87 / 96
八十六話
しおりを挟む「…リゼットよ、そういえば我のことをまた様を付けておるが普段も呼び捨てで呼んで欲しいのだ」
あれ?シリウス様が私の笑顔が…って言ってたけど、話が変わってしまった。誤魔化された?
「あ、はい…シリウス?」
「っ!…」
???また私の笑顔がの時と同じ反応だ。
「シリウス?どうかしましたか?」
「…あっ、いや…何だか…胸がドキドキとするのだ…それから身体が燃えるように熱くなってきている」
シリウス様が顔を赤らめる。
そんなシリウス様を見てると私まで顔に熱が集まってきた。
「…これが欲情というものか…リゼットと愛し合ってから今までとは違うのだ。
我はリゼットの顔を見るだけで欲情している」
「っ!!…」
シリウス様のあまりのストレートな言葉に私は言葉を失う。
「リゼットよ我はそなたと同じくらいの寿命になり、そなたとの子を望めるかもしれなくなったのだ。
…我とリゼットの子が欲しいという訳では…いや欲しい欲しいのだが、それだけでなく…我は今猛烈にリゼットと愛し合いたいのだ…良いか?」
「うっ!…」
シリウス様のどこか焦りながら早口でストレートな物言いに私は心臓が飛び出しそうな程煩く鳴り、顔がこれでもかとほてる。
「リゼット駄目だろうか?」
「…いえ、そんなことありません。
私もシリウスと愛し合いたいと思っています…猛烈に…」
凄く恥ずかしいけど、私は自分の正直な気持ちを伝えた。
ちゃんと伝えないと今のシリウス様は私の思念が伝わってこなくなったと言っていたもの。
もし否定するようなことを言ったらシリウス様はとても素直な方だからそのままを受け取って、何もしてこないと思う。
私もシリウス様と愛し合いたいと望んでいるのだから、正直に言ったのだ。
「リゼット愛している!」
「私もシリウスを愛いしています」
「っ!…リゼットベッドに運んでもよいか?」
シリウス様が頬をさらに赤らめて息を少し上げて聞いてきた。
「はい」
私が頷いた後シリウス様は私を抱き上げて足早にベッドまで運び、ゆっくりと私を押し倒した。
シリウス様が私の頬を自分の手で触れてからその美貌を近づけてきた。
私が目を閉じるとフニッと柔らかく温かいシリウス様の唇の感触がした。
私はそれだけで下腹部がキュンッとなる。
シリウス様のキスは最初に触れる時だけの恐る恐るとしたものだったが、すぐに深く激しいものへと変わった。
まるで食べられてしまうのではないかというくらいにシリウス様の唇で私の唇をハムハムと食んだり吸い付いてきたりする。
そのうちシリウス様が舌で私の唇を形を確かめるように舐めてきたので、私がたどたどしく口を開けるとすぐにシリウス様の舌が入り込んできた。
私はシリウス様の長い舌に翻弄される。
私の舌に絡み付いてきたり息を吸って吸い付いたり、口の中を舌で舐め尽くされる。
それがとても気持ち良い、キスって気持ち良いんだなと思いながらも私は鼻で息をしながら必死についていこうとするけど、だんだんと息苦しくなってきた。
私が苦しくなって離れようとしても頭の下はベッドだし、両頬を手で押さえられている状態で固定されて離れることが出来ない。
私は息苦しさにとうとう我慢出来ずシリウス様の肩をトントンと叩くと、ようやくシリウス様の唇が離れていく。
お互いの唇の間に銀の糸がツゥーッと広がりプツリと切れる様をボーッと見つめる。
「…リゼット」
シリウス様の熱を孕んだ声にドキッとして彼の赤と金の瞳を覗くように見つめる。
「…シリウス…」
「リゼット!」
シリウス様が私の耳に吸い付いてきて、中に舌を差し込んで舐められる。
「ひゃっ!…」
私の驚いた声にシリウス様は気にすることなく、耳の穴を丹念に舐めていく。
私は耳の穴で…と思いながらも確かに気持ち良さを感じて「はぁ~」と甘い声が漏れた。
「リゼット愛している、可愛い」
とシリウス様が言いながら首筋を舐めて私のドレスを脱がしにかかる。
そこで私もと思いシリウス様のフロックコートに手をかける。
シリウス様は私が脱がしやすいように身体をひねってくれたから、フロックコートはすんなりと脱げた。
それからシリウス様のシャツのボタンを外そうとするのだけど、手が震えてしまって、全然上手くいかない。
私のドレスはすでに上半身からなくなっていて、足に僅かに絡みついている状態になっている。
恥ずかしさとなかなかボタンが外せない焦りでどうしよう?という気持ちで恐る恐るシリウス様を見ると、色気を孕んだ濡れた瞳で私を見つめていた。
私はドクンッと心臓が鳴り下腹部がトロッと溢れてくるのを感じた。
26
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
ハズレ令嬢の私を腹黒貴公子が毎夜求めて離さない
扇 レンナ
恋愛
旧題:買われた娘は毎晩飛ぶほど愛されています!?
