ねえねえ、あのねあのね、聞いて‼︎ わたしの右手にはね、邪神龍が眠ってるの! ガォー!

「くらえ! おっにいちゃん! スッペシャル超電磁カルシウムぅぅ邪神龍ビーム!」

「ぐはぁ、やーらーれーたー!」

「えへへ。カリンつおい! さいきょー!」

 うちの妹はとんでもない厨二病だ。
 とは言えまだ9歳。厨二病と言うのはいささか語弊がある。
 しかし、ある日を境に妙に大人っぽくなった。

 そして、神妙な面持ちで聞いてほしいことがあると言われる。

「お兄ちゃん。わたしの右手にはね、邪神龍が眠ってるの」

 ズコー! それ、毎日言ってたやつ!
 何を今更そんなシリアス風吹かせながら言ってるの!

 と、思っていたけど……。

 うちの妹は異世界帰りを自称し始めたんだ。

 その日を境に、俺の生活は一変する。
 ミステリアスでミステイクな日常に、少しづつ侵されていく事となる。
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