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第二章 アメリカ・本土

第7話 サンフランシスコ・美しい田舎町

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 サンフランシスコにやって来ました。
 バンクーバーを出発してから西海岸の街や草原の田舎町を経由して、久しぶりのサンフランシスコである。早速観光案内所を訪ねてみる。確かに見覚えがある。ここからケーブルカーに乗った事があった。
 案内係の日本女性にYMCAの場所を尋ねてみたら、もっと安くて良いホテル ”Olympic Hotel" を紹介してくれた。騙されたと思って訪ねてみる。案の定建物は古かったが部屋は清潔であった。
 部屋に落ち着いた後7年前を思い出しながら、チャイナタウン、日本人町を歩いてみる。日本人町は見覚えのない建物が随分見られた。新しく建てられたのだろうか? 

 2日目からはサンフランシスコをベースに近隣の ”美しい田舎町” を観て周る事にしていた。日本から持参のガイドブック『世界の美しい田舎町』を携帯してのブラブラ歩きである。

 Golden Gate Bridge (金門橋)を渡って、対岸にあるサウサリートにまずは行ってみよう。バス停が見つからないのを気にせず歩いてみる。異国の都会の匂いを嗅ぎながら歩くのも満更でもない。
 夜のサンフランシスコのネオン街で『思い出のサンフランシスコ』を聴きながら、二人でワイングラスを傾けるのはロマンティックであろうが、ジーンズでソロではちょっと…。

 霧の金門橋を渡るのは良い気持ちだったが、下を見下ろすと引き込まれそう。4時間かけてサウサリートに着いた時はさすがに脚は棒になり町の景観を楽しむ余裕はなかった。快晴のサウサリートとは逆に対岸のサンフランシスコは霧でボ~っと霞んで見える。
『世界の美しい田舎町』ではスポーツ感覚の町との触れ込みであったが、港見学の観光地のよう。道路は混んでいて狭くああり美しいとは思えない。
 夕食は日本レストラン ”姫” で食べたが、ボリュームの割には安いようだ。

 サンフランシスコ3日目はオークランド、バークレーを訪ねてみる事にした。
 オークランドへはグレイハウンドバスを利用する。ジャックロンドンスクェアー、ロンドンヴィレッジ、その他に博物館、湖を見て周った後、ジャックロンドン縁の酒場 ”First and Last Chance” に入ってみる。
 ジャックロンドンは地元で著名な作家らしい。
 床やカウンターが傾いている。何故だ? 壁には古い写真、天井には古い名刺がいっぱい貼られている。ウェイトレスのおばさんは話好きのようなので訊いてみたかったが大勢の客でチャンスがなかった。『First and Last Chance』なのに。
(ネットで調べてみると、床が傾いているのは地震の影響らしい。そのままにしてあるのが大らかで、アメリカらしい。)

 夕方、地下鉄でバークレーに行ってみる。カリフォルニア大学・バークレー校はキャンパスは広く、緑豊かだ。流石にアメリカを代表する大学だ。だが、大学の周辺はあまり美しいとは言い難い。少し離れると美しくなった。日本も同じとは思うが、頭が優秀なのと人間性が優秀なのとは違うのであろう。

 帰りはオークランドで入手した地図がイマイチで道に迷いながら何度も道行く人に尋ねながらやっと帰れた。

 翌日、”美しい田舎町” の第3弾は、モントレー、カーメル。モントレー経由でカメールに到着したが、モントレーでもたついて1時間半遅れで到着。観光案内所で無料のマップ付きの新聞が入手できたのは有難い。
 カメールは芸術の町である。町並みは確かに美しい。それにしても観光客が多い。小さな町なので歩くに時間はかからない。オフシーズンに訪れると良いかもしれない。

 モントレーに戻った後フィッシャーマンズワーフ(漁夫の波止場)を散策してみた。こちらもまた観光客が多い。それでも歩行者のみなので歩き易い。
 港ではザリガニらしき生物が後ろ向きに泳いでいた。人間がマネをしたらどんな泳ぎになるだろうか? クロールの姿勢で、脚を閉じ、腕を背泳ぎのように回すのかな? いつか一度試してみよう。

 サンフランシスコ周辺の ”美しい田舎町” 巡りはここまでである。
 明日からは国立公園、大西部が中心の本来の自分らしい旅になる。楽しみだ。待ってろよ。
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