セレニアは由緒あるライアンズ侯爵家の次女。
姉アビゲイルは才色兼備と称され、周囲からの期待を一身に受けてきたものの、セレニアは実の両親からも放置気味。将来に期待されることなどなかった。
だが、そんな日々が変わったのは父親が投資詐欺に引っ掛かり多額の借金を作ってきたことがきっかけだった。
――このままでは、アビゲイルの将来が危うい。
そう思った父はセレニアに「成金男爵家に嫁いで来い」と命じた。曰く、相手の男爵家は爵位が上の貴族とのつながりを求めていると。コネをつなぐ代わりに借金を肩代わりしてもらうと。
その結果、セレニアは新進気鋭の男爵家メイウェザー家の若き当主ジュードと結婚することになる。
ジュードは一代で巨大な富を築き爵位を買った男性。セレニアは彼を仕事人間だとイメージしたものの、実際のジュードはほんわかとした真逆のタイプ。しかし、彼が求めているのは所詮コネ。
そう決めつけ、セレニアはジュードとかかわる際は一線を引こうとしていたのだが、彼はセレニアを強く求め毎日のように抱いてくる。
しかも、彼との行為はいつも一度では済まず、セレニアは毎晩のように意識が飛ぶほど愛されてしまって――……!?
おっとりとした絶倫実業家と見放されてきた令嬢の新婚ラブ!
◇hotランキング 3位ありがとうございます!
――
◇掲載先→アルファポリス(先行公開)、ムーンライトノベルズ
【R18】お飾りの妻だったのに、冷徹な辺境伯のアレをギンギンに勃たせたところ溺愛妻になりました
季邑 えり
恋愛
「勃った……!」幼い頃に呪われ勃起不全だったルドヴィークは、お飾りの妻を娶った初夜に初めて昂りを覚える。だが、隣で眠る彼女には「君を愛することはない」と言い放ったばかりだった。
『魅惑の子爵令嬢』として多くの男性を手玉にとっているとの噂を聞き、彼女であれば勃起不全でも何とかなると思われ結婚を仕組まれた。
淫らな女性であれば、お飾りにして放置すればいいと思っていたのに、まさか本当に勃起するとは思わずルドヴィークは焦りに焦ってしまう。
翌朝、土下座をして発言を撤回し、素直にお願いを口にするけれど……?
冷徹と噂され、女嫌いで有名な辺境伯、ルドヴィーク・バルシュ(29)×魅惑の子爵令嬢(?)のアリーチェ・ベルカ(18)
二人のとんでもない誤解が生みだすハッピ―エンドの強火ラブ・コメディ!
*2024年3月4日HOT女性向けランキング1位になりました!ありがとうございます!
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?
柊 来飛
恋愛
ある日現実世界で車に撥ねられ死んでしまった主人公。
しかし、目が覚めるとそこは好きなゲームの世界で!?
しかもその悪役令嬢になっちゃった!?
困惑する主人公だが、大好きなヒロインのために頑張っていたら、なぜかヒロインの兄に溺愛されちゃって!?
不定期です。趣味で描いてます。
あくまでも創作として、なんでも許せる方のみ、ご覧ください。
【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜
まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください!
題名の☆マークがえっちシーンありです。
王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。
しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。
肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。
彼はやっと理解した。
我慢した先に何もないことを。
ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。
小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる