学院の制服に髪は2つに分けて三つ編みにしたお下げをしていて、重い前髪に顔の大部分を覆うような分厚い黒縁眼鏡をかけている。
私専属侍女のクララにいつも嘆かれるのだけど、私は自分で望んでそのような格好をしている。

先程チラッと見た貴族令嬢たちは学院指定の制服は同じだけど、髪も綺麗に結って華やかな髪飾りやリボンを付けていて、化粧もちゃんとしている。


私も幼い頃はお母様が選んだうちの商会の流行りの可愛らしいドレスを着て華やかな髪飾りやリボンをつけてお洒落をしていたんですよ。
私がしたいというよりはお母様や侍女により着せ替え人形よろしくあれこれといろんなドレスを着せられた。
髪型も可愛くしてくれていました。

私はそれほど興味なかったのだけど、お母様や侍女たちが本当に楽しそうに私にドレスを着せたり、髪型をあれこれと結ってくれたり磨いてくれたりするのでされるがままになっていた。

でもあるきっかけでやめてしまいました。

そのきっかけとは私が9歳の時に我が領地の邸でお茶会をした時に私と同じ歳のヴォンドウェル伯爵令息のオマール様に出会った。

そのお茶会ではほとんどが子爵家、男爵家の下位貴族とクエスベルト商会と取引のある平民の商会子息子女が集まるものだったのだけど、そこに唯一伯爵家令息のオマール様が出席されていました。

後で知ったのだけど、当時ヴォンドウェル伯爵家嫡男のオマール様は婚約者探しをしておられ、あらゆる同年代の令嬢が集まるお茶会に出席しておられたようで、この日も我が家のお茶会の主催者であるお母様にオマール様が出席したい旨をオマール様のお母様からおっしゃってこられ、自分のところより身分が上の伯爵家なのでお茶会の出席くらいならと断らなかったとお母様が言っていた。
 
オマール様はプラチナブロンドの髪に濃い青い瞳をしたまあ美しいお顔をされた爽やかな見た目で、おまけに伯爵家嫡男ですから令嬢たちはそれはそれは色めき立ち大騒ぎしていた。

しかし私は幼い頃から人の美醜についてはわかるけれど、そういったことに一切興味がなくお父様とお兄様同様に魔道具にしか興味がなかったので、何とも思っていなかったのだけど、何故かそのオマール様が私のことを気に入ったようなのです。

お茶会間中、私の行くところ行くところについてきて身体をピッタリと寄せてくるのです。

爽やかな見た目をしておられますが、まだ婚約者でもないのに、その不自然な密着度に何故かネットリしたものを感じて私は不気味に感じた。

オマール様の顔をなるべく見ないようにしていたけど、オマール様が私を見つめる目線に何だか粘着質な気持ち悪いものを感じて、幼いながらに私の背筋がゾッとしたのを覚えている。

私はオマール様を何とか避けたかったのだけど、自分の家の主催のお茶会だしオマール様は伯爵令息、身分も上なのでハッキリと拒絶することが出来なかった。

私はこのお茶会の時だけ我慢すれば終われば開放されると思っていたのだけど、お茶会の数日後にお母様からヴォンドベル伯爵家がオマール様と私のお見合いの席を設けたいとお手紙がきたと言う。

「嫌です!」

私は即答でお母様に拒否する言葉を言った。

通常なら伯爵家から子爵家にお見合いしたいと言われたら断ることは出来ないはずだけど、お父様がベルナールド侯爵様と親友だということと、陛下の覚えも目出度いことを知っていたので、何とかなるのではないかと思い断って欲しいという思いでお母様に拒否の言葉を言いました。

「あらあら、そう言うと思ったわ。
そうねぇ~お父様もわたくしも貴方の結婚は貴方が好きになった方として欲しいと思っているから…ん~お父様とお話してみるわ。
エンヴェは気にしないで。
何とかするから」

