姉ちゃん 俺、やったで

松根倖生

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第1章 姉ちゃんとの思い出

泣き虫王介

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「王介、あんた男の子でしょ!もう泣かないの!!」
「だってぇ、ユウトくんがぼくのおもちゃ返してくれなかったんだもん…」
「あんたが  って言わんからやろ!男の子なんだからもっと強くならんとダメだよ!!だから泣き虫王介って呼ばれるんだよ!」
「うん…分かったよ姉ちゃん…」
3歳ぐらいの夕日が沈み出す頃、繋いだ手から姉ちゃんの厳しさと優しさを感じた。

2000年 7月7日 長野県梅本市
白黒はっこく家の長男、姉弟きょうだいとしては2番目に生まれた。皆を引っ張っていけるの様な存在、そして誰かを助けれる男の子に育ってほしい。そういう意味を込められて王介と名付けられた。
姉の美和は2歳上で、困っている人がいたら見過ごせない正義感の強い姉ちゃんだった。それに比べて俺は、人見知りで引っ込み思案な子供だった。おまけに身体が他の同級生に比べて凄く小さくすぐに泣いてしまう。そんな様子から 泣き虫王介 と同級生から言われていた。そんな俺をいつも助けてくれたのが姉ちゃんだった。
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