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番外編
パトリシアの人生 6 最終話
しおりを挟むここで目覚めてから何日経ったんだろう?
日に三度食事が運ばれてくるから1日経ったことはわかるはずなのに、だんだんと何日経ったかわからなくなってきたわ。
湯浴みも全然出来ていない。
着替えも全然用意してくれなくて、ずっと同じドレス、下着を着ている。
三度目の食事の時に水の入った大きいボウルみたいなのとボロキレみたいな布地を一緒に置いていかれるからそれで身体を拭くだけ。
最初はこんな誰もいないとこでも誰かに見られるんじゃないかと恥ずかしかったけど、今はそんなことを言ってられないって感じ。
だって体のあらゆるところが痒いんだもの。
匂いはもう嗅覚が麻痺してしまったのか、あまり感じなくなってしまった。
当然化粧品も香油もないから肌も髪も乾燥して肌はカサカサ髪はバシバシになってしまってる。
全然湯浴み出来てないから髪も洗えてないので、油でベットリしそうなのに乾燥して指で梳かそうとしても何回も引っ掛かってしまう。
こんなにすぐにこれだけ乾燥するものかしら?
肌が痒くなってきて寝てる間に引っ掻いてしまったのか、腕や足に引っ掻き傷が出来てる。
本当にもう嫌だ!
「誰か?誰か助けて!」
「もう嫌よぉ~」
「誰かここから連れ出してよぉ~」
ずっとアルやお父様を呼んで欲しい。
助けて欲しいって言ってるのに、無言で食事を運んでくる男以外誰も来ないから、この薄暗い牢屋にずっといると絶対許さないという怒りよりも不安と怖さの方が大きくなってきて、そして疲れから声を出すのもしんどくなってきたけど、静かだと余計不安になって怖くなるから、ペタリと座り込みながら何とか声を出して助けを求めていたら、奥の方からカツンカツンと靴音が聞こえてきた。
まだ食事の時間じゃないし明らかに足音が違う。
誰か来たんだわ。
アルかお父様に会わせてもらってちゃんと話せばわかってもらえるはずよ。
でも何度もお願いしてるのに、アルもお父様も来てくれないのよ。
もしかしてアルとお父様に知らされていないんじゃないの?
今頃一生懸命探してくれてるかもしれないわ。
絶対そうよ!
私をここに閉じ込めているのは誰なの?
あの女、あの女の仕業なの?
あの女なんだわ!本当許せない!
まだ薄暗くて顔が見えないんだけど、日に三度食事を持ってくる男じゃなかったら誰なの?助けに来てくれた人?
「だ、誰?誰なの?
どうして私はこんなとこにいなきゃいけないの?」
「ねえ、話を聞いて!アルとアル様と話をさせてって何度も言ってるじゃない!」
とその靴音の主に訴える。
私が話しかけているのに何も言ってくれなくて苛立ってきた時に、薄暗い中にぼんやりと顔が見えた!
藍色の髪に金色の瞳!
アル!間違いなくアルだわ!
アルが来てくれた。
「やあ、ジェンバーネット伯爵令嬢」
アルは私から少し離れたところに立って、微笑んで声をかけてくれた。
やっとアルに会えた!
やっぱりアルが私を助けに来てくれたんだわと思った。
私が自分の部屋で気を失って倒れて気が付いたらここにいた、訳がわからないです。
私は何もしていない無実ですとアルに訴えると。
アルはどこの部屋でだ?と聞いてきた。
私は自分の部屋に決まっています。
薬を盛られたのか急に眠気に襲われてそのまま倒れてしまったんです。
って言ったのに、クライファートの部屋だと聞いているがとアルが言うのよ。
私は違うナターシャが私に無実の罪を着せようしている、アルに私の話をちゃんと聞いて下さいと必死に訴える。
それから私はあの女、ナターシャの妄言だと言ってるのに、アルはその場にいなかったはずなのに私があの女に言ったことも全部知っていた。
あれ?あの女とボンクラたちは私が記憶を消して眠らせたんじゃなかったっけ?
どうしてアルは私が言ったことを全部自分が聞いたかのように詳しいんだろ?
それでも私はあの女から聞いたことなんだと思って、あの女が嘘をついている!
私は王宮で嫌がらせをされていた。
あの女の指示ではないかと言うと、何故すぐに仕えてる侍女に言わなかったのだ、そなたに仕える侍女と護衛を指名したのは私だ。
ナターシャはには知らせていないから誰が仕えていたか知らないはずだと言う。
私は自分に仕えていた侍女たちがあの女の指示で私に嫌がらせをしていたと思って言えなかったと言い訳をしたけど、アルが私の逃げ道をどんどん塞いでいくように事実を積み上げてくる。
私はどんどん苦しくなって言うことがなくなってくる。
でもここで認める訳にはいかないわ!
そんなことになったら私はアルの側妃になるどころかすべてを失ってしまう。
なのにアルがラスボスの乳母と侍女に私が言った言葉を乳母たちからの証言だと言うの。
そこで乳母たちは私が記憶を消して眠らせたのではなく、眠らせたのはダベンサードル辺境伯のスペンサーだって言った。
だから記憶など消されていないって。
私の行動はタベンサードル辺境伯のスペンサーとジョルジュがずっと監視してたと言うの。
そしてアルには私の魅了など効いてなかったと言う。
アルに『ただそなたの不快な魔力を感じただけだ』とも言われた。
アニメでは私の魔力を優しく暖かい日だまりようで好きだと言ってくれたアルが…
私の魔法が効かなかったってことなの?
嘘よ!私はこの世界に選ばれた特別な人間なのよ。
転移のことも影響のない所へしか転移出来ないようにしていたと言われ、私は思わず地下神殿には何故か行けなかったと口を滑らせてしまった。
それでアルは私が地下神殿に入れるはずないと冷たい瞳で言ってきたので悲しいのと悔しいので、私は頭の中にあるところはどこへでも転移出来るのだと、秘宝の後継者の儀式を行なうの私よ!と叫ぶように私は言った。
アルはそれでクライファートの部屋に転移したのか?と聞いてきた。
私は次の言葉が出てこなかった。
するとアルがアルとあの女が15歳の時にすでに秘宝の後継者の儀式は済ませているという信じられないことを言ってきた。
嘘!もうそんな時から続編と違ったの?
信じられない!
私が全部あの女が奪ったのだと一人言のように呟くと。
するとアルは突き刺すような冷たい瞳で私を睨んできて、ナターシャを侮辱したと、そしてあの女に土下座をさせたこともラスボスを殺してあの女に罪を着せようとしてたことも全部アルの口から暴露された。
アルの冷たい視線が刺さって怖くて身体が震える。
そして私の魅了の力でアルを慰めて落として、私が王太子妃いずれは王妃になると言っていたことも知っていて、私の妻はナターシャだけで王太子妃も王妃もナターシャ以外は考えられない、お前など金輪際会いたくないとハッキリ言われてしまった。
私はどうしてこんなに思い通りにならないの?
大好きなアルにそこまで言われて悲し過ぎて涙が出てくる。
心が折れそうになるけど、このままだと私処刑されてしまう。
何とかしなくちゃと思って、効かないと言われたけど、もう一度魅了を使ってみようとアルに私を見てと言った。
アルが無表情で少し私に近付いてきた。
アルの表情を見て挫けそうになったけど、もう一度魅了をかけてみる。
そして私はアルのことが好きだって王太子妃に相応しいのは私ですよねと言ったら。
「90を過ぎた老婆に王太子妃は務まらないと思うが」
と言われた。
は?90を過ぎた老婆?アルはいったい何を言ってるの?
私は変わってないわ!
美しいパトリシアのままよ!
湯浴みも出来てないし、化粧品も香油もないから少しばかり肌がカサカサして髪に艶もないけど、元通りの生活に戻ればすぐに今までの美しさが戻るはずよ。
私はアルの好きだったヒロインのメリッサに良く似たブロンドに翠眼の美しく可愛い女性でしょ!と言うと。
アルは私は3歳の頃からナターシャ以外愛したことはない。
メリッサはもういないと言ったのよ。
えっ?ヒロインがいないって?この世界は続編の世界じゃないの?
もう最初からバグっていたの?
訳がわからなくなってきた。
それでも私が老婆になってるなんて信じられるはずがない。
アルに私はラスボスにほとんど魔力を吸い取られたんだ、覚えてないのか?って言われた。
魔力を吸い取られたなんて何よ!それ!
覚えてないしそんなことある訳ないじゃない。
今までと変わらないと言うなら今すぐ立ってみよ!とアルに言われて立とうとしたら足に力が入らず尻もちをついてしまった。
えっ?どういうこ?何が起こっているの?と思っていたら。
アルに「鏡を見てみよ」と言われて檻の中に鏡を置かれた。
手渡してもくれないことに悲しくなる。
尻もちをついていたのを何とか前屈みの態勢になり鏡を手に取り自分の顔を覗き込んだ。
「ぎゃああああー」
と悲鳴を上げて鏡を放り投げた。
鏡の中には皺くちゃで目も窪んだ元の私など見る影もない老婆が鏡に映った。
アル酷い!
ここに来てから鏡を見れてないけど、それでも身体を拭いたりしてた時の私の身体はいつもの張りのある美しい身体だったわ。
アルが私に幻覚を見せていると私は言ったのだけど、覚えていないのか?お前はクライファートにほとんどの魔力を吸い取られて90過ぎの老婆になったのだと言われた。
私が気付かなかったのは私に認識阻害の魔法がかけられていたからで、渡された鏡はかけられた魔法を解くものだと言われた。
嘘よ!そんなこと信じれないと思ったけど、アルにその皺くちゃの腕を見てみろと言われて自分の腕を見たら皺くちゃの骨だけの腕が見えた。
嘘!嘘!嘘!嘘よぉ!
こんなの信じられない。
どうしてどうしてよぉ?
違うわよね?何かの間違いよ!
嫌よ!こんな皺くちゃな顔と身体なんて私じゃないわ!
元に戻してよ!
私は泣きながらアルに訴えるけど、アルは表情を変えずまったく取り合ってくれない。
涙がボロボロ出てきて止まらない。
アルが90過ぎた老婆を処刑するのは忍びないから王都の街に下ろすから好きに生きろと言ってきた。
嫌!嫌よ!こんな身体で王都の街でどうやって生きていけばいいの?
元に戻るんでしょ?
待って!元に戻してよ!お願いよ!
助けてって言ってるのにアルは人を呼んで私を馬車に乗せて王都の街で下ろしてこい!と無情な命令をした。
アルが指示を出すと何人かの男たちがやってきて、私は檻の鍵を開けた男に担がれるようにして運ばれる。
逃れよう暴れようとしても身体が痛くてちゃんと動かない。
助けて!助けて!って言っても誰も何も言わずに階段を上って行く。
外に出たら夜だった。
まだ暖かい季節のはずなのにとても寒くて何だか肌が軋むように痛い。
幻覚を見せられているんじゃなくて私は本当に90過ぎの老婆になってしまったの?
そんなの信じられない。
どんなに泣いて助けてと言っても王宮を出たところで馬車に乗せられる。
「街じゃなくてジェンバーネット伯爵の邸まで送ってよ!お願い」
と私は馬車に乗りながら叫び続けた。
王都のタウンハウスに帰れば侍女や使用人がいる。
もしかしたらお父様も帰ってるかもしれない。
そしたら助けてもらえる。
ラスボスに吸い取られてしまった魔力もお父様とお母様ならきっと何とかしてくれる。
お父様もお母様も私を一番可愛がってくれてるんだから。
それからどれくらい馬車に乗っていたんだろう?
馬車がゆっくりと止まる。
馬車の扉が開いたら外に2人の男が立っていた。
「い、嫌!助けて!助けてよ!
お願い、せめてジェンバーネット伯爵家の前で下ろして」
とお願いしたのに男にまた担がれるように抱えられて外に出されて、街道の端で下ろされた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
私が男に向かって叫ぶ。
すると男はニヤッと嫌な笑みを浮かべる。
「婆さん1つ教えといてやる。
ジェンバーネット伯爵家なんてもうないんだよ、お前のせいでな。
じゃあな!誰か親切な人に拾ってもらえるといいな。
例え拾ってもらえたとしてもどれくらい生きれるかな?」
「えっ?」
男はそれだけ言ってさっさと馬車に乗って去ってしまった。
ジェンバーネット伯爵家なんてもうない?私のせい?
どういうこと?
どうしてジェンバーネット伯爵家がもうないの?
お父様、お母様、お姉様たちはどうなったの?どこにいるの?
