不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター

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130.俺の居場所へと  

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「――言っとくけどな! 俺達は二人の関係を認めるけど認めねぇからな!」


「「「「そうだ! そうだ!」」」」


「……どっちだよそれ」


 しばらくのズボン会議のあと、モージーズーを筆頭に仁王立ちする仲間達にボスは呆れた顔をする。


「うるせー! あんた俺達のボスだろ! 坊ちゃんだろ!? ならこの複雑な俺達の心境を察してくれよ!」


「嫌。おいツキこれに履き替えとけ」


「はいっす!」


 ポイッとボスから投げ渡されたズボンをキャッチし、岩の影に隠れていそいそとズボンを履き替える。


「うおーーん!! 純粋無垢でお馬鹿可愛い俺達のツキがボスに汚される!」


「お゛い」


「坊ちゃんよぉ、付き合えたからってすぐにツキにえちちなことするのは許さねぇからな! 婚前交渉なんてもっての外だ! あとキスもダメ! 口じゃなきゃいいだろとか屁理屈言いそうだから言うけどどこにしてもダメだからな!」


「そうだ! あと必要以上にツキにくっつくのもダメだ! 坊ちゃんが我慢できるわけないし、手を繋ぐのもギリアウトでダメだ」


「必要以上ってことは距離どんくらいまでならオッケーにする? こんくらい?」


「いや、もっと保険をかけてもう少し離して――」


「……お前ら頭大丈夫か? 気持ち悪りぃんだけど」


「「「「「正常だ! 俺達の息子を簡単にはやらん!!」」」」」


「よいしょっす!」


 ズボンを履いてボス達を見れば、仲間達がグイグイボスを押して遠くの方に連れて行こうとしていた。それをボスはすっごく嫌そうに見て、引いている。ちなみにその中の一人はパンツ丸出しだ。「ボスほらこっち!」と言いながらボスを引っ張っている。


「ツキ! 履き終わったら来い!」


 じっとボス達を見ていたらボスに呼ばれた。


「は、はいっす! ちょっと待ってくださいっす」


 俺は慌てて引き摺りそうになっているズボンを引っ張り上げ、次に裾を巻き上げた。だが、すぐにずれ落ちてしまう。今度はお腹周りを絞めようとするも……


「……」


 ちょっと大き過ぎるっす……


「ボス……これお腹大きくてすぐズレちゃうっす」


「ああ? おいディート。太りすぎだって言われてんぞ」


「ボスひでぇ!!」


「「「「はははははは!」」」」」


 みんなが笑う中、ズボンの胴回りを結ぶ。それでも、すぐにズレ、捲った裾も落ちる大きいなズボンを引っ張り上げ、踏まないよう気をつけながらペタペタと歩き出した。


「っ!」


 顔を上げれば、ボス達みんなが俺を待ってくれていた。「早くこいよ」と笑顔で俺を呼んでくれている。そんな光景に息が詰まって胸が熱くなった。


 震える唇をギュッと引き結ぶ。そして、浮かんだ涙をサッと袖で拭うと、俺は笑顔でボス達の元へと幸せな居場所へと駆けた。


「ボスー!!」



 ーー


「……いいなぁ、楽しそうで」


「まぁ、俺達はずっとこうだからなぁ。フレイ君もいつかはあの輪に入れそうな気がするけど?」


「……別に入りたくなんかないし」


「ふっ、そっか。フレイ君も素直じゃないなぁ。――ま、今日のこと反省しない限り絶対無理だもんな」


 ギリ


「ぐぇっ……ごめんなさい。(やっぱすごく怒ってる。お腹苦しいよぉ)……グスン」


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