「お母様我儘を言ってごめんなさい」

私が謝るとお母様は微笑んで私の頭を撫でながら。

「いいのよ。
何とかなるでしょう」

そう、私は両親のことをちゃんとわかっていたので、即拒否する言葉を言ったのです。

お父様とお母様はお母様がお父様に一目惚れして、お母様が一方的に押せ押せで結ばれた一応恋愛結婚といわれるもの。

侯爵令嬢であるお母様と子爵令息のお父様の結婚は一時期社交界でも話題をさらった程有名らしいのです。

侯爵令嬢であり、見目麗しいお母様には有力な高位貴族令息からの釣り書が山程届いていたのに、そのお母様が選んだのが子爵令息のお父様だったからなのだけど。

でもお母様の両親は娘を溺愛している方で、その娘が絶対この方でないと結婚しません!と啖呵を切ったのと、その時にはお父様が魔道具で功績を上げていたから認められたようです。

なのでお母様は私が望む相手なら身分などには拘らない方ですし、お父様はお兄様や私のことを可愛がってくれていますが、魔道具馬鹿と言われるくらいに魔道具の研究で頭がいっぱいなので、お兄様と私のことは自由にさせてくれる人なのです。

ですので、結果から言うと我が家から失礼にならない理由をつけてお断りしてくれました。
どんな理由だったのか私は知らないのだけれど、その時私はホッとしました。

それでオマール様にはもう会うこともないと思っていたのですけどそうはならず…。

こちらからお見合いをお断りをしたはずなのにオマール様はしょっちゅう我が邸に訪れるようになったのです。
それも先触れもなしにいきなり来てしまう。

いくら身分がうちより上とはいえ先触れもなしにいきなりなど失礼な事なのですけど、こちらも無碍には出来ずオマール様が来られたら私はお会いしていたのです。

やんわりといきなり来られても困りますと来られる度に伝えたのだけど、それでもオマール様は気にしていないのか、やめてくれませんでした。

私はオマール様にまったく興味ありませんし、そのやたらと身体を密着させてきてネットリした雰囲気と自分が見目麗しいことに自信を持っているところが苦手でした。
何なら魔道具の研究の時間が削られることがストレスになっていった。

オマール様は会う度に私の見目のことばかりを褒める。
『君は花が綻ぶように美しい』だの『まるで宝石のような美しい青い瞳』『その薄灰色の髪は光に当たると青く輝いて神秘的だ』『いつも華やかで美しいドレスは君にこそ相応しい』など。

オマール様が私の見目だけに惹かれていることが会っていくうちにわかった。
そしてその私を見つめてくるネットリとした瞳に私は恐怖を感じた。

私はそれなら自分の見目を変えてしまえばいい!と思ったのだ。

そしてお母様や侍女のクララが嘆きましたが、私はドレスを極力肌を出さない地味なものにして、髪を三つ編みのお下げにして前髪をボサッと伸ばし顔の大部分が隠れる大きな黒縁の分厚い眼鏡をかけてオマール様に会うようになった。

私は別に目が悪くないので、分厚い眼鏡だけど度は入っていないしちゃんと見えるように自分で作った。
その頃にはそれくらい出来るようになっていた。

このような格好になった私を見てオマール様は目を大きく見開き、「何故?…何故なんだ?」と大きく落胆されましたがそんなことを繰り返す内に、私にだんだんと興味を失くされていき、邸に来られることがなくなりました。

それでもオマール様にどこで見られているかわからないと、私は外出する時は地味なドレスとやぼったい髪型、大きな黒縁眼鏡でいるようになりました。


そしてそのまま16歳になり貴族学院に入学することになったのです。
もちろん同級生となるオマール様もいるので、私は学院でもその格好のまま入学することにしました。

オマール様は2年程前に王家派の子爵令嬢と婚約したと聞きましたが、今までからオマール様と接してきて、婚約されたからもう大丈夫だろうとは思えなかったので、私は地味な見た目のままでいることにしたのです。