嘘よ!お父様は王宮か王都のタウンハウスにいるはずよ。
お母様とお姉様とお姉様の旦那は領地にいるはず。
誰か誰かに王都のタウンハウスに連れて行ってもらおう。
夜だからあまり人通りは多くないけど、チラホラ人が歩いている。
「ねえ?そこの人、私はジェンバーネット伯爵令嬢なの。
王都の邸に連れて行ってくれない?
邸に着いたらお礼するから」
私は側を通りかかった壮年の平民だろう男を見上げて声をかける。
「はあ?婆さん何イカれたこと言ってんだよ。
平民がお貴族様の名を騙ったらその場で首撥ねられんぞ!」
男が馬鹿にしたように私を見下ろしてくる。
「騙ってなんかいないわ!
邸に連れて行ってくれたら本当のことだってわかるからねえお願い!
連れて行って」
「婆さんヤバいな!ババァのくせにピンクのドレスなんか着て!
どこで拾ったか知らねぇけど、そんな泥だらけのドレス着てもお貴族様には到底見えないぜ!
話ならねぇ」
フンッと鼻を鳴らして歩いて行ってしまった。
それから何人もの平民に声をかけたけど、無視されたり鼻で笑われて誰も相手にしてくれない。
仕方なく立って歩いて辻馬車が走っている所へ行こうとするけど、腰とかあちこち痛くて動けない。
アルが言ってたけど、ラスボスが私の魔力のほとんどを吸い取ってしまったって本当なの?
それでこんな姿になってしまったの?
あのラスボスは凄いチートであらゆる魔法を自由自在に操って世界を滅亡させるくらいの力を持っていたけど、人の魔力を吸い取るなんてアニメでは見たことないわ。
それにラスボスはまだ生まれて1年も経ってない赤ちゃんよ。
そんなこと出来るの?
ラスボスを短剣で刺そうとしてからの記憶がないからわからないけど、本当にそんなことがあったの?
私が老婆になってしまったことは街で歩いている平民たちに婆さんって言われてるから本当なんだ。
ジェンバーネット伯爵の王都のタウンハウスに連れて行ってって言っても誰も相手にしてくれないし、私はこれからどうすればいいの?
元に戻れないの?
老婆のままなんて嫌よ。
元の美して可愛いパトリシアに早く戻りたい。
その為には早くお父様の元に戻らないと。
でも馬車に乗せて私を運んできた男が私のせいでもうジェンバーネット伯爵はないって言ってたわ。
本当なの?
じゃあお父様やお母様たちはどこへ行ったの?
ねぇ誰か誰か助けてよ!
私を元に戻してよ!
それから朝になって、パトリシアが道端で倒れているところを平民の中年女性が憐れに思って、王都にある教会へと連れて行った。
パトリシアは教会に保護されたが、もう体力も大して残っていなく起き上がることが出来ず寝たきりになった。
そして保護されて2週間程して息を引き取った。
喋れる間はずっと「私はジェンバーネット伯爵家の息女パトリシアよ。
アルの側妃になっていずれは王太子妃に王妃になるのよ」とブツブツと言い続けていたらしい。
看護をしていたシスターたちは狂った老婆だと思っていたが、ちゃんと最期を看取ってくれたのだった。
END
☆★☆
読んで下さってありがとうございました。
『あれ?まだ強制力ありますの!?』のパトリシアside完結でございます。
パトリシアの前世どんな女性にしようかと思いましたが、地味で大人しくなかなか人に話しかけられない女性にしました。
でも学生時代大人しくて目立たなかった人が結婚してお金持ちになったりして、人が変わってしまう人っていますよね?
人生開けて明るくなる人は良い事だと思うですけど、そうじゃなくて自分は勝ち組とばかりに周りを馬鹿にするようになる人。
パトリシアの中の人はパトリシアになってから変に自信を持って後者になってしまったというイメージプラス自分が悪いことをしているのに悪いのは相手だと思う逆恨み性質を持ってる女性で書きました。
それと書いていませんでしたが、パトリシアはクライファートにほとんど魔力を吸い取られて身体も内蔵などの中身も90過ぎの老婆になったけど、頭は元のままだったということです。
後付けで書いてすみません!
今後の予定としましては只今セントバーナルとエンヴェリカの短編準備中でございます。
こちらでクリスフォードとヴァネッサの話やレオとクライファの話、王女アマリアの話などを書いていきながらまずはセントバーナルの短編からスタートさせていきたいと思っております。
いつもありがとうございます!
よろしくお願い致します!
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