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五十九話 家庭教師様と叔母様 ③
しおりを挟むメリアンナ様がニッコリと美しく笑うのを見て、本当に美しくて私は顔が赤くなってしまった。
女性相手にと思うけど、本当に見惚れるほど美しいんだもの。
「あら、わたくしの姪っ子がメリを見て顔を赤くしているわ!」
叔母が楽しそうに笑う。
「えっ?…あの、夫人いえメリアンナ様があまりに美しくて…」
「あら、ほほっ嬉しいことを仰って下さいますね、ベレッタ様。
このようにウテナもわたくしも普段はこんな感じなのですよ。
わたくしはウテナによく貴方様のお話をよく聞いておりましたの。
ですからお会い出来るのをとても楽しみにしておりましたのよ。
もちろんこれからわたくしは貴方様の家庭教師となりますから、教育はビシバシと厳しくさせて頂きますけれど、普段は気軽に接して頂きたいと思っておりますの」
メリアンナ様がまたこれでもかと美しく笑った。
本当に美しくて可愛いわ!こりゃ旦那様もメロメロだろうね!
「メリアンナ様ありがとうございます。
あの、領地でいろんなことがありこちらに来るのが遅くなってしまい申し訳ありませんが、これから精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します」
私はそう言って頭を下げた。
「ええ、三ヶ月程しかありませんからわたくしも出来るだけ時間を作りますから、頑張りましょうね」
「はい!」
メリアンナ様の言葉に私は笑顔で返事する。
「ああ~メリはいいわね~。
わたくしの姪っ子のベレッタ様としょっちゅう会えるんだから」
「いいでしょう?わたくしが先にベレッタ様とお友達になるわよ」
叔母が心底羨ましいって顔で言うと、メリアンナ様が私と友達になると言ってくれた!凄く嬉しい!
「メリアンナ様とても嬉しいですわ、ありがとうございます。
えっと叔母様も遠慮せずぜひ遊びに来て下さいませ。
叔父様にも家に遊びに来てお子様に会って欲しいと言って頂きまさたので、お邪魔してもよろしいでしょうか?」
「もちろんよ!やっぱり姪っ子からの叔母様はいいわね!それでお願いしますわ。
それからぜひわたくしの子供たちに会って欲しいですわ。
上の息子は7歳、下の娘は2歳になりましたの。
上も下もとてもやんちゃなんですけれど」
叔母様がお子様を思い浮かべたのか、とても優しく笑う。
「ええ、では叔母様と呼ばせて頂きますわ。
それからぜひ息子のラファエルとも叔母様にもお子様にも会って頂きたいですわ。
あっ、そうですわ!メリアンナ様は三人のお子様がいらっしるとか…まだ幼いようですし、お家のことでもお忙しいでしょうから無理のない範囲で結構ですので、よろしくお願い致します」
私はあらためてメリアンナ様に頭を下げた。
「ベレッタ様ご配慮感謝致しますわ。
確かに上は8歳下は3歳でまだ幼いですわ。
ですけれど、主人のキーファも賛成してくれていますし、協力的ですの。
それに使用人もいますからその辺はご心配なく」
「そうですわよ~ベレッタ様メリの旦那様のキーファ様はメリに惚れて惚れて押せ押せでメリと結婚して、今もメリにゾッコンだからその辺は大丈夫だと思いますわ」
叔母がニッコリとしてメリアンナ様を見ると、メリアンナ様が顔を赤くして照れている。
そうなのか~メリアンナ様の旦那様は今も奥様にゾッコンなのね、素敵!
「もぉ、ウテナわたくしの旦那様のことはその辺で。
わたくしはもちろん無理はしませんけれど、うちのお義母様も今はお義父様と王都と領地を行き来しながら、いろいろと協力して下さっているから大丈夫ですから安心なさって」
メリアンナ様が照れながらもキッパリと言ってくれたの。
「はい!承知致しました」
「ええ、うちもベレッタ様の邸から近いところにあるからぜひうちにも遊びに来て子供たちに会ってもらいたいですわ」
メリアンナ様が言ってくれたことに私は嬉しくなる。
「本当ですか!とても嬉しいですわ。
ぜひお子様にお会いしたいですわ」
「ベレッタ様は本当にお子様がお好きなのね。
ラファエル様がお生まれになって変わらないとと思われたとトニオから聞きましたけれど、本当だったのね」
叔母がニコニコと爽やかに笑う。
「はい!わたくしラファエルの為なら何でも出来ますわ!」
本当に私はラファエルの為なら何でも出来るわ。
「そうよねぇ~わたくしも自分の子が生まれた時にこの子の為なら何でも出来ると思いましたわ」
メリアンナ様がお子様たちの顔を思い浮かべているのか、眩しいほどの美しい微笑みを浮かべる。
叔母はうんうんと頷いている。
そうよね~母親は自分の子を目に入れて以上に愛しく思うものよね。
中には違う人もいるかもだろうけれど、自分がお腹を痛めて産んだ子は何にも変えられない存在よね。
それから一頻り自分の子供たちの話で盛り上がった。
お二人とも自分の子供たちがどれほど大事なのか、話を聞いているだけでよくわかる。
お二人のそういう面を見ているだけで、この人たちは大丈夫だと思えた。
帰りにメリアンナ様と叔母にラファエルに会ってもらった。
「まあ、侯爵閣下によく似た美しい子ですこと」
と言いながらメリアンナ様はラファエルを抱っこしてくれて。
「きゃあ~何て可愛いの!これは天使だわ!天使がここにいる!」
と叔母ははしゃいでラファエルを抱っこして頬擦りしていた。
ラファエルも終始ご機嫌だったわよ。
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