姉ちゃん 俺、やったで

第2章 繋げよう、俺が

事故…？

母親とタクシーに乗り、急いで2人が運ばれた病院へ向かった。母親の話では、父親の車に父親・姉ちゃん・チームメイト３人が乗車していたらしい。交差点を通行しようとした時に、信号無視した車が横から父親の車に突っ込んできたらしい。心配で胸がはち切れそうな気持ちだった。きっと俺以上に母親は辛い気持ちだっただろう。でも、頭の中は何故か落ち着いていた。
「事故…事故…事…故……じこ………じこ？」
先程にも書いたが、人は突然の出来事が起こると、わけがわからないことを考えだす。事故と言う言葉の意味が段々と分からなくなっていた。

病院に到着するとすぐに父親と会う事が出来た。父親は数カ所を骨折はしていたが、命に別状はなかった。安心した俺は気軽な気持ちで父親に尋ねた。
「ねぇ、姉ちゃんは何処にいるの？」
父親の顔は一瞬で暗くなった。母親は何かを察していたようで目が少しずつ濡れていった。「何で答えないんだろう？早く教えて欲しいのに。」俺はそんな事しか考えていなかった。