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七十一話 アンジェリカ様ってほんとカッコいい方ですわ
しおりを挟むなるほど~三者三様それぞれの事情があり、今の形に収まったってことね。
今アンジェリカ様はジークハルト様にとても愛されているようだし、嫡男となるお子様にも恵まれた。
また女公爵としてジークハルト様にサポートされながら、領地のことや国政に辣腕を振るっているみたいよ。
それからアンジェリカ様は前世の知識を活かしていろんなスィーツを生み出しているけれど、これをまだ流通させていないらしい。
それは同じ転生者である王太子妃エレナ様がいるからなんだって。
エレナ様は頭がお花畑のあまり頭がよろしくない方。
でもエレナ様はそんな方ではあるけど、アカデミー時代に虐めや誘拐未遂事件を自作自演して、自分が虐めや誘拐未遂に遭った時の目撃者として証人なども用意していたのだそうよ。
証言したのはエレナ様に懸想している貴族令息たちのみだったし、いとも簡単にアンジェリカ様たちに看破されたようだけど。
それでも悪知恵を働かせて人を使ってアンジェリカ様たちや他の人たちを陥れようとする小賢しい面も持っている方らしいの。
だからその彼女にアンジェリカ様も転生者であることを知られると、後々厄介なことになるかもしれないから、アンジェリカ様は慎重になっていて自分が生み出したスィーツは公爵家の中と自分が信用しているごく少数、先日のお茶会を開いたメンバーだけに提供しているらしい。
私もそのメンバーに入れてもらって大感激よ!
アンジェリカ様に実はうちの料理長も転生者なんですぅと明かすと、何とスィーツのレシピと材料の入手方法を紙に書いたものを後でくれると言ってくれたのよ!
やったぁ~前世で食べてたスィーツが食べられるー!
それに白玉粉の原料はもち米であんこは小豆でしょ?
だから白米の入手や大豆の入手にも成功していて、そちらの入手方法も教えてくれるんですって!
この世界に日本みたいな国、トーハン王国っていう国があるらしいの!でもその国はこの国から凄く遠くにあって、アンジェリカ様がその国に前世の食材があるのを見つけるまでは国交がなかったらしいの。
それでアンジェリカ様がトーハン王国との国交を結ぶ為に奔走したみたいで、それもここ二年くらい前からで船での流通だから日持ちのするものしか輸入出来ないこともあるし、入ってくる品目も量もまだまだ少ないらしいの。
だから材料入手は大変みたいだけど、アンジェリカ様が私の為に口利きをしてくれるって言ってたくれたの!
本当に有り難い!
アンジェリカ様も味噌や醤油を作り出そうとはしているそうなんだけど、それには麹が必要なんだけど、発酵させたりするのが難しいらしいのよね。
アンジェリカ様はスィーツに関しては詳しいし、ケーキなどの材料は比較的この世界にあったから、元から作り出す必要はなかったらしいの。
だけど味噌や醤油に関する知識はアンジェリカ様もあまりないらしく、料理人たちと協力しているらしいけど、味噌や醤油はまだ作れていないそうなの。
味噌や醤油はトーハン王国にあるらしいのだけど、また輸入品目には入っていないんだって!
まずは日持ちがしてこの国の人たちにも受け入れられやすいものからにしているんだって。
私もそういう知識ないわ~私全然頼りにならないな…。
でもうちの料理長ランディスにも相談して、これからアンジェリカ様と情報交換していきましょってことになったのよ。
ランディスも前世に料理をしていた人じゃないから、料理に関しては私たちと同じくらいかそれ以上に知らないと思うのだけどね。
でも私たちが知恵を出し合えば何とかなるわよね!
それから私のことはいつ前世の記憶が戻ったかとか、前世どんな人生だったとか、記憶が戻ってからのことアンジェリカ様に掻い摘んで話したわ。
私が私のことよりアンジェリカ様の話の方が興味アリアリだったから、私が次々から質問していったからなんだけど。
今後皆様とも二人きりでまたお茶会して今度はベレッタ様の詳しいお話聞かせてね!また絶対お茶会しましょうね!ってアンジェリカ様が力強く言ってくれたから良かった~めさ嬉しい!
私もだけどアンジェリカ様も前世の話し足りないって感じだったもの。
あっ、それとアンジェリカ様はジークハルト様だけには婚約してから前世のことを話したんだって。
ジークハルト様はビックリはしていたけど、すんなりと受け入れてくれたらしいのよ。
ジークハルト様も懐の深い素敵な方なんだろうな。
アンジェリカ様がジークハルト様は昨日から仕事で領地に行っていていないけど、来月の夜会までにぜひ会って欲しいって言ってもらったの。
とても楽しみだわ~。
それからアンジェリカ様のお子様のキャスバル様にも会わせてもらったのよ。
今三歳らしいのだけど、ジークハルト様もプラチナブロンドの髪をしているらしいんだけど、キャスバル様はアンジェリカ様のプラチナブロンドの髪をそのまま受け継いでて、瞳はキラッキラッのエメラルドみたいな翠眼でジークハルト様の色らしいんだけど、大きな目の天使がここにもいたのよ。
「はじめまちてキャスバル・レノバングリーです」
ってちゃんとしっかり挨拶してくれて、もう聡明されに溢れていてキリッとしていて美しくてヤバいくらい可愛いくて、私悶えてしまったわ。
お子様の名を聞いた時にキャスバル様といえばあの有名な方のご尊名ではないの?!とアンジェリカ様を見たら、ニヤッとしていたから絶対そう!
「ベレッタ様のお子様のラファエル様も今度ぜひお連れになって。
ぜひお会いしたいわ、キャスも絶対喜ぶもの」
とアンジェリカ様が言ってくれて、「もちろんです!」と食い気味に私答えちゃったわ!
アンジェリカ様とのお茶会は最初の不安なんて吹っ飛んで、すっごくすっごく楽しかった。
ぜひまたお会いしたい!
今から邸に帰ってランディスに前世の食材の入手方法がわかったって教えるのが楽しみよ~。
ランディスもきっと大喜びしてくれるわね!
まずはお米が欲しい!たまごかけご飯が食べたい。
私は帰り道の馬車の中でも終始ご機嫌でテンション高かったわ。
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