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51話
しおりを挟む妖精さんはクリームとイチゴを食べ、残りは俺がいただきました。バーガーの意味!!
妖精さんは「満腹~満腹~」と今にも寝てしまいそうだ。
俺はまるで宝具でも出すかの如く、ちほのスマホを取り出し見せた。
『と、盗ったのか? 嘘じゃろ?』
まさかの泥棒さん扱い。いったい俺をなんだと思っているんだ!! 人の物を取ったりしません!!
──状況説明完了!
『ぶっ飛んでるのぉ~。二人だけでエデンにでも行くつもりか』
呆れるを通り越して笑ってしまっている。エデンの園とは、いい例えをしてくれる。
『もう学校辞めて二人で暮らしたらどうじゃ~』
『ちょっ、何言ってるの?!』
妖精さんは首を傾げつつも、ニヤニヤしていた。なんと言うか、おちょくられている感じだ。
でも、一理あるから怖い。このままでは高校を卒業した先に俺の未来はない。だったらいっそ。……いっそ?
まんざらでもない顔をしたせいか、妖精さんからドッと深いため息が漏れる。
『白石に近付け。とにかく白石への足掛かりを掴め。それが出来ないなら、もう知らん!!』
少し怒ってみせる妖精さんの唇には、クリームが付いていた。良く見ると鼻にも。
まったく。だらしないんだから。
俺はウェットティッシュでそっと拭きとった。
『ば、ばかもーーん! あとで食べようと思ったのに、あとで舐めようと思ったのにぃぃぃぃ!!』
冗談だよね……?
『弁償しろーー!! ばかもーーん!』
地団駄を踏んで悔しがる姿をみて、優しさだと気付いた。
『もういい、じゃあそのスマホを貸せ!! それで勘弁してやる!!』
ほら来た。本当にすごいなぁ。なんでもお見通しだ。
妖精さんにスマホを丸投げする理由が出来た。
つっかえていた事への言い訳が出来た。
全部わかっててそれに甘える。
妖精さん。本当にいつも、ありがとう。
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