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EX07
日光事変02
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このストーリーは作者が勝手に妄想した路線や電車、バスなどを題材にした“妄想小説”です。
作品内に登場する各鉄道事業者や路線名、列車名などは全て“妄想”です。どんなに現実世界に似ていても一切の関係はありません。全て“妄想”です。
決して各事業者や関係者へのお問い合わせは行わないでください。
それによりトラブルが発生したとしても当方は一切の責務を負いません。
あくまで“妄想”であることをご理解いただきお読み下さい。
■日光事変02
JRの発表から3ヶ月。早くも新型特急のイメージCGが公表された。
それは意外にもサフィール踊り子とは全くイメージが異なる“赤い”特急だ。
以前485系特急車を使った“会津ディストネーション”仕様の赤ベコを彷彿とさせるといえばイメージできるだろうか?
ただ、全体が真っ赤だった485系とは違い、E261系にフィットした配色になっていた。
ベースは赤というよりマルーンに近い。655系に赤紫を混ぜた気品を感じる臙脂色と言える。
窓周りは様々なパターンのグレー塗装で、この部分はE261系の雰囲気を残している。
そして一番の相違が先頭部分から立ち上がり、肩部を貫くオレンジ色のラインだった。
日光カーマインと名付けられた赤よりのオレンジで、日本的にいえば“朱色”の部類に入る。
この色は現行直通特急253系1000番台のオレンジよりやや赤いが、日光東照宮の神橋の色はこちらがより近いのだ。
東武N100系が東照宮陽明門の白をベースにしたのに対し、E261系1000番台は日光そのものと言っていい“朱”を選んだ。好対照とも見られがちだが、JRの企画部によると日光だけでなく会津を強く意識したという。
通常1往復しか運行しない“日光”もしくは“きぬがわ”用に2編成増備する目的は、臨時列車としてJR日光駅に向かう“リゾート日光”や磐越西線経由の“あいず“としても運用することだ。
あいずはともかく、東武日光駅とJR日光駅の両方に同じ車両、しかも列車名も同じというのが微妙なところだ。
「なるほど。車体構体はそのままで、天窓も残ってるんですね」
「唯一違うのが普通車が追加されたことね。そのため初めてモハE261とモハE260が新形式として開発されたけど、車体自体はモロと変わりなくシートだけが2+2配列になるらしいわ」
JR E261系サフィール踊り子は全車グリーン車なので、開放室も2+1の豪華なシートが並んでいる。
今回の東武直通特急への採用に関しては普通車とはいえ、東武N100系スペーシアXに合わせて、E353系のグリーン車用シートを流用するらしい。
「シートピッチは1100mm、床もカーペット敷きなので設備的に劣ってるところはないそうよ」
「すごいですね。今までの253系からはかなりのグレードアップですね」
「そうね。これで直通の料金ができる限り安く抑えてくれれば言うことないんだけどね」
そうは言いつつ、“かなり上がるんだろうなぁ”と心の声が聞こえてますよ、奈美さん(笑)
そして発表から1年が過ぎたある日。
「奈美さん動画見ましたか?」
「E261系1000番代の?」
「そうです。甲種輸送の動画ですよ」
「あ、それ甲種じゃないわよ。正確には配給輸送なのJR車だからね」
「あ、そうか。タイトルに“甲種”って書いてあったから気付きませんでした」
「それにしても早かったですね。CGが公開された時は2年以内に運用開始できるとは思ってませんでした」
「まあ車両設計は最小限で済んだからね。かえって内装に集中できたから、仕上がりが楽しみね」
奈美さんの言う通り、JRの企画部は東武N100系スペーシアXと限りなく共通化させるために、相応の努力をしたそうだ。
そして日光・鬼怒川・会津地方の活性化のための鏑矢になるべく最高設備を奢った。
「報道公開が楽しみですね」
「そうね。東武以外でこれほどワクワクしたのは久しぶりだわ」
奈美さんは満面の笑顔で答えたが…“これも東武絡みですよね”と思ったのは言わずにいた。
<続く>
作品内に登場する各鉄道事業者や路線名、列車名などは全て“妄想”です。どんなに現実世界に似ていても一切の関係はありません。全て“妄想”です。
決して各事業者や関係者へのお問い合わせは行わないでください。
それによりトラブルが発生したとしても当方は一切の責務を負いません。
あくまで“妄想”であることをご理解いただきお読み下さい。
■日光事変02
JRの発表から3ヶ月。早くも新型特急のイメージCGが公表された。
それは意外にもサフィール踊り子とは全くイメージが異なる“赤い”特急だ。
以前485系特急車を使った“会津ディストネーション”仕様の赤ベコを彷彿とさせるといえばイメージできるだろうか?