寮から講堂に向かう間に貴族令嬢たちから心ない陰口が聞こえてきましたけど、私はまったく気にしていない。

学院にいる間も魔導具の研究に勤しめると喜んでいるくらいだ。

私はずっと魔導具研究をして生きていきたいと思っているので、ある程度の良い成績を残して将来は魔術研究所に入りたいと思っている。

なので、必要である成績優秀者が入るSクラスに入ったのだけど、下位貴族なのであまりに目立ちたくない。
だから自分で調節してSクラスの中で中間くらいのかそれより少し下の成績になるようにした。

領地はお兄様が後を継ぐので、私がずっと領地に残る訳にはいかない。

家族はお兄様も領地にずっといればいいと言ってくれるけれど、お兄様もお父様譲りの魔導具馬鹿で学院にいる間はお父様のように誰かに見初められることなくそのまま卒業したが、学院を卒業してもまだ婚約者もいないお兄様にお父様とお母様は呑気に婚約者を探すことはなかったのだが、お兄様が20歳になった頃にお父様の親友のベルナールド侯爵様がクエスベルト子爵を継ぐお兄様に婚約者もいないのは問題だとある令嬢を紹介して下さいました。

その方は王家派のペルデジア伯爵家の第一女、シェリーナ・ペルデジア様。
しかし我が邸で行なうことになったお見合いのお茶会に来られたシェリーナお姉様を見てお母様も私も大変驚きました。

シェリーナお姉様はブラウンブロンドの髪に緑色の瞳をされた方ですが、髪は艶なくバサバサで、身体も痩せて枯れ木のようにガリガリ、瞳の色に合わせた緑色のドレスは伯爵令嬢らしく豪華で美しいドレスなのですが、サイズがまったく合っておらずブカブカでした。

本当にシェリーナお姉様のドレスなの?と思いました。

お母様はすぐに何かに気付いたようで、お兄様とのお茶会の前に私とシェリーナお姉様を連れてお母様の部屋に連れて行きました。

そこでお母様はシェリーナお姉様のドレスを脱がせようとします。
シェリーナお姉様は嫌がられましたが、そこはお母様!かなり強引にシェリーナお姉様のドレスを脱がせました。

そこでお母様と私は思わず息を飲んだ。
ドレスの下に隠れていた背中や太もも、お腹などに無数の打撲やたぶん鞭による痣があったのだ。

シェリーナお姉様は家族に虐げられていたのです。
食事も満足に与えてもらえず、別邸の小屋のような所に一人押し込められていたとのこと。
そのことに当主で実のお父様は見て見ぬふり。
シェリーナお姉様のお母様はシェリーナお姉様が幼い頃に亡くなっておられ、その後再婚された後妻である義母とシェリーナお姉様と同じ歳の連れ子義妹に虐待されて、使用人たちからも酷い扱いを受けて貴族学院にも病弱という理由をつけて通わせてもらっていなかったそう。

お母様はそれをシェリーナお姉様から聞き出してすんごく激怒しました。
そしてすぐにシェリーナお姉様を我が家で保護することにした。

他人を家に置く訳にはいかないので、すぐお兄様と正式に婚約してシェリーナお姉様は我が家で一緒に暮らすことになった。

そして1年の間で、シェリーナお姉様はどんどんと元気になられ、確実に体重も増えて痣も綺麗に消えました。 
元々シェリーナお姉様はとても可愛らしい方です。
大きな緑色の瞳に可愛いぷっくりとした唇の可憐なまるでリスのような見目をされています。

これは褒め言葉ですよ。

ただシェリーナお姉様は実のお母様が亡くなって喪が明けてすぐ後妻さんが嫁いできてから、ずっと義母と義妹に暴力を受けて虐げられていた。

「お前は無能で醜い何の役にも立たない穀潰しだ」

とか酷い罵詈雑言も浴びて使用人たちにも同じような扱いをされて生きてきたので、自分に自信を持てないとても引っ込み思案な方でした。

また元々伯爵令嬢ながら魔力が少なかったこともさらに自信を失くした原因だったようです。

「わたくしたちがシェリーナを目一杯愛しましょう。
貴方は愛されるべき存在なのだと教えてあげましょう」

とお母様が言って、我が家にきてからお父様、お母様、お兄様、私や我が家の使用人たちが目一杯甘やかして、愛でて大切に大切にして一緒に暮らしてきました。

お兄様もお父様同様鈍い人だから最初こそ女性として好きという感情ではなかったようだけど、シェリーナお姉様は最初内気で引っ込み思案な方だったけど、だんだんとお兄様とお話するようになり、お兄様のどんな話(ほとんど魔道具のことだけど)にも興味を持って熱心に聞く人で、お兄様が作る魔導具に目を輝かせて、凄い凄いとお兄様を褒めまくっていました。

ちなみにお兄様がシェリーナお姉様に最初にプレゼントした物は防御魔法が発動するペンダントだった。
お姉様の少ない魔力でもまったく問題のないものにしたようだ。
 
その時のシェリーナお姉様は。

「どなたかにプレゼントを頂いたのは幼い時にお母様にもらった形見の指輪以来です」

と感激して涙をボロボロ流して、お兄様を始め私たちは慌ててオロオロしたけど、シェリーナお姉様はとても可愛かった。


またシェリーナお姉様はお兄様や私たちの為にと一生懸命働こうとされる方で、そこまでしなくていいということまでしようとする人。

そのうちシェリーナお姉様の一生懸命なところや心根の優しいところにお兄様は初めて恋というものをしたのです。

今ではお兄様とシェリーナお姉様は両思いの仲の良い婚約者同士です。

お兄様はお父様や私同様魔導具馬鹿で、魔道具が何より一番な人だけど、シェリーナお姉様だけは違っていてシェリーナお姉様をとても大切にして溺愛しております。
私のことも可愛がってくれてますが、シェリーナお姉様に対する愛情と執着は比べるまでもない!という感じです。
2人は今年に結婚する予定です。

シェリーナお姉様をお兄様に紹介したベルナールド侯爵様が、シェリーナお姉様の境遇を偶然知ることになり我が家に話を持ってこられたのは後になってわかったことですが、ベルナールド侯爵様はきっとこうなるとわかってらっしゃったのではないでしょうか。

ベルナールド侯爵様はシェリーナお姉様を救出して、虐待していた義母と義妹そして見て見ぬふりをしていたペルデジア伯爵を裁きました。

ペルデジア伯爵と義母は離縁することになり、義母と義妹は修道院に入れられたとのこと。 

ペルデジア伯爵は男爵に降格して、シェリーナお姉様のお父様の当主は領地の別邸で監視付きの蟹居となりペルデジア男爵はベルナールド侯爵様が探してきた縁戚の男爵令息が後を継ぐことになりました。

恐らくシェリーナお姉様のことを考えてギリギリ貴族のまま留まらせることにしたようです。
 

シェリーナお姉様はとても控えめな方ですが、お母様とも私とも凄く仲が良くて大変働き者のとても良い方。
シェリーナお姉様はお母様に領地のことや商会の経営を教わっていますが、飲み込みが早くとても聡明な方です。
将来はお兄様とシェリーナお姉様に領地と商会を任せていればきっと大丈夫。

シェリーナお姉様も私にいつまでも領地にいて欲しいと言ってくれますが、お兄様とシェリーナお姉様におんぶに抱っこでずっとお世話になるのは心苦しいですし私は自分の夢を実現したいと思っています。

私はちゃんと将来を見据えて行動しようと思っている。


ちなみにオマール様はAクラスで別になったことに安心した。

私はSクラスでいよいよ学院生活のスタートです。





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