ただ、全体が真っ赤だった485系とは違い、E261系にフィットした配色になっていた。
ベースは赤というよりマルーンに近い。655系に赤紫を混ぜた気品を感じる臙脂色と言える。
窓周りは様々なパターンのグレー塗装で、この部分はE261系の雰囲気を残している。
そして一番の相違が先頭部分から立ち上がり、肩部を貫くオレンジ色のラインだった。
日光カーマインと名付けられた赤よりのオレンジで、日本的にいえば“朱色”の部類に入る。
この色は現行直通特急253系1000番台のオレンジよりやや赤いが、日光東照宮の神橋の色はこちらがより近いのだ。
東武N100系が東照宮陽明門の白をベースにしたのに対し、E261系1000番台は日光そのものと言っていい“朱”を選んだ。好対照とも見られがちだが、JRの企画部によると日光だけでなく会津を強く意識したという。
通常1往復しか運行しない“日光”もしくは“きぬがわ”用に2編成増備する目的は、臨時列車としてJR日光駅に向かう“リゾート日光”や磐越西線経由の“あいず“としても運用することだ。
あいずはともかく、東武日光駅とJR日光駅の両方に同じ車両、しかも列車名も同じというのが微妙なところだ。
「なるほど。車体構体はそのままで、天窓も残ってるんですね」
「唯一違うのが普通車が追加されたことね。そのため初めてモハE261とモハE260が新形式として開発されたけど、車体自体はモロと変わりなくシートだけが2+2配列になるらしいわ」
JR E261系サフィール踊り子は全車グリーン車なので、開放室も2+1の豪華なシートが並んでいる。
今回の東武直通特急への採用に関しては普通車とはいえ、東武N100系スペーシアXに合わせて、E353系のグリーン車用シートを流用するらしい。
「シートピッチは1100mm、床もカーペット敷きなので設備的に劣ってるところはないそうよ」
「すごいですね。今までの253系からはかなりのグレードアップですね」
「そうね。これで直通の料金ができる限り安く抑えてくれれば言うことないんだけどね」
そうは言いつつ、“かなり上がるんだろうなぁ”と心の声が聞こえてますよ、奈美さん(笑)
そして発表から1年が過ぎたある日。
「奈美さん動画見ましたか?」
「E261系1000番代の?」
「そうです。甲種輸送の動画ですよ」
「あ、それ甲種じゃないわよ。正確には配給輸送なのJR車だからね」
「あ、そうか。タイトルに“甲種”って書いてあったから気付きませんでした」
「それにしても早かったですね。CGが公開された時は2年以内に運用開始できるとは思ってませんでした」
「まあ車両設計は最小限で済んだからね。かえって内装に集中できたから、仕上がりが楽しみね」
奈美さんの言う通り、JRの企画部は東武N100系スペーシアXと限りなく共通化させるために、相応の努力をしたそうだ。
そして日光・鬼怒川・会津地方の活性化のための鏑矢になるべく最高設備を奢った。
「報道公開が楽しみですね」
「そうね。東武以外でこれほどワクワクしたのは久しぶりだわ」
奈美さんは満面の笑顔で答えたが…“これも東武絡みですよね”と思ったのは言わずにいた。
<続く